JP2605495Y2 - 液体吐出器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本案は液体を霧として、又泡とし
て、更には液体をそのまま水鉄砲状に吐出するよう設け
た液体吐出器に係る。

【０００２】

【従来の技術】

【考案が解決しようとする課題】容器体口頸部への装着
部を有して該装着部からシリンダを垂下し、該シリンダ
内底部に吸込み弁を設けたシリンダ付き部材と、上記シ
リンダ内へ嵌合させたピストンを下部に有してシリンダ
上方へステムを起立し、該ステム上端にノズル付きの押
下げヘッドを嵌着し、上記ピストンからノズルまで設け
た吐出路一部に吐出弁を有する、上記シリンダに対して
上方付勢された作動部材と、上記ステムを挿通させてシ
リンダの上端部内面へ嵌着させた、筒状の案内部材とで
形成した液体吐出器が知られている。該吐出器は、作動
部材の上下動で容器体内液体をシリンダ内へ吸上げ、該
シリンダ内液体をノズルから吐出するが、例えば風呂場
等、湯や水がはね易い場所で使うと案内部材頂壁の上面
に付着した湯等が容器体内へ入り易く、そのため容器体
内の収納液体が白濁化したり、又カビを生じたりする欠
点があった。上記頂壁上面に付着した湯等が容器体内に
入る現象を仔細に検討してみたところ、上記頂壁に付着
した湯等は合成樹脂製案内部材頂壁の撥水性により、該
頂壁上面に付着した小さな水滴等が凝集力により集合し
かつ大形の半球形状に成長して、その高さおよび下面直
径が約４ミリ程度に達してその一部がステムに接したと
き、該ステム外面を伝って容器体内へ入ることが判明し
た。尚上記頂壁の内縁から外縁までの径方向長さが約４
ミリに満たない場合は、上記頂壁上面に付着した水滴が
ステムに接するまで大形化するに先だちその水滴下端が
頂壁の内縁および外縁からはみ出すこととなり、すると
頂壁外周から垂下する外周壁外面へ付着している小水滴
に触れ、凝集力により合体することで頂壁上面にあった
半球形状の大水滴が外周壁外面に沿って滴下するものと
考えられる。

【０００３】よって本案では、上記案内部材頂壁の上面
に付着した小水滴が凝集力により合体し、大形化してス
テムに接し容器体内へ入るおそれがある場合に、その頂
壁内周縁から約４ミリ以上の防水筒を起立することで、
既述従来の欠点を除去するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】容器体口頸部への装着部
３を有して該装着部からシリンダ４を垂下し、該シリン
ダ内底部に吸込み弁５を設けたシリンダ付き部材１と、
上記シリンダ内へ嵌合させたピストン９を下部に有して
シリンダ上方へステム10を起立し、該ステム上端にノズ
ル付きの押下げヘッド12を嵌着し、上記ピストンからノ
ズルまでの吐出路一部に吐出弁13を有する、上記シリン
ダに対して上方付勢された作動部材８と、上記ステム10
を挿通させてシリンダ４の上端部内面へフランジ状頂壁
17内周から垂下する案内筒18を、かつ上記シリンダ上端
から起立する第１嵌着筒６外面へ頂壁17外周から垂下す
る第２嵌着筒19を、それぞれ回動不能に嵌着させた筒状
案内部材16とからなる液体吐出器において、上記フラン
ジ状頂壁17の内周から防水筒21を起立すると共に、該防
水筒の高さと、該防水筒下端外面から頂壁外周までの頂
壁17部分径方向の長さとを、共に約４ミリ以上とした。

【０００５】

【実施例】まず従来知られている液体吐出器の構造につ
いて説明する。１はシリンダ付き部材で、容器体２の口
頸部外面へ螺合させる装着部３を有して、該装着部から
シリンダ４を垂下し、該シリンダ内底部に吸込み弁５を
設けている。上記装着部はシリンダ４と一体成形するこ
ともあり、シリンダ４の上端内周部からは第１嵌着筒６
を起立する。又シリンダ下端からは液体吸上げパイプ７
を垂設する。

