JP2605766Y2 - 粉末冶金用成形金型における成形パンチ - Google Patents

粉末冶金用成形金型における成形パンチ

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JP2605766Y2
JP2605766Y2 JP1992066873U JP6687392U JP2605766Y2 JP 2605766 Y2 JP2605766 Y2 JP 2605766Y2 JP 1992066873 U JP1992066873 U JP 1992066873U JP 6687392 U JP6687392 U JP 6687392U JP 2605766 Y2 JP2605766 Y2 JP 2605766Y2
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安間  裕之
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、粉末冶金用成形金型に
おける成形パンチに関し、特に、面取り部形成部分の改
良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような粉末冶金用成形金型に
おける成形パンチとしては、燒結機械部品−その設計と
製造(昭和62年10月20日,日本粉末冶金工業会編
著)の第178ページ第4.39図における(C−3)に記
載のものが知られている。
【0003】即ち、この文献には、図4の(イ) に示すよ
うに、ダイ1に摺接する外周面3bに対して略直角な先
端部の押圧面3cを備え、該押圧面3cの外周に面取り
部形成用環状凸部3eが形成されてなる成形パンチ30
であって、前記環状凸部3eに前記外周面3bに交わる
傾斜面aを形成し、該傾斜面aと前記外周面3bとのな
す隅肉角θを45°〜60°に形成すると共に、面取り
部形成用環状凸部3eの外周先端部に平坦部(ランド)
cを設けた構造の粉末冶金用成形金型における成形パン
チ30と、図4の(ロ) に示すように、隅肉角θを45°
〜60°に形成し、面取り部形成用環状凸部3eの外周
先端部に平坦部(ランド)cを設けると共に、さらに、
傾斜面aにアールを形成した粉末冶金用成形金型におけ
る成形パンチ31とが示されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の粉末冶金用成形金型における成形パンチ構
造にあっては、面取り部形成用環状凸部の先端部に平坦
部を形成することで、該先端部の破損は防止できるよう
になるが、平坦部を有する分だけ成形パンチの形状が複
雑になって製造コストが高くつくと共に、パンチの面取
り部形成用環状凸部の隅肉角が60°以下では環状凸部
の剛性強度が弱くなり、このため、圧粉密度が高密度と
なると、粉体側からの加圧反力で面取り部形成用環状凸
部に破損を生じさせ易いという問題点があった。
【0005】本考案は、上述のような従来の問題点に着
目してなされたもので、押圧面の面積を確保しつつ、面
取り部の深さを十分に確保し、かつ、耐久性を向上させ
ることができる粉末冶金用成形金型における成形パンチ
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するために、本考案は、ダイに摺接する周面に対して略
直角な先端部の押圧面を備え、該押圧面の周縁部に面取
り部形成用環状凸部が形成されてなる粉末冶金用成形
金型における成形パンチにおいて、前記環状凸部に前記
周面に交わる傾斜面を形成し、該傾斜面と前記周面との
なす隅肉角が60°よりも大きい角度に設定し、前記押
圧面と傾斜面との間に、前記傾斜面の角度よりも小さい
とともに前記成形パンチの抜け勾配となる傾斜角を有し
た段部を形成した構成とした。
【0007】
【作用】本考案の粉末冶金用成形金型における成形パン
チでは、上述のように、ダイに摺接する周面と成形パン
チにおける面取り部形成用環状凸部の傾斜面とのなす隅
肉角を60°よりも大きな角度に形成することで、環状
凸部の剛性強度を高めることができると共に、加圧圧縮
される粉末側からの加圧反力のうち、環状凸部を水平方
向に押し広げる方向の反力を小さく抑えることができる
ようになり、これにより、成形パンチの耐久性を向上さ
せることができる。
【0008】また、以上のように、環状凸部の剛性強度
を高めることができるため、従来例のような平坦部の形
成を必要とせず、これにより、製造コストを高めること
もない。また、前記押圧面と傾斜面との間に段部を形成
することにより、押圧面の面積を確保しつつ、段部の形
成により面取り部の深さを十分に取ることができるよう
になる。
【0009】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面により詳述す
る。まず、実施例の構成を説明する。
【0010】図2は、本考案実施例の成形パンチを適用
した粉末冶金用成形金型を示す断面図であり、この図に
示すように、この実施例適用の金型は、ダイ1と、コア
2と、上パンチ3と、下パンチ4とで構成されている。
【0011】即ち、前記ダイ1は、環状に形成され、そ
の軸心部には前記コア2が設けられている。そして、こ
のコア2は、その下部側に設けられた図外のアクチュエ
ータにより、その軸線方向に昇降自在に設けられてい
て、その外周面と前記ダイ1の内周面との間に環状の粉
末成形空間fを形成している。
【0012】この粉末成形空間fには、その上端開口部
側から環状の上パンチ3が挿入され、また、その下端開
口部側には環状の下パンチ4が挿入されている。そし
て、下パンチ4側は固定ベースに固定状態に設けられ、
上パンチ3側は図外のアクチュエータにより昇降自在に
