JPS602891Y2 - セラミツクグリ−ンシ−トの打抜き金型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はセラミックグリーンシートに多角形状の孔を穿
設する打抜き金型に係り、更に詳しくは金型の下パンチ
孔の形状を多角形の各辺の中央部が円弧のＲにて脹らみ
をもつ構造に形成して、打抜いたグリーンシートの孔形
状が所期の多角形を得るためのセラミックグリーンシー
トの打抜き金型に関するものである。

セラミックグリーンシートの外形及び孔穿設の打抜きに
使用されている金型の断面図を第１図に示し、Ａ図はグ
リーンシート切断面の状態を表はしたものであり、図中
１は上パンチ金型で外周部は外形切断用の箱蓋突出面を
形成し、またグリーンシートの所望位置に孔を穿設する
打抜きピン２が装着され、この打抜きピン２と外周部の
箱蓋突出部との間にはバネ３にて上下摺動自由な押え板
４が装着されている。

この上パンチ１に対して相対的に下パンチ金型５が有り
上パンチ金型外周部の箱蓋突出面に対しバネ３ａにより
上下摺動自由な受台６があり、また孔明は用ピン２を挿
入しシートを切断する下パンチ孔７が下パンチ台８に設
置されている。

グリーンシート９を下パンチ金型５上に載置してシート
を切断した金型の嵌挿状態を表したものがＢ図であり９
ａがグリーンシートの切断層片である。

上記打抜き金型で多角形状の孔を穿設するのに従来は上
パンチピン２と、そのピン２の挿入する下パンチ孔７と
の平面形状は両方共、各辺が直線にて構成された多角形
であった。

この金型で穿設されたグリーンシートの孔形状は第２図
Ａの平面図に示す如く各辺の中央部が円弧状にＤ寸法窪
み、またその平面図の線Ｃ−Ｃ′よりの断面形状がＢ図
に示す様に下面が上面よりＥ寸法だけ小さくなった逆梯
形状となる。

この形状寸法でも規定公差の範囲内に入る場合には問題
ないが公差が厳しくなると不良となる確率が増加する。

又焼結して金具と組付ける時のカケ、ワレの要因ともな
った。

本考案は以上の様な多角形の穿設孔の形状欠点を改良し
て所期の多角形孔を得るために威されたものであり、そ
の要旨は金型の上パンチピン平面形状は多角形の各辺が
直線で形成され、この上パンチピンが挿入する孔明は用
下パンチ孔の形状を多角形の各辺の中央部が円弧のＲに
て脹らみをもつ構造であり、これにて打抜いたグリーン
シ一トの孔形状が所期の多角形であることを特徴とする
ものである。

この多角形各辺の中央部円弧の脹らみに寸法はグリーン
シート厚み寸法１〜７％であることが良好である。

このに寸法を１％以上に規定理由は１％以下では、打抜
いたシート孔の多角形状が所期の形状を形成せず、また
７％以下に規定した理由は、７％以上では打抜いたシー
トの多角形孔の下面部形状に円弧の脹らみが残るためで
ある。

以上の様に孔明は用下パンチ孔の多角形各辺の中央部を
円弧のＲにて脹らみを形成した作用については、グリー
ンシートが上パンチピンにより打抜かれると同時に上パ
ンチピンが元の位置に戻る時、上パンチピンとグリーン
シートとの摩擦でピンに接触しているシート孔部分が持
ちあげられ、そのシートの密度が高くなって変形するた
めであり、グリーンシートと上パンチピンとの摩擦を出
来るだけ小さくするために接織面積を僅少に構成された
ものである。

以下、実施、例により詳細に説明する。

実施例 上パンチピン２の平面形状を４．９Ｘ ９．６ｍｍの四
角形で長さ１２ｒＩｒＩｎを作威し上パンチ金型１に装
着した。

この上パンチピン２が挿入する下パンチ孔７を下パンチ
台８に第３図のＡ平面図に示す４．９２Ｘ９．６２ｍｍ
（ＨＸ Ｗ）でこの辺の中央部かに寸法の０、０５ｍ
脹らんだ円弧で結ばれた形状で深さ１２斜に穿設形成し
た。

又、別にＡ１゜０３９６％と焼結剤とを成分とする素地
に樹脂と溶剤を加えて厚さ１．ｏｒｒＩ！ｎのグリーン
シ。

−トを成形して、このグリーンシートを上記打抜き金型
の下パンチ５上に載置して外形及び孔を打抜いた。

その結果打抜いた孔形状はグリーンシートの上下面共、
良好な四角形であった。

これを樹脂抜き加熱后、１６００℃で焼結した基板の孔
形状は良好な四角形であり基準公差を十分満足するもの
であった。

又、第３図Ｂに示す平面形状の六角形を別のグリーンシ
ートに穿設実施した。

１辺の長さＬ寸法５．２０ｍｍの六角形状で長さ１２簡
の上パンチピンを作威し上パンチ金型に装着した。

この上パンチピンに対して、下パンチ孔をパンチ台に第
３図Ｂの平面図に示す１辺の長さＬ寸法５．２２ｍｍで
辺の中央部かに寸法の０．０３ｍｍ脹らんだ円弧で結ば
れた形状で深さ１２ｍｍに穿設形成した。

上記実施例で調製した同一素地で厚さ０．８ｍｍのグリ
ーンシートを用いて上記打抜き金型で打抜いた孔形状は
グリーンシートの上下面共、良好な六角形であり、これ
を樹脂抜き加熱后、焼結した基板の孔形状は良好な六角
形で多量生産品のすべて基準公差を満足するものであっ
た。

以上、記述した様に本考案は要求される製品の多角形状
の孔形を正確に形成するグリーンシートの打抜き金型で
あり、その利用範囲は電子部品、産業器機部品の製造に
大いに適用される工業的に価値ある考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は打抜き金型の断面図でありＡ図はグリーンシー
トの切断面の状態、Ｂ図は切断した状態図、第２図は従
来の打抜き后の孔形状であり、Ａ図は平面図でその線Ｃ
−Ｃ’よりの断面が、Ｂ図である。 第３図は本考案の下パンチ孔の平面図であり、Ａ図は四
角形状、Ｂ図は六角形状である。 １・・・・・・上パンチ金型、２・・・・・・打抜きピ
ン、３゜３ａ・・・・・・バネ、４・・・・・・押え板
、５下パンチ金型、６・・・・・・受台、７・・・・・
・下パンチ孔、８・・・・・・下パンチ台、９，９ａ・
・・・・・グリーンシート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ セラミックグリーンシートに多角形の孔を穿設する
   打抜き金型において、該金型の上パンチピン平面形状は
   多角形の各辺が直線で形成され、この上パンチピンが挿
   入する孔明は用下パンチ孔の形状を多角形の各辺の中央
   部が円弧のＲにて脹らみをもつ構造であり、これにて打
   抜いたグリーンシートの孔形状が所期の多角形であるこ
   とを特徴とするセラミックグリーンシートの打抜き金型
   。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の多角形各辺の
   中央部円弧の脹らみに寸法はグリーンシート厚み寸法の
   １〜７％であることを特徴とするセラミックグリーンシ
   ートの打抜き金型。