JP2603842Y2 - 高周波誘導加熱装置における加熱コイルの接続部構造 - Google Patents

高周波誘導加熱装置における加熱コイルの接続部構造

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JP2603842Y2
JP2603842Y2 JP1993063656U JP6365693U JP2603842Y2 JP 2603842 Y2 JP2603842 Y2 JP 2603842Y2 JP 1993063656 U JP1993063656 U JP 1993063656U JP 6365693 U JP6365693 U JP 6365693U JP 2603842 Y2 JP2603842 Y2 JP 2603842Y2
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和彦 古山
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    • Y02P10/25Process efficiency

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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、高周波の誘導電流によ
ってワークを加熱する、高周波誘導加熱装置における加
熱コイルの接続部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波の誘導電流を利用してワ−
クを焼入れしたり、ロウ付けする場合には、高周波誘導
加熱装置が使用されている。この誘導加熱装置は、イン
バータ回路の最終段に接続された出力変成器を有し、こ
の出力変成器の二次側に、所定形状の加熱コイルが接続
されている。そして、インバータ回路からこの加熱コイ
ルに高周波電流を供給し、加熱コイルに近接配置したワ
ークを誘導加熱する。
【0003】この加熱コイル50は、例えば、図9に示
すように、絶縁板を介して圧接固定された一対の平板状
の銅板51を有している。出力変成器が収納された筺体
52の前面側には、絶縁板を介してネジ53等によって
圧接固定された、一対の銅板54を有するホルダ55が
突出して配設され、この銅板54間に、銅板51の基端
側が挿入されている。これにより、加熱コイル50がホ
ルダ55に取り付けられ、出力変成器の二次側に電気的
に接続される。そして、銅板54の外側面には、両端に
ホースコネクタ56、57が固定された、銅の角パイプ
からなる冷却パイプ58がロウ付け固定され、この冷却
パイプ58内に冷却水を流通させることにより、通電時
の銅板54等の発熱が抑えられる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、この加
熱コイルの接続部構造にあっては、加熱コイルのホルダ
への取り付けが固定化され汎用性に欠けると共に、ホル
ダの銅板の冷却効果が充分でなく、かつ加熱コイルの位
置決めが面倒であるという問題点があった。即ち、加熱
コイル50のホルダ55への取り付けは、銅板51をホ
ルダ55の銅板54間に前方から挿入しなければなら
ず、例えば加熱コイル50を、ホルダー55の上下方向
から銅板54間に挿入しようとすると、ネジ53が邪魔
して挿入することはできない。
【0005】また、銅板54の外側面に冷却パイプ58
が固定されているため、加熱コイル50の銅板51をホ
ルダ55の銅板54の外側に位置させる場合、図9の一
点鎖線イで示すように、冷却パイプ58を筺体52側に
移動する必要がある。この場合、銅板54全体の冷却効
率が劣ることになり、加熱コイル50の銅板51でホル
ダ55を挟持することは現実的に困難になる。これらに
より、加熱コイル50のホルダ55への取り付け方向が
前方のみと固定化され、汎用性に欠けることになる。
【0006】また、ホルダ55の銅板54は、その外側
面に固定された角形の冷却パイプ58で冷却されるが、
冷却パイプ58は、その4面の内の一面(取付面)でし
か銅板54と接触しないため、充分な冷却効果が得られ
ず、冷却効果を高めようとすると、冷却パイプ58の径
を大きくする必要があり、装置が大型化する。さらに、
加熱コイル50の銅板51を、ホルダ55の銅板54間
に挿入して圧接するため、その位置決めが難しく、取り
付け時に、図9の二点鎖線ロで示すように、上下にずれ
たり、三点鎖線ハで示すように、上下方向に傾いたりす
