JP2605573Y2 - 車両用チルトスライド装置 - Google Patents

車両用チルトスライド装置

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JP2605573Y2
JP2605573Y2 JP1992058445U JP5844592U JP2605573Y2 JP 2605573 Y2 JP2605573 Y2 JP 2605573Y2 JP 1992058445 U JP1992058445 U JP 1992058445U JP 5844592 U JP5844592 U JP 5844592U JP 2605573 Y2 JP2605573 Y2 JP 2605573Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、車体ルーフの一部を電
動式にスライド作動やチルト作動して開閉するチルトス
ライド装置であって、特に、上下寸法を小さくする構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用車では、例えば、昭和55年10月
15日(株)山海堂発行「自動車工学全書第13巻;乗
用車の車体」第158頁に開示されているように、車体
ルーフの一部をモータによってスライド作動やチルト作
動して開閉できる電動式のサンルーフ装置が知られてい
る。
【0003】このサンルーフ装置に用いられるチルトス
ライド装置としては、種々構造のものが提案されている
が、基本的には、車体ルーフ部の開口部車幅方向両縁に
取り付けられる左右一対のガイドレールを備えている。
このガイドレールには、左右一対のスライド部材を摺接
係合可能に組み付けてある。スライド部材には、リッド
が連結される前後リンク部材を組み付けてある。そし
て、ギヤボックスで、モータの回転運動を直線運動に変
換し、この直線運動で、スライド部材をガイドレールに
沿って前後方向に移動することにより、リッドをスライ
ド作動して車体ルーフ部の開口部を全開閉したり、ある
いは、リッドを前傾状にチルト作動したりするようにな
っている。この類似構造は、特開昭60−163723
号公報に示されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】従来例にあっては、単
一の後リンク部材によって、リッドの後部を昇降されて
スライド作動やチルト作動を行う構造になっているの
で、リッドを全閉状態から下降した後スライド作動し
て、リッドをガイドレールに沿って車体ルーフ部下に引
き込むことによって、開口部を開く際、後リンク部材
を、リッドの裏面側にほぼ接触し得る程度に、リッドと
ガイドレールとの間に収めることができない。このた
め、車体ルーフ部とガイドレールとの間の上下寸法が大
きく、車室内の上部空間が狭くなる傾向がある。このよ
うなことから、車高を高くせずに、車室内の上部空間を
広くできるチルトスライド装置の開発が望まれていた。
【0005】そこで本考案にあっては、後リンク部材を
後チルトリンク部材と後閉じリンク部材とに分割するこ
とによって、チルトスライド装置の上下寸法を小さくす
ることを課題にしている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、車体開口部に
リッドをチルト作動とスライド作動とで開閉させる車両
用チルトスライド装置において、前記車体開口部に取り
付けられるガイドレールに、前後方向に延びるガイド溝
とこのガイド溝の前部に連なる縦ガイド溝とを設け、
駆動シュー及び後駆動シューが前後に設けられるととも
に、これら前後駆動シュー間に従動シューが摺動自在に
取り付けられたシュー機構を、前記ガイド溝に摺動可能
に組み付け、前記リッドに取り付けられるリッドブラケ
ットの前部に、前リンク部材の中間部を回動自在に取り
付け、この前リンク部材の前部に、前記ガイドレールの
ガイド溝と縦ガイド溝とに摺接係合する前ガイドピンを
設け、この前リンク部材の中間部を前記前駆動シューに
前後方向に移動可能に連結するとともに、前記前リンク
部材の後部を、前記従動シューを介して前記シュー機構
にスライド可能に連結し、前記リッドブラケットの後部
に、後チルトリンク部材の後部を回動自在に取り付け、
この後チルトリンク部材の前部を、前記従動シューを介
して前記シュー機構にスライド可能に連結し、この後チ
ルトリンク部材の中間部に、チルト作動溝とこのチルト
作動溝に連なる空走溝とを介して、後閉じリンク部材の
前部を移動可能に連結し、この後閉じリンク部材の後部
に、前記ガイドレールのガイド溝に摺接係合する後ガイ
ドピンを設け、この後閉じリンク部材の中間部を、前
駆動シューに所定の範囲で前後方向に移動可能に連結
し、この後駆動シューと前記後閉じリンク部材の中間部
との間に、当該後駆動シューの前後方向への駆動によっ
て当該後閉じリンク部材を昇降する後昇降機構を設け、
前記ガイドレールには、前記リッドのスライド作動時
に、前記後閉じリンク部材の後部に設けられた後ガイド
ピンを、当該ガイドレールのガイド溝から上方外に逃が
したりガイド溝内に引き込んだりする係脱機構を設けて
ある。
【0007】
【作用】(1)リッドの全閉状態において、シュー機構
が後退動することにより、前ガイドピンが縦ガイド溝の
後壁に当接し、前リンク部材と後チルトリンク部材と後
閉じリンク部材との後退動が規制されている間前駆動
シューの後退動によって、前リンク部材の前部が下方に
向けて回動する。これと並行して、後駆動シューの後退
動によって、後昇降機構が後閉じリンク部材の前部を下
方に向けて回動する。この後閉じリンク部材の回動によ
って、後チルトリンク部材の後部が下方に向けて回動す
る。以て、リッド全体が下降し、後閉じリンク部材の後
