JPH1043854A - ダイカスト製品のエア洗浄・脱水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄から乾燥に至るまでの多工程による非能
率・不経済な作業を、一台の装置によって能率的一体化
の作業となし、省スペース・省力化する。 【解決手段】 本体Ａと水タンクＢで構成し、本体Ａの
洗浄室２に設けた回転テーブル１０を支持台１のモータ
ーを駆動源とするシャフト９と連動させ、回転テーブル
１０に固定したワーク１１をブローノズル１８と噴水ノ
ズル１９・２０から発するエアと水で洗浄し、回転テー
ブル１０の遠心力でワーク１１を脱水し、汚水を浄化し
て水タンクＢに収納し、再び洗浄水として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転テーブル上に
固定したワークにエアと水を噴射させて洗浄し、回転テ
ーブルの遠心力を利用してワークに付着した水滴や切粉
等の付着物を除去するダイカスト製品のエア洗浄・脱水
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ワークの洗浄・脱水を行うには、
ワークをかごに入れた状態のまゝ水槽に没入させて洗浄
し、次に作業台上でエアガンによってタップ孔や溝孔等
の清掃を行うとともに、最後にコンベア方式によりワー
クを移動させつつ温水シャワーやエアブロー乾燥をする
といった工程を要している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この従来方式による
と、ワークを水槽に入れて洗浄する工程と、タップ孔等
のエアガンによる清掃工程、及び温水シャワー・エアブ
ロー乾燥の工程、といった少なくとも三段階の手順を必
要とするので作業に長時間がかゝり、しかもワークは軽
いものでも５〜６ｋｇ、重いものでは１２〜１３ｋｇ程
度の重量があるため個数が増えるにつれ作業者の労力負
担は著しいものがあり頗る非能率であるという問題があ
る。また前記したコンベア方式にる洗浄乾燥は、エア及
び電気の使用量も多くなるので不経済になるとともに膨
大な占有空間を要するといった不都合がある。

【０００４】本発明は上記した従来の諸不利を考慮して
なされたもので、エア及び噴射水による洗浄作業と、遠
心力を利用した脱水作業とを有機的に関連させて作業工
程を減じ、清掃に時間がかゝらず省スペース・省力化を
可能としたエア洗浄・脱水装置を提供することを目的と
している。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の装置は、本体が下部の支持台と上部の洗浄室
からなり、洗浄室に設けた回転テーブルを支持台上のモ
ーターを駆動源とするシャフトと連動させ、回転テーブ
ル上面に固定したワークを、エアシリンダーと関連して
作動するブローノズル及び噴水ノズルから発するエアと
水の噴射で洗浄し、更に回転テーブルの遠心力でワーク
の水滴・切粉等を除去し、汚水を洗浄室下部の吐出口よ
り排出するとともに排出後濾過して水タンク内に洗浄用
水を収納することを技術手段としたものであり、なお、
エアシリンダーを洗浄室の上部及び左右側部に設ける
と、ノズルを多方向からワークに臨ませることができ、
洗浄が万全で且つ遅滞なく行われるので好ましい。

【０００６】

【発明の実施の形態】図において装置本体Ａは下部の支
持台１と上部の洗浄室２からなり、洗浄室２の外枠３は
四角形で、支持台１の支柱４上面の固定板４ａ上に設け
てある。支持台１にはモーター５、電装盤６、位置決め
シリンダー７、センサー８を設けてあり、モーター５を
駆動源とする垂直なシャフト９の上部が洗浄室２内の回
転テーブル１０と係合しており、シャフト９と連動して
テーブル１０が回転する。

【０００７】テーブル１０にはワーク１１を固定するた
めの位置決めピン１２とワーク逃げ防止用ステー１４を
設けている。前記シャフト９が位置決めシリンダー７に
よって調節されるので回転テーブルの位置決めができ
る。

【０００８】外枠３の上部には縦のエアシリンダー１
５、左右側部には横のエアシリンダー１６を取り付け、
該縦横のエアシリンダー１５・１６と関連して移動する
マニホルド１７にブローノズル１８と噴水ノズル１９を
取り付け、洗浄室２の下部にも上向きとした噴水ノズル
２０を設ける。

【０００９】ワーク１１を回転テーブル１０に固定した
のち洗浄室２の外部押ボタン２１をＯＮすると、外枠３
の窓部１３に臨む扉２２が左右に設けた昇降杆２２ａの
下降と連動して閉じ、この後エアシリンダー１５によっ
てマニホルド１７がワーク１１のタップ孔２３に近付
き、マニホルドに設けてあるブローノズル１８がタップ
孔２３をエアブローし、更に噴水ノズル１９で水を噴射
させて洗浄し、次にマニホルド１７が戻り、位置決めシ
リンダー７が解除し、回転テーブル１０がモーター５で
低速回転する。