設けられている。
【0013】次に、図1は図2の要部を示す拡大断面
、図3は図2の要部拡大断面図であり、この図に示す
ように、前記粉末成形空間fに挿入された上下両パンチ
3,4の対向する先端側には、ダイ1の内周面とコア2
の外周面に摺接する内外両周面3a,3b,4a,4b
に対して直角な平面の押圧面3c,4cが形成されると
共に、該押圧面3c,4cの内周縁部及び外周縁部に
は、面取り部形成用の環状凸部3d,3e,4d,4e
が形成されている。そして、この各環状凸部3d,3
e,4d,4eは、内外両周面3a,3b,4a,4b
に交わる傾斜面aが形成されていて、この傾斜面aと内
外両周面3a,3b,4a,4bとのなす隅肉角θが、
60°<θ≦85°の範囲内で任意の角度に設定されて
いる。
【0014】また、図3にその詳細を示すように、前記
環状凸部3eの傾斜面aと押圧面3cとの間に段部を形
成し、この段部の押圧面3cからの立ち上がり面bに、
垂直面hに対して12°以上の傾斜角θ0 が設けられて
いる。尚、図において、5は粉末成形体を示す。
【0015】次に、実施例の作用について説明する。こ
の実施例適用の成形金型では、上述のように構成される
ので、コア2の外周面とダイ1の内周面との間に形成さ
れる環状の粉末成形空間f内に収容された焼結粉末を、
上下両パンチ3,4間で加圧圧縮することにより、その
内外周上下両コーナ部にそれぞれ面取り部5aが形成さ
れた所定形状の粉末成形体5を成形することができる。
【0016】そして、上下両パンチ3,4による加圧成
形が行なわれる際には、加圧圧縮される粉末側からの加
圧反力により、面取り部形成用の環状凸部3d,3e,
4d,4eを水平方向に押し広げる方向の反力が作用す
るが、隅肉角θが大きいことから、この水平方向の反力
が小さく抑えられ、これにより、環状凸部3d,3e,
4d,4eの破損を防止することができるようになる。
【0017】また、段部により、押圧面3cの面積を確
保しつつ、面取り部5aの深さを十分に取ることができ
るようになる。
【0018】以上説明してきたように、この実施例の粉
末冶金用成形金型における成形パンチにあっては、環状
凸部3d,3e,4d,4eに大きな隅肉角θを付ける
ことで、同部分の剛性強度を高めることができる共に、
環状凸部3d,3e,4d,4eを水平方向に押し広げ
る方向の反力を小さく抑えることができるため、成形パ
ンチの耐久性を向上させることができるという特徴を有
している。
【0019】また、段部により、押圧面3cの面積を確
保しつつ、面取り部5aの深さを十分に取ることができ
るようになるという特徴を有している。
【0020】以上、本考案の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもので
はなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計変
更等があっても本考案に含まれる。
【0021】
【考案の効果】以上説明したように、本考案の粉末冶金
用成形金型における成形パンチにあっては、ダイに摺接
する外周面に対して略直角な先端部の押圧面を備え、該
押圧面の外周に面取り部形成用環状凸部が形成されてな
る粉末冶金用成形金型における成形パンチにおいて、前
記環状凸部に前記外周面に交わる傾斜面を形成し、該傾
斜面と前記外周面とのなす隅肉角を60°よりも大きい
角度に設定し、前記押圧面と傾斜面との間に、傾斜面の
角度よりも小さいとともに成形パンチの抜け勾配となる
傾斜角を有した段部を形成した構成とすることで、環状
凸部の剛性強度を高めることができる共に、環状凸部を
水平方向に押し広げる方向の反力を小さく抑えることが
できるため、成形パンチの耐久性を向上させることがで
きるようになるという効果が得られる。
【0022】また、前記押圧面と傾斜面との間に段部を
形成することにより、押圧面を確保しつつ、段部の形成
により面取り部の深さを十分に取ることができるように
なるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の成形パンチを適用した粉末冶金
用成形金型の要部を示す拡大断面図である。
【図2】本考案実施例の成形パンチを適用した粉末冶金
用成形金型を示す断面図である。
【図3】図1の要部拡大断面図である。
【図4】従来例の粉末冶金用成形金型の要部を示す拡大
断面図である。
【符号の説明】
1 ダイ 2 コア 3 上パンチ 4 下パンチ 3a 内周面 3b 外周面 3c 押圧面 3d 環状凸部 3e 環状凸部 4a 内周面 4b 外周面 4c 押圧面 4d 環状凸部 4e 環状凸部 a 傾斜面b 立ち上がり面 h 垂直面 θ 隅肉角θ0 傾斜角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 3/035

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイに摺接する周面に対して略直角な先
    端部の押圧面を備え、該押圧面の周縁部に面取り部形成
    環状凸部が形成されてなる粉末冶金用成形金型にお
    ける成形パンチにおいて、 前記環状凸部に前記周面に交わる傾斜面を形成し、該傾
    斜面と前記周面とのなす隅肉角が60°よりも大きい角
    度に設定し、 前記押圧面と傾斜面との間に、前記傾斜面の角度よりも
    小さいとともに前記成形パンチの抜け勾配となる傾斜角
    を有した段部を形成したことを特徴とする粉末冶金用成
    形金型における成形パンチ。
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