JP2605207B2 - ビートサポニンの精製方法 - Google Patents

ビートサポニンの精製方法

Info

Publication number
JP2605207B2
JP2605207B2 JP5098424A JP9842493A JP2605207B2 JP 2605207 B2 JP2605207 B2 JP 2605207B2 JP 5098424 A JP5098424 A JP 5098424A JP 9842493 A JP9842493 A JP 9842493A JP 2605207 B2 JP2605207 B2 JP 2605207B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
saponin
beet
activated carbon
purity
floc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5098424A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06287199A (ja
Inventor
忠 笹塚
亮 遠藤
弘 鈴木
平 堤
Original Assignee
北海道糖業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 北海道糖業株式会社 filed Critical 北海道糖業株式会社
Priority to JP5098424A priority Critical patent/JP2605207B2/ja
Publication of JPH06287199A publication Critical patent/JPH06287199A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2605207B2 publication Critical patent/JP2605207B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steroid Compounds (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、てん菜から抽出した
粗サポニン溶液を精製する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】てん菜は、アカザ科の植物で、現在では
一般にビートと呼称されており、この菜根より砂糖を製
造するために大量に栽培されている。
【0003】ビートは気泡性の強いサポニンを含有して
おり、砂糖の抽出段階で一部抽出液中に移行してくるた
め、製造工程の糖液は泡立ちが多くなり、精製の阻害要
因となり、生産能率の低下を来している。
【0004】ビートサポニンは、ビート根中に0.1%前後
含まれており、この一部が抽出されてジュース中に移行
するが、その抽出残渣、即ちビートパルプに乾物換算0.
3 〜0.9%のサポニンが残存する。なお、ビート中のサポ
ニンの測定数値を第一表に示す。
【0005】
【表1】
【0006】このビートサポニンは、オレアノール酸の
配糖体であることが確認されているが、有効利用につい
ての研究が十分に行われていない。
【0007】これに対して、食品・化粧品等において使
用される界面活性剤等の添加物は合成品が大勢を占め、
天然の界面活性剤はキラヤサポニン等が市販されている
のみであるが、最近の一般消費者には天然物嗜好があ
り、このような趨勢から本願発明者らはビート中に含ま
れているサポニンを天然の界面活性剤として活用するた
め、安価で、且つ幅広い用途とするため、品質の良好な
サポニンの製造方法の検討を重ねた。
【0008】ところが、ビートサポニンの有効な利用方
法が今迄開発されていないため、ビートサポニンの製造
方法並びに精製方法の報告は殆どなく、本願発明者の一
人が特公平5-7399号及び特開平4-103598号に提案してい
る程度である。
【0009】
【発明が解決しようとする問題点】しかし、上記特公平
5-7399号にはてん菜粉砕物をアルカリ水溶液で抽出処理
し、得られた抽出液を合成吸着樹脂に接触させてビート
サポニンを吸着させる方法が記載されているが、この方
法では、回収率については目的を達しているが、サポニ
ンの純度が約25% と低く、これから精製を進めても含ま
れている不純物の成分の関係から、純度の向上がかなり
難しく、コストが非常に高くなる等の欠点がある。
【0010】また特開平4-103598号には上記特公平5-73
99号の方法の改良としててん菜粉砕物のアルカリ抽出液
を限外濾過により高分子成分を除去し、更に遠心分離す
る方法或はてん菜粉砕物のアルカリ抽出液を限外濾過に
より高分子成分を除去し、更に合成吸着樹脂に接触させ
る方法が記載されるが、この方法では純度が、62% と改
良されているが、製品がかなり着色しており、収率も若
干低下する。
【0011】本願発明者らは前述の問題点を解決するた
