JP2603031Y2 - 洗浄乾燥装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、精密部品、光学ガラス
部品、プラスチック部品、電子部品等の洗浄乾燥装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ベアリングやエンジン部品等の精
密部品、ガラスレンズや眼鏡レンズ等の光学ガラス部
品、キ−ボ−ド、ギヤ−等のプラスチック部品、磁気ヘ
ッド、スイッチリレ−等の電子部品は、超音波洗浄装置
で洗浄されている。

【０００３】従来の超音波洗浄装置は、洗浄装置の底部
に超音波発生器を配設し、吊設装置の吊設具に洗浄部品
を収容した洗浄かごを搭載して洗浄液に浸漬し、超音波
洗浄するものであった。

【０００４】そして、洗浄部品を能率的に洗浄するため
に、吊設具を旋回させて洗浄かごを回転している。ま
た、洗浄部品に付着した洗浄液を奇麗に洗い落とすため
に、洗浄部品に洗浄液をスプレ−してリンス処理してい
るものであった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかし、吊設具を旋回
するのにモ−タ−等を取り付けて回転制御しなければな
らず、また洗浄部品から洗浄液を洗い落とすために洗浄
装置の内周部に多数の洗浄ノズルを取り付けているもの
であった。

【０００６】近年、脱フロン化から炭化水素系溶剤が洗
浄液に使用され、モ−タ−等を防爆型として装着しなけ
ればならず、装置が複雑なものとなり、また部品が多く
なって価格が高くなったり、これらの部品が汚れたり、
邪魔になることもあった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、下部
に洗浄部を備え、中程部にリンス部を備え、上部に乾燥
部を備えた洗浄乾燥装置に、吊設具に洗浄かごを搭載し
て上記した洗浄部、リンス部、乾燥部に昇降可能に吊設
装置を配設した洗浄乾燥装置において、上記洗浄乾燥装
置の乾燥部と下方のリンス部との間に仕切りゲートを、
仕切り可能に設けるとともに、乾燥部に真空装置を接続
し、上記吊設装置に吊設具を水平方向に対して旋回可能
に軸支して、吊設具の周部に旋回用の羽根を周設すると
ともに、洗浄部の側周部に空気を噴射する噴射ノズルを
設けてその噴射ノズルからの空気が上記した吊設具に周
設した羽根に当てて吊設具を自動的に旋回するように形
成し、上記リンス部の側周部に上記羽根に対向するよう
にしてリンス液を噴射するための洗浄ノズルを配設した
ことを特徴とする洗浄乾燥装置を提供するにある。

【０００８】本考案の洗浄乾燥装置を使用すると、乾燥
部で効率よく乾燥することができ、吊設装置に吊設具の
周部に旋回用の羽根を配設して、空気の流体を噴射して
吊設具の旋回用の羽根に当てて吊設具を旋回させること
ができ、そしてまた、リンス部の側周部に上記羽根に対
向するようにしてリンス液を噴射するための洗浄ノズル
を配設したことによって、空気の噴射で旋回する吊設具
の洗浄かごの洗浄部品はリンスノズルからリンスを噴射
して、洗浄部品に付着した洗浄液をムラなく洗い落とす
ことができる。

【０００９】そのため、吊設装置に防爆型のモ−タ−等
を設置する必要がなく、また洗浄乾燥装置のリンス部の
内周部に多数の洗浄ノズルを周設する必要がなく、装置
をより安全に、かつ簡素化できてコストダウンがはかれ
る。

【００１０】

【実施例】以下、本考案を実施例にもとづいて説明す
る。図１以下は、本考案の一実施例を示すものである。
洗浄乾燥装置１は、図１のように竪型の箱状のもので、
その底部に超音波発生器２を配設して下部に洗浄液を装
填する洗浄部３を設け、中程部に洗浄ノズル４を取り付
けたリンス部５を設け、上部に仕切りゲ−ト６を出し入
れして仕切りをするようにした乾燥部７を設けて構成し
ている。

