JP2606540B2 - 波形等化器 - Google Patents

波形等化器

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JP2606540B2
JP2606540B2 JP4357315A JP35731592A JP2606540B2 JP 2606540 B2 JP2606540 B2 JP 2606540B2 JP 4357315 A JP4357315 A JP 4357315A JP 35731592 A JP35731592 A JP 35731592A JP 2606540 B2 JP2606540 B2 JP 2606540B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタル無線通信にお
いて伝送路歪を除去する波形等化器に関し、特にトラン
スバーサルフィルタを用いた波形等化器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、デジタル無線通信においては、無
線区間における搬送波の直接波と反射波との干渉(フェ
ージング)による伝送路歪が生じ、これを除去するため
に波形等化器が用いられている。図8は、このような波
形等化器の一例を示す図であり、タップ数が5個のトラ
ンスバーサルフィルタで構成されるものである。ここで
受信信号101は、送信側でデジタル変調されており、
復調回路1へ送出されている。復調回路1は受信信号1
01を入力すると、復調、識別し、量子化された復調ベ
ースバンド・デジタル信号102をトランスバーサルフ
ィルタ回路2と第1の遅延回路7とに出力する。トラン
スバーサルフィルタ回路2は、復調ベースバンド・デジ
タル信号102を波形整形し等化出力信号103として
出力する。この等化出力信号103は、主信号として後
続の信号処理部へ出力されると共に、誤差信号生成回路
3に対しても出力される。
【0003】誤差信号生成回路3は、等化出力信号10
3と受信歪みの無い理想的な信号との残留誤差成分を検
出し、これを誤差信号104として相関回路4へ出力す
る。一方、第1の遅延回路7は、復調ベースバンド・デ
ジタル信号102を入力すると、これを遅延して誤差信
号104と相関タイミングを合わせた相関用信号108
を出力する。相関回路4は、相関用信号108と誤差信
号104とを入力すると、双方の信号の間の相関演算を
各タップ制御タイミングに応じて行う。
【0004】ここで相関演算を簡単にするために、演算
に用いる信号を相関用信号108のMSB(最上位ビッ
ト)と誤差信号104のMSBとに限定すると、両信号
の極性が一致したときには相関結果は「1」、一致しな
いときには相関結果は「0」の信号が相関回路4の出力
信号105として可逆計数回路5へ出力される。可逆計
数回路5は20段(±220まで計数可能)の計数回路で
あり、相関回路4の出力信号105が「1」のときには
+1を計数し、「0」のときには−1を計数する。な
お、可逆計数回路5の20ビットの出力中、上位10ビ
ットはトランスバーサルフィルタ回路2のタップ係数1
06として出力される。ここで、可逆係数回路5の段数
を20段と大きな段数に設定したのは、デジタル無線通
信の伝送路でフェージングの無い場合や変化のゆるやか
なフェージングが発生する場合に対処するためであり、
このような場合トランスバーサルフィルタ回路2のタッ
プ係数は、係数が変化することにより生じるノイズ成分
を抑圧するためにきめ細かな係数制御が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、伝送路で変化
の速いフェージングが発生し、波形歪が急速に変化する
場合は、これに追従するためにタップ係数を高速で変化
させて迅速な等化作用を行う必要がある。従来は20段
の段数を有する可逆係数回路でタップ係数を出力してい
るため、タップ係数の出力の変化が遅く、したがって、
波形歪の急速変化に対し追従能力が低下するという問題
があった。
【0006】したがって本発明は、伝送路の波形歪の急
速変化に追従可能な波形等化器を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明は、伝送路歪を受けた信号を入力して復
調を行い量子化されたデータ信号として出力する復調回
路と、このデータ信号を入力し上記伝送路歪を除去する
タップ係数可変のトランスバーサルフィルタ回路と、こ
のトランスバーサルフィルタ回路の出力と内部で生成さ
れる伝送路歪の無い信号との差を検出し誤差信号として
出力する誤差信号生成回路と、量子化されたデータ信号
またはトランスバーサルフィルタ回路の出力信号を誤差
信号のタイミングに合致させる第1の遅延回路と、誤差