ガイドピンが係脱機構を介してガイドレールのガイド溝
から上方外に逃げる。引き続くシュー機構の後退動によ
って、リッドがガイドレールに沿って後方へスライド作
動して車体ルーフ部の下方に引き込まれ、開口部が全開
する。
【0008】このスライド作動による開口部の開状態に
おいて、シュー機構が前進動することにより、リッドが
ガイドレールに沿って車体ルーフ部の下方から前方へス
ライド作動して引き出される。そして、リッド全体が開
口部の下方に到達し、前ガイドピンが縦ガイド溝の前壁
に当接すると、前リンク部材と後チルトリンク部材と後
閉じリンク部材との前進動が規制される。引き続く前駆
動シューの前進動によって、前リンク部材の前部が上方
に向けて回動する。これと並行して、後駆動シューの前
進動によって、後昇降機構が後閉じリンク部材の前部
上方に向けて回動する。この後閉じリンク部材の回動に
よって、後ガイドピンが係脱機構を介してガイドレール
の外ガイド溝内に引き込まれるとともに、後チルトリン
ク部材の後部が上方に向けて回動する。以て、リッドが
上昇し、開口部が全閉する。
【0009】(2)リッドの全閉状態において、シュー
機構が前進動することにより、前ガイドピンが縦ガイド
溝の前壁に当接し、前リンク部材と後チルトリンク部材
と後閉じリンク部材との前進動が規制される。よって、
前駆動シューが前リンク部材に対して前進動する。これ
と並行して、後駆動シューの前進動によって、後閉じリ
ンク部材の前部が上方に向けて回動する。この後閉じリ
ンク部材の回動によって、後チルトリンク部材の後部
上方に向けて回動する。これによって、リッドの後部が
上昇し、リッドが前傾状にチルト作動し、開口部が開
く。
【0010】このチルト作動による開口部の開状態にお
いて、シュー機構が後退動することにより、前ガイドピ
ンが縦ガイド溝の後壁に当接し、前リンク部材と後チル
トリンク部材と後閉じリンク部材との前進動が規制され
る。よって、前駆動シューが前リンク部材に対して前進
動する。これと並行して、後駆動シューの前進動によっ
て、後閉じリンク部材の前部が下方に向けて回動する。
この後閉じリンク部材の回動によって、後チルトリンク
部材の後部が下方に向けて回動する。これによって、リ
ッドの後部が下降し、リッドが開口部を閉じる。
【0011】
【実施例】第1実施例 図3は、第1実施例としてのサンルーフ装置を搭載した
乗用車の外観を示している。図3において、車体ルーフ
部151の前半部には、開口部152を形成してある。
車体ルーフ部151の開口部152の車幅方向両縁部に
は、チルトスライド装置1の左右一対のガイドレール2
を取り付けてある。ガイドレール2には、スライド部材
としての左右一対のシュー機構30が摺接係合可能に組
み付けられている。シュー機構30には、リッド153
をチルトスライド装置1のチルト作動やスライド作動す
るための図外の複数のリンク部材を介して連結してあ
る。車体ルーフ部151の後部車幅方向中央部には、回
転運動を直線運動に変換するギヤボックス154を取り
付けてある。ギヤボックス154の出力部材としての可
撓性を有するケーブルたるギヤードケーブル70は、ギ
ヤボックス154から左右一対のガイドパイプ155内
を個別に通って車幅方向外側に延びた後、車体前方に向
かって湾曲状に折り曲げられ、ガイドパイプ155内か
らガイドレール2内を個別に通って、シュー機構30に
個別に連結されている。ギヤボックス154の入力軸に
は、車体に取り付けられた図外のモータの出力軸を連結
してある。
【0012】図4は、図3に示すA−A線に沿う断面図
である。図4において、ガイドレール2が、車体ルーフ
部151の車室内側パネル156に取り付けられてい
る。リッド153の全周縁には、ウエザストリップ15
7を取り付けてある。ウエザストリップ157は、リッ
ド153で開口部152を閉じたときに、リッド153
と開口部152との隙間をシールする。ウエザストリッ
プ157からリッド153の内側裏面とに跨って、リテ
ーナ158を組み付けてある。リテーナ158のリッド
側端には、ウエルト159を装着してある。リテーナ1
58には、ねじ160を接合してある。リテーナ158
と後述するリッドブラケット100との間にゴムのよう
な緩衝部材161を介在させ、ねじ160をチルトスラ
イド装置1のリッドブラケット100の後述するリッド
取り付け用孔103に上方より挿入し、ねじ160のリ
ッドブラケット100より下方に突出する部分にナット
162を締結することにより、リッド153がリッドブ
ラケット100に取り付けられている。
【0013】図2は、上記チルトスライド装置1の車幅
方向の一方側の構成部品を分解して示している。図2に
おいて、ガイドレール2は、車体前後方向に延びる中溝
4と、中溝4の車幅方向で対向する内外ガイド溝5,6
とを備えている。内ガイド溝5は、中溝4の車幅方向内
側に位置され、断面略C字形の車体前後方向に延びる溝
になっている。外ガイド溝6は、中溝4の車幅方向外側
に位置され、断面略コ字形の車体前後に延びる溝になっ
ている。外ガイド溝6を画成する外フランジ7と上フラ
ンジ8との前端部には、切欠部9を形成してある。切欠
部9の底面には、複数の上下に貫通する貫通孔10を形
成してある。切欠部9には、前ガイド部材11に形成さ
れた複数の上下に貫通する貫通孔12からリベット13
を切欠部9の貫通孔10に挿入してかしめつけることに
より、前ガイド部材11をリベット13で取り付けてあ
る。前ガイド部材11は、リッド153(図3参照)の
スライド開閉時に、後述する前リンク部材100の前ガ
イドピン113を上下方向に案内するものであって、外
ガイド溝6に連通する縦ガイド溝14を備えている。外
ガイド溝6の上フランジ8の後部には、係脱機構20を
設けてある。
【0014】係脱機構20は、リッド153(図3参
