JP2606754B2 - エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネンゴム - Google Patents

エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネンゴム

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はエチレン/プロピレン/エチリデンノルボル
ネンターポリマーゴム(EPDM)及びそな製造方法に関す
る。
従来の技術 EPDMはホース、チューブ材料、ワイヤ、ケーブル、ガ
スケット、一枚屋根のような用途において用いられるエ
ラストマー性ターポリマーである。EPDMに充填剤、油、
加工助剤、安定剤を配合し、ターポリマーをイオウと促
進剤の存在において或はイオウとジクミルペルオキシド
のような有機ペルオキシドとの組合せと反応させて硬化
させるのが普通である。
EPDMは商業上バッチ溶液或は懸濁プロセスによって製
造され、複雑かつ費用のかかる溶媒回収、分離及び脱灰
化を必要とする。これらの要求はエネルギー及び労働集
約的であり、高い運転及び投資費用をもたらす。これら
の費用を節減するために、EPDMを気相流動床反応装置で
生産することが提案されたが、これは物理的性質が現在
入手し得るEPDMに等しいEPDMをもたらすために、適当な
触媒配合及び操作条件を選定することを要する。
発明の目的 よって、本発明の目的な、物理的性質が市販されてい
るEPDMに等しいか或はそれらより優れているEPDMを製造
することができる気相流動床プロセスを提供するにあ
る。
発明の構成 本発明に従えば、市販されているEPDMに等しいEPDMを
製造するばかりでなく、優れた物理的性質を有する構造
的に異なるEPDMを製造するEPDMの気相流動床製造方法を
見出した。本方法はエチレン、プロピレン、エチリデン
ノルボルネン(ENB)及び水素を流動床において気相で
重合条件下で、下記: (a)バナジウム化合物と電子供与体との反応生成物; (b)下記式を有する少なくとも1種の調節剤: BX3或はAl R(3-a)Xa (式中、各々のRはアルキル或はアリールでありかつ同
じであるか或は異なり、各々のXは独立に塩素、臭素或
はヨウ素であり、aは0、1或は2である); (c)ハロカーボンプロモーター;及び (d)ヒドロカルビルアルミニウム助触媒 を含み、成分(a)及び(b)を無機担体に含浸させた
触媒系の存在において反応させることを含む。
本発明の方法は下記の好ましい条件を用いる: (i)エチレンの分圧を約25〜約200psi(1.8〜14kg/cm
2)の範囲にし; (ii)プロピレン対エチレンのモル比を約0.2:1〜2:1の
範囲にし; (iii)水素対エチレンのモル比を約0.0001:1〜約0.01:
1の範囲にし; (iv)ENBの量を流動床の重量を基準にして約1.5〜約15
重量%にする。
詳細な説明 バナジウム化合物はオレフィン重合プロセスにおいて
触媒前駆物質として用いる複合体を生成するのに有用で
あることがよく知られているバナジウム化合物群の内の
任意のものにすることができる。例はバナジウムトリハ
ライド、バナジウムテトラハライド、バナジウムオキシ
ハライドである。ハライドはクロリド、ブロミド或はヨ
ーシド或はこれらの混合物が普通である。これらの化合
物の内、VCl3、VCl4及びVOCl3を挙げることができる。
バナジウムアセチルアセトネート、例えばバナジルトリ
アセチルアセトネートもまた有用である。
触媒において用いる電子供与体は、バナジウム化合物
が溶解し得る、温度約0℃〜約200℃の範囲で液状の有
機ルュイス塩基である。
電子供与体は下記にすることができる:脂肪族或は芳
香族カルボン酸のアルキルエステル、脂肪族ケトン、脂
肪族アミン、脂肪族アルコール、アルキル或はシクロア
ルキルエーテル、或はこれらの混合物。各々の電子供与
体は炭素原子2〜20を有する。これらの電子供与体の
内、好ましのは下記の通りである:炭素原子2〜20を有
するアルキル及びシクロアルキルエーテル;炭素原子3
〜20を有するジアルキル、ジアリール及びアルキルアリ
ールケトン;炭素原子2〜20を有するアルキル及びアリ
ールカルボン酸のアルキル、アルコキシ及びアルキルア
ルコキシエステル。最も好ましい電子供与体はテトラヒ
ドロフランである。適した電子供与体の他の例は下記の
通りである:メチルホルメート、エチルアセテート、ブ
チルアセテート、エチルエーテル、ジオキサン、ジ−n
−プロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルホルメ
ート、メチルアセテート、エチルアニセート、エチレン
カーボネート、テトラヒドロピラン、エチルプロピオネ
ート。
初め、電子供与体を過剰に用いてバナジウム化合物と
電子供与体との反応生成物をもたらすが、反応生成物は
最終的にバナジウム化合物1モル当り電子供与体約1〜
約20モル、好ましくは約1〜約10モルを含有する。バナ
ジウム化合物1モル当り電子供与体約3モルが最も好ま
しいことを見出した。
調節剤は下記式を有する: BX3或はAl R(3-a)Xa ここで、各々のRは炭素原子1〜14を有するアルキル
ラジカルであり、かつ同じであるか或は異なり;各々の
Xは塩素、臭素或はヨウ素でありかつ同じであるか或は
異なり;aは0、1或は2である。1種或はそれ以上の調
節剤を使用することができるが、2種の異なる調節剤が
好ましい。好ましい調節剤はアルキルアルミニウムモノ
ー及びジクロリド(各々のアルキルラジカルは炭素原子
1〜6を有する)、三塩化ホウ素及びトリアルキルアル
ミニウムを含む。特に好ましい調節剤の組合せはジエチ
ルアルミニウムクロリド及びトリ−n−ヘキシルアルミ
ニウムである。調節剤は電子供与体1モル当り、約0.1
〜約10モル、好ましくは約0.2〜約2.5モル用いる。調節
剤対バナジウムのモル比は約1:1〜約10:1の範囲、好ま
しくは約2:1〜約5:1の範囲である。
有用なハロカーボンプロモーターは下記式を有する: RyCX(4-y) ここで、R=水素或は炭素原子1〜6を有する未置換
の或はハロゲン置換されたアルキルラジカル; X=ハロゲン; y=0、1或は2。
好ましいプロモーターはフルオロ−、クロロ−及びブ
ロモ−置換されたメタン及びエタン(xは少なくとも2
である)、例えばメチレンジクロリド、1.1.1−トリク
ロロエタン、クロロホルム、CBr4、CFCl3、ヘキサクロ
ロエタン、CH3CCl3、CF2ClCCl3を含む。初めに挙げた3
つのプロモーターが特に好ましい。プロモーターは、助
触媒1モル当り、約0.1〜約10モル、好ましくは約0.2〜
約2モル用いることができる。
ヒドロカルビルアルミニウム助触媒は下記式によって
表わすことができる: R3Al ここで、各々のRは独立にアルキル、シクロアルキ
ル、アリール或は水素であり;;少なくとも1つのRはヒ
ドロカルビルであり;2或は3のRラジカルを結合して複
合環式構造を形成することができる。各々のRはヒドロ
カルビルラジカルであり、炭素原子1〜20を有すること
ができ、1〜10を有するのが好ましい。
ヒドロカルビルアルミニウム化合物の例は下記の通り
である:トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルア
ルミニウム、ジ−イソブチルアルミニウムヒドリド、ジ
ヘキシルアルミニウムジヒドリド、ジ−イソブチルヘキ
シルアルミニウム、イソブチルジヘキシルアルミニウ
ム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアル
ミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリオクチ
ルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリドデシ
ルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、トリフェ
ニルアルミニウム、トリナフチルアルミニウム、トリト
リルアルミニウム。好ましい助触媒は下記の通りであ
る:トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリヘキシルアルミニウム、ジ−イソブチルアル
ミニウムヒドリド、ジヘキシルアルミニウムヒドリド。
トリアルキルアルミニウムもまた調節剤として働くこと
ができる。
シリカが好ましい担体であるが、他の適した担体は下
記の通りである:無機酸化物、例えばアルミニウムホス
フェート、アルミナ、シリカ/アルミナ混合物、オルガ
ノアルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム
で改質したシリカ、ジエチル亜鉛で改質したシリカ。代
表的な担体は本質的に重合に対して不活性な固体の粒状
多孔質材料である。担体は平均粒径10〜約250ミクロ
ン、好ましくは約30〜約100ミクロン;表面積少なくと
