JP2604408Y2 - 電動ベネシャンブラインド片下がり防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は電動ベネシャンブライン
ドの片下がり防止装置に関するものであり、さらに詳し
く述べると、昇降コードが弛むとリミットスイッチが作
動してモータへの給電を停止する片下がり防止装置の改
良に係わるものである。

【０００２】

【従来の技術】巻取ドラムから巻き戻された昇降コード
はヘッドボックスの底面の開口から垂下するので、従
来、昇降コードの弛みを検出するリミットスイッチはド
ラム下方のヘッドボックス底面に付設されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】巻取ドラムの下側のヘ
ッドボックス底面は狭い上に、昇降コードや、ラダーコ
ードが近くを通るため、リミットスイッチの配線と点検
調整が困難であるという問題があった。本考案はこの問
題を解決するためになされたものであり、その目的とす
るところは、リミットスイッチを配線と調整の容易な位
置に取り付けることができる片下がり防止装置を提供す
ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本考案が採用する手段は、巻取ドラムから巻戻した
昇降コードが垂下する位置又はその近傍において、巻取
ドラムにストップリングを遊嵌し、そのストップリング
を巻取ドラムの軸方向に移動可能に支持するストッパホ
ルダをヘッドボックスに固定し、ストップリングにドラ
ムから垂下する昇降コードを掛けるテールを一体に形成
し、ストッパホルダとストップリングの間にスプリング
を介在させてストップリングを軸方向に垂下する昇降コ
ードから遠ざかるように弾圧し、ストップホルダの上面
にリミットスイッチを付設し、ストップリングにそのリ
ミットスイッチに係合可能なドッグを設けたことにあ
る。

【０００５】

【作用】昇降コードが緊張しているときは、昇降コード
がストップリングのテールをスプリングに抗して昇降コ
ードの垂下する位置へ引き寄せるから、ドッグはリミッ
トスイッチから遠ざかるが、片下がりが発生すると、昇
降コードが弛み、スプリングがストップリングを昇降コ
ードから遠ざかる方向に押すから、ドッグがリミットス
イッチに当接してモータへの給電を停止する。その結
果、ブラインドの昇降が停止し、それ以上のブラインド
の片下がりは防止される。ベネシャンブラインドのヘッ
ドボックスは上面が開口するから、リミットスイッチと
ドッグの配線と点検調整は容易に実施することができ
る。

【０００６】

【実施例】本考案を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。図１及び図２に示すように、ベネシャンブラインド
のヘッドボックス10に角型断面の回転軸11を軸受けす
る。その回転軸11を、電気モータにより回転駆動する。
回転軸11には巻取ドラムを一体回転するが軸方向には摺
動自在にはめ込む。巻取ドラム12の外周におねじ13を形
成し、そのおねじをヘッドボックス10に固定されたドラ
ムホルダ15のめねじにはめる。ドラムホルダ15に隣接し
てストッパホルダ16がヘッドボックス10に固定される。
ストッパホルダ16にはストップリング18が取り付けら
れ、その内側を回転軸11と巻取ドラム12が通る。ストッ
プリング18は軸方向に延長するテール21を備え、図３及
び図５に示すように、そのテールはストップホルダ16の
軸方向に延長するテール溝22にはまる。ストップリング
18は軸方向に一定の範囲で摺動できるが、回転はできな
い。図４及び図６に示すように、ストップリング18とス
トッパホルダ16の間にはスプリング23が介在し、そのス
プリングはストップリング18を巻戻して垂下する昇降コ
ード28から遠ざかる軸方向に押圧する。ストッパホルダ
16にはヘッドボックス10の底部開口26にはまる開口枠27
が設けられ、テール21はその開口枠27の上に位置する。
巻取ドラム12に巻かれた昇降コード28はテール21のコー
ド孔を通り、開口枠27を経て垂下し、スラット30を貫通
して最下段のスラットであるボトムレール31に至る。

