JP2545576C - - Google Patents

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JP2545576C
JP2545576C JP2545576C JP 2545576 C JP2545576 C JP 2545576C JP 2545576 C JP2545576 C JP 2545576C
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resin
film
nylon
thermoplastic resin
gas barrier
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株式会社ジェイ エス ピー
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、透明性及びガスバリヤー性に優れた熱可塑性樹脂フィルム及びその
製造方法に関するものである。 〔従来の技術及びその問題点〕 従来よりポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の熱可
塑性樹脂を押出機よりTダイ等を通して押し出し、フィルムに成形することは広
く知られている。このフィルムは、真空成形機等により、包装材料や容器等に成
形される。しかし、前記の如き熱可塑性樹脂は一般にガスバリヤー性に劣る為、 容器の保香性が劣るという欠点がある上、酸素ガスが侵入し、内容物が腐り易く
、保存期間を長くできないという欠点を有していた。 かかる欠点を改良するため、両表面層が熱可塑性樹脂、中間層がガスバリヤー
性樹脂、両表面層と中間層との間が接着性樹脂層よりなる5層フィルムも開発さ
れている。しかし、このような5層積層フィルムの場合、その製造装置が複雑に
なる上、均一な多層成形が困難で、かつ適当な接着材料の選択が難しい等の問題
がある。 一般に、ポリオレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹脂とは相互に全く接着性が
ないため、両者の積層フィルムを得るには、中間に接着層を介在させる必要があ
り、熱可塑性樹脂、ガスバリヤー性樹脂の他に接着材樹脂が必要となる。従って
、このような3種の溶融樹脂を押出すためには、押出機が3台必要となる。又、
3種の溶融樹脂を、前記した如き5層からなるガスバリヤー性積層フィルムとす
るには、5層に分配積層する積層装置が必要であるが、この5層の積層装置は非
常に複雑で高価であるばかりでなく、この高価な積層装置を使用しても、3種類
の樹脂の溶融粘度の差、樹脂圧力の差等により、均一な5層構成のフィルムを安
定して得ることはむつかしく、高度の運転技術が要求される。すなわち、3種類
の熱可塑性樹脂が合流する時、各々の粘度、圧力、流速がほぼ均一でないと、フ
ローマークの発生、肉厚の不均一、ガスバリヤー性樹脂層の分布不均一等の問題
が発生する。 さらに、ポリオレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹脂の組合せによっては、適
当な接着材がまだ見つかっていないものもある。現にポリエチレンとメタキシレ
ン基含有ポリアミド樹脂(以下MXナイロンと略す)の場合、適当な接着材はま
だ見つかっていない。一方、ポリオレフィン系樹脂にガスバリヤー性樹脂を少量
単純に押出機のスクリューにてブレンドした場合は、ガスバリヤー性樹脂が微細
粒子状でポリオレフィン系樹脂に分散するため、ポリオレフィン系樹脂とガスバ
リヤー性樹脂の混合比によって、直線的にガスバリヤー性が変化するだけである
。さらに、このブレンドフィルムの場合、分散している微細粒径が大きいものか
ら小さいものまで巾広く分布し、粒径が可視光線の波長と近いものが多数存在す
るため、その粒子により可視光線が散乱し、白濁したフィルムとなる。 多層フィルムにおいては、そのガス透過係数は次式によって決まる。 1/P=n1/P1+n2/P2 (1) P :多層フィルムのガス透過係数 P1:ポリオレフィン樹脂のガス透過係数 P2:ガスバリヤー材のガス透過係数 n1:ポリオレフィン樹脂の全厚に対する割合 n2:ガスバリヤー材の全厚に対する割合 n1+n2=1 従って、多層フィルムの場合は、全厚中にごく薄いガスバリヤー層が存在する
だけで、急激なガスバリヤー効果のあるフィルムが得られる。ポリオレフィン系
樹脂とガスバリヤー性樹脂とのガス透過係数の比が大きければ大きい程その効果
は顕著である。ガスバリヤー材の厚みを変えて、多層フィルムのガス透過性を測
定すると、第1図の曲線1のようになる。一方、単純混合樹脂フィルムでは、第1
