JP2607070Y2 - 回転用リベット - Google Patents

回転用リベット

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JP2607070Y2
JP2607070Y2 JP1993018675U JP1867593U JP2607070Y2 JP 2607070 Y2 JP2607070 Y2 JP 2607070Y2 JP 1993018675 U JP1993018675 U JP 1993018675U JP 1867593 U JP1867593 U JP 1867593U JP 2607070 Y2 JP2607070 Y2 JP 2607070Y2
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智治 布川
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Nippon Pop Rivets and Fasteners Ltd
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Honda Tsushin Kogyo Co Ltd
Nippon Pop Rivets and Fasteners Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、部材間の締結に使用さ
れるリベットに係り、更に詳しくは前記部材間に間隙を
確保して少なくとも一方の部材が回動自在である回転用
リベットに関する。
【0002】
【従来の技術】二つの部材を重ね合わせて連通した貫通
孔に差込み、片側端部を工具で潰して締結するリベット
は、作業能率の向上を図って最近ではリベッターで容易
に締結作業ができるようにした図8乃至図11に示すも
のが知られている。
【0003】このリベットは、円筒状のボディー本体1
dの先端部にフランジ1aを有したリベットボディー1
と、棒状部2bの後端部に玉状部2aを設けたマンドレ
ル2からなり、図8に示すように、前記棒状部2bの先
端部をボディー本体1dの後端側から貫通孔に差し込ん
で、マンドレル2の玉状部2aがボディー本体1dの後
端部に係止された状態になされている。
【0004】上記のようなリベットを使用するには、図
9に示すように、例えば取付部材3とプリント基板4の
互いに貫通孔を重ね合わせて前記リベットを片方から差
し込む。そして、図示していないリベッターを使用し
て、リベットボディー1のフランジ1aをプリント基板
4に当接させつつ、リベッターのジョーでマンドレル2
の棒状部2bを強く矢印の方向に引っ張る。
【0005】この作用によってマンドレル2の玉状部2
aがボディー本体1dの貫通孔内に引き込まれ、該玉状
部2aの外形寸法が貫通孔の孔径よりも大きいので図1
0に示すようにボディー本体1dの後端部が押し広げら
れてかしめられる。
【0006】更に棒状部2bが引っ張られると、押し広
げられたボディー本体1dの後端部の外面が取付部材3
の角部に当接して抵抗が増し、所定の引張力に達すると
前記玉状部2aと棒状部2bの付け根部で切断され図1
1に示す状態になる。こうして、玉状部2aがボディー
本体1dの後端部内に取り残されてリベットボディー1
がかしめられ、取付部材3とプリント基板4が締結さ
れ、切断された棒状部2bはリベッターで排出される。
【0007】このように、リベットは取付部材3とプリ
ント基板4とを締結し、かつ、固定するものであった。
一方、前記取付部材3をプリント基板4に対して回動自
在にする場合には、図12に示すような工夫をしてい
た。
【0008】即ち、プリント基板4の表面とフランジ1
aの表面との間に、二つ割の薄い板厚のスペーサ5を介
在させるのである。こうしてリベッターで上述と同様に
してかしめ作業をした後に、前記スペーサ5を除去する
ことにより、このスペーサ5の板厚の分だけ間隙が生
じ、取付部材3が回動可能となる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
取付部材3を回動自在にさせる方法では、スペーサ5を
治具として用意しなければならず、該スペーサ5の挿入
及び除去の作業が必要となって、コストが嵩みかしめ作
業も余分な手間が掛かって作業能率が悪いと言う問題点
がある。
【0010】本考案は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、取付部材を回動自在にするためのスペーサ等の部
品を必要とせず、かつ、かしめ作業工数の増加とならな
いリベットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】筒状のボディー本体の先
端部にフランジを有したリベットボディーと、棒状部の
後端部に玉状部を設けたマンドレルとで、前記ボディー
本体の貫通孔に前記マンドレルを一端側から差し込んだ
リベットであって、前記ボディー本体の後端部に前記貫
通孔の孔径よりも拡径させた段部を形成してかしめ用の
薄肉部を設け、当該リベットボディーにおける前記フラ
ンジから前記薄肉部の段部までの首下長さを被取付部材
の厚さ寸法より長い寸法にし、かしめた際にマンドレル