め、鋭意研究を重ね、従来、ビートサポニンは活性炭に
吸着され易く、大幅な回収率の低下を来すことから、精
製に活性炭を使用することができなかったが、有機溶媒
をサポニン水溶液に混合使用することにより、活性炭へ
のサポニン吸着を阻止し、室温において効率的に精製す
ることができることを見出した。
【0012】
【問題点を解決するための手段】この発明は、上記知見
に基づいて完成したものであり、本願の第1発明はてん
菜の粉砕物、スライス物、又はてん菜をスライスし浸出
装置にて糖を抽出した残渣(以下、プレスドパルプとい
う)を水又はアルカリ水溶液でサポニンを抽出し、得ら
れた抽出液中のペクチン等の高分子成分を例えば限外濾
過処理により除去し、酸によりサポニンフロックを形成
し、このフロックをアルカリ水溶液にて溶解し、有機溶
媒及び活性炭を添加処理して精製するビートサポニンの
精製方法を提案するものである。
【0013】ここで、サポニン抽出時における水溶液の
pHは中性でもよいが、好ましくはpH10〜12であっ
て、この場合のアルカリ調整剤としては水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、アンモニア等を使用することができる。
【0014】また、ペクチン質等の高分子成分を除去す
るために使用する限外濾過膜としては、分子量2万以上
のものをカットできるポアサイズの大きさ0.2 μm のも
のまで使用できるが、サポニン回収率の面からは、分子
量2万カット前後の膜を使用することが好ましい。
【0015】限外濾過処理後、透過液中のサポニンのフ
ロックを形成するために使用する酸としては塩酸、硫
酸、硝酸及び有機酸等を使用することができ、そのpH
は1〜4、好ましくは1.5 前後である。
【0016】このフロックを、例えば遠心分離により採
取し、適量なアルカリ水溶液に溶解させて、サポニン水
溶液を調整し、これに有機溶媒及び活性炭を加える。
【0017】ここで、アルカリ水溶液としては水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、アンモニア等のアルカリ水溶液が使用され
る。なお、フロックを溶解したサポニン水溶液の固形分
濃度は1〜20% 、好ましくは10〜30% である。
【0018】サポニン水溶液には例えば有機溶媒を混合
撹拌後、活性炭を添加して1〜2時間反応させる。
【0019】ここで有機溶媒としては、水に溶解し易い
極性の比較的大きい有機溶媒、例えばメタノール、エタ
ノール、アセトン、ピリジン、ジオキサン、フェノール
等の1種又は2種以上を使用できるが、好ましくはメタ
ノール、エタノールである。
【0020】活性炭としては、粉末活性炭が好ましい
が、粒状活性炭も使用でき、特に形状にこだわるもので
はない。
【0021】反応温度は室温でよいが、加温して反応時
間を短縮することもできる。
【0022】反応後、濾過機等適当な手段により活性
炭、及び吸着不純物を除去し、得られた精製液を減圧留
去により、水、溶媒を除去し、乾燥することにより精製
サポニンを得る。
【0023】この精製方法により脱色率は90〜95% にも
達し、白色の粉末が得られ、純度も若干の向上が可能と
なった。
【0024】本願の第2発明は、第1発明で得られたサ
ポニンの純度及び回収率を更に向上させるためのもので
あり、第1発明で得られたサポニン水溶液を濃縮し、乾
燥した粗サポニンを適当量の有機溶媒に溶解し、不溶性
不純物を濾過等により除去し、濾液に活性炭を加えて精
製し、得られた精製液の溶媒を減圧留去させて純度の高
いサポニンを得る方法である。
【0025】ここで有機溶媒としては、上記同様に水に
溶解し易い極性の比較的大きい有機溶媒が使用できる
が、メタノール、エタノール、アセトン、ピリジンが適
しており、これらの溶媒は必要に応じて混合して使用す
ることができる。
【0026】有機溶媒の必要量としては、メタノールの
場合、粗サポニン1部当たり、30〜200 部であり、好ま
しくは50〜100 部で、不溶性不純物の除去には十分であ
り、他の有機溶媒を使用する場合、適時使用量を増減さ
せればよい。
【0027】反応温度は第1発明と同様に室温でよい
が、加温して反応時間を短縮することができる。
【0028】以上、有機溶媒の系に活性炭を添加するこ
とにより、活性炭にサポニンを吸着させずに脱色が可能
となり、色調の改善されたサポニン製造が可能となる。
【0029】
【発明の効果】即ち、本願第1発明によれば特開平4-10
3598号で提案された方法による純度、回収率を低下させ
ずに色調の改善された製品を製造できる。
【0030】本願第2発明によれば第1発明と同様に色
調が改善され、且つ純度、回収率が更に改善される精製
方法であり、天然界面活性剤として広範な用途が期待で
きる。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例を示す。 実施例1 プレスドパルプ20Kgに水100リットル を加え、25% 水酸化ナ
トリウム溶液にてpH10とし、50℃に加温しながら3時
間撹拌抽出し、固液分離して抽出液を得た。
