JP2607947B2 - 芯鞘構造系およびそれからなる低誘電率基材 - Google Patents

芯鞘構造系およびそれからなる低誘電率基材

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ガラス繊維ならびにアラミド繊維の特徴を
最大限に利用し得る芯鞘構造糸に関し、さらに、切断し
にくく、低誘電率特性に優れ、さらにカールがなく、平
滑性に優れた低誘電率基材に関するものである。
[従来の技術] 従来、ガラス繊維ならびにアラミド繊維は産業用繊維
糸条や布帛基材として各種の用途に利用されている。特
にガラス繊維は配線基板として使用されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、かかるガラス繊維ならびにアラミド繊維は、
屈曲に対して弱く、製織時に繊維の切断が発生し易く、
毛羽立ち易い欠点を有し、かかる糸条からなる織物は織
物表面の平滑性が乱され、たとえば精密な図柄を描写、
印写することができにくい欠点があった。
本発明は、ガラス繊維やアラミド繊維の有する性能を
100%発揮する糸を提供するばかりではなく、さらに正
確かつ精密な図柄を描写または印写が可能な平滑性なら
びに耐カール性に優れた低誘電率基材を提供せんとする
ものである。
すなわち、本発明は製織時ならにびに実用時において
耐屈曲性のある切断や毛羽立ちしにくい、平滑性に富む
特徴を有する上に、カールしにくい、優れた低誘電率基
材を提供せんとするものである。本発明の低誘電率基材
は防汚性、防塵性、易滑性ならびに制電性に富み、たと
えば電気的用途、特にプリント配線板用積層板などの精
密な図柄が要求される用途に有用な素材である。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するために次のような構成を
有する。
すなわち、本発明の芯鞘構造糸は、ガラス繊維および
アラミド繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維で構成
された芯部と、該芯部を少なくとも部分的に被覆するフ
ッ素系樹脂からなる鞘部とで構成されていることを特徴
とするものであり、また、本発明の低誘電率基材は、ガ
ラス繊維およびアラミド繊維から選ばれた少なくとも1
種の繊維で構成された芯部を、少なくとも部分的に被覆
するフッ素系樹脂からなる鞘部とで構成されている芯鞘
構造糸を、経糸および緯糸の少なくとも一方に使用して
なる織物で構成されていることを特徴とするものであ
り、さらに、また、織物基材であって、該織物が、ガラ
ス繊維およびアラミド繊維から選ばれた少なくとも1種
の繊維で構成された芯部と、該芯部を少なくとも部分的
に被覆するフッ素系樹脂からなる鞘部とで構成されてい
ることを特徴とするものである。
[作用] 本発明は、ガラス繊維やアラミド繊維のもつ優れた物
理特性を100%活用するために、これらの繊維を芯部に
用いて、この芯部をフッ素系樹脂で被覆した糸にするこ
とにより、これらの繊維の欠点である切断や毛羽立ちが
効果的に押えられ、製織時や実用時にも切断や毛羽立ち
を制御する上に、耐カール性に優れた基材を提供するば
かりでなく、さらに正確な図柄を描写または印写するこ
とができる平滑な表面を有する基材を提供することを究
明したものである。
本発明は、かかる糸や低誘電率基材を製造するため
に、まず、ガラス繊維やアラミド繊維を、フッ素系樹脂
(フッ素系繊維)で少なくとも部分的に被覆してなる芯
鞘構造糸を作る。次いで、この糸で織物を製織して織物
を作る。この織物を、カレンダー加工などの熱プレスを
かけて平板状にして低誘電率基材を製造するものであ
る。
このプレス後の該平板状物の複合構造を観察すると、
フッ素樹脂によってガラス繊維やアラミド繊維が少なく
とも部分的に被覆された構造を有するものであった。か
かる複合構造を有する平板状物は、引裂強度が大幅に向
