JPH0615849Y2 - 液体注出具付き容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、液体注出具付き容器に係る。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 この種容器として、例えば、実公昭57-34417号公報に記
載されたものがある。

この容器は、上端開口の収納筒部底部に、上半部の螺筒
が底壁上方に突出し下半部の通路孔が底壁下方に垂下す
る弁筐を貫通させ、前記通路孔に逆止弁を配して下方に
垂下する吸い上げ管を連通し、収納筒部下部の螺筒で液
体収納容器の口部に嵌合装着された支持ホルダーと、上
端にピストン抜け止め兼用指掛け鍔部材を固定し、また
底部に前記通路孔に水密的に連通する吸引孔及び前記螺
筒に螺合する螺筒とを形成して前記収納筒部に抜き差し
自在に嵌合された液体吸引室を形成するシリンダにピス
トンを嵌挿させた液体吸引器体を備えたものである。

上記容器は、ピストンの引上げによって効率的に液体吸
引を行い得ると共に、その操作は安定的に行い得るもの
であって液体を漏出することなく、ピストンの引上げス
トロークに対応する所望量の液体を取出し得る優れたも
のである。

しかしながら、上記容器はピストンロッド上端に外向き
フランジ状の突起を設けたものであり、ロッドの押し込
みの際は問題ないが、引上げに際して若干行い難い点が
あった。

本考案は上記した容器の改良に係るもので、ピストンロ
ッドの押し込みはもとより、引上げの際に簡単に行える
優れた容器を提案することを目的とするものである。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案に係る液体注出具付
き容器は、口頸部７を起立する容器体１と、上記口頸部
に取り付けた装着部８から容器体内へ垂下する筒部９の
下部に吸込み弁10を設けて、該吸込み弁から容器体内底
部へ吸上げパイプ11を垂設する受筒２と、上記筒部の上
半部内へ、シリンダ筒部15の底壁16中央部から垂下した
ノズル17を着脱自在に、かつ水密に嵌合させ、かつ上記
シリンダ筒部を装着部上方へ起立させたシリンダ部材３
と、上記シリンダ筒部内にプランジャ20を上下動自在に
嵌合させると共に、該プランジャ上面に指掛け環21を付
設したプランジャ部材４とからなることを特徴とする。

「作用」 例えば第１図が示す状態から、指掛け環21に指を掛けて
プランジャ部材４をシリンダ部材３に対して引き上げる
と、プランジャ20の上昇によりシリンダ筒部15内が負圧
化し、依って吸込み弁10が開いて容器体１内液体が吸上
げパイプ11を通ってシリンダ筒部内にこの際指掛け環21
の存在でプランジャ部材４の引上げが極めて容易に行え
る。該状態から、第２図に示すように、シリンダ部材と
プランジャ部材とからなる注出具Ａを受筒２から抜き出
し、シリンダ部材３に対してプランジャ部材４を押し込
むことでシリンダ筒部内液体をノズル17を通して外部へ
注出できる。注出後は再び第１図のように注出具を受筒
内へ戻せばよい。

「実施例」 以下添付図面に基づいて、本考案の一実施例を説明す
る。

第１図及び第２図において、１は容器体、２は受筒、３
はシリンダ部材で、４はプランジャ部材である。

容器体１は、胴部５上端に螺条６付き口頸部７を起立す
る合成樹脂製のものである。

受筒２は、上記口頸部７に取り付けた装着部８から容器
体１内へ垂下する筒部９の下部に玉弁式の吸込み弁10を
設けて、該吸込み弁10から容器体１内底部へ吸上げパイ
プ11を垂設するものである。

図示例では、上記装着部８は、口頸部７外面に螺合する
螺筒8aと口頸部７内面へ水密に嵌合する嵌合筒8bとこれ
ら両筒8a,8bの上端間に架設されたリング状頂板8cとか
ら構成される。また、上記筒部９は、環状溝12付き段部
9aの上方に螺条付きの大径筒部9bを、かつ段部9a下方に
テーパ状部を有すると共に上記吸込み弁10及び吸上げパ
イプ11を備えた小径筒部9cをそれぞれ形成させてなる。
上記環状溝12の溝底には外気吸入孔14を周方向とびとび
に形成させている。なお、上記装着部８及び筒部９は合
成樹脂材を用いて一体成形される。