照)のスライド開閉時(スライド作動時)に、後述する
後閉じリンク部材130の後部に設けられた後ガイドピ
ン132を、外ガイド溝6から上方外に逃がしたり、外
ガイド溝6内に引き込んだりするものである。つまり
機構20は、上フランジ8に形成されたスリット21
と、スリット21の前方の上フランジ8の車体前後方向
中間部にリベット22で取り付けられた後傾状のストッ
パ23とで構成されている。
【0015】シュー機構30の前駆動シュー31は、横
幅がガイドレール2の中溝4の横幅よりも僅かに小さな
寸法になったベース部32を備えている。ベース部32
の車幅方向内側縁には、ガイドレール2の内ガイド溝5
に摺接係合する円筒状の内スライド部33を突設してあ
る。ベース部32の車幅方向外側縁には、ガイドレール
2の外ガイド溝6に摺接係合する角筒状の外スライド部
34を突設してある。これらベース部32と内スライド
部33と外スライド部34とは、合成樹脂で一体成形さ
れている。ベース部32の上面には、車幅方向に相対峙
する複数の金属製の縦壁35,36を図外のねじやリベ
ットなどの固定部材で取り付けてある。縦壁35,36
には、車幅方向に貫通する貫通孔37,38を同軸状に
形成してある。
【0016】シュー機構30の後駆動シュー41は、横
幅がガイドレール2の中溝4の横幅よりも僅かに小さな
寸法になったベース部42を備えている。ベース部42
の車幅方向内側縁には、ガイドレール2の内ガイド溝5
に摺接係合する円筒状の内スライド部43を突設してあ
る。ベース部42の車幅方向外側縁には、ガイドレール
2の外ガイド溝6に摺接係合する角筒状の外スライド部
44を突設してある。これらベース部42と内スライド
部43と外スライド部44とは、合成樹脂で一体成形さ
れている。ベース部42の上面には、金属製の縦壁45
を図外のねじやリベットなどの固定部材で取り付けてあ
る。縦壁45の中間部には、長孔46を車体前後方向に
細長に形成してある。縦壁45の前部には、後述するリ
ッドスライド開閉時の後昇降機構90の昇降溝91を形
成してある。
【0017】シュー機構30の前従動シュー51は、横
幅がガイドレール2の中溝4の横幅よりも僅かに小さな
寸法になったベース部52を備えている。ベース部52
の車幅方向内側縁には、ガイドレール2の内ガイド溝5
に摺接係合する円筒状の内スライド部53を突設してあ
る。ベース部52の車幅方向外側縁には、ガイドレール
2の外ガイド溝6に摺接係合する角筒状の外スライド部
54を突設してある。これらベース部52と内スライド
部53と外スライド部54とは、合成樹脂で一体成形さ
れている。ベース部52の上面には、金属製の縦壁55
を図外のねじやリベットなどの固定部材で取り付けてあ
る。縦壁55には、車幅方向に貫通する貫通孔56を形
成してある。
【0018】シュー機構30の後従動シュー61は、横
幅がガイドレール2の中溝4の横幅よりも僅かに小さな
寸法になったベース部62を備えている。ベース部62
の車幅方向内側縁には、ガイドレール2の内ガイド溝5
に摺接係合する円筒状の内スライド部63を突設してあ
る。ベース部62の車幅方向外側縁には、ガイドレール
2の外ガイド溝6に摺接係合する角筒状の外スライド部
64を突設してある。これらベース部62と内スライド
部63と外スライド部64とは、合成樹脂で一体成形さ
れている。ベース部62の上面には、金属製の縦壁65
を図外のねじやリベットなどの固定部材で取り付けてあ
る。縦壁65には、車幅方向に貫通する貫通孔66を形
成してある。
【0019】シュー機構30の前後駆動シュー31,4
1と前後従動シュー51,61とは、車体前後方向に縦
連結されている。具体的には、前後駆動シュー31,4
1の内スライド部33,43と前後従動シュー51,6
1の内スライド部53,63とに、ギヤードケーブル7
0の心ワイヤ71を内嵌装着し、前後駆動シュー31,
41の外スライド部34,44と前後従動シュー51,
61の外スライド部54,64とに、ロッドのような棒
部材73を内嵌装着してある。そして、前後駆動シュー
31,41それぞれの前後に位置する心ワイヤ71と棒
部材73とに、止め具81,82,83,84,85,
86,87,88を結合し、前後駆動シュー31,41
が心ワイヤ71と棒部材73とに軸方向へ移動不能に取
り付けられている。前後従動シュー51,61は、心ワ
イヤ71と棒部材73とに軸方向へ移動可能に取り付け
られている。なお、止め具84の反後駆動シュー側に位
置するギヤードケーブル70の心ワイヤ71には、ギヤ
形成ワイヤ72がギヤボックス154(図4参照)内の
図外のピニオンギヤの歯ピッチと同一のピッチで螺旋状
に巻き付けられている。
【0020】後昇降機構90は、後駆動シュー41の縦
壁45に前傾状に形成された昇降溝91と、後述する後
閉じリンク部材130に設けられた昇降ピン92とを備
え、リッド153(図3参照)のスライド開動開始時
に、後駆動シュー41の後方への移動で、昇降溝91の
前傾斜面93が昇降ピン92を摺接係合して、後閉じリ
ンク部材130を下降させることにより、リッド153
の後部を車体ルーフ部151の下方に引き込む一方、リ
ッド153のスライド閉動終了時に、後駆動シュー41
の前方への移動で、昇降溝91の後傾斜面94が昇降ピ
ン92を摺接係合して、後閉じリンク部材130を上昇
させることにより、リッド153の後部を車体ルーフ部
151とほぼ面一となるように引き上げる。
【0021】リッドブラケット100は、リッド153
(図3参照)を取り付けるものであって、車体前後方向
に長い長方形になっている。リッドブラケット100の
車幅方向外側縁の前部と後部とには、縦壁101,10
2を下方に向けて延設してある。リッドブラケット10
0には、複数のリッド取り付け用孔103を形成してあ
る。