も約200m2/g、好ましくは少なくとも約250m2/g,細孔寸
法少なくとも約100オングストローム、好ましくは少な
くとも約200オングストロームを有する乾燥粉末として
用いる。担体の使用量は担体1g当りバナジウム約0.1〜
約0.6ミリモル、好ましくは約0.2〜約0.5ミリモルとな
るような量が普通である。上述した触媒をシリカ担体に
含浸させるのは、複合体及びシリカゲルを電子供与体溶
媒中で混合し、次いで減圧下で溶媒を除いて行う。
調節剤を通常イソペンタンのような無機溶媒に溶解
し、担体に含浸させ、次いでチタンベースの複合体を含
浸させた後に、触媒を乾燥させる。助触媒を別にそのま
ま或はイソペンタンのような不活性溶媒中の溶液として
重合反応に加え、同時にエチレンの流れを開始するのが
好ましい。
重合を粒状EPDMで作った流動床において気相で行う。
流動床反応装置は温度約0゜〜約60℃の範囲で操作する
ことができ、約10゜〜約50℃の範囲で操作するのが好ま
しい。また、空塔(superficial)速度約1〜約4.5フィ
ート/秒(0.3〜1.4m/秒)、好ましくは約1.5〜約3.5フ
ィート/秒(0.45〜1.1m/秒)を流動床において用いる
ことができる。全反応装置圧力は約150〜約450psia(11
〜32kg/cm2A)の範囲にすることができ、約250〜約350p
sia(18〜5kg/cm2A)の範囲にするのが好ましい。エチ
レン分圧は約50〜約200psi(3.5〜14kg/cm2)の範囲に
することができ、約80〜約150psi(5.6〜11kg/cm2)の
範囲にするのが好ましい。エチレン、プロピレン及び水
素のガス状原料流を反応装置循環管路に供給するのが好
ましく、液体エチリデンノルボルネン及び助触媒溶液を
直接流動床反応装置に供給して混合及び分散を増進する
のが好ましい。液体流を反応装置循環管路に供給するこ
とはフウリング層の急速な蓄積を引き起こし、極めて不
良な反応装置運転に至り得る。触媒は固体或は鉱油スラ
リーとして流動床に注入するのが好ましい。EPDM組成
は、気相中のプロピレン/エチレンモル比及び流動床中
のジエン濃度を変えることによって変更することができ
る。床レベルが重合によって上昇するにつれて、生成物
を連続して反応装置から排出する。生産速度は、触媒供
給速度を調整して調節する。
プロピレン対エチレンのモル比を約0.2:1〜約1.5:1の
範囲、好ましくは約0.35:1〜約0.8:1の範囲にする。プ
ロピレン/エチレンモル比を調整してターポリマーに加
入するプロピレンのレベルを調節する。水素対エチレン
のモル比は約0.0001:1〜約0.01:1の範囲、好ましくは約
0.0005:1〜約0.008:1の範囲にする。水素/エチレンモ
ル比を調整して平均分子量を調節する。床におけるエチ
リデンノルボルネンのレベルは床の重量を基準にして約
1.5〜約15重量%の範囲、好ましくは約2〜約10重量%
の範囲にする。
温度調節に加えて、いくつかのステップを採用してエ
ラストマー性ポリマーの凝集を防止することができる。
反応装置と生成物ポットとの間の生成物排出管路が生成
物の落下の間隔の間にチャンクで閉塞することがしばし
ばある。管路内の窒素の連続パージ流れが閉塞問題を防
止する。また、反応装置表面を低表面エネルギー物質で
被覆することがフウリング蓄積速度を減じるのに有利で
あることを示す。加えて、床内の静電気レベルを制御す
ることが静電誘起される粒子の凝集を防止する。静電気
は、反応速度を制御して用いる。ガス組成を急速に変化
させる、静電気中和化学薬品を選択的に用いる。アルミ
ニウムアルキルによって表面不動態化することによって
満足すべきレベルに調整することができる。
反応装置系内の静電気を始動させる間制御するのが好
ましい。静電気を制御しなければ、触媒富化微粉の静電
誘導層が反応装置表面上に生成し得る。立ち代って、こ
れらの微粉は局部ホットスポット及びチャンクの生成を
誘起し得る。アルミニウムアルキルによって反応装置表
面を不動態化することは微粉層の生成を最少にする。こ
れは、初め始動床内のアルミニウムアルキル濃度を床の
重量を基準にして約300〜1000ppmに増大し、次いで床を
精製した窒素或はエチレンで数時間流動化させることに
よって行う。この不動態化期間の終りに、循環を保ちな
がら反応装置をパージし、反応条件を確立し、触媒を系
に供給することによって反応を開始する。静電気が依然
存在するならば、追加のパージ或は静電気中和化学薬品
を選択的に用いることが本質的に静電気を全て除くのに