信号と第1の遅延回路の出力の象限信号成分との相関検
出を行い,相関の有無を2値信号として出力する相関回
路と、相関回路から出力される2値信号にしたがって可
逆計数を行う段数可変の可逆計数回路と、可逆計数器,
第2の遅延回路,分周回路及びラッチ回路からなり相関
回路の出力を所定時間平均化しその平均出力にしたがっ
て可逆計数回路の段数を制御する相関信号平均回路とを
備えたものである。
【0008】
【作用】伝送路歪を受けた信号を入力して歪を除去する
トランスバーサルフィルタ回路の出力信号と伝送路歪の
無い信号との差を検出して誤差信号とし、トランスバー
サルフィルタ回路の出力信号を遅延回路により遅延させ
て誤差信号のタイミングと一致させ、タイミングの一致
した誤差信号と遅延回路の出力の象限信号成分との相関
の有無を2値信号として検出すると共に、検出された2
値信号にしたがって可逆計数回路の計数を行い、かつ可
逆計数回路の段数は相関回路の出力の平均値にしたがっ
て制御する。
【0009】
【実施例】以下、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明に係る波形等化器の一実施例を示すブ
ロック図である。同図において、1は復調回路、2はト
ランスバーサルフィルタ回路、3は誤差信号生成回路、
4は相関回路、6は相関信号平均回路(以下、平均回
路)、7は第1の遅延回路、8は段数可変の可逆計数回
路である。
【0010】次にこの波形等化器の概略の動作について
説明する。受信信号101は、送信側でデジタル変調さ
れ復調回路1へ送出されている。復調回路1は受信信号
101を入力すると、復調、識別し、量子化された復調
ベースバンド・デジタル信号102をトランスバーサル
フィルタ回路2と第1の遅延回路7とに出力する。トラ
ンスバーサルフィルタ回路2は、復調ベースバンド・デ
ジタル信号102を波形整形し等化出力信号103とし
て出力する。この等化出力信号103は、主信号として
後続の信号処理部へ出力されると共に、誤差信号生成回
路3に対しても出力される。
【0011】誤差信号生成回路3は、等化出力信号10
3と受信歪みの無い理想的な信号との残留誤差成分を検
出し、誤差信号104として相関回路104へ出力す
る。第1の遅延回路7は、復調ベースバンド・デジタル
信号102を入力すると、これを遅延して誤差信号10
4と相関タイミングを合わせた相関用信号108を出力
する。相関回路4は、相関用信号108と誤差信号10
4とを入力すると、双方の信号の間の相関演算を各タッ
プ制御タイミングに応じて行う。
【0012】ここで相関演算を簡単にするため、演算に
用いる信号を相関用信号108のMSBと誤差信号10
4のMSBとに限定すると、両信号の極性が一致したと
き、即ち両信号の象限が一致したときには相関結果は
「1」、一致しないときには相関結果は「0」の信号が
相関回路4の出力信号105として平均回路6を介して
可逆計数回路85へ出力される。段数可変の可逆計数回
路8は、13〜20段(±213〜220まで計数可能)の
計数回路であり、相関回路4の出力信号105が「1」
のときには+1を計数し、「0」のときには−1を計数
する。また、平均回路6から出力される段数制御信号1
07によって可逆計数回路8の段数が制御される。
【0013】このような段数制御の一例を示すと、段数
制御信号107の10進値が「0」の場合は20段(±
20まで計数可能)に、段数制御信号107の10進値
が「1」の場合は19段(±219まで計数可能)に、以
下同様に、段数制御信号107の10進値が「2」〜
「7」の場合は18〜13段(±218〜213まで計数可
能)に段数が設定される。この段数設定された可逆計数
回路8の13〜20ビットの出力中、上位10ビットは
トランスバーサルフィルタ回路2のタップ係数106と
して出力される。この結果、タップ係数106の最下位
ビットが変化するまでの最小の計数時間は、計数タイミ
ングクロック周期をTとすると、段数が20段のときに
10T、段数が13段のときに213Tとなり、段数が1
3段の場合の方が計数時間は128(210/213=27
T)倍短くなる。したがって、後述するように、伝送路
で速いフェージングが発生した場合にその追従能力が大
幅に向上する。
【0014】次に図2は平均回路6のうち、1タップ分
の回路の実施例を示す図である。これは、相関回路4の
出力信号を27 (=128)クロック分平均化してその
結果により可逆計数回路8を制御する平均回路である。
ここで、入力である相関回路4の出力信号105は、7
段(±27 )まで計数可能な7段可逆計数器(以下、可
逆計数器)61の計数信号であり、出力信号105が
「1」のときに+1を計数し、「0」のときには−1を