る場合があり、加熱コイル50の所定位置への取り付け
作業が面倒になる。
【0007】本考案は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的は、加熱コイルのホルダへの取り付け方
法の汎用性が向上すると共に、ホルダの充分な冷却効果
が得られ、かつ加熱コイルの位置決め作業を容易に行う
ことができる、高周波誘導加熱装置における加熱コイル
の接続部構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、請求項1記載の高周波誘導加熱装置における加熱コ
イルの接続部構造は、出力変成器が収納された筺体の一
側面に突出する如く配設され、絶縁板を介して圧接固定
された一対の導電板からなるホルダと、銅パイプを所定
形状に屈曲させたコイル部、及び絶縁板を介して圧接固
定された一対の導電板を有する加熱コイルとを具備し、
加熱コイルの導電板を前記ホルダの導電板に圧接固定さ
せて、加熱コイルを出力変成器の二次側に接続するもの
において、ホルダの導電板に溝を形成すると共に、溝を
蓋体で覆い、この溝内に冷却液を流通させるようにした
ことを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載の接続部構造は、加熱
コイルの導電板に、端面に向けて広がるテーパ状のガイ
ド溝と、ガイド溝の先端に形成された円形もしくは楕円
形の固定溝と、を有する取付溝を形成したことを特徴と
する。
【0010】
【作用】まず、請求項1記載の高周波誘導加熱装置にお
ける加熱コイルの接続部構造によれば、ホルダの導電板
に配設される冷却液の流路は、例えばその対向面側に穿
設された溝と、この溝を覆う蓋体とで形成されるため、
導電板の外側面に突出部がなくなる。加熱コイルの導電
板は、例えばホルダの上方や下方からホルダの外側もし
くはホルダの銅板間に装着させることができ、加熱コイ
ルの取り付け方法の汎用性が向上する。ホルダに形成さ
れた流路を流れる冷却液は、溝の底面と両側面の3面に
よって導電板と接触し、通電時の導電板の発熱が効果的
に抑えられる。
【0011】また、請求項2記載の接続部構造によれ
ば、ガイド溝を利用して、加熱コイルの導電板をホルダ
の導電板に装着し、固定溝によって固定する。固定溝を
略円形もしくは楕円形に形成することにより、最終的な
加熱コイルとワークとの位置調整が可能になり、位置決
めが容易になる。
【0012】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1〜図3は、本考案に係わる接続部構
造を示し、図1がその斜視図、図2がその平面図、図3
が一部を破断した側面図を示している。図において、図
示しないトランジスタインバータ回路等からなる発振回
路、もしくは発振回路に適宜の接続ケーブルで接続され
た出力変成器が収納された筺体1(図2及び図3参照)
の前面側には、ホルダ2が突出して配設され、このホル
ダ2には、加熱コイル3が接続されている。
【0013】ホルダ2は、一対の銅板4、5(導電板)
を有している。この銅板4、5は、図2に示すように、
接続部4a、5aと、この接続部4a、5aの一端部
に、90度屈曲してロウ付け固定された取付部4b、5
bとで形成されている。そして、取付部4b、5bが、
筺体1の前面に設けたベーク板6に取り付けられると共
に、銅板7、8等を介して筺体1内に配設した出力変成
器の二次側に接続されている。接続部4a、5aは、絶
縁板9を介して、ネジ10(図1参照)等で、接続部4
a、5aが短絡しないようにして、圧接固定されてい
る。
【0014】銅板4、5の接続部4a、5a内面、即
ち、互いに対向する面には、図4及び図5に示すよう
に、溝11が形成されると共に、銅板4、5の取付部4
b、5bには、この溝11に連通する溝12がそれぞれ
形成されている。そして、これらの溝11、12には、
蓋体13、14がロウ付け固定されると共に、溝12の
両端開口部には、図2及び図3に示すように、ホースコ
ネクタ15、16及びホースコネクタ17、18(ホー
スコネクタ18は図示せず)がロウ付け固定されてい
る。これにより、銅板4、5内に流路が形成される。ま
た、銅板4、5の先端側(反筺体1側)の外面には、一
対のボルト19がそれぞれ固定され、このボルト19に
は、平板状のワッシャ20、21を介して蝶ナット22
がそれぞれ螺合されている。
【0015】加熱コイル3は、一対の平板状の銅板2