【０００７】ストッパホルダ16のストップリング18が摺
動する領域の上面に上面開口24を設ける。ストップリン
グ18にストッパホルダ16の上面開口24から上方に突出し
てストッパホルダ16の上面に沿って昇降コード28から遠
ざかる方向に延長するドッグ19を一体に形成する。スト
ッパホルダ16の上面にドッグ19と係合するリミットスイ
ッチ17を配置する。

【０００８】昇降コード28にボトムレール31の荷重が掛
かって緊張すると、図３及び図４に示すように、昇降コ
ード28はスプリングに抗してテール21を開口枠27側へ引
き寄せるから、ストップリング18のドッグ19はリミット
スイッチ17から分離し、モータは回転する。しかし、ボ
トムレール31の下降が阻止されて昇降コード28が弛む
と、図５及び図６に示すように、ストップリング18はス
プリング23によって昇降ドラムから遠ざけられ、ドッグ
19がリミットスイッチ17に係合するから、モータへの給
電は停止し、モータと共に巻取ドラム12と回転軸11の回
転は停止する。

【０００９】このように、ブラインドの下降中、ボトム
レール31の片側が障害物に当たって片側の昇降コード28
が弛むと、回転軸11の回転は直ちに停止するから、ブラ
インドが片下がりになることは未然に防止される。

【００１０】

【考案の効果】上記のとおり、本考案の装置は、リミッ
トスイッチとそれをオンオフするドッグをストッパホル
ダの上面に配置したから、それらをストッパホルダの内
側の巻取ドラムの下側に配置したものに比べると、ヘッ
ドボックスの上部開口から至極容易に組立、点検、調整
をすることができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】は本考案の一実施例の装置を備えたブラインド
の要部を示す縦断面図、

【図２】は図１のII−II線に沿う断面図、

【図３】は図１の装置の昇降コード緊張時の状態を示す
底面図、

【図４】は図１の装置の昇降コード緊張時の状態を示す
正面図、

【図５】は図１の装置の昇降コード弛緩時の状態を示す
底面図、

【図６】は図１の装置の昇降コード弛緩時の状態を示す
正面図、

【符号の説明】

10：ヘッドボックス、11：回転軸、12：巻取ドラム、1
5：ドラムホルダ、16：ストッパホルダ、17：リミット
スイッチ、18：ストップリング、19：ドッグ、21：テー
ル、22：テール溝、23：スプリング、24：上面開口、2
6：開口、27：開口枠、28：昇降コード、30：スラッ
ト、31：ボトムレール、35：巻取ドラムカバー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部開口を有するヘッドボックス（10）
   と、前記ヘッドボックスを長手方向に通る回転軸（11）
   と、前記回転軸を回転させるモータと、前記モータの給
   電を停止するリミットスイッチ（17）と、前記回転軸に
   一体回転するが、軸方向には摺動自在にはめた巻取ドラ
   ム（12）と、前記巻取ドラムに一端を巻き他端を前記ヘ
   ッドボックスから垂下してボトムレール（31）に止着し
   た昇降コード（28）とを備えた電動ベネシャンブライン
   ドにおいて、前記ヘッドボックスにストッパホルダ（1
   6）を固定し、前記ストッパホルダの上面に前記リミッ
   トスイッチを取り付けて前記ヘッドボックスの上部開口
   から前記リミットスイッチの組立、点検、調整を可能と
   し、前記ストッパホルダに環状のストップリング（18）
   を軸方向摺動可能かつ回転不能に取り付け、前記ストッ
   パホルダと前記ストップリングの間にスプリング（23）
   を介在させて前記ストップリングを垂下する昇降コード
   （28）から遠ざかる方向に弾圧し、前記ストップリング
   に垂下する昇降コードを掛けるテール（21）を一体に設
   け、前記ストップリングに前記リミットスイッチに係合
   可能なドッグ（19）を一体に形成し、垂下する昇降コー
   ドが弛んで前記ストップリングが前記スプリングによっ
   て垂下する昇降コードから遠ざけられると、前記ドッグ
   は前記リミットスイッチに係合することを特徴とする電
   動ベネシャンブラインド片下がり防止装置。