上し、また、芯鞘構造糸にあっては、切断強度が大幅に
向上していることを究明したものである。
本発明で使用されるガラス繊維としては、Sガラス、
Dガラス、Eガラス、石英ガラスなどからなる繊維をあ
げることがでぎる。これらのガラスの誘電率(真空時と
の比である比誘電率の意味)は、たとえば、Dガラスは
約4.0/1MHz、Eガラスは約6.0/1MHzである。これらのガ
ラス繊維の中でも、誘電率の低い繊維が好ましく選択さ
れる。誘電率の点からはDガラスを選択するのが好まし
い。しかし、ガラス繊維の誘電率が少々高くても、本発
明の特定な芯鞘構造糸にして織物とすることにより、形
成される基材の誘電率は大幅に低下させることができる
ので、上記ガラス繊維のいずれも適用することができ
る。
かかる基材において、好ましくはその誘電率が約3.0/
1MHz以下であるのが、たとえばプリント配線板用積層板
とした時に優れた性能を発揮する。
かかるガラス繊維は複数本集合した繊維束(マルチフ
ィラメント)として用いられるが、たとえば市販されて
いるものとしては、たとえばタイプ2251/0、4501/0、90
01/0などがあげられる。
本発明で使用されるアラミド繊維とは、芳香族ポリア
ミド(CONHC6H4ηからなる繊維であって、耐熱性に優
れた特徴を有する。特にパラ芳香族ポリアミド系繊維は
強度20g/d以上で、伸度2〜4%程度という優れた強伸
度特性を有するので本発明には好適である。かかる繊維
の代表的なものとしては“ケブラー”(商品名;デュポ
ン社製)が市販されており、伸度4%のタイプ29と伸度
2%のタイプ49とがある。
本発明では好ましくは1〜3d程度の単糸繊度のものを
使用する。マルチフィラメントとしては好ましくは100D
〜1500D、特に好ましくは100〜400D程度のものが好まし
く使用される。
本発明では、かかるガラス繊維やアラミド繊維または
これらの混用からなるマルチフィラメント糸をフッ素系
樹脂で、少なくとも部分的に被覆する。かかるフッ素系
樹脂の被覆層は、繊維状でも被膜状でもよいが、低誘電
率基材としては、フッ素系樹脂によって被覆されている
率が多い方が好ましい。被覆率を多くするには、該フッ
素系樹脂を加熱溶融したり、熱プレスして成形する方法
でもよいし、フッ素系樹脂液を付与して被覆(熱融着を
含む)してもよい。
フッ素系樹脂の被覆層を形成する場合で、フッ素系繊
維を使用する方法があるが、このフッ素系繊維には、湿
式紡糸による焼結体繊維と溶融紡糸による共重合体繊維
の2通りの繊維があり、前者はフッ素系繊維としては極
細の部類に入る3d以下、さらには2d以下という単糸繊度
のものを好ましく使用することができ、細い程熱融着性
に富み、それだけ糸条として表面の平滑なものを形成し
得るメリットがあり、また後者では感光性樹脂との接着
性の向上効果や、比較的低湿の熱により溶融する性質を
有するので、後加工で熱プレスなどにより表面を平滑化
することが容易であるなどのメリットがある。
かかるフッ素系樹脂としては、好ましくはテトラフロ
ロエチレンのホモポリマーまたは全体の90モル%以上、
特に好ましくは95モル%以上がテトラフロロエチレンで
あるコポリウマーが使用することができる。かかるテト
ラフロロエチレンに共重合可能な単量体としては、トリ
フロロエチレン、トリフロロクロロエチレン、テトラフ
ロロプロピレン、ヘキサフロロプロピレンなどのフッ化
ビニル化合物やさらにプロピレン、エチレン、イソブチ
レン、スチレン、アクリロニトリルなどのビニル化合物
を使用することができる。
かかるモノマーの中でも、フッ化ビニル系化合物、そ
れも、フッ素含有量の多い化合物であるものが、樹脂被
膜特性、繊維特性の上から好ましい。
また、フッ素系樹脂のうち、共重合体樹脂としては、
好ましくはテトラフロロエチレン成分が5〜50重量%、
さらに好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは5〜30
重量%含有するものであり、さらにこれに他のビニル化