【0032】この抽出液を2万分画の限外濾過膜にて処
理し、この透過液に35% 塩酸を添加してpH1.5 とし、
30分間静置してサポニンフロックを生成させた後、遠心
分離によりフロック480gを得た。
【0033】次いで、このフロックを5%水酸化ナトリ
ウム溶液にて中和溶解し、粗サポニン水溶液1リットル (固
形分当たりのサポニン純度35%、サポニン含量24.5g)を得
た。
【0034】このサポニン水溶液にメタノール500ml を
混合し、粉末活性炭10g を添加し、1時間室温にて撹拌
反応させた。
【0035】次に、不溶性不純物及び活性炭吸着不純物
を濾別し、得られた精製液の水−メタノール混合物をロ
ータリーエバポレーターにより減圧留去し、更に残留物
を真空低温乾燥して白色の精製ビートサポニン36.9g
(サポニン純度60.5%、サポニン含量22.34g) を得た。本
例によるサポニン回収率は91% である。
【0036】実施例2 プレスドパルプ27g に水135リットル を加え、実施例1と同
様に処理し、サポニンフロック670gを得た。得られたフ
ロックを5%水酸化ナトリウム溶液にて中和溶解し、ロ
ータリーエバポレーターで濃縮後、60℃の送風乾燥機で
乾燥して粗サポニン100g(サポニン純度37% 、サポニン
含量37g )を得た。
【0037】この粗サポニン100gにメタノール 8リットルを
加え、1時間室温にて撹拌溶解した後、不溶性不純物を
濾別し、得られた濾液に粉末活性炭14g を加え、1時間
室温にて反応させた後、活性炭及び不純物を濾別する。
【0038】この精製液のメタノールをロータリーエバ
ポレーターで減圧留去し、残留物を真空低温乾燥して白
色の精製ビートサポニン55.8g(サポニン純度63%、サポニ
ン含量35.15g) を得た。本例でのサポニン回収率は95%
であった。
【0039】実施例3 実施例2と同様に処理して得られた粗サポニン50g をア
セトン 5リットルを加え、1時間室温にて撹拌溶解して不溶
性不純物を濾別し、得られた濾液に粉末活性炭6gを加
え、1時間室温にて撹拌反応させた後、活性炭及び吸着
不純物を濾別する。
【0040】この精製液のアセトンをロータリーエバポ
レーターにより減圧留去し、残留物を真空低温乾燥して
白色の精製ビートサポニン28g (サポニン純度62%、サポ
ニン含量17.36g) を得た。本例でのサポニン回収率は94
% であった。
【0041】実施例4 粗サポニン( 純度35%)を5gづつ計量し、1000mlのメタノ
ールに溶解させた(試験区)。試験区には予備試験
の結果から、活性炭4g添加し、室温にて2時間撹拌して
脱色し、この液を濾紙(No.5C) を使用して濾過後、この
脱色精製液を真空濃縮してから60℃にて乾燥し、この乾
燥物を計量し、サポニンの純度、純粋サポニンの量、回
収率を測定した。
【0042】また、色調については、乾燥物の1%水溶
液を作製し、420nm にて吸光度(O.D) を測定し、これよ
り色価及び脱色率を測定した。
【0043】比較例 上記同様な粗サポニン( 純度35%)を5gづつ計量し、1000
mlの水に溶解させた(試験区)。試験区には予備試
験の結果から、活性炭をA:2.5g、B:5g、C:7.5g添
加し、これ以降は実施例4と同様にして脱色精製液から
サポニンの純度、純粋サポニンの量、回収率を測定し、
色調についても、実施例4と同様にして1%水溶液から
色価及び脱色率を測定した。その結果を下記の表2に示
す。
【0044】
【表2】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 てん菜の粉砕物、スライス物、又はてん
    菜をスライスし浸出装置にて糖を抽出した残渣を水又は
    アルカリ水溶液でサポニンを抽出し、得られた抽出液中
    の高分子成分を除去し、酸によりサポニンフロックを形
    成させ、このフロックをアルカリ水溶液にて溶解して得
    られたサポニン水溶液を、濃縮、乾燥してから有機溶媒
    に溶解し、不溶性不純物を濾過除去し、その清澄液に活
    性炭を添加処理して精製することを特徴とするビートサ
    ポニンの精製方法。
JP5098424A 1993-04-02 1993-04-02 ビートサポニンの精製方法 Expired - Fee Related JP2605207B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5098424A JP2605207B2 (ja) 1993-04-02 1993-04-02 ビートサポニンの精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5098424A JP2605207B2 (ja) 1993-04-02 1993-04-02 ビートサポニンの精製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06287199A JPH06287199A (ja) 1994-10-11