の球状部が薄肉部を段部まで押し広げてかしめると共に
該段部で止められて棒状部との付け根から切断されるこ
とで、当該段部と被取付部材との間で間隙が設けられる
ものであることである。
【0012】また、前記薄肉部におけるボディー本体の
後端面からの深さを、かしめ作業で押し広げられた際に
玉状部を抱持しないような寸法の深さとしたことであ
る。
【0013】
【作用】本考案のリベットによれば、ボディー本体の肉
厚部と薄肉部との境目でかしめが止まり、これによって
ボディー本体のかしめ高さが調整できることになり、取
付部材を回動自在にすることができる。また、リベッタ
ー用のリベットで薄肉部をかしめた後に、そのかしめ部
に玉状部が残らないように薄肉部の深さを短くすれば、
低圧着力でのかしめ作業ができ、玉状部もかしめ部に残
らないので、電気部品中に玉状部が不測の事態で落下し
たりしてショートするような虞れがない。
【0014】
【実施例】次に、本考案に係る一実施例について図面を
参照して詳細に説明する。図1は、本考案に係る回転用
リベットの縦断面図であり、図2(イ)は該リベットで
かしめた状態を示す縦断面図で、(ロ)はその一部を拡
大した説明図である。図において符号1はリベットボデ
ィー、2はマンドレル、1bは薄肉部、1dはボディー
本体を各々示している。なお、従来例と対応した部分に
は同一符号を付けてある。
【0015】本考案に係る回転用リベットは、従来例に
係る図8のリベットと本考案に係る図1の回転用リベッ
トを比較して明らかなように、ボディー本体1dの後端
部にかしめ用の薄肉部1bを設けたことである。
【0016】前記薄肉部1bは、ボディー本体1dの後
端部において、端面から所定の深さaまでを、該ボディ
ー本体1dの貫通孔の孔径よりも大きくした孔径にして
段部1cを形成してなるものである。
【0017】前記ボディー本体1dの首下全体長さbの
うち、前記深さaの部分が薄肉部1bとなり、首下長さ
cの部分が肉厚部となる。
【0018】こうして回転用リベットをリベッターで従
来と同様にしてかしめれば、図2(イ)に示すように、
マンドレル2の玉状部2aが前記段部1cにまで引っ張
り込まれ、更に該段部1cでの肉厚の変化による急激な
衝撃力でマンドレル2の棒状部2bが付け根部から切断
される。よって、玉状部2aでのかしめは、この段部1
cの位置で止まることになる。
【0019】そして、当該リベットボディー1における
前記フランジ1aから前記薄肉部1bの段部1cまでの
前記首下長さcは、取付部材3とプリント基板4とでな
る被取付部材の厚さdよりも長いので、図2(ロ)に示
すように、取付部材3の表面と前記段部1cとの間には
間隙sが設けられる。
【0020】前記間隙sを確保されることで、プリント
基板4に対して取付部材3は回動自在となるのである。
【0021】本考案の要部であるかしめ用の薄肉部1b
は、上記一実施例では段部1cとしたが、かしめの高さ
を適宜設定できれば本考案の目的が達成されるものであ
るので、図3(イ)から図3(ニ)に示す他の実施例も
包含するものである。
【0022】即ち、図3(イ)に示すように、ボディー
本体1dの後端面に向かって先細となるテーパ5を設け
て薄肉部1bを形成したものである。図3(ロ)に示す
ように、段部6,1cの複数段を設けて薄肉部1bを形
成したものである。
【0023】図3(ハ)に示すように、上記のテーパと
段部を組み合わせたもので、テーパ5aと段部1cを設
けて薄肉部1bを形成したものである。また、図3
(ニ)に示すように、ボディー本体1dの貫通孔に凹溝
7を設けて薄肉部1bを形成したものである。
【0024】また、上述のテーパや段部や凹溝を設ける
際に、曲線部や弯曲部を一部若しくは全部に有するよう
にすることも全て包含し、図示のものに限られないのは
勿論である。
【0025】更に図4乃至図7に他の実施例を示す。こ
の例は、ボディー本体1dの薄肉部1bの深さeを短く
して、例えば玉状部2aの高さの半分程度とし、かしめ
たときに前記玉状部2aがかしめられた薄肉部1bで抱
持されないようにしたものである。よって、かしめ作業
後に玉状部2aがかしめ部に残らないようにすること
で、低圧着力の締結を実現しかつ異物混入を防ぐもので
ある。
【0026】図4に示す回転用リベットは、図1で示す
薄肉部1bの深さaを更に短くした深さeとして、かつ
玉状部2aと棒状部2bの付け根を低引張力で切断され
やすいように小径部2cとしたものである。
【0027】図5に示す回転用リベットは、薄肉部1b
を形成するにあたり、ボディー本体1dの外壁を切削し
て形成したものである。そして玉状部2aと棒状部2b
の付け根を小径部2cとしたものである。
【0028】このような回転用リベットを用いれば、図
6に示すように、リベッターでマンドレル2の棒状部2
bを引き抜けば、薄肉部1bは低引張力で押し広げられ
てかしめられる。また、玉状部2aは段部1cまで引っ
張り込まれて小径部2cで破断される。
【0029】そして図6(ロ)に示すように、棒状部2
bはリベッターで排出され、玉状部2aは、薄肉部1b
の深さeが短いので、かしめられた薄肉部1bで抱持さ
れることなく落下する。
【0030】この玉状部2aがかしめ部分に抱持されな
いタイプにすることによって、図7に示すように、断面