図の曲線2のようになる。これらの図より、ガスバリヤー性樹脂を同量使用した
場合、多層フィルムの方が単純混合樹脂フィルムよりもガスバリヤー効果のある
ことが解かる。 ガスバリヤー材はポリオレフィン系樹脂に比べ高価なためにその使用量は少な
い方が良く、そして、多層構成にすれば少ない量で十分なガスバリヤー性が得ら
れる。 〔目的〕 本発明の目的は、熱可塑性樹脂と少量のガスバリヤー性樹脂とを特殊な混合状
態とすることにより透明性及びガスバリヤー性に優れるフィルムの製造方法を提
供することにある。 〔問題を解決するための手段〕 本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネートか
ら選ばれる基材熱可塑性樹脂A99〜75vol%と、エチレン−酢酸ビニル共
重合体のケン化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン
、ポリアクリロニトリル共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、MXナイロン
から選ばれる補助熱可塑性樹脂B25〜1vol%とを別々に溶融後両樹脂を合
させ、次いで、スタティックミキサーに通し、得られた樹脂流を中間層とし、そ
の両面に基材熱可塑性樹脂Aと同一ないし同種の溶融状態の樹脂を層状に接触さ
せ、全体を一体にフィルム化することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造
方法が提供される。また、本発明によれば、及びポリオレフィン系樹脂、ポリス
チレン、ポリカーボネートから選ばれる基材熱可塑性樹脂A99〜75vol%
と、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、エチレン−ビニルアルコール共
重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル共重合体、ナイロン6、ナ
イロン6,6、MXナイロンから選ばれる補助熱可塑性樹脂B25〜1vol%
とを別々に溶融後両樹脂を合流させ、次いで、スタティックミキサーに通し、フ
ィルム化するとともに、該フィルムを中間層とし、その両面に基材熱可塑性樹脂
Aと同一ないし同種の樹脂からなるフィルムを熱圧着することを特徴とする熱可
塑性樹脂フィルムの製造方法 が提供される。 本発明により得られるフィルムは、二つの樹脂からなる混合樹脂フィルムであ
るにもかかわらず、基材樹脂Aの補助成分として配合した補助樹脂Bはそのフィ
ルム内に複数の分散されたフィルム状又はテープ状で存在するので、実質上両樹
脂により構成される多層フィルムと同等の作用効果を示すものである。 一般に、2種類の熱可塑性樹脂A,Bを押出機のスクリューにて加熱溶融混合
した場合の相分布を顕微鏡で見ると、第2図に示すように、基材樹脂Aをマトリ
ックスとし、その中に添加樹脂Bが粒子状で混合分散した状態になる。また、樹
脂Bの粒子直径dの分布状態は第3図に示すように分布巾が広い状態となる。よ
ってスクリューで混合した場合は、ヘイズの原因となる直径10分の1ミクロン
から10ミクロン位までの樹脂B粒子が必ず多数存在することとなる。即ち、こ
のような混合状態の樹脂から形成されたフィルムは添加樹脂Bのために白濁を生
じる。 これに対して、本発明により得られるフィルムの場合には第4図に示したよう
に、補助樹脂Bは基材樹脂A中に複数の分散されたフィルム状又はテープ状で存
在する。そして、補助樹脂Bはフィルム面に沿ってほぼ平行の状態で存在する。
フィルム上方から見た樹脂Bからなる層状物の巾hは、第5図に示すような分布
状態になり、hの分布巾は非常に狭くなる。 前記した如きフィルム内に多層構成を有する本発明のフィルムは、基材樹脂A
と補助成分としての補助樹脂(B)(又は添加樹脂B)をそれぞれ溶融状態で押
出し合流させた後、スタティックミキサーで両者を混合し、環状ダイ又はTダイ
を通してフィルム化することによって得ることができる。 スタティックミキサーには種々の構造のものが存在するが、本発明で使用され
るスタティックミキサーとは、駆動部のない静的混合器であり、パイプ内に四角
状の板を右方向に180°ねじり曲げた右エレメントと左方向に180°ねじり
曲げた左エレメントを交互に多数配設した構造を有するものである。 このスタティックミキサーの説明図を第6図に示す。第6図において、1はパ
イプを示し、2は右エレメント、3は左エレメントを示す。流体は矢印方向に流
通していくうちに混合される。このスタティックミキサーを用いる場合、流体は