【0022】前リンク部材110は、リッドブラケット
100と前駆動シュー31と前従動シュー51とガイド
レール2とに跨って連結されるものである。前リンク部
材110の前部には、前スリット111を形成してあ
る。前スリット111の後部にリッドブラケット100
の前縦壁101を嵌め込み、前リンク部材110から前
縦壁101に固定軸112を車幅方向に貫通装着するこ
とにより、前リンク部材110がリッドブラケット10
0の前縦壁101に固定軸112で上下方向に回動自在
に取り付けられている。前リンク部材110の固定軸1
12よりも前方に位置する先端部には、ガイドレール2
の縦ガイド溝14と外ガイド溝6とに摺接係合可能な前
ガイドピン113を、車幅方向外側に向けて突設してあ
る。前リンク部材110の固定軸112よりも後方に位
置する後端部には、前従動シュー51の縦壁55を摺動
可能に嵌め込ませる後スリット114が形成されてい
る。前リンク部材110の後スリット配設部には、車幅
方向に貫通する貫通孔115を形成してある。前リンク
部材110の後スリット114と固定軸112との間に
は、前後方向に延びる空走溝116を形成してある。
【0023】後チルトリンク部材120は、リッドブラ
ケット100と後従動シュー61とに跨って連結される
ものである。後チルトリンク部材120の後部には、後
スリット121を形成してある。後スリット121にリ
ッドブラケット100の後縦壁102を嵌め込み、後チ
ルトリンク部材120から後縦壁102に固定軸122
を車幅方向に貫通装着することにより、後チルトリンク
部材120がリッドブラケット100の後縦壁102に
固定軸122で上下方向に回動自在に取り付けられてい
る。後チルトリンク部材120の前部には、後従動シュ
ー61の縦壁65を摺動可能に挟み込ませる前スリット
123が形成されている。後チルトリンク部材120の
前スリット配設部には、車幅方向に貫通する貫通孔12
4を形成してある。後チルトリンク部材120の前スリ
ット123と後スリット121との間には、前傾状のチ
ルト作動溝125と、チルト作動溝125の後部に連な
る空走溝126とを形成してある。
【0024】後閉じリンク部材130は、後チルトリン
ク部材120と後駆動シュー41とに跨って連結される
ものであって、車幅方向に相対峙して一体に結合された
2つのリンクプレートで構成されている。後閉じリンク
部材130の前部は、後チルトリンク部材120の空走
溝126とチルト作動溝125とに前ガイドピン131
で摺接可能に連結されている。後閉じリンク部材130
の後部には、係脱機構20を介してガイドレール2の外
ガイド溝6に係合離脱可能な後ガイドピン132を車幅
方向に向けて突設してある。後閉じリンク部材130の
後ガイドピン132と昇降ピン92との間には、車幅方
向に向けて貫通する貫通孔133を形成してある。
【0025】なお、図2中の符号140は前リンク部材
110と前駆動シュー31とを連結するガイドピン、1
41は前リンク部材110と前従動シュー51とを連結
するピン、142は後チルトリンク部材120と後従動
シュー61とを連結するピン、143は後閉じリンク部
材130と後駆動シュー41とを連結するガイドピンで
ある。
【0026】図1は、上記リッドブラケット100に組
み付けられた前リンク部材110と後チルトリンク部材
120と後閉じリンク部材130とを、シュー機構30
に連結した状態を示している。図1において、前リンク
部材110の空走溝配設部を前駆動シュー31の縦壁3
5,36(図1参照)間に嵌め込み、ガイドピン140
を一方の縦壁36の貫通孔38(図2参照)から前リン
ク部材110の空走溝116に通して他方の縦壁35の
貫通孔37(図2参照)に挿入し、ガイドピン140を
縦壁35,36に抜け止め可能に装着することにより、
前リンク部材110の中間部が、前駆動シュー31に、
空走溝116の範囲で、車体前後方向へ移動可能に連結
されている。
【0027】また、前リンク部材110の後スリット1
14内に前従動シュー51の縦壁55を嵌め込み、ピン
141を前リンク部材110の貫通孔115(図2参
照)から縦壁55に嵌め込み、ピン141を前リンク部
材110に抜け止め可能に装着することにより、前リン
ク部材110の後部が前従動シュー51に上下方向に回
転可能に連結されている。つまり、前従動シュー51が
心ワイヤ71と棒部材73とに対して軸方向に移動可能
に装着されていることから、このピン141による前リ
ンク部材110と前従動シュー51との連結によって、
前リンク部材110の後部が、シュー機構30に車体前
後方向へ移動可能に連結されている。
【0028】後チルトリンク部材120の前スリット1
23内に後従動シュー61の縦壁65を嵌め込み、ピン
142を後チルトリンク部材120の貫通孔124(図
2参照)から縦壁65の貫通孔66(図2参照)に挿入
し、ピン142を後チルトリンク部材120に抜け止め
可能に装着することにより、後チルトリンク部材120
の前部が後従動シュー61に上下方向に回転可能に連結
されている。つまり、後従動シュー61が心ワイヤ71
と棒部材73とに対して軸方向に移動可能に装着されて
いることから、このピン142による後チルトリンク部
材120と後従動シュー61との連結によって、後チル
トリンク部材120の前部が、シュー機構30に車体前
後方向へ移動可能に連結されている。
【0029】後閉じリンク部材130の2つのリンクプ
レート間に後駆動シュー41の縦壁45を嵌め込み、ガ
イドピン143を後閉じリンク部材130の貫通孔13
3(図2参照)から縦壁45の長孔46に挿入し、ガイ
ドピン143を後閉じリンク部材130に抜け止め可能
に装着することにより、後閉じリンク部材130の中間
部が、後駆動シュー41に、長孔46の範囲で、車体前