【０００６】上記シリンダ内からは作動部材８を起立す
る。該部材はシリンダ内へ嵌合させたピストン９を下部
に有してシリンダ上方へステム10を起立し、該ステム上
端にノズル11付きの押下げヘッド12を嵌着する。該作動
部材はピストンからノズル11までの吐出路一部に吐出弁
13を有する。図示の吐出弁13はピストン９を筒状として
該ピストンをステム10の下部外面に周設した溝内へ一定
ストロークで上下動可能に嵌合させ、かつその溝下方の
ステム部分へ弁孔14を穿設したもので、その筒状ピスト
ンに対してステムが上昇した状態でその弁孔14は閉塞さ
れ、又作動部材押下げにより上記溝が筒状ピストンに対
し下降することで弁孔14が開くよう設けてある。又該作
動部材はコイルスプリング15で上方へ付勢されている。
吐出弁13は、図示の吸込み弁５と同様の玉弁としてステ
ム10の上端部に設けることが多い。

【０００７】16は案内部材で、既述ステム10を挿通させ
てシリンダ４の上端部内面へ、フランジ状頂壁17内周か
ら垂下する案内筒18を、かつシリンダ上端から起立する
第１嵌着筒６外面へ、上記頂壁17外周から垂下する第２
嵌着筒19を、それぞれ嵌着させている。案内筒18の上部
外面と第１嵌着筒６の内面には互いに噛合う突条を縦設
することでシリンダ４に対する案内部材16の回動不能と
しており、又第１嵌着筒６の上部外面と第２嵌着筒19の
下部内面には互いに係合して案内部材の上方抜出しを防
止する係合突条を周設している。頂壁17外周からは外周
壁20を垂下する。

【０００８】本案にあっては上記フランジ状頂壁17の内
周から防水筒21を起立すると共に、該防水筒の高さと、
該防水筒下端外面から頂壁外周までの頂壁部分の径方向
の長さとを共に４ミリ以上とした。

【０００９】

【考案の効果】本案は既述構成とするもので、筒状案内
部材16のフランジ状頂壁17内周部から４ミリ以上の高さ
を有する防水筒21を起立させたから、その頂壁17上面に
付着した小水滴が凝集力により合体し大形化しても防水
筒21外面に付着するだけで、４ミリ以上の高さとなるこ
とはないからその水滴がステム10に接し、該ステムを介
して容器体内へ入ることはなく、よって水滴が容器体内
へ入って液体を白濁化するようなことを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案液体吐出器の半断面図である。

【符号の説明】

１…シリンダ付き部材 ８…作動部材 16…案内部材 17…頂壁 21…防水筒

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器体口頸部への装着部３を有して該装
   着部からシリンダ４を垂下し、該シリンダ内底部に吸込
   み弁５を設けたシリンダ付き部材１と、上記シリンダ内
   へ嵌合させたピストン９を下部に有してシリンダ上方へ
   ステム10を起立し、該ステム上端にノズル付きの押下げ
   ヘッド12を嵌着し、上記ピストンからノズルまでの吐出
   路一部に吐出弁13を有する、上記シリンダに対して上方
   付勢された作動部材８と、上記ステム10を挿通させてシ
   リンダ４の上端部内面へフランジ状頂壁17内周から垂下
   する案内筒18を、かつ上記シリンダ上端から起立する第
   １嵌着筒６外面へ頂壁17外周から垂下する第２嵌着筒19
   を、それぞれ回動不能に嵌着させた筒状案内部材16とか
   らなる液体吐出器において、上記フランジ状頂壁17の内
   周から防水筒21を起立すると共に、該防水筒の高さと、
   該防水筒下端外面から頂壁外周までの頂壁17部分径方向
   の長さとを、共に約４ミリ以上としたことを特徴とする
   液体吐出器。