合物を共重合成分として配合されたものなどを使用する
ことができる。
かかる共重合成分としては、オレフィン、たとえばエ
チレン、プロピレン、イソブチレン、スチレンなど、あ
るいはヘキサフロロプロピレン、パーフロロアルキルビ
ニルエーテル、たとえばパーフロロプロピルビニルエー
テル、パーフロロエチルビニルエーテルなどを使用する
ことができる。
かかる共重合体の中でも融点が240〜320℃程度のもの
が樹脂特性、低誘電率の上から好ましく使用される。
本発明に用いられるフッ素系繊維としては、細ければ
細い程、それだけ熱溶融性に優れ、製膜性、平滑性が高
くなって好ましいものであるが、中でも単糸の平均繊度
が10d以下のものが好ましく、さらに好ましくは7d以
下、特に3d以下の繊維である。
本発明で用いるフッ素系繊維の製造方法としては、た
とえば、焼結体繊維の場合は、紡糸原液としてビスコー
スとフッ素系重合体ディスパージョンとの混合液を用
い、これを凝固浴中に吐出し、凝固した後、水洗精練す
る。精練後アルカリ水に浸漬して絞った後、乾燥する
か、そのまま焼成工程に導き、300〜450℃で焼成すると
共に、少なくとも〜10倍延伸する。次いでこの焼成繊維
は300〜340℃の高温雰囲気中で酸化熟成する方法で製造
する。
また、溶融紡糸共重合体繊維の場合は、前記フッ素系
共重合体を、該共重合体の融点以上で溶融して溶融紡糸
する方法で製造する。
本発明の芯鞘構造糸は、芯部がガラス繊維またはアラ
ミド繊維で構成され、これに対して鞘部は芯部をフッ素
樹脂で少なくとも部分的に被覆したものであり、たとえ
ば、フッ素系繊維でら旋状に巻き付ける(捲回)かまた
は編織組織で被覆して構成されたものも、後述するプレ
ス加工を施すと、溶融して被膜化されて、少なくとも部
分的に被覆された構造となる。
本発明の芯部を構成するガラス繊維ならびにアラミド
繊維は、好ましくは10T/m以下の実質的に無撚の糸で構
成される。かかる芯部は、さらにフッ素系樹脂で被覆さ
れた芯鞘構造糸でら旋状に被覆したり、または該芯鞘構
造糸からなる編織組織(組紐組織を含む)で被覆するこ
とができる。芯部をら旋状構造で被覆する場合は好まく
は5〜400T/m、さらに好ましくは10〜200T/mの範囲のピ
ッチで捲回被覆する。
すなわち、鞘部のカバーリングは芯部の繊維がバラケ
ない程度であれば、間歇的(粗目)に被覆している方が
好ましい。被覆繊維の密度が高すぎると、IC回路基板な
どを形成する場合、使用する接着剤樹脂の接着性が鞘部
のフッ素系樹脂によって低下してくる傾向があり、また
余り密度が小さすぎてもカバーリング効果が達成されに
くくなる。
第1図に本発明の芯鞘構造糸の一例を示す。
この図は、無撚のガラス繊維束を芯部1とし、その周
辺を無撚のフッ素系繊維束で一重にかつ一方向に捲回し
た鞘部2で間歇的に被覆した構造を示している。この図
のフッ素系繊維部分は、溶融、融着してフッ素系樹脂被
膜を形成したものでもほぼ同様の効果を発揮する。
かかる芯鞘構造糸は耐毛羽立ち性ならびに耐屈曲性に
すぐれた性質を発揮するので、製織性がよく、後加工や
高次加工がし易いという特徴を有する。かかる芯鞘構造
糸は毛羽がなく平滑な表面を有するが、その効果は、溶
融、融着された被膜状である方が高くて好ましい。かか
る芯鞘構造糸は、低誘電率を有することから、電気用基
材として各種用途に好適使用され得る素材である。
本発明ではかかる芯鞘構造糸を用いて織物を形成して
基材とするが、その織組織としては、平織組織、朱子織
組織など平滑性に有利な組織が好ましく採用される。
本発明において、前記織物は、経糸または緯糸の少な
くとも一方に該芯鞘構造糸を用いるか、または該芯鞘構
造糸と、ガラス繊維、アラミド繊維またはフッ素系繊維
から選ばれた少なくとも1種の糸とで構成することがで
きる。勿論、特に好ましくは経糸、緯糸の双方を該芯鞘
構造糸で構成した織物が、耐カール性、表面平滑性の上
から好ましく、基材としての価値も高い。