後方向へ移動可能に連結されている。
【0030】なお、図1に示すように組み合わされた中
間品を、図2に示すガイドレール2に組み込むことによ
り、チルトスライド装置1の車幅方向の一方側の構成部
品の組み合わせが完了する。つまり、図2において、シ
ュー機構30の内スライド部33,43,53,63と
外スライド部34,44,54,64とを、ガイドレー
ル2の内ガイド溝5と外ガイド溝6とに、ガイドレール
2の後側から順次挿入する。このとき、前リンク部材1
10の前ガイドピン113と後閉じリンク部材130
後ガイドピン132とをガイドレール2の外ガイド溝6
に挿入する。これにより、図1に示した中間品が図2に
示したガイドレール2に組み合わされる。
【0031】この第1実施例において、サンルーフ装置
を車体に艤装するには、図3において、車体に図外の天
井部材などの内装部材を内張りする前に、左右一対のガ
イドレール2を車体ルーフ部151の開口部152の両
側縁部の車室内側に取り付けるとともに、ガイドレール
2に組み込まれたシュー機構30上の図1に示すリッド
ブラケット100に、開口部152に嵌め込まれたリッ
ド153を連結する(図4参照)。これと並行して、左
右一対のガイドパイプ155を車体ルーフ部151の内
側に取り付けるとともに、ギヤボックス154を車体ル
ーフ部151の後部の車室内側に取り付ける。また、図
外のモータを車体に取り付けるとともに、モータに図外
の電気系統を配線する。そして、内装部材を車体に内張
りし、内装部材でチルトスライド装置1を覆って目隠し
をする。これにより、サンルーフ装置の車体への艤装が
終わる。
【0032】この艤装した状態において、モータを回転
駆動すると、モータの回転力がギヤボックス154の入
力軸に伝達される。そして、モータの回転運動がギヤボ
ックス154で直線運動に変換され、この直線運動がギ
ヤードケーブル70を介してシュー機構30に伝達され
る。これにより、リッド153が、モータの回転駆動に
より、ガイドレール2に沿って後述するスライド作動や
後述するチルト作動を行って、開口部152が開閉され
る。
【0033】(1)上記リッド153のスライド作動
を、図5と図6とに示す作用説明図にもとづいて詳述す
る。
【0034】先ず、図5に示すように、リッド153が
ウエザストリップ157を介して車体ルーフ部151に
ほぼ面一となった全閉状態において、リッド153をス
ライド作動させて開くには、図外のモータを正転駆動す
る。すると、シュー機構30がギヤードケーブル70
(図2参照)のシュー機構30との連結部分の車体後方
への移動に連れてガイドレール2に沿って矢印X方向
に移動(後退動)を開始する。このとき、前リンク部材
110の前ガイドピン113が縦ガイド溝14内に位置
しているので、前リンク部材110は後退動を開始しな
い。したがって、前駆動シュー31の後退動に連れて、
ガイドピン140が空走溝116の水平部分から後傾斜
部分側へと空走する。このガイドピン140の空走によ
って、前リンク部材110が前従動シュー51側のピン
141を中心として下方に向けて回動する。これによっ
て、図6に示すように、前ガイドピン113が縦ガイド
溝14内を下降して外ガイド溝6と対向位置するととも
に、固定軸112が下降する。この固定軸112の下降
によって、リッドブラケット100の前部が下降する。
以て、リッド153の前部がウエザストリップ157を
車体ルーフ部151の開口部152の縁部に摺動させつ
つ下降する。
【0035】これと並行して、上記図5に示す矢印X
方向へのシュー機構30の後退動の開始によって、後駆
動シュー41も後退動を開始する。このとき、上記のよ
うに、前ガイドピン113が縦ガイド溝14内に位置し
ている間、後チルトリンク部材120と後閉じリンク部
材130とは後退動を開始しない。したがって、後駆動
シュー41の後退動に連れて、後昇降機構90の昇降溝
91が昇降ピン92を引き下げる。すると、後閉じリン
部材130の前部が駆動シュー41の長孔46内に位
置されているガイドピン143を中心として下方に向け
て回動するとともに、後閉じリンク部材130の後部が
ガイドピン143を中心として上方に向けて回動する。
この後閉じリンク部材130の前部の下方への回動によ
って、後閉じリンク部材130の前ガイドピン131が
後チルトリンク部材120を押し下げ、後チルトリンク
部材120が後従動シュー61側のピン142を中心と
して下方に向けて回動する。これによって、図6に示す
ように、昇降ピン92が下降して昇降溝91の底部に位
置するとともに、後閉じリンク部材130に固定された
ガイドピン143が長孔46内を後端から前端へと移動
し、後閉じリンク部材130の後ガイドピン132がガ
イドレール2の外ガイド溝6から係脱機構20のスリッ
ト21を通って上方に逃げる。以て、リッド153の後
部がウエザストリップ157を車体ルーフ部151の開
口部152の縁部に摺動させつつ下降する。このリッド
153の前部と後部との下降動作は、分けて説明した
が、シュー機構30の後退動によって、ほぼ同時に始ま
る。
【0036】引き続くシュー機構30の後退動によっ
て、後閉じリンク部材130に設けられた昇降ピン92
が後駆動シュー41に設けられた昇降溝91の底部に当
接した状態で、かつ、前駆動シュー31に固定された
イドピン140が前リンク部材110の空走溝116の
後端に当接した状態で、シュー機構30がガイドレール
2に沿って図6に示す矢印X方向へとスライドする。
このシュー機構30の矢印X方向のスライド作動によ
って、リッド153が、車体ルーフ部151に対して後
退動して車体ルーフ151の下部に引き込まれ、開口
部152を全開する。このとき、後閉じリンク部材13
0の後ガイドピン132は、外ガイド溝6の上フランジ
8上方を移動する。