4、25(導電板)と、この銅板24、25の先端側に
配設されるコイル部26とを有している。銅板24、2
5は、絶縁板27を介して、ネジ28等によって、銅板
24、25の短絡が防止された状態で、圧接固定されて
いる。また、銅板24、25は、その基端側(ホルダ2
側)に、外側に広げられた拡開部29、30を有し、こ
の拡開部29、30には、図3に示すように、一対の取
付溝31、32がそれぞれ形成されている。この取付溝
31、32は、銅板24、25の下端に向かってテーパ
状に形成されたガイド溝31a、32aと、このガイド
溝31a、32aの上部に形成された、略円形もしくは
楕円形の固定溝31b、32bからなり、固定溝31
b、32bの直径は、上記ボルト19の外径より所定寸
法大きく設定されている。
【0016】コイル部26は、銅の丸パイプをコイル状
に屈曲させて形成され、その両端が、銅板24、25の
外面にロウ付け固定された角パイプ34、35の一端部
にロウ付け固定されている。そして、この角パイプ3
4、35の他端部には、ホースコネクタ36、37がロ
ウ付け固定され、このホースコネクタ36、37には、
ビニール製のホース38、39が接続されている。
【0017】次に、上記加熱コイル3のホルダ2への接
続方法について説明する。まず、予めホルダ2の板厚及
び加熱コイル3の拡開部29、30の間隔等を所定値に
設定し、ホルダ2を筺体1の前面に取り付けると共に、
加熱コイル3を所定形状に組み立てる。そして、加熱コ
イル3の拡開部29、30によって、ホルダ2を挟むよ
うに上方から銅板4、5の外側に挿入し、ボルト19を
拡開部29、30のガイド溝31a、32a内に位置さ
せる。この時、拡開部29、30の外側にワッシャー2
0、21を位置させる。
【0018】この状態で、さらに、拡開部29、30を
押し下げ、ボルト19を固定溝31b、32b内に位置
させ、加熱コイル3がワーク(図示せず)と所定の位置
関係になる如く、加熱コイル3を前後及び上下方向に若
干移動させ、蝶ナット22を締め付ける。これにより、
加熱コイル3の銅板24、25の基端側と、ホルダ2の
銅板4、5の先端側とが面接触し、出力変成器の二次側
に加熱コイル3が接続される。
【0019】そして、図2に示すように、加熱コイル3
のホースコネクタ36と、銅板4のホースコネクタ15
とを、ホース38で接続すると共に、加熱コイル3のホ
ースコネクタ37と、銅板5のホースコネクタ17と
を、ホース39で接続する。また、銅板4及び銅板5の
ホースコネクタ16、18と、図示しない冷却水供給装
置の供給口及び排出口とを、ホース40、41によって
接続する。これにより、ホース40→銅板4の溝11、
12→ホース38→角パイプ34→コイル部26→角パ
イプ35→ホース39→銅板5の溝11、12→ホース
41からなる冷却水の流路が形成される。この流路を冷
却水が流れることにより、加熱時に、銅板4、5、2
4、25及びコイル部26が冷却され、その発熱が抑え
られる。
【0020】このように、上記実施例によれば、ホルダ
2の銅板4、5に溝11、12を形成し、この溝11、
12を蓋体13、14で覆うことにより、冷却水の流路
を形成しているため、銅板4、5の外側面に突出部がな
くなり、加熱コイル3の銅板4、5の外側面への取り付
けが可能になると共に、ホルダ2の上方もしくは下方か
らの取り付けが可能になる。また、冷却水の流路が溝1
1、12で形成されているため、冷却水が、溝11、1
2の底面と両側面の3面で銅板4、5と接触することに
なり、銅板4、5の冷却効率がアップする。これによ
り、溝11、12の大きさを小さくすることができると
共に、銅板4、5の板厚を薄くすることもでき、加熱装
置の小型化が図れる。
【0021】さらに、加熱コイル3をホルダ2の銅板
4、5の外側に圧接固定しているため、銅板4、5間の
絶縁板9を薄くすることができ、銅板4、5の間隙によ
る電流のループを防止し得て、加熱コイル3への電流の
伝達効率を向上させることができる。また、加熱コイル
3の拡開部29、30に形成した取付溝31、32に、
ガイド溝31a、32aと、固定溝31b、32bを設
けているため、ガイト溝31a、32aを利用すること
により、加熱コイル5のホルダ2への取り付け作業が容
易に行えると共に、ボルト19より径大の固定溝31
b、32bにより、加熱コイル3とワーク(図示せず)
との最終的な微妙な位置調整を容易に行うことができ
る。
【0022】なお、上記実施例においては、銅板4、5
の接続部4a、5aと取付部4b、5bに溝11、12