必要になるかもしれない。
樹脂、触媒及び液体の混合物の流動床内の滞留時間は
約1.5〜約8時間の範囲にすることができ、約3〜約6
時間の範囲にするのが好ましい。最終のEPDM生成物は反
応したコモノマーを下記の量で含有する:エチレン約50
〜約80重量%;プロピレン約18〜約50重量%;エチリデ
ンノルボルネン約2〜約10重量%。またEPDMの全重量を
基準にした重量%で表わす結晶度は0(本質的に非晶
質)〜約15重量%の範囲にすることができ、0〜約10重
量%の範囲にするのが好ましい。ムーニー粘度は約20〜
約150の範囲にすることができ、約30〜約100にするのが
好ましい。ムーニー粘度は、EPDMを大きなローターを有
する容器に導入し、100℃において1分間予熱し、次い
で同じ温度において1分間攪拌することによって測定す
る。粘度を100℃において通常の方法で測定する。
本発明のEPDMは上述したプロセスの生成物であり、EP
DMの全ターポリマー鎖の約20〜約50重量%はENB成分を
全ENB成分の15重量%より少ない量で含有する。ターポ
リマー鎖のこの部分が含有するENB成分は約12重量%よ
り少ないのが好ましい。好ましいEPDMはターポリマー鎖
であって、該鎖の約20〜約30重量%はENB成分を全ENB成
分の約15重量%より少ない、或は更に12重量%より少な
い量で含有するものを含む。EPDMは更に、イオウ硬化さ
せた場合に、キシレンと共に還流させた際に一部溶解
し、溶解した部分はターポリマーの全重量を基準にして
約20〜約50重量%の範囲になることを特徴とすることが
できる。本発明のEPDMの溶解する部分が高いパーセンテ
ージであることは商用のEPDMと著しい対比をなす。商用
のEPDMは、イオウ硬化させかつキシレン中で還流させた
場合、90重量%を越えて不溶性である。好ましいEPDMで
は、溶解する部分は約20〜約30重量%の範囲である。
気相流動床プロセスが溶液、懸濁或はその他の気相プ
ロセスより勝る利点は下記の通りである:(i)簡単で
あること;(ii)溶媒或は希釈剤を省略すること;(ii
i)生成物の性質が優れていること;(iv)触媒生産性
が高いこと;(v)触媒残渣除去工程を省略すること;
(vi)EPDM粒状生成物を、残留モノマーガスパージした
後にペレッティング或はベイリングのいずれかに直接移
送することができる;(vii)プロセスを一層低い温度
で、適度の触媒生産性を維持しながら、操作することが
できる;(viii)広い範囲の分子量を有する生成物、特
に分子量の高いものを製造することができる。
触媒は米国特許4,508,842号に記載されている触媒と
同様である。代表的な流動床反応装置は米国特許4,482,
687号に記載されている。両方の特許を本明細書中に援
用する。
例1及び2 三塩化バナジウムを、600℃で脱水して水及び表面シ
ラノールのほとんどを除いたシリカに含浸させて触媒前
駆物質を調製した。含浸は、脱水したシリカを、三塩化
バナジウムをテトラヒドロフランに70゜〜80℃で溶解
し、窒素雰囲気下でテトラヒドロフランのほとんどを乾
燥して取り去ることによって調製した前駆物質溶液に混
入することによって行った。
前駆物質を、次いで、イソペンタンに溶解したジエチ
ルアルミニウムクロリド(DEAC)の溶液で改質してDEAC
/Vモル比約4.5にした。改質工程は、前駆物質をイソペ
ンタン溶液中にスラリー化し、窒素雰囲気下で乾燥して
自由流動性(free flowing)の完成触媒とすることによ
って行った。
重合を連続気相流動床反応装置で行った。流動床をEP
DM粒子で作った。エチレンと、プロピレンと、水素との
ガス状原料流を反応装置循環管路に供給した。液体エチ
リデンノルボルネン(ENB)及び助触媒溶液を直接流動
床反応装置に供給して混合及び分散を増進した。助触媒
はトリイソブチルアルミニウム(Ti BA)であった。精
製した窒素をキャリヤーガスとして用いて、触媒を固体
粒子として流動床に導入した。窒素の連続パージ流を生
成物排出管路において保った。静電気プローブを反応装
置内に設置して静電気レベルをモニターした。
反応条件、触媒分析及びEPDM特性を表Iに挙げる。
例3 主題の方法によって調製したEPDMを硬化させた場合
に、熱キシレンで抽出することができるポリマーを認め
得る量含有していた。抽出されたフラクションは核磁気
共鳴により加入エチリデンノルボルネンをほとんど含有
していないことが認められた。EPDMのこの部分は硬化を
受けなかったが、EPDMの残りについては可塑剤として働