【００１０】洗浄室２の下部に設けた噴水ノズル２０か
らもワーク１１の底面、及び底面のタップ孔２３に向け
て水噴射し、これらの個所をまんべんなく洗浄する。回
転テーブル１０にはタップ孔２３を洗浄するのに十分な
透孔１０ａが形成されている。そして所定時間経過後に
洗浄を止め、回転テーブル１０を高速回転させて脱水を
行う。更に所定時間が経過するとセンサー８と位置決め
シリンダー７によってテーブル１０が停止し、扉２２を
上昇させて開けば洗浄作業が終了する。なお、これら一
連の洗浄・脱水作業に要する時間は通常１分程度である
が、洗浄時及び脱水時のテーブル１０の回転数と洗浄・
脱水時間は任意に設定できる。またワーク１１の取り付
けを容易にするためテーブル１０の回転停止位置を常に
同一となるように設定できることも勿論である。

【００１１】噴水ノズル１９・２０への送水は、本体Ａ
に並設した水タンクＢからポンプ（図を省略）を介して
なされるものであり、洗浄中の水滴や切粉・塵埃等の混
合した汚水は、洗浄室２下部の管状吐出口２４から水タ
ンクＢ内に排出されるが、このとき水タンクＢの受け口
２５に網などのフィルターを設けておくと、汚水は濾過
されるのでタンク内に収納された水は洗浄用水として再
び洗浄室２へと送られる。

【００１２】本体Ａと水タンクＢには任意の場所への移
動ができるように下端にキャスター２６・２７を取り付
ける。また本体Ａの支持台１の底板２８に固定ボルト２
９を取り付け、このボルト２９を締めつけて地面３０に
圧接すると本体Ａを不動状とすることができ、洗浄作業
中の本体Ａの動揺を防止できる。

【００１３】

【発明の効果】以上のような本発明は以下のような特有
の効果を奏する。 （１）ブローノズルと噴水ノズルによって本体内でエア
と水噴射の両作業ができ且つこれらの作業と遠心力を利
用した回転テーブルでの脱水作業が有機的に関連してエ
ア洗浄・脱水が確実迅速になされ、作業者の負担の軽減
と人員の削減ができ、膨大な占有空間を要さないので随
所に設置でき、それゆえ省スペース省力化が期せられ
る。 （２）コンベア方式のような洗浄乾燥と異なりエア及び
電気に多大な使用量がかゝらず、経費を節して全体のコ
ストダウンが図られる。 （３）洗浄後の汚水を洗浄室下部より排出し、水タンク
内で浄化させたのち再び洗浄室へと送るので無駄がなく
節水効果が発揮される。 （４）エアシリンダーを洗浄室の上部及び左右側部に設
置すると、ノズルによって多方向よりワーク洗浄ができ
るので、洗浄に漏れがなく、ワークが美麗に仕上がる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本体の洗浄室を断面とした本発明装置の概略
正面図である。

【図２】 洗浄室を断面とした本体の概略側面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ 本体 Ｂ 水タンク １ 支持台 ２ 洗浄室 ５ モーター ９ シャフト １０ 回転テーブル １１ ワーク １５ エアシリンダー １６ エアシリンダー １８ ブローノズル １９ 噴水ノズル ２０ 噴水ノズル ２４ 吐出口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体と水タンクで構成したダイカスト製
   品のエア洗浄・脱水装置であって、本体が下部の支持台
   と上部の洗浄室からなり、洗浄室に設けた回転テーブル
   を支持台上のモーターを駆動源とするシャフトと連動さ
   せ、回転テーブル上面に固定したワークを、エアシリン
   ダーと関連して作動するブローノズル及び噴水ノズルか
   ら発するエアと水の噴射で洗浄し、更に回転テーブルの
   遠心力でワークの水滴・切粉等を除去し、汚水を洗浄室
   下部の吐出口より排出するとともに排出後濾過して水タ
   ンク内に洗浄用水を収納することを特徴とするダイカス
   ト製品のエア洗浄・脱水装置。
2. 【請求項２】 エアシリンダーを洗浄室の上部及び左右
   側部に設けてなる請求項１記載のダイカスト製品のエア
   洗浄・脱水装置。