を形成したが、例えば図6及び図7に示すような溝43
を形成してもよい。即ち、銅板4、5の接続部4a、5
aに溝43を形成し、この溝43を蓋体44で覆うと共
に、溝43の両端を銅板の上下に延長して、銅板4、5
の上端面及び下端面に開口させる。そして、この開口部
にホースコネクタ45、46及び47、48をそれぞれ
固定したものである。このように構成すれば、溝43の
接続部がなくなり、冷却水の漏出を防止することができ
る。
【0023】また、上記実施例においては、加熱コイル
3の銅板24、25を、ホルダ2の銅板4、5の外側に
接触させるように構成したが、例えば、図8に示すよう
に、銅板24、25を、ホルダ2の銅板4、5で挟持さ
せるようにしてもよい。即ち、加熱コイル3の銅板2
4、25を平板で形成し、この銅板24、25を基端側
を、ホルダ2の銅板4、5間に挿入し、ネジ49によっ
て圧接固定したものである。このように構成すれば、取
り付け方向は規制されるものの、銅板4、5の冷却効率
がアップすると共に、銅板4、5の外側面に突出部がな
くなり、外観的にすっきりした形状が得られる。
【0024】さらに、上記実施例においては、銅板2
4、25の拡開部29、30に縦方向の取付溝31、3
2を形成したが、例えば前後方向の取付溝31、32を
形成すれば、従来と同様に、ホルダ2の前方から加熱コ
イル3を取り付けることができる。また、上記実施例に
おけるホルダ2及び加熱コイル3の構成、形状等は一例
であって、本考案の要旨を逸脱しない範囲において、種
々変更可能であることは言うまでもない。
【0025】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案の高周波誘
導加熱装置における加熱コイルの接続部構造よれば、加
熱コイルのホルダへの取り付け方法の汎用性が向上し、
誘導加熱装置の種々の設置状態に容易に対応することが
できる。また、ホルダの導電板の充分な冷却効果を得ら
れ、出力特性を安定化させることができ、さらに、加熱
コイルの取り付け時の、ワークとの最終的な位置調整を
容易に行うことができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係わる接続部構造の斜視図
【図2】同平面図
【図3】同一部を破断した側面図
【図4】同要部の縦断面図
【図5】同要部の横断面図
【図6】本考案の他の実施例を示す要部の縦断面図
【図7】同要部の縦断面図
【図8】本考案のさらに他の実施例を示す一部を破断し
た平面図
【図9】従来例を示す側面図
【符号の説明】
1 筺体 2 ホルダ 3 加熱コイル 4、5 銅板(導電板) 9、27 絶縁板 11、12、43 溝 13、14、44 蓋体 24、25 銅板(導電板) 26 コイル部 31、32 取付溝 31a、32a ガイド溝 31b、32b 固定溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−94991(JP,U) 実開 平3−94793(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/10 C21D 1/42 B23K 1/002 H05B 6/14 - 6/44

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力変成器が収納された筺体の一側面に突
    出する如く配設され、絶縁板を介して圧接固定された一
    対の導電板からなるホルダと、銅パイプを所定形状に屈
    曲させたコイル部、及び絶縁板を介して圧接固定された
    一対の導電板を有する加熱コイルとを具備し、前記加熱
    コイルの導電板を前記ホルダの導電板に圧接固定させ
    て、前記加熱コイルを出力変成器の二次側に接続するも
    のにおいて、 前記ホルダの導電板に溝を形成すると共に、該溝を蓋体
    で覆い、この溝内に冷却液を流通させるようにしたこと
    を特徴とする、高周波誘導加熱装置における加熱コイル
    の接続部構造。
  2. 【請求項2】前記加熱コイルの導電板に、端面に向けて
    広がるテーパ状のガイド溝と、該ガイド溝の先端に形成
    された円形もしくは楕円形の固定溝と、を有する取付溝
    を形成したことを特徴とする、請求項1記載の高周波誘
    導加熱装置における加熱コイルの接続部構造。
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