次の3つの作用を受けて混合される。 (1)流体の分割 流体は1つのエレメントを通過するごとに2分割され、分割数をS、エレメン
ト数をnとすると、S=2の関係が成立する。 (2)流れの反転 右エレメントと左エレメントが交互に配置されていることから、各エレメント
を通過するごとに流れが反転する。 (3)流れの転換 エレメントのねじれ面に沿って、中心部より壁部へ、壁部より中心部へと流れ
が移動する。 本発明において、樹脂Aと樹脂Bを溶融状態で合流させ、これをスタティック
ミキサーを通過させる時には、第4図に示したように、補助樹脂Bは基材樹脂A
中に複数の分散されたフィルム状又はテープ状で存在し、フィルム状又はテープ
状の形状体の長軸方向は樹脂の流れ方向と一致する。また、フィルム状物又はテ
ープ状物の形状体の巾hは、エレメント数とパイプの内径によりコントロールさ
れ、この巾hをコントロールすることにより、ヘイズがなく透明性にすぐれたフ
ィルムを得ることができる。本発明の場合、スタティックミキサーのエレメント
数nは、5〜15、好ましくは8〜12であり、パイプの内径Dは、10〜50 mm、好ましくは20〜40mmである。また、層状物の幅hは通常10〜10
000μm、好ましくは100〜1000μmである。 次に、フィルムのガスバリヤー性について述べる。 一般に、ポリオレフィン系樹脂に比較すると、ナイロン、エチレン/ビニルア
ルコール共重合体等のガスバリヤー性樹脂は、数十倍から数千倍のガスバリヤー
性がある。ポリエチレンとMXナイロンの酸素透過係数の比は約600倍である
。ポリエチレンとMXナイロンのスクリューによる混合の場合は、第2図に示し
たように、MXナイロンは粒子状で分散されているため、ガスはポリエチレン内
をスムースに拡散できるので、ガスバリヤー性はMXナイロンの混合比に従って
、直線的に変化するだけである。しかし、スタティックミキサーによる特殊混合
の場合は第4図に示すように、MXナイロンはフィルム状又はテープ状で分散し
ているため、ガスはスムースには透過できず、多層フィルムと同等のガスバリヤ
ー性能が得られる。すなわち、ポリエチレンとMXナイロンのスタティックミキ
サーによる特殊混合の場合は、MXナイロンを10vol%の配合にしただけで
、前記(1)式より、 1/P=0.9/Po+0.1/Po/600 の関係式が成立し、P=Po/60.9となり、約61倍のガスバリヤー性が得
られる。 本発明による特殊混合樹脂層よりなるフィルムの場合は、その両面に添加した
樹脂Bが存在するようになるが、この場合、樹脂Bが表面に露出すると、フィル
ムの表面状態が良くない、樹脂Bが吸湿性のものであるとその樹脂Bの吸水や結
晶化が起る等の不都合が発生する可能性がある。従って、このような不都合を回
避するために本発明においては、そのフィルムを中間層として、その両面に樹脂
Aと同一又は同種の樹脂Aからなるフィルムを外層として積層接着させる必要が
ある。この場合、そのフィルム間の相互の接着は、それらフィルムが同一又は同
種の樹脂からなるため容易かつ強固に行うことができる。一般に、特殊混合樹脂
層よりなるフィルム中のマトリックス樹脂Aの割合が60vol%以上あれば十
分な接着が達成される。 本発明で使用する基材熱可塑性樹脂Aは、ポリエチレン、ポリプロピレンそれ らの共重合体等のポリオレフィン系樹脂の他、ポリスチレン、ポリカーボネート
、から選ばれる樹脂である。 また本発明で使用される補助樹脂Bは、MXナイロンの他、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、ポリアクリロニトリル共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6から
選ばれるガスバリヤー性樹脂である。 前記MXナイロンとしては、例えば、メタキシリレンジアミン単独又はメタキ
シリレンジアミン及び全量の30%以下のパラキシリレンジアミンを含む混合キ
シリレンジアミンと、炭素数6〜10のα・ω−脂肪族ジカルボン酸とから得ら
れる構成単位を少なくとも70モル%以上含有する重合体が挙げられる。 これらの重合体の例としては、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシ
リレンセパカミド、ポリメタキシリレンスペラミド等のような単独重合体、メタ
キシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリ
レンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシレンナゼラミド共重合体の
ような共重合体及びこれらの単独若しくは共重合体の成分と、ヘキサメチレンジ
アミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジンのような脂環式ジアミン、パラ−ビ
ス−(2−アミノエチル)ベンゼンのような芳香族ジアミン、テレフタル酸のよ
うな芳香族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムのようなラクタム、ω−アミノヘ
プタン酸のようなω−アミノカルボン酸、パラ−アミノ安息香酸のような芳香族
アミノカルボン酸等との共重合体を例示することができる。 補助樹脂Bの配合量は、樹脂Aと樹脂Bとの混合物に対し、1〜25vol%
の添加により十分なガスバリヤー性を有するフィルムを得ることができる。 次に、第7図に本発明の混合樹脂層からなるフィルムを製造するための装置を
模式的に示す。第7図において、10は基材樹脂Aの押出機、11は補助樹脂B
の押出機、12はスタティックミキサー、13はTダイ、14,15は冷却ロー
ル、17はフィルムを示す。 この装置においては、押出機10及び押出機11よりそれぞれ樹脂A及び樹脂
Bが溶融状態で押出され、これらの樹脂は通路Pで合流し、スタティックミキサ
ー12で混合され、そしてTダイ13からフィルム状に押出される。このフィル ムは冷却ロール14,15で冷却された後、ロール16で案内され、製品フィル
ム17とされる。 また、第8図に本発明のフィルムの両面に別のフィルムを積層接着させた構造
の積層フィルムの製造装置の模式図を示す。第8図において、押出機10及び1
1から溶融状態の樹脂A及び樹脂Bがそれぞれ押出され、これらの樹脂は通路P
で合流した後、スタティックミキサー12で混合され、積層装置20に送られる
。一方、押出機10からの樹脂Aの一部は、通路19を通って積層装置20に送
られる。積層装置20では、樹脂Aと樹脂Bからなる特殊混合樹脂層の両面に樹
脂Aが層状で積層され、この積層物はTダイ13によりフィルム化された後、冷
却ロール14,15を通った後、案内ロール16で通常10〜1000μmの厚
みの製品フィルム17とされる。 なお、本発明の積層フィルムは、前記のようにして製造し得る他、本発明の特
殊混合樹脂層からなる中間層の両面に積層用フィルムを重ね、熱圧着することに
よって製造することもできる。 〔作用及び発明の効果〕 本発明の特殊混合樹脂層からなる中間層フィルムの製造は、接着性樹脂や押出
機及び積層装置を必要としないことから、極めて容易である。 また、本発明は、ガスバリヤー性に劣る多量の樹脂Aとガスバリヤー性に優れ
る少量の樹脂Bとを、前記したように、スタティックミキサーを使用して特殊混
合して中間層を形成し、更に中間層の両面に樹脂Aと同一又は同種の樹脂からな
る外層を共押出又は熱融着する工程を採用したことから、透明性及びガスバリヤ
ー性に優れたフィルムが簡単な装置で容易に得られるという利点がある。 また、中間層の両面に、樹脂Bが露出してフィルム状態を悪くしたり、あるい
は樹脂Bが吸湿性の樹脂であったりすると樹脂Bが吸湿したり結晶化が起るなど
の不都合が生じるが、本発明では外層の存在により、そのような不都合が回避さ
れる。 本発明のフィルムの補助樹脂Bとしてガスバリヤー性樹脂を用いたフィルムに
より包装した場合には、酸素が包装体内に入りにくくなり、内容物の長期保存が
可能となり、又、透明性がよいために内容物の状態を外部より観察することがで きる。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。 尚、以下において示した物性の測定方法は、次の通りである。 (1)曇度: 〔(拡散透過光量)/(全透過光量)〕×100(%) *JIS−K−6714又はASTM D883−62Tによる日本電色 工業株式会社製デジタル曇度計NDH−2D使用 (2)酸素透過率: モダンコントロール社製OXTRAN100使用、測定温度20℃、内側 相対湿度100%、外側相対湿度65% 実施例1〜6及び比較例1〜2 第7図に示すような装置を用いて厚さ50μmのフィルムの製造を行った。こ
の場合、熱可塑性樹脂Aとしてポリエチレン(メルトインデックス2.0g/1
0min)又はポリスチレン、補助樹脂Bとしてポリメタキシリレンアジパミド
(以下N−MXD6と略す)又はナイロン6(以下N−6と略す)を用いた。ス
タティックミキサーは内径φ30mmで、そのエレメント数7とした。製造条件
は次の通りである。 (熱可塑性樹脂A押出機) シリンダー内径 :50mm シリンダー温度 :260℃ シリンダー吐出量:10kg/hr (補助樹脂B押出機) シリンダー内径 :30mm シリンダー温度 :260℃ 比較例3 ポリエチレン中にN−6が25vol%になるように原料でブレンドし、ポリ