【0037】次に、上記リッド153を開状態から閉じ
る場合には、図外のモータを逆転駆動する。すると、シ
ュー機構30がギヤードケーブル70(図2参照)のシ
ュー機構30との連結部側の車体前方への移動に連れて
ガイドレール2に沿って図6に示す矢印X2方向に移動
(前進動)を開始する。そして、図6に示すように、前
リンク部材110の前ガイドピン113が外ガイド溝6
から縦ガイド溝14に移動して縦ガイド溝14の前壁に
当接するとともに、後閉じリンク部材130の後ガイド
ピン132がガイドレール2に設けた係脱機構20のス
トッパ23に当接する。これによって、前リンク部材1
10と後閉じリンク部材130との車体前方への移動が
止まる。
【0038】引き続くシュー機構30の前進動によっ
て、前駆動シュー31に固定されたガイドピン140が
前リンク部材110の空走溝116の後傾斜部分から水
平部分側へと空走する。このガイドピン140の空走に
よって、前リンク部材110が従動シュー51との連結
部分たるピン141を中心として上方に向けて回動す
る。これによって、図5に示すように、前ガイドピン1
13が縦ガイド溝14内を上昇するとともに、固定軸1
12が上昇する。以て、リッド153の前部がウエザス
トリップ157を車体ルーフ部151の開口部152の
縁部に摺接しつつ上昇する。
【0039】これと並行して、上記図6に示す矢印X
方向への引き続くシュー機構30の前進動によって、後
駆動シュー41に設けられた昇降溝91が後閉じリンク
部材130に設けられた昇降ピン92を押し上げる。こ
れによって、図5に示すように、後閉じリンク部材13
0の前部が後駆動シュー41の長孔46内に位置されて
いるガイドピン143を中心として上方に向けて回動す
るとともに、後閉じリンク部材130の後部がガイドピ
ン143を中心として下方に向けて回動する。すると、
後閉じリンク部材130の後ガイドピン132が下降し
てストッパ23からスリット21を通って外ガイド溝6
内に引き込まれ、後閉じリンク部材130の前ガイドピ
ン131が上昇する。このとき、ガイドピン143は、
後駆動シュー41の長孔46内を前端から後端へと移動
する。上記前ガイドピン131の上昇によって、後チル
トリンク部材120が後従動シュー61との連結部材た
るピン142を中心として上方に向けて回動する。以
て、リッド153の後部がウエザストリップ157を車
体ルーフ部151の開口部152の縁部に摺接しつつ上
昇する。
【0040】なお、上記リッド153の前部と後部との
上昇動作は、分けて説明したが、前リンク部材110の
前ガイドピン113の縦ガイド溝14の前壁への当接に
引き続くシュー機構30の前進動によって、ほぼ同時に
始まる。このリッド153の前部と後部との上昇動作に
よって、リッド153が、図5に示すように、ウエザス
トリップ157を介して車体ルーフ部151とほぼ面一
となり、開口部2を全閉する。
【0041】(2)前記リッド153のチルト作動を、
図5と図7とに示した作用説明図にもとづいて詳述す
る。
【0042】先ず、図5に示すように、リッド153が
開口部2を全閉している状態において、リッド153を
チルト作動するには図外のモータを逆転駆動する。する
と、シュー機構30がガイドレール2に沿って図5に示
す矢印X方向に前進動を開始する。このとき、前ガイ
ドピン131が縦ガイド溝14内に位置しているので、
前リンク部材110は前進動を開始しない。したがっ
て、前駆動シュー31の前進動に連れて、ガイドピン1
40が空走溝116の水平部分を空走する。これと並行
して、後駆動シュー41の前進動に連れて、後閉じリン
ク部材130がガイドピン143の長孔46の後端への
当接によってガイドレール2に沿って前進動を開始す
る。このとき、後閉じリンク部材130の後部の後ガイ
ドピン132は、外ガイド溝6内を前進動するととも
に、後閉じリンク部材130の前部のガイドピン131
が後チルトリンク部材120の空走溝126からチルト
作動溝125側へと空走する。これによって、図7に示
すように、後チルトリンク部材120は、後従動シュー
61との連結部材たるピン142を中心として上方に向
けて回動し、以て、リッド153が固定軸112を中心
としてチルト作動して前傾状となる。つまり、リッド1
53の前部のウエザストリップ157が車体ルーフ部1
51の開口部152の縁部に密接したまま、リッド15
3の後部が車体ルーフ部151から離れて上方に位置す
る。
【0043】なお、リッド153が図5に示す全閉状態
から図7に示す全前傾状態となる途中において、後チル
トリンク部材120の傾斜角度が変化するのに応じて、
後従動シュー61が前進動する心ワイヤ71(図2参
照)と棒部材73(図2参照)とに滑りつつガイドレー
ル2に沿って後退動し、図7に示すように、前従動シュ
ー51から離れる。また、上記後チルトリンク部材12
0の傾斜角度が変化するのに応じて、固定軸112がわ
ずかに上昇し、前リンク部材110が前従動シュー51
との連結部材たるピン141を中心として上方に向けて
わずかに回動する。このとき、前駆動シュー31に設け
られたガイドピン140が空走溝116の水平部分から
前傾斜部分へと空走する。
【0044】次に、図7に示すように、リッド153が
前傾状態となったチルト状態において、リッド153を
閉じるには、図外のモータを正転駆動する。すると、シ
ュー機構30がガイドレール2に沿って図7に示す矢印
方向に後退動を開始する。このとき、前ガイドピン
113が縦ガイド溝14内に位置しているので、前リン
ク部材110は後退動を開始しない。したがって、前駆
動シュー31の後退動に連れて、ガイドピン140が空
走溝116の前傾斜部分から水平部分側へと空走する。
これと並行して、後駆動シュー41の後退動に連れて、