かかる織物は毛羽がなく平滑な表面を有し、さらに耐
カール性にも優れた特徴を発揮する。
かくして得られる織物は、ガラス繊維およびアラミド
繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維で構成された芯
部と、該芯部を少なくとも部分的に被覆するフッ素系樹
脂からなる鞘部とで構成された構造を有するものであ
り、優れた低誘電率を有するので、電気用基材として有
用であり、特に正確かつ精密なプリントが要求されるプ
リント配線基板には好適な基材である。
プリント配線板用積層板は、かかる織物基材の少なく
とも1枚の表面部に銅箔を積層して構成される。この時
に適用する接着剤はできるだけ低誘電率の樹脂で構成さ
れていることが好ましい。
かかる積層用接着剤として、たとえば熱可塑性接着
剤、熱硬化性接着剤があげられるが、好ましくは熱硬化
性接着剤、たとえばシアノアクリレート系化合物からな
る接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、
トリアジン系接着剤(多官能マレイミドとの反応物:BT
樹脂)などやこれらの混合系接着剤などがあげられる
が、別にこれらに限定されない。これらの接着剤の中で
もさらに反応によりガスを発生しないものが好ましく選
択される。
必要ならば、織物基材は銅箔を積層する前にプレスま
たはカレンダー処理して、熱溶融させることにより、さ
らに表面を平滑化することができる。
次にフッ素系繊維により芯糸をカバーリングする方法
の一例を第2図に沿って説明する。
カバーリング工程の供給ローラ9に導入されて走行し
ている芯糸(ガラス繊維束またはアラミド繊維束)1
に、鞘糸ボビン6から鞘糸[フッ素系繊維(共重合体繊
維)束]2を回転中空スピンドル7の回転により引き出
し、この引き出された鞘糸2を回転ガイド8により一方
向にら旋状に巻き付ける。この時、芯糸1の走行速度、
回転中空スピンドル7の鞘糸引き出し速度を調整するこ
とにより、撚のかかっていない芯鞘構造糸で、しかも同
一間隔で同一ピッチで捲回被覆した芯鞘構造糸が得られ
る。なお回転ガイド8は回転中空スピンドル7の鞘糸引
き出し速度と同一速度に調整されているものである。こ
の装置では回転中空スピンドル7に鞘糸ボビン6が懸架
されているので、両者の回転速度は同一である。なお、
この図では1本の鞘糸を1つの回転ガイドに導いて捲回
しているが、複数の回転ガイドのそれぞれに鞘糸を導い
てもよい。
また、鞘糸ボビン6に巻かれた鞘糸を予め偏平なテー
プ状に成形しておき、回転ガイド8のガイドもこれに合
せて偏平形状にしておくと、さらに被覆性の高い芯鞘構
造糸が得られる。形成された芯鞘構造糸は引き取りロー
ラ10により送り出される。
その結果、ガラス繊維束1は無撚のフッ素系繊維束で
均一なピッチで被覆された芯鞘構造糸が得られ、交錯点
のない平滑性に優れたものが得られる。この方法によれ
ば、被覆繊維束同士(必要により単繊維同士も)を交叉
(重合)させないで、連続的に捲回、被覆することも可
能であるので、薄くて均一で、それだけ平滑性も耐カー
ル性も向上した芯鞘構造糸が得られるメリットがある。
この図面では1方向捲回方法を採用しているが、必要
ならばSおよびZ方向による2方向捲回方法による被覆
も可能である。
かかる芯鞘構造糸は前記の如く経糸または緯糸の少な
くとも一方に使用するなどして製織して織物を形成す
る。この織物は電気用途材料として有用である。
第3図は織物基材5の上に接着剤層3によって銅箔4
が積層されたプリント配線板用積層板の構造例を示す模
式図である。
かかるプリント配線板用積層板としては、たとえば該
織物基材に銅箔を積層する場合に、たとえば該織物基材
の表面を予めプラズマ処理した後、該処理部分に接着剤
を塗布または含浸し、熱プレスまたは熱カレンダー法に
て一体化する方法により、より接着性を向上させること
ができる。なお、織物基材は一重のみならず複数枚を積