計数する。また、計数タイミング用のクロック信号60
1が可逆計数器61に出力されて計数タイミングの制御
が行われる。計数タイミング用のクロック信号601は
分周回路64に対しても送出され、クロック分周が行わ
れた後、計数タイミング用クロック信号601の27
ロック中、1クロック分のパルス信号を有する信号60
2を出力する。このパルス信号602は、第2の遅延回
路63にも出力され計数タイミングクロック信号601
の1/2周期分遅延したリセット信号603が出力され
る。このリセット信号603は、可逆計数器61へ出力
され、リセット信号中のパルスのタイミングに合わせて
可逆計数器61の計数リセットを行う。
【0015】ここで、可逆計数器61の8ビットの出力
(SIGN,26 〜20 )のうち、26 ,25 ,24
桁の3ビット出力6046,6045,6044がラッチ回路62へ
送出され、ラッチ回路62は、パルス信号602のタイ
ミングによりラッチ動作を行い、3ビットの段数制御信
号107を出力する。
【0016】次に図3は、図2に示す平均回路6内の可
逆計数器61の出力信号6046,6045,6044,・・・,60
40、計数タイミング用のクロック信号601、リセット
信号603、ラッチ回路62のラッチ用パルス信号60
2、ラッチ出力,つまり段数制御信号107のそれぞれ
のタイミングを示すタイミングチャートである。このタ
イミングチャートの例は、相関回路4の出力信号105
において「1」の相関結果が続く例である。このとき、
可逆計数器61は、リセット信号603のリセットパル
ス立ち下がり後、(27 −1)回の計数を行う。そして
計数結果(27 −1)の出力後、上位3ビット(26
5 ,24 )の出力がパルス信号602の立ち上がりに
したがってラッチされ、10進値で「7」を示す3ビッ
トの段数制御信号107を出力する。
【0017】次に図4は、平均回路6のうち、1タップ
分の回路の第2の実施例を示す図である。これは、図2
に示される平均回路の出力に或しきい値との比較を行う
比較回路65を設け、その比較結果により可逆計数回路
8の段数を制御するものである。ここで、相関回路4の
出力信号105の入力からラッチ回路62の出力6051〜
6053までの動作は既に図2において説明したとおりであ
るので、ここではその説明を省略する。ラッチ回路62
の3ビット出力6051〜6053は、比較回路65に送出さ
れ、或3ビットのしきい値と比較された後「0」(小さ
い)または「1」(等しいかまたは大きい)の2値信号
を比較結果信号606として段数設定回路66に出力す
る。段数決定回路66は、可逆計数回路8の段数を13
段から20段までの範囲内で、比較結果信号606が
「0」のときには1段減少し、「1」の時には1段増加
させる動作を行い、設定された段数を段数制御信号10
7として出力する。
【0018】次に、図5は、図2に示す平均回路の計数
結果により段数を制御する制御方法の第1の例を説明す
る図であり、3ビットの段数制御信号107の値にした
がって可逆計数回路8の段数を8段階制御する場合の可
逆計数器61の計数結果または段数制御信号107の出
力と可逆計数回路8の段数との関係を示したものであ
る。ここで、可逆計数器61の計数結果が「0」に近い
ほど可逆計数回路8は最大の段数で計数を行い、計数結
果の絶対値が大きくなるほど可逆計数回路8は少ない段
数で計数を行うことがわかる。
【0019】次に、図6は、図2に示す平均回路の計数
結果により段数を制御する制御方法の第2の例を説明す
る図であり、3ビットの段数制御信号107の値にした
がって可逆計数回路8の段数を4段階制御するときの可
逆計数器61の計数結果または段数制御信号107の出
力と可逆計数回路8の段数との関係を示したものであ
る。このように、図2で示す平均回路6を用いて可逆計
数回路8の様々な段数制御を行うことが可能になる。
【0020】また、図7は図4に示す平均回路6の計数
結果により段数を制御する制御方法の例を示す図であ
り、しきい値NT の値にしたがって可逆計数回路8の段
数制御を行うときの可逆計数器61の計数結果または段
数制御信号107の出力(ラッチ回路62の出力)と比
較結果信号606との関係を示したものである。この例
ではしきい値NT は1個であるが、しきい値を複数設定
して計数値が大きい場合に変化させる段数を増やすこと
もできる。以上の例は、図2または図4で示される7段
の可逆計数器61を用いて構成した平均回路の例である
が、可逆計数器61の段数を変えることにより様々な平
均回路を構成することも可能である。
【0021】このように本波形等化器は、受信信号と波
形等化後の残留誤差信号との相関結果を或一定時間平均
化して、相関結果を可逆計数する段数可変の可逆計数回