き、これは硬化を受けかつEPDMの機械的性質を有意に高
める。生成物の形のEPDMは匹敵する組成の商用EPDM生成
物に比べて一層良好な靭性(引張強さ)、伸び及びレジ
リエンス(圧縮永久歪)を示すことを認めることができ
る。
また、主題の方法によって製造したEPDMで作るEPDM生
成物が加工するのに要するエネルギーはずっと少ないこ
とが認められる。すなわち、主題の方法によって製造し
たEPDMに充填剤約20〜約30重量%を配合すると、EPDMを
約130℃で容易に加工することができるのに対し、類似
の商用EPDM生成物の適当な混合を達成するためには温度
約170℃を用いることが必要である。
主題の方法で作った3つの異なるEPDM(A、B、C)
及び2つの商用EPDM、Royalene 539(D)及びRoyalene
552(E)(Royaleneはユニロイヤルの商標である)の
比較が表IIに続く。硬化させる前及び後の機械的性質を
示す。硬化後の性質をカッコ[]内に示す。
下記の配合物を160℃において20分間硬化させた:成 分 重量部 EPDM 150 酸化亜鉛 7.5 ステアリン酸 1.5 テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM) 2.25 メルカプトベンゾチアゾール(MBT) 0.75 イオウ 2.25 例4 硬化は所定の温度で所定の期間行う。この時間及び温
度は硬化サイクルの条件である。配合しかつ硬化させた
EPDMの性質はEPDM配合物中の成分の生成及び濃度並びに
硬化サイクルに依存する。
主題の方法によって製造したEPDM(A)及びRoyalene
539EPDM(B)を下記の通りにして配合しかつ硬化させ
た:配 合 重量部 1.EPDM ムーニー粘度=110 結晶度(重量%)=11 200 2.酸化亜鉛 10 3.ステアリン酸 2 4.タルク 60 5.ジクミルペルオキシド 5.4 6.イオウ 0.6 調製: 成分1〜4をブラベンダー或はバンバリーミキサーで
120゜〜130℃において混合した。混合物を未混成タルク
が存在しないことによって示される通りに十分に溶融さ
せた際に、ペルオキシド及びイオウを加え、混合を2〜
5分間続けた。製造する間に、EPDM Aの温度は約150℃
に上昇し、EPDM Bを製造する間に温度約170℃に上昇す
ることが観測された。170℃より高いと、スコーチング
が生じ得る。生成物を排出し、180℃において20分間硬
化させて評価した。性質を表IIIに挙げる。
例 5配 合 重量部 1.主題のEPDM ムーニー粘度=74 結晶度(重量%)=8.5 150 2.カーボンブラック 75 3.油 23 4.酸化亜鉛 7.4 5.ステアリン酸 1.5 6.TMTM 2.5 7.MBT 0.75 8.イオウ 2.3 調製: 成分1〜7をブラベンダーミキシングヘッドで130℃
において20〜30分間混合した。この時に、温度は150℃
に上昇した。生成物を排出し、プレスで平らに伸ばし、
ミキシングヘッドに再導入し、130℃において溶融させ
た。イオウを加え、溶融を2〜3分間続けた。次いで、
生成物を排出し、160℃において20分間圧縮成形して評
価した。性質を表IVに挙げる。
成分をブラベンダーミキシングヘッドで混合し、生成
した混合物を圧縮成形し、160℃において20分間硬化さ
せた。生成したフィルムの一部(11.7重量部)を切断し
て小さい片(0.5×0.5インチ(1.3cm×1.3cm))にて機
械的撹拌機及び凝縮器を装備した丸底フラスコに入れ
た。キシレン約500ミリリットルをフラスコに導入し、
次いで加熱してキシレンを還流させる温度にした。還流
するキシレン中のEPDMを24時間撹拌し、室温に冷却して
過した。キシレン液を減圧下で蒸留して凝縮させ、
ゴム状ポリマー物質約5重量部(初めのEPDMの約40重量
%)を単離した。この生成物を核磁気共鳴によって分析
して、含有するEPDMが初めのEPDMの全重量を基準にして
0.5重量%より少ないことを示した。過したEPDM、す
ならち不溶性EPDMの核磁気共鳴による分析は、適当な溶
媒に不溶性であるため、異なる。
上記の実験をRoyalene 539EPDMを用いて繰り返した場
合、キシレン溶分は主題のEPDMの場合に40重量%である
代りに10重量%より少なかった。
初めの主題のEPDMのポリマー鎖の約40重量%が初めの
EPDMの全重量を基準にして0.5重量%より少ないENBを含
有し、よってイオウ硬化を受けず、これよりキシレンで