層したものも基材として適用される。
[実施例] 次に、実施例で本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 分散剤によりイオン交換水に分散されたフッ素系樹脂
ディスパージョンを114部と、ビスコース100部とを真空
ミキサーに装填し、真空下で混合・脱泡して、紡糸原液
を作った。
この紡糸原液を口金から凝固浴中に吐出させて凝固繊
維とし、これをイオン交換水で十分に洗浄し、マングル
で絞った後、苛性ソーダ含有水溶液に浸漬し、苛性ソー
ダを繊維重量に対して0.32%含有せしめた。
このアルカリ含有繊維を、まず380℃に加熱焼成した
後、次に350℃の加熱ロールに接触させながら7倍に延
伸した。
この延伸繊維を、弛緩状態で320℃に加熱された空気
雰囲気中に72時間放置して、白色のフッ素系焼結体繊維
を得た。
次に、この焼結体繊維を用いて、第2図の方法により
芯鞘構造糸を製造した。
すなわち、芯糸として、Eガラス(誘電率:5.8/
1MHz)からなるタイプ450−1/0の無撚糸を用い、鞘糸と
して、焼結体繊維100%からなる無撚糸1本を第2図の
装置の回転ガイドの1つに通して、S撚一方向に10T/m
の条件で捲回して芯鞘構造糸を得た。
この芯鞘構造糸をたて糸ならびによこ糸に用いて平織
組織の織物を製織した。
この織物基材は単糸切れも毛羽もない平滑な表面を有
するものであった。
この織物基材の表面にエポキシ系接着剤を塗布し、こ
の接着層の上に銅箔を添着し、130℃の条件で積層プレ
スして、第3図のプリント配線板用積層板を製造した。
この基材は3.8/1MHzという低誘電率を示し、かつ平滑
な表面を有し、180℃、30分間放置後もカールの発生は
なかった。
実施例2 単糸繊度1.5D、引張強度22g/Dのアラミド繊維の200D/
133Fマルチフィラメント無撚糸を芯糸として用い、この
芯糸の周りを、融点260℃のテトラフロロエチレンとパ
ーフロロプロピルビニルエーテルからなる共重合体フッ
素繊維100%からなる195D/130Fマルチフィラメントの無
撚糸で、S撚方向のみに捲回して、被覆し、芯鞘構造糸
を製造した。
この芯鞘構造糸をたて糸ならびによこ糸に用いて平織
組織の織物を製織した。
この織物基材は単糸切れも毛羽もなく、表面も平滑で
あった。
この織物基材を130℃のピンテンターで加熱セットし
て表面を平滑にしておいて、この平滑面にBT樹脂接着剤
(三菱瓦斯化学(株)製;多官能マレイミドとトリアジ
ン系化合物との反応物からなる樹脂)を塗布し、この接
着剤層の上に銅箔を添着し、130℃の条件で積層プレス
して、プリント配線板用積層板を製造した。
この基材は2.8/1MHzという低誘電率を示し、かつ平滑
な表面を有し、180℃、30分間放置後もカールの発生は
なかった。
実施例3 実施例2で得られた芯鞘構造糸を260℃の乾熱処理に
かけて共重合体フッ素繊維を溶融させて、部分的にフッ
素系樹脂で被覆した芯鞘構造糸を形成した。後は、実施
例2と同一の処理をしてプリント配線板用積層板を製造
した。
この基材は、実施例2と同様の性能を示す上に、特に
表面活性性に優れており、表面の印写性に優れた特徴を
有するものであった。
比較例1〜2 実施例1、実施例2で使用したガラス繊維ならびにア
ラミド繊維のみからなる同一マルチフィラメント無撚糸
で平織組織の織物を製織した。
これらの織物基材は、いずれも製織中に単糸切れを発
生し、布面に毛羽が存在し平滑性に劣るものであった。
これらの織物基材の表面に、それぞれエポキシ系接着
剤を塗布し、この接着剤層の上に銅箔を添着し、130℃
の条件で積層プレスして、プリント配線板用積層板を製
造した。
これらの基材はガラス繊維製基材が4.8/1MHz、アラミ
ド繊維製基材が3.4/1MHzという誘電率を示した。なおこ
れらの基材はいずれも、銅箔表面が切断単糸のためにや
や平滑性が乱されており、180℃、30分間放置後、カー
ルが発生した。