後閉じリンク部材130が、リッド153の自重によっ
て、ガイドピン143の長孔46の後端に当接したま
ま、ガイドレール2に沿って後退動を開始する。このと
き、後閉じリンク部材130の後部の後ガイドピン13
2は、外ガイド溝6内を後退動するとともに、後閉じリ
ンク部材130の前部のガイドピン131が後チルトリ
ンク部材120のチルト作動溝125から空走溝126
側へと空走する。これによって、図5に示すように、後
チルトリンク部材120は、後従動シュー61との連結
部材たるピン142を中心として下方に向けて回動し、
以て、リッド153が固定軸112を中心として閉作動
する。つまり、リッド153の前部のウエザストリップ
157が車体ルーフ部151の開口部152の縁部に密
接したまま、リッド153の後部のウエザストリップ1
57が車体ルーフ部151の開口部152の縁部に摺接
しつつ、リッド153が、車体ルーフ部151とほぼ面
一となり、開口部152を全閉する。
【0045】なお、リッド153が図7に示す前傾状態
から図5に示す全閉状態となる途中において、後チルト
リンク部材120の傾斜角度が変化するのに応じて、後
従動シュー61が後進動する心ワイヤ71(図2参照)
と棒部材73(図2参照)とに滑りつつガイドレール2
に沿って前進動し、図5に示すように、前従動シュー5
1に近づく。また、上記後チルトリンク部材120の傾
斜角度が変化するのに応じて、固定軸112がわずかに
下降し、前リンク部材110が前従動シュー51との連
結部材たるピン141を中心として下方に向けてわずか
に回動する。このとき、前駆動シュー31に設けられた
ガイドピン140が空走溝116の前傾斜部分から水平
部分へと移動する。
【0046】要するに、この第1実施例によれば、リッ
ド153が全閉された状態において、シュー機構30が
後退動すると、前ガイドピン113が縦ガイド溝14の
後壁に当接し、前リンク部材110と後チルトリンク部
120と後閉じリンク部材130との後退動が規制さ
れ、前駆動シュー31の後退動によって、前リンク部材
110の前部が下方に向けて回動するとともに、後駆動
シュー41の後退動によって、後昇降機構90が後閉じ
リンク部材130の前部を下方に向けて回動し、この後
閉じリンク部材130の回動によって、後チルトリンク
部材120の後部が下方に向けて回動する。これによっ
て、リッド153全体が下降する。
【0047】このリッド153が下降限度位置に下降し
た状態では、図7に示すように、後閉じリンク部材13
0の後ガイドピン132が係脱機構20を経由してガイ
ドレール2の外ガイド溝6の上方外に逃げる。これによ
って、後閉じリンク部材130と後チルトリンク部材1
20と前リンク部材110とが、リッド153の裏面に
ほぼ接触し得る状態で、リッド153とガイドレール2
との間に収まる。
【0048】引き続くシュー機構30の後退動で、リッ
ド153がガイドレール2に沿って後方へスライド作動
して車体ルーフ部151の下方に引き込まれて開口部1
52を全開することができる。
【0049】このスライド作動によって、開口部152
が開いた状態において、シュー機構30が前進動する
と、リッド153がガイドレール2に沿って車体ルーフ
部151の下方から前方へスライド作動して引き出され
る。そして、リッド153全体が開口部152の下方に
到達し、前ガイドピン113が縦ガイド溝14の前壁に
当接すると、前リンク部材110と後チルトリンク部材
120と後閉じリンク部材130との前進動が規制され
る。引き続くシュー機構30の前進動、具体的には、前
駆動シュー31の前進動によって、前リンク部材110
の前部が上方に向けて回動するとともに、後駆動シュー
41の前進動によって、後昇降機構90が後閉じリンク
部材130の前部を上方に向けて回動し、この後閉じリ
ンク部材130の回動によって、後チルトリンク部材1
20の後部が上方に向けて回動する。これによって、リ
ッド153が上昇して開口部152を全閉することがで
きる。
【0050】また、リッド153が全閉された状態にお
いて、シュー機構30が前進動すると、前ガイドピン1
13が縦ガイド溝14の前壁に当接し、前リンク部材1
10と後チルトリンク部材120と後閉じリンク部材1
30との前進動が規制され、前駆動シュー31が前リン
ク部材110に対して空走しつつ前進動し、後駆動シュ
ー41の前進動によって、後閉じリンク部材130の前
が上方に向けて回動し、この後閉じリンク部材130
の回動によって、後チルトリンク部材120の後部が上
方に向けて回動する。これによってリッド153の後部
が上昇し、リッド153が前傾状にチルト作動して開口
部152を開くことができる。
【0051】このチルト作動によって、開口部152が
開いた状態において、シュー機構30が後退動すると、
前ガイドピン113が縦ガイド溝14の後壁に当接し、
前リンク部材110と後チルトリンク部材120と後閉
じリンク部材130との前進動が規制され、前駆動シュ
ー31が前リンク部材110に対して空走しつつ前進動
し、後駆動シュー41の前進動によって、後閉じリンク
部材130の前部が下方に向けて回動し、この後閉じリ
ンク部材130の回動によって、後チルトリンク部材1
20の後部が下方に向けて回動する。これによって、リ
ッド153の後部が下降し、リッド153が開口部15
2を閉じることができる。
【0052】第2実施例 この第2実施例は、シュー機構30の前従動シューと後
従動シューとを単一の従動シュー171に構成したこと
を特徴とするものであるので、その要部を、図8に示し
て説明する。なお、第1実施例と同一部分に同一符号を
付してある。図8において、従動シュー171は、横幅
がガイドレール2(図2参照)の中溝4(図2参照)の
横幅よりも僅かに小さな寸法になったベース部172を