抽出することができ、かつ初めの主題のEPDMのポリマー
鎖の約60重量%がENBを4重量%より多く含有し、イオ
ウ硬化を受け、キシレンに不溶性になると結論した。
表の注: 1.床におけるENBの重量%は全体重量を基準にする。
2.助触媒の100万当りの部(ppm)は全床重量を基準にす
る。
3.空塔速度はガスの混合物の速度である。
4.EPDMに加入するC3、ENB及び触媒灰分の重量%及び残
留バナジウムのppmはEPDMの重量を基準にする。
5.ムーニー粘度は上述した通りである。
6.結晶度(重量%)はEPDMの全重量を基準にした結晶性
EPDMの重量であり、デュポン示差走査熱量計を使用して
求める。
7.ENB(重量%)はEPDMの重量を基準にしたEPDMに加入
したエチリデンノルボルネンの重量である。
8.引張モジュラス、psiはASTM412、メソッドDで測定す
る。
9.引張モジュラス、100%psiはASTM412、メソッドDで
測定する。
10.引張強さ、psiはASTM412、メソッドDで測定する。
11.伸び、%はASTM D−638で測定する。
12.圧縮永久歪はASTM395下、25%歪で25℃において24時
間求める。圧縮永久歪%は、標準試験EPDM片が標準圧縮
負荷に既定の時間暴露させた後に、元の厚さに戻ること
ができないパーセンテージである。パーセンテージが小
さい程、サンプルは一層弾性になる。
13.引張モジュラス、300%psiはASTM412、メソッドDで
求める。
14.ショア硬度(D−スケール)はASTM D−2240で求め
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願のEPDMの製造工程を示すフローチャートで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マームード・ラシャド・リフィ 米国ニュージャージー州ケンダル・パー ク、ドーソン・ロード28 (72)発明者 マーク・ジョン・クリス 米国ウエストバージニア州セント・オル バンズ、シティング・ブル・ドライブ34 (72)発明者 ハンタイ・リウ 米国ニュージャージー州ベル・ミード、 コーネル・トレイル14 (56)参考文献 特開 昭59−230006(JP,A) 特開 昭58−40308(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン、プロピレン、エチリデンノルボ
    ルネン?び水素を流動床において気相で重合条件下で、
    下記: (a)バナジウム化合物と電子供与体との反応生成物; (b)下記式を有する少なくとも1種の調節剤: BX3或はAl R(3-a)Xa (式中、各々のRはアルキル或はアリールでありかつ同
    じであるか或は異なり、各々のXは独立に塩素、臭素或
    はヨウ素であり、aは0、1或は2である); (c)ハロカーボンプロモーター;及び (d)ヒドロカルビルアルミニウム助触媒 を含み、成分(a)及び(b)を無機担体に含浸させた
    触媒系の存在において反応させることを含み、但し (i)エチレンの分圧は1.8〜14kg/cm2(25〜200psi)
    の範囲であり; (ii)プロピレン対エチレンのモル比は0.2:1〜2:1の範
    囲であり; (iii)水素対エチレンのモル比は0.0001:1〜0.01:1の
    範囲であり; (iv)エチリデンノルボルネンの量は流動床の重量を基
    準にして1.5〜15重量%である EPDMの製造方法。
  2. 【請求項2】エチレン50〜80重量%と、プロピレン18〜
    50重量%と、エチリデンノルボルネン2〜10重量%との
    ターポリマーであり、全ターポリマー鎖の20〜50重量%
    はエチリデンノルボルネン成分を全エチリデンノルボル
    ネン成分の15重量%より少ない量で含有する、100℃に
    おけるムーニー粘度20〜150の範囲を有するEPDM。
  3. 【請求項3】エチレン50〜80重量%と、プロピレン18〜
    50重量%と、エチリデンノルボルネン2〜10重量%との
    ターポリマーであり、イオウ硬化させてキシレンと還流
    させた際に一部溶解し、溶解した部分はターポリマーの
    全重量を基準にして20〜50重量%の範囲である、100℃
    におけるムーニー粘度20〜150の範囲を有するEPDM。
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