路の段数を、正相関,負相関が殆ど等しい確率で発生す
る場合に最も大きく、また正相関,負相関が不等確率で
発生するにしたがって小さく制御することにより次の2
つの効果を生じる。即ち第1の効果として、伝送路でフ
ェージングが無いとき、或いは非常にゆるやかなフェー
ジングが発生したときには、相関結果が正,負等確率で
発生し、この場合、従来の波形等化器と同様、計数回路
の段数が最大の20段に設定され、きめ細かいタップ係
数制御が行われるため、タップ係数が変動することによ
る信号への雑音付加が少なくなり受信信号の品質が良好
に保たれる。また、第2の効果として、伝送路で速いフ
ェージングが発生して相関結果が正,負いずれかに片寄
る場合は、計数回路の段数が最小の13段まで小さく設
定され、このときタップ係数の変化速度は従来のものに
比べて最大128倍(220/213=27 )となるため、
フェージングに対する追従性は従来にくらべ最大128
倍となる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
伝送路歪を受けた信号を入力して歪を除去するトランス
バーサルフィルタ回路の出力信号と伝送路歪の無い信号
との差を検出して誤差信号とし、トランスバーサルフィ
ルタ回路の出力信号を遅延回路により遅延させて誤差信
号のタイミングと一致させ、タイミングの一致した誤差
信号と遅延回路の出力の象限信号成分との相関の有無を
2値信号として検出すると共に、検出された2値信号に
したがって可逆計数回路の計数を行い、かつ可逆計数回
路の段数は相関回路の出力の平均値にしたがって制御す
ることにより、伝送路で変化の速いフェージングが発生
し、波形歪が急速に変化するような場合には、可逆計数
回路の段数が最小の段数まで設定できることから、タッ
プ係数を高速で変化させることができ、したがって波形
歪の急速変動に対し追従能力が向上するという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る波形等化器の一実施例を示すブロ
ック図である。
【図2】上記波形等化器を構成する平均回路の第1の実
施例を示すブロック図である。
【図3】上記平均回路の各部のタイミングを示すタイミ
ングチャートである。
【図4】上記平均回路の第2の実施例を示すブロック図
である。
【図5】第1の実施例の平均回路を用いたときの可逆計
数器の計数結果または段数制御信号と可逆計数回路の段
数の関係を説明する図である。
【図6】第1の実施例の平均回路を用いたときの可逆計
数器の計数結果または段数制御信号と可逆計数回路の段
数の関係を説明する図である。
【図7】第2の実施例の平均回路を用いたときの可逆計
数器の計数結果または段数制御信号と比較結果信号の関
係を説明する図である。
【図8】従来の波形等化器のブロック図である。
【符号の説明】
1 復調回路 2 トランスバーサルフィルタ回路 3 誤差信号生成回路 4 相関回路 6 相関信号平均回路 7 第1の遅延回路 8 可逆計数回路 61 7段可逆計数器 62 ラッチ回路 63 第2の遅延回路 64 分周回路 65 比較回路 66 段数設定回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル無線通信における伝送路歪を受
    けた信号を入力して複数のタップを有するトランスバー
    サルフィルタを用い前記伝送路歪を除去する波形等化器
    において、 前記伝送路歪を受けた信号を入力して復調を行い量子化
    されたデータ信号として出力する復調回路と、このデー
    タ信号を入力し前記伝送路歪を除去するタップ係数可変
    のトランスバーサルフィルタ回路と、このトランスバー
    サルフィルタ回路の出力と内部で生成される伝送路歪の
    無い信号との差を検出し誤差信号として出力する誤差信
    号生成回路と、前記量子化されたデータ信号または前記
    トランスバーサルフィルタ回路の出力信号を前記誤差信
    号のタイミングに合致させる第1の遅延回路と、前記誤
    差信号と前記第1の遅延回路の出力の象限信号成分との
    相関検出を行い,相関の有無を2値信号として出力する
    相関回路と、この相関回路から出力される2値信号にし
    たがって可逆計数を行う段数可変の可逆計数回路と、
    逆計数器,第2の遅延回路,分周回路及びラッチ回路か
    らなり前記相関回路の出力を所定時間平均化しその平均
    出力にしたがって前記可逆計数回路の段数を制御する相
    関信号平均回路とを備えたことを特徴とする波形等化
    器。
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