エチレン押出機より押し出した。尚、スタティックミキサーは取りはずし、補助
樹脂B押出機は停止した。 以上のようにして得られた各フィルムの物性を第1表に示す。 実施例7〜8 第8図に示す装置を用いて、多層フィルムを製造した。この場合、樹脂Aとし
てポリエチレン(メルトインデックス2.0g/10min)及び樹脂Bとして
ポリメタキシリレンアジパミド(N−MXD6)を用いた。また、各押出機の運
転条件は、前記参考例1の場合と同じである。この装置から得られるフィルムは
、中間層がポリエチレンとN−MXD6とからなる特殊混合樹脂層(厚さ:15
0μm)からなり、その両面にポリエチレン層(厚さ:100μm)が積層され
た3層構造のものである(全体の厚さ:350μm)。 比較例4 第8図において、スタティックミキサー12を取除した以外は同様にして3層
構造のフィルムを製造した。 以上のようにして得られた各フィルムの物性を第2表に示す。 尚、実施例7〜8及び比較例4においては、別に同一組成及び同一層比の全厚
みが50μmのフィルムを製造し、このフィルムで曇度及び酸素透過率を測定し
た。
【図面の簡単な説明】 第1図は熱可塑性樹脂とガスバリヤー性樹脂よりなるフィルムに於いて、スク リューによる単純混合単層フィルムと多層フィルムのガスバリヤー性の違いを説
明する図である。第2図は基材樹脂A及び添加樹脂Bの2種類からなる樹脂を押
出機内で加熱溶融混合した場合の基材樹脂A中に分布する添加樹脂Bの状態を示
す説明図である。第3図は単純混合樹脂フィルム中に分散しているガスバリヤー
性樹脂Bの粒子直径の分布状態を表した図である。第4図は、本発明でいう樹脂
Aと樹脂Bの特殊混合状態を表した説明図である。第5図は本発明のフィルム内
に複数の分散されたフィルム状又はテープ状で存在するガスバリヤー性樹脂Bの
幅hの分布状態を表した図である。第6図はスタティックミキサーの説明図であ
る。第7図は本発明の特殊混合樹脂フィルムを製造するための装置の模式図であ
る。第8図は本発明の多層フィルムを製造するための装置の模式図を示す。 1…パイプ、2…右エレメント、3…左エレメント、10…熱可塑性樹脂A押
出機、11…補助樹脂B押出機、12…スタティックミキサー、13…Tダイ、
14,15…冷却ロール、17…製品フィルム、A…基材樹脂、B…補助樹脂。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネートから選ばれる基
    材熱可塑性樹脂A99〜75vol%と、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン
    化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
    ロニトリル共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、MXナイロンから選ばれる
    補助熱可塑性樹脂B25〜1vol%とを別々に溶融後両樹脂を合流させ、次い
    で、スタティックミキサーに通し、得られた樹脂流を中間層とし、その両面に基
    材熱可塑性樹脂Aと同一ないし同種の溶融状態の樹脂を層状に接触させ、全体を
    一体にフィルム化することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 (2)ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネートから選ばれる基
    材熱可塑性樹脂A99〜75vol%と、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン
    化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
    ロニトリル共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、MXナイロンから選ばれる
    補助熱可塑性樹脂B25〜1vol%とを別々に溶融後両樹脂を合流させ、次い
    で、スタティックミキサーに通し、フィルム化するとともに、該フィルムを中間
    層とし、その両面に基材熱可塑性樹脂Aと同一ないし同種の樹脂からなるフィル
    ムを熱圧着することを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。

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