【００１１】この洗浄乾燥装置１の上面には、図１のよ
うに蓋体８を開閉自在に配設していて、この蓋体８の中
央部にエヤ−シリンダ−で駆動する吊設装置９を取り付
けてその吊設具１０に洗浄かご１１を搭載するように
し、上記した洗浄部３、リンス部５、乾燥部７に昇降自
在に位置できるようにしている。

【００１２】上記吊設具１０は、軸受のような枢支具１
２を介して吊設装置９に枢支して吊設していて、門型状
とした吊りフレ−ム１３の下端に格子状や網状の載置板
１４を取り付け、この載置板１４に洗浄かご１１を交換
可能に搭載して洗浄かご１１に収容した洗浄部品１５を
奇麗に洗浄して乾燥するようにしている。

【００１３】上記吊設具１０の載置板１４の周部には、
図１、図２のようにタ−ビンのように羽根１６を周設
し、洗浄乾燥装置１の中程部の側周部に上記した羽根１
６に対向するように配設した噴射ノズル１７から空気を
噴射し、吊設具１０を所定の速度で旋回するようにして
いる。

【００１４】また、上記洗浄乾燥装置１の中程部のリン
ス部５の側周部には、図１のように洗浄ノズル４を配設
して、洗浄部３の洗浄液を清浄として循環して噴出し、
上記のようにして旋回する洗浄かご１１に収容した洗浄
部品１５をスプレ−洗浄して洗浄部品１５に付着した洗
浄液を洗い落として仕上げるようにしている。

【００１５】なお、洗浄かご１１が旋回するので、上記
洗浄ノズル４は、リンス部５の側周部に上下２個とか、
側周部に対向して数個程度の最小限の数量の設置とする
ことができるものである。

【００１６】上記洗浄乾燥装置１の洗浄部３には、図１
のように連通管１９に逆止弁２０を取り付けて洗浄液蒸
留装置２１を接続するとともに、凝縮装置２２を介して
蒸留した洗浄液を洗浄部３に回収するようにしている。

【００１７】また、上記洗浄乾燥装置１の乾燥部７の側
部には、図１のように真空装置２３を接続し、ビ−ズス
クラバ−２４を介して排気するようにし、洗浄乾燥装置
１内を真空状態として洗浄部品１５を効率よく超音波洗
浄したり、乾燥できるようにしている。

【００１８】上記乾燥部７のまわりは二重筒状として、
この二重筒状の空間部２５にスチ−ムコイル２６を配設
し、乾燥部７をスチ−ム加熱して洗浄部品１５を乾燥で
きるようにしている。

【００１９】しかして、所定の洗浄部品１５を収容した
洗浄かご１１を吊設具１０に搭載し、吊設装置９で吊設
具１０を下降して洗浄かご１１を洗浄乾燥装置１の洗浄
部３の洗浄液中に浸漬するとともに、真空装置２３、洗
浄液蒸留装置２１を作動する。

【００２０】洗浄かご１１の中の洗浄部品１５は、超音
波によって洗浄されるとともに、洗浄乾燥装置１内が真
空状態なので、洗浄液である溶剤中の混在気体が脱気さ
れ、超音波洗浄能力をより強力に発揮できて洗浄効果を
高めることができる。

【００２１】このようにして洗浄した洗浄かご１１を吊
設装置９でやや上昇し、図３のように洗浄かご１１をリ
ンス部５に位置し、洗浄ノズル４から洗浄液を噴射して
洗浄部品１５をスプレ−洗浄する。

【００２２】その際、リンス部５の一側部に取り付けた
噴射ノズル１７から噴射する空気が吊設具１０に周設し
た羽根１６に当って吊設具１０が自動的に旋回し、した
がって洗浄かご１１が旋回して側面の洗浄ノズル４から
の洗浄液の噴射によって洗浄部品１５に付着した洗浄液
が洗い落とされる。