備えている。ベース部172の車幅方向内側縁には、ガ
イドレール2の内ガイド溝5(図2参照)に摺接係合す
る円筒状の内スライド部173を突設してある。ベース
部172の車幅方向外側縁には、ガイドレール2の外ガ
イド溝6(図2参照)に摺接係合する角筒状の外スライ
ド部174を突設してある。これらベース部172と内
スライド部173と外スライド部174とは、合成樹脂
で一体成形されている。ベース部172の上面には、金
属製の縦壁175を図外のねじやリベットなどの固定部
材で取り付けてある。縦壁175の前部には、前リンク
部材110の後部を連結するための車幅方向に貫通する
貫通孔176を形成してある。縦壁65の後部には、後
チルトリンク部材120の前部を連結するための車幅方
向に貫通しかつ車体前後方向に細長い長孔178を形成
してある。長孔178の前後方向の寸法は、その前部を
図2に示し貫通孔66と同一とし、図7に示す前従動シ
ュー51と後従動シュー61との離間距離となるよう
に、設定してある。この従動シュー171の内スライド
部173には、ギヤードケーブル70の心ワイヤ71を
軸方向へ移動可能に内嵌装着し、従動シュー171の外
スライド部174には、棒部材73を軸方向へ移動可能
に内嵌装着してある。
【0053】したがって、この第2実施例によれば、従
動シュー171の部品点数が少なくなり、シュー機構3
0の組み立て作業性が良くなる。
【0054】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、リッドの
スライド作動時において、前ガイドピンと縦ガイド溝と
の係合によって、前リンク部材と後チルトリンク部材と
後閉じリンク部材との後退動を規制し、リッド全体を下
降し、後閉じリンク部材の後ガイドピンを係脱機構を介
してガイドレールのガイド溝から上方外に逃がしたの
で、後閉じリンク部材と後チルトリンク部材と前リンク
部材とを、リッドの裏面にほぼ接触し得る状態で、リッ
ドとガイドレールとの間に収めることができ、チルトス
ライド装置の上下寸法を小さくすることができる。よっ
て、車高を変えずに、車室内の上部空間を広くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のリッドブラケットと前リンク部材と
後チルトリンク部材と後閉じリンク部材とシュー機構と
を組み合わせた状態を示す斜視図。
【図2】第1実施例のチルトスライド装置を分解して示
す斜視図。
【図3】第1実施例のチルトスライド装置を組み込んだ
乗用車の斜視図。
【図4】図3に示すA−A線に沿う断面図。
【図5】第1実施例のリッドの全閉止状態を示す作用説
明図。
【図6】第1実施例のリッドの下降限度位置に下降した
状態を示す作用説明図。
【図7】第1実施例のリッドのチルト作動状態を示す作
用説明図。
【図8】第2実施例の要部を示す斜視図。
【符号の説明】
1…チルトスライド装置 2…ガイドレール 5…内ガイド溝(ガイド溝) 6…外ガイド溝(ガイド溝) 14…縦ガイド溝 20…係脱機構 30…シュー機構 31…前駆動シュー 41…後駆動シュー 51…前従動シュー(従動シュー) 61…後従動シュー(従動シュー) 90…後昇降機構 100…リッドブラケット 110…前リンク部材 113…前ガイドピン 120…後チルトリンク部材 130…後閉じリンク部材 132…後ガイドピン 151…車体ルーフ部 152…開口部 153…リッド 171…従動シュー

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体開口部にリッドをチルト作動とスラ
    イド作動とで開閉させる車両用チルトスライド装置にお
    いて、 前記車体開口部に取り付けられるガイドレールに、前後
    方向に延びるガイド溝とこのガイド溝の前部に連なる縦
    ガイド溝とを設け、前駆動シュー及び後駆動シューが前後に設けられるとと
    もに、これら前後駆動シュー間に従動シューが摺動自在
    に取り付けられたシュー機構を、前記ガイド溝に摺動可
    に組み付け、 前記リッドに取り付けられるリッドブラケットの前部
    に、前リンク部材の中間部を回動自在に取り付け、 この前リンク部材の前部に、前記ガイドレールのガイド
    溝と縦ガイド溝とに摺接係合する前ガイドピンを設け、 この前リンク部材の中間部を前記前駆動シューに前後方
    向に移動可能に連結するとともに、前記前リンク部材の
    後部を、前記従動シューを介して前記シュー機構にスラ
    イド可能に連結し、 前記リッドブラケットの後部に、後チルトリンク部材
    後部を回動自在に取り付け、 この後チルトリンク部材の前部を、前記従動シューを介
    して前記シュー機構にスライド可能に連結し、 この後チルトリンク部材の中間部に、チルト作動溝とこ
    のチルト作動溝に連なる空走溝とを介して、後閉じリン
    ク部材の前部を移動可能に連結し、 この後閉じリンク部材の後部に、前記ガイドレールのガ
    イド溝に摺接係合する後ガイドピンを設け、 この後閉じリンク部材の中間部を、前記後駆動シューに
    所定の範囲で前後方向に移動可能に連結し、 この後駆動シューと前記後閉じリンク部材の中間部との
    に、当該後駆動シューの前後方向への駆動によって当
    該後閉じリンク部材を昇降する後昇降機構を設け、 前記ガイドレールには、前記リッドのスライド作動時
    に、前記後閉じリンク部材の後部に設けられた後ガイド
    ピンを、当該ガイドレールのガイド溝から上方外に逃が
    したりガイド溝内に引き込んだりする係脱機構を設け
    た、 ことを特徴とする車両用チルトスライド装置。
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