シリンダ部材３は、上記筒部９の上半部内へ、シリンダ
筒部15の底壁16中央部から垂下したノズル17を着脱自在
に、かつ水密に嵌合させ、かつ上記シリンダ筒部15を装
着部８上方へ起立させた合成樹脂製のものである。

図示例では、上記ノズル17を先細りのテーパ状に形成さ
せて上記小径筒部9cのテーパ状部に嵌合させている。ま
た、シリンダ筒部15の底壁16外周部から螺条付きの短筒
部18を垂設させて、該短筒部18を上記大径筒部9bに螺合
させると共に、短筒部18下端を段部9aの環状溝12内へ水
密に嵌合させている。さらに、シリンダ筒部15の筒壁上
部内面には係合突条19が周設されている。

プランジャ部材４は、上記シリンダ筒部15内にプランジ
ャ20を上下動自在に嵌合させると共に、該プランジャ20
上面に指掛け環21を付設した合成樹脂製のものであり、
上記シリンダ部材３とで注出具Ａを構成している。

図示例では、上記プランジャ20が指掛け環21付きの有頂
筒状の本体部20aと該本体部20a内に嵌着させた有底筒状
の底壁部20bとに分割形成されている。上記本体20aの筒
壁外面には突条22が周方向とびとびに縦設されて、これ
ら突条22下部に上記係合突条19下面に係合させてプラン
ジャ部材４の抜け防止を図る弾性係合片23が形成されて
いる。また、上記底壁部20bの筒壁外面には断面弧状の
弾性周壁24が付設され、該弾性周壁24を上記シリンダ筒
部15の筒壁内面に摺接させている。

従って本実施例では、上記短筒部28を大径筒部9bから螺
脱することで、注出具Ａが受筒２内から抜け出すと共に
外気吸入孔14が開かれることになる。

第３図は、本考案の別の実施例を示すものである。

これは、先の実施例における筒部９及びノズル17に、テ
ーパが異なる二つのテーパ状部25a,25b,26a,26bを長手
方向にそれぞれ連設して、これらテーパ状部25a,25b,26
a,26bにおいて互いに密着嵌合（締りばめ）させると共
に、上記筒部９におけるテーパが大きく上方に位置する
テーパ状部25aに外気吸入孔14を形成させた例である。

その他の構成は第１図及び第２図と同様なので、第１図
及び第２図と同一部材には同一符号を付して詳しい説明
は省略する。

従って本実施例では、上記外気吸入孔14がノズル17にお
けるテーパが大きく上方に位置するテーパ状部26aによ
り開閉されることになる。

「考案の効果」 以上説明した如く、本考案容器は既述構成としたことに
より、効率的に液体吸引を行い得るとともに、その操作
は安定的に行い得るものであって液体を漏出することな
くプランジャの引上げストロークに対応する所望量の液
体を取り出すことが出来る。しかも、指掛け環の存在で
プランジャ部材の引上げを従来品と比較して極めて容易
に行える。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案の第１実施例を示す要部半断面図、第２
図はその使用状態を示す要部半断面図、第３図は本考案
の他の実施例を示す要部半断面図である。 １……容器体、２……受筒、３……シリンダ部材 ４……プランジャー部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口頸部７を起立する容器体１と、上記口頸
   部に取り付けた装着部８から容器体内へ垂下する筒部９
   の下部に吸込み弁10を設けて、該吸込み弁から容器体内
   底部へ吸上げパイプ11を垂設する受筒２と、上記筒部の
   上半部内へ、シリンダ筒部15の底壁16中央部から垂下し
   たノズル17を着脱自在に、かつ水密に嵌合させ、かつ上
   記シリンダ筒部を装着部上方へ起立させたシリンダ部材
   ３と、上記シリンダ筒部内にプランジャ20を上下動自在
   に嵌合させると共に、該プランジャ上面に指掛け環21を
   付設したプランジャ部材４とからなることを特徴とする
   液体注出具付き容器。