コ字状の係合部を有する軟質母材の取付部材3にプリン
ト基板4の嵌合孔を係合させて、回転用リベットで回動
自在にしてかつ取付部材3をヒビ割れさせたり変形させ
たりすることなく低圧着力でのかしめ作業が可能とな
る。
【0031】上記の回転用リベットはリベッター用のも
ので説明したが、図1において、マンドレル2を用いな
い構成にしたリベットボディー1を、従来のかしめ機で
かしめても作用・効果は上述と同じである。
【0032】
【考案の効果】以上説明したように、本考案に係る回転
用リベットは、筒状のボディー本体の先端部にフランジ
を有したリベットボディーと、棒状部の後端部に玉状部
を設けたマンドレルとで、前記ボディー本体の貫通孔に
前記マンドレルを一端側から差し込んだリベットであっ
て、前記ボディー本体の後端部に前記貫通孔の孔径より
も拡径させた段部を形成してかしめ用の薄肉部を設け、
当該リベットボディーにおける前記フランジから前記薄
肉部の段部までの首下長さを被取付部材の厚さ寸法より
長い寸法にし、かしめた際にマンドレルの球状部が薄肉
部を段部まで押し広げてかしめると共に該段部で止めら
れて棒状部との付け根から切断されることで、当該段部
と被取付部材との間で間隙が設けられるものなので、か
しめ作業をした際に前記薄肉部のみがかしめられること
になり、かしめ高さを任意に調整できて被取付部材を回
動自在にすると云う優れた効果を奏する。
【0033】また、スペーサ等の特別な間隙用部材を必
要としないばかりか、かしめ工具及び被取付部材を変更
することなく、リベット自体の改良により通常のかしめ
作業で取付部材を回動自在にできるので、安価な構造で
コストの低減となり、かしめ作業も能率的に行い得ると
云う優れた効果を奏する。
【0034】更に前記筒状ボディーの薄肉部における深
さを、かしめ作業で押し広げられた際に玉状部を抱持し
ないような短い寸法の深さとすれば、低圧着力でのかし
め作業ができ、玉状部もかしめ部に残らないので、電気
部品中に玉状部が不測の事態で落下したりしてショート
するような虞れがなく安全性が向上すると云う優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る回転用リベットの縦断面図であ
る。
【図2】(イ)は本考案の回転用リベットでかしめた状
態を示す縦断面図で、(ロ)はその一部を拡大した説明
図である。
【図3】(イ)乃至(ニ)は各々他の実施例に係る回転
用リベットの要部を拡大して示す断面図である。
【図4】他の実施例に係る回転用リベットの縦断面図で
ある。
【図5】同他の実施例に係る回転用リベットの縦断面図
である。
【図6】他の実施例に係る回転用リベットのかしめ作業
の様子を示す説明図(イ)、(ロ)である。
【図7】他の実施例に係る玉状部をかしめ部に残さない
タイプの回転用リベットを使用した状態の縦断面図であ
る。
【図8】従来例に係るリベットの構造を示す縦断面図で
ある。
【図9】従来例に係るリベットで部材をかしめる様子を
示す縦断面図である。
【図10】同かしめ作業中の様子を示す縦断面図であ
る。
【図11】同かしめ作業が完了した状態を示す縦断面図
である。
【図12】従来例に係るリベットで間隙用のスペーサを
使用してかしめ作業する様子を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 リベットボディー、 1a フランジ、 1b 薄肉部、 1c 段部、 1d ボディー本体、 2 マンドレル、 2a 玉状部、 2b 棒状部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 鈴木 千秋 愛知県豊橋市弥生町字豊和34−2 (56)参考文献 特開 昭48−82261(JP,A) 実開 平3−53883(JP,U) 実開 昭56−152131(JP,U) 実開 昭60−93005(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状のボディー本体の先端部にフランジを
    有したリベットボディーと、棒状部の後端部に玉状部を
    設けたマンドレルとで、前記ボディー本体の貫通孔に前
    記マンドレルを一端側から差し込んだリベットであっ
    て、前記ボディー本体の後端部に前記貫通孔の孔径より
    も拡径させた段部を形成してかしめ用の薄肉部を設け、
    当該リベットボディーにおける前記フランジから前記薄
    肉部の段部までの首下長さを被取付部材の厚さ寸法より
    長い寸法にし、かしめた際にマンドレルの球状部が薄肉
    部を段部まで押し広げてかしめると共に該段部で止めら
    れて棒状部との付け根から切断されることで、当該段部
    と被取付部材との間で間隙が設けられるものであるこ
    と、を特徴としてなる回転用リベット。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の薄肉部におけるボディー
    本体の後端面からの深さを、かしめ作業で押し広げられ
    た際に玉状部を抱持しないような寸法の深さとしたこ
    と、を特徴とする請求項1に記載の回転用リベット。
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