実施例4 ポリテトラフロロエチレン系樹脂重量%含むディスパ
ージョンに、Eガラス(誘電率:5.8/1MHz)からなるタ
イプ450−1/0の無撚糸を浸漬した後、300℃の乾熱で熱
処理して、鞘部がフッ素系樹脂からなる芯鞘構造糸を得
た。
この芯鞘構造糸を経糸ならびに緯糸に用いて平織組織
の織物を製織した。
この織物基材は単糸切れも毛羽もない平滑な表面を有
するものであった。
この織物基材の表面にエポキシ系接着剤を塗布し、こ
の接着層の上に銅箔を添着し、130℃の条件で積層プレ
スして、第3図のプリント配線板用積層板を製造した。
この基材は、3.9/1MHzという低誘電率を示し、かつ平
滑な表面を有し、180℃、30分間放置後もカールの発生
は全くなかった。
(発明の効果) 本発明は製織工程に通しても単糸切れがなく、しかも
低誘電率の芯鞘構造糸を提供するものであるから、電気
絶縁用素材としては好適であり、また、かかる芯鞘構造
糸からなる織物基材は表面平滑性に富む特徴を兼ね備え
ているので、正確かつ精密な図柄を要求されるね用途、
特にプリント配線板用積層板として極めて有効である。
なお、本発明の芯鞘構造糸は上記織物に限らず、通常
の織物や編物、不織布、紙状物など各種のシート状物に
成形することができるので、低誘電率が要求される他の
広い用途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の芯鞘構造糸の一例を示す側面図であ
る。第2図は本発明の芯鞘構造糸の製造プロセスの一例
を示す概略図である。第3図は本発明のプリント配線板
用積層板の一例を示す断面図である。 図中 1:芯部 2:鞘部 3:接着剤 4:銅箔 5:織物基材 6:鞘糸ボビン 7:回転中空スピンドル 8:回転ガイド 9:供給ローラ 10:引き取りローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北川 義男 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番3号 三井ビル本館 昭和工業株式会社大阪 支店内

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス繊維およびアラミド繊維から選ばれ
    た少なくとも1種の繊維で構成された芯部と、該芯部を
    少なくとも部分的に被覆するフッ素系樹脂からなる鞘部
    とで構成されていることを特徴とする芯鞘構造糸。
  2. 【請求項2】フッ素系樹脂が、繊維状である請求項1記
    載の芯鞘構造糸。
  3. 【請求項3】フッ素系樹脂が、5〜400T/mの範囲で捲回
    されたフッ素繊維糸条である請求項1記載の芯鞘構造
    糸。
  4. 【請求項4】ガラス繊維およびアラミド繊維から選ばれ
    た少なくとも1種の繊維で構成された芯部を、少なくと
    も部分的に被覆するフッ素系樹脂からなる鞘部とで構成
    されている芯鞘構造糸を、経糸および緯糸の少なくとも
    一方に使用してなる織物で構成されていることを特徴と
    する低誘電率基材。
  5. 【請求項5】織物基材であって、該織物が、ガラス繊維
    およびアラミド繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維
    で構成された芯部と、該芯部を少なくとも部分的に被覆
    するフッ素系樹脂からなる鞘部とで構成されていること
    を特徴とする低誘電率基材。
  6. 【請求項6】前記低誘電率基材が、プリント配線基板用
    積層板である請求項4または5記載の低誘電率基材。
JP1522489A 1989-01-25 1989-01-25 芯鞘構造系およびそれからなる低誘電率基材 Expired - Lifetime JP2607947B2 (ja)

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