【００２３】上記のように吊設具１０は側面からの空気
の噴射で旋回するので、防爆型モ−タ−等の複雑な装置
を装着しなくてもよく、また洗浄かご１１を旋回できる
ため、リンス液を噴射する洗浄ノズル４の数はできるだ
け少量とすることができて好ましいものである。

【００２４】なお、洗浄部３には、図１のように洗浄液
蒸留装置２１を接続して連続的に洗浄液を蒸留して回収
できるため、洗浄液は常に新鮮な状態に保持して洗浄部
品を洗浄できて好ましいものである。

【００２５】このようにして洗浄部品の仕上げリンスが
終わると、吊設具１１をさらに上部の乾燥部７に上昇し
て仕切りゲ−ト６を摺動して閉じる。

【００２６】乾燥部７は、下方のリンス部５、洗浄部３
と仕切りができて独立した気密室となり、しかも乾燥部
７を真空装置２３で真空状態として洗浄部品１５を乾燥
できるため、洗浄部品１５を効果的に、迅速に乾燥処理
することができるものである。

【００２７】このようにして、洗浄部品１５を洗浄かご
１１に収容して順次吊設具１０に搭載し、洗浄し、乾燥
して処理していくものである。

【００２８】上記噴射ノズルの空気は、吊設装置のエア
ー源を利用したり、真空装置の排出エアー、その他を利
用でき、また噴射流体は空気に限らず、窒素等に代替す
ることもできる。そして、噴射ノズルは上下や周囲に適
宜数配設して、洗浄かごを適切な旋回速度とすることが
できる。

【００２９】

【発明の効果】以上のように本考案にあっては、乾燥部
を下方のリンス部と仕切りができて独立した気密室にで
き、乾燥部を真空装置で真空状態として洗浄部品を乾燥
できるため、洗浄部品を効果的にかつ迅速に乾燥処理す
ることができる。また、防爆型のモーター等を装着する
必要がなく吊設具を安全に、かつ簡単に旋回することが
できる。さらに、上記のように空気の噴射で旋回する吊
設具の洗浄かごの洗浄部品は、洗浄ノズルからリンスを
噴射され、洗浄部品に付着した洗浄液をムラなく洗い落
とすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の説明用概略側断面図、

【図２】同上の吊設装置の吊設具の一部省略した平面
図、

【図３】同上の洗浄部品のリンス状態説明用側断面図、

【図４】同上の洗浄部品の乾燥状態説明用側断面図。

【符号の説明】

１…洗浄乾燥装置 ３…洗浄部 ５…
リンス部 ７…乾燥部 ９…吊設装置 １０
…吊設具 １１…洗浄かご １５…洗浄部品 １
６…羽根 １７…噴射ノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B08B 3/00 - 3/14

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部に洗浄部を備え、中程部にリンス部
   を備え、上部に乾燥部を備えた洗浄乾燥装置に、吊設具
   に洗浄かごを搭載して上記した洗浄部、リンス部、乾燥
   部に昇降可能に吊設装置を配設した洗浄乾燥装置におい
   て、上記洗浄乾燥装置の乾燥部と下方のリンス部との間に仕
   切りゲートを、仕切り可能に設けるとともに、乾燥部に
   真空装置を接続し 、 上記吊設装置に吊設具を水平方向に対して旋回可能に軸
   支して吊設具の周部に旋回用の羽根を周設するととも
   に、洗浄部の側周部に空気を噴射する噴射ノズルを設け
   てその噴射ノズルからの空気が上記した吊設具に周設し
   た羽根に当てて吊設具を自動的に旋回するように形成
   し、 上記リンス部の側周部に上記羽根に対向するようにして
   リンス液を噴射するための洗浄ノズルを配設したことを
   特徴とする洗浄乾燥装置。