JP2605207B2 true JP2605207B2 (ja) 1997-04-30

Family

ID=14219434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5098424A Expired - Fee Related JP2605207B2 (ja) 1993-04-02 1993-04-02 ビートサポニンの精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2605207B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5759283A (en) * 1996-05-14 1998-06-02 The Western Sugar Company Method for processing sugar beets to produce a purified beet juice product
RU2018106915A (ru) * 2015-07-27 2019-08-27 Минн-Дак Фармерз Кооперэтив Способ экстракции сапонинов из сельскохозяйственных продуктов
US10465256B2 (en) * 2017-03-31 2019-11-05 Healthpro Brands, Inc. Method of increasing water soluble nutrient extraction from plant matter
CN113150038A (zh) * 2021-03-19 2021-07-23 南阳理工学院 一种絮凝脱色、膜处理和两相萃取纯化皂荚皂苷方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2727096B2 (ja) * 1988-12-13 1998-03-11 丸善製薬株式会社 抗皮膚糸状菌剤
JPH04103598A (ja) * 1990-08-24 1992-04-06 Hokkaido Togyo Kk ビートサポニンの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06287199A (ja) 1994-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS5828246A (ja) ステビオサイドの製造方法
US4115147A (en) Process for producing nutritive sugar from cane juice
JPH06500309A (ja) ラムノリピドからラムノースを製造する方法
JPS5828247A (ja) ステビオサイド溶液の精製方法
CN109320400B (zh) 一种从罗汉果甜苷生产废液中提取天然甘露醇的方法
JP2013523127A (ja) カラメル色素からの反応副生成物と不純物の除去および常温で長期保存可能なカラメル色素濃縮物
JP4148609B2 (ja) キシロース及びキシロオリゴ糖の製造方法
JP6768970B2 (ja) ルブソシドの調製方法
JP2605207B2 (ja) ビートサポニンの精製方法
AU733296B2 (en) Method of producing fructose syrup from agave plants
HU202282B (en) Process for separating 2-keto-l-gulonic acid from fermentation juice
JPH0670075B2 (ja) 1―ケストース結晶およびその製造方法
GB2408262A (en) Preparation of L-arabinose from sugar beet
JPH0791302B2 (ja) エラグ酸の製造法
FI104500B (fi) Menetelmä L-arabinoosin valmistamiseksi sokerijuurikasleikkeestä
KR100939551B1 (ko) 셀로비오스의 정제 방법 및 제조 방법
JPH0725797B2 (ja) ツエインの製造法
CN1025319C (zh) 一种提取溴化钠的方法
JPH02991B2 (ja)
CN113979856A (zh) 从克拉维酸钾釜残液中回收叔丁胺和异辛酸盐的方法
KR20220090611A (ko) 알긴산 및 후코이단 제조방법
JPH04103598A (ja) ビートサポニンの製造方法
CN111204900B (zh) 一种综合利用天然阿魏酸生产废水的方法
CN114031499B (zh) 一种从甜叶菊中获取高纯度异绿原酸的方法及应用
EP3356563B1 (en) Methods of enriching arabinose fractions

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees