JP2602408B2 - 使い捨てパンツ - Google Patents

使い捨てパンツ

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JP2602408B2
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巌 松浦
理 森浦
健次 中岡
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トーヨー衛材株式会社
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、胴部にフィット感を与
える胴部ギャザーを形成した使い捨てパンツに関し、詳
細には胴部ギャザーの必要箇所だけに弾性体の伸縮力が
作用し、かつ見栄えの良い使い捨てパンツに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】使い捨てパンツにおいて、着用者の胴部
にこれを密着させるための構成としては、パンツを形成
するシート材料を伸縮性不織布等の伸縮素材によって形
成する手段、またはウエスト用開口部と脚部用開口部の
間に弾性糸(例えば東レ・デュポン製「オペロン」)や
弾性帯等(以下両者を総合して単に弾性部材という)を
ウエストギャザー部と略平行に添設し、非伸縮性シート
に胴部ギャザーを形成する手段が考えられている。これ
らのうち後者は低コストであり、例えば特開平4−16
6150号や特開平4−289201号等には、ウエス
トギャザーの下方に相当する位置に、バックシート及び
トップシートの間に伸張状態の弾性部材を接着し、前記
ウエストギャザー部と平行、あるいはループ状に胴部ギ
ャザーを形成した使い捨てパンツが開示されている。
【0003】ところで上記胴部ギャザー用の弾性部材
は、使い捨てパンツとしたとき、着用者の胴部回りの全
周にわたって配設されることになる。使い捨てパンツの
吸収体は、腹部から背部にかけてパンツ中央部に設けら
れているので、吸収体の存在する部位においてもこの弾
性部材が伸縮状態で設けられことになる。このため、弾
性部材の収縮力によって吸収体が変形し易く、吸収体の
中折れや位置ずれが引き起こされ、使い捨てパンツの本
来の目的である尿の吸収に支障をきたす問題があった。
【0004】そこで吸収体の存在するパンツ中央部にお
いては、胴部ギャザー用弾性部材の接着を行わず、この
部分で弾性部材を切断し、胴サイド部分のみに伸縮ギャ
ザーを形成することが考えられた。しかしながら、基材
シートを傷つけることなく弾性部材を切断するために
は、製造スピードを犠牲にして生産性を低下させなけれ
ばならなかった。さらに弾性部材を切断して左右サイド
部分にのみ弾性部材を接着したものでは、切断された弾
性部材の端部が不定の位置にぶらぶらと残留し、外観を
著しく低下させることになった。また、予め短く切断し
た弾性部材を胴サイド部分のみに伸長状態で接着するこ
とも、製造上難しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、弾性
部材を横方向に連続して使い捨てパンツの胴部に添設す
るものでありながら、該弾性部材によって吸収体の中折
れや位置ずれを生じることなく、かつ外観形状の優れた
使い捨てパンツを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明の使い捨てパンツは、ウエスト用開口部と脚部用開口
部の間に複数の弾性部材を横方向に添設し胴部ギャザー
を形成した使い捨てパンツにおいて、前記弾性部材は使
い捨てパンツの最外層に位置する2枚のバックシート間
に挟持されており、かつ該弾性部材が無伸張状態部分と
伸張状態部分とを有する様に接着されているところに要
旨を有する。無伸長状態部分が使い捨てパンツの腹部側
中央部に位置するもの、さらに無伸長状態部分が使い捨
てパンツの背中側中央部に位置するものは、本発明の好
ましい実施態様である。
【0007】
【作用】本発明の使い捨てパンツは、胴部ギャザー用の
弾性部材を、パンツの腹部および/または背部における
吸収体配設部位に相当する中央部では、実質的に無伸張
状態に接着し、その左右両側部においては伸張状態で接
着したものである。この構成の採用によって、胴部にフ
ィット感を与えるべきパンツの側部にはギャザーが形成
され、腹部あるいは背部の中央部分は、弾性部材が弛緩
した収縮していない状態で接着されているため、吸収体
に収縮力は作用されず、吸収体に中折れや位置ずれを生
じることはなくなった。またこの弾性部材は、無伸長状
態の部分も直線状にバックシートに接着されているの
で、外観は美麗な状態を保つ。
【0008】無伸長状態部分は、上記の様に、腹部およ
び/または背部の中央部に設けることが好ましいが、パ
ンツ両側部を無伸長状態とすることもできる。この場合
は、両側部が締めつけられることを好まない着用者や、
両側部に相当する身体部分に損傷のある着用者に好適に
用いることができる。
【0009】
【実施例】図1は本発明使い捨てパンツの代表的な実施
例を示す正面説明図であり、図2には一部破断解体説明
図を示した。使い捨てパンツ1はその左右端部が接着線
2、2によって接合されており、上部にウエスト用開口
部Dを形成すると共に、下部に一対の脚部用開口部K、
Kを形成してある。ウエスト用開口部Dと脚部用開口部
Kの周囲には、糸状または帯状の弾性部材(天然ゴム製
または合成ゴム製、例えば東レ・デュポン製「オペロ
ン」)3a、3bが伸張状態で間欠接着され、ウエスト
ギャザー部Wおよび脚部ギャザー部Gが形成される。
【0010】この使い捨てパンツ1の構造は図2に示す
様に、最外層の積層バックシートを構成する2枚のシー
ト9、9の間に弾性部材3a、3b、4が接着される。
これら2枚のシート9、9には風合いの柔らかなポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン等の
不織布が好ましく使用される。シート9または9の少な
くとも一方には撥水処理が施されていることが望まし
い。
【0011】シート2の上面には吸収本体5が積層され
る。吸収本体5の最下層はプラスチックフィルム等から
なる不透液性シート50であり、その裏面が上記バック
シートの上側シート9と接着される。不透液性シート5
0の上には、粉砕パルプ、高吸水性樹脂、保形用熱可塑
性樹脂等によって成形された吸収マット51が重ねられ
ると共に、さらにその上には直接着用者に接触する透液
性シート54(一般的に前記不織布または孔あきプラス
チックフィルム等が採用される)が積層されている。な
お上記透液性シート54上の左右側縁には、片側側縁に
弾性部材が添設され、他側側縁が透液シート54または
不透液シート50に接着されている様な構成の一対の立
体ギャザー52を配設しておくことが好ましく、これに
よって脚部からの排泄物漏出を確実に防止することがで
きる。また図例においては吸収マット51の中央部分は
パンツ長手方向に沿って突部51aを形成したものを示
し、排泄物の迅速確実な吸収捕捉を達成する構造として
いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意
形状の吸収マットを採用しても良い。
【0012】図3は、使い捨てパンツを連続製造する際
の、バックシート9上に接着されるウエストギャザー用
弾性部材3aおよび胴部ギャザー用弾性部材4を示す説
明図である。前記ウエストギャザー部Wおよび脚ギャザ
ー部Gの間には、バックシート9、9の間で糸状または
帯状の弾性部材(天然ゴム製または合成ゴム製、例えば
東レ・デュポン製「オペロン」)4がウエストギャザー
部用の弾性部材3aと略平行に添設されて胴部ギャザー
Sを形成する。
【0013】弾性部材4は前記吸収本体5中の吸収体5
1の配設位置と重複する中央部Nにおいて、実質的に無
伸張状態(伸張率が1.0倍以上1.3倍未満)で、バ
ックシート9に接着されると共に、その左右両側部T
1 、T2 においては伸張状態で間欠もしくは全面接着さ
れる。この時の伸張率は、1.3倍以上で3倍以下が、
胴部にフィット感を与える点で好ましい。
【0014】胴部ギャザーSは左右両側部T1 、T2
おいてのみ伸縮性を有する。また中央部Nにおいては弾
性部材4は収縮しないので、中折れや位置ずれを生じる
ことはなく、しかもこの弾性部材4はパンツの前部また
は後部で連続的にバックシートに接着されているので、
直線状を保ち外観は美麗に形成される。上記中央部Nの
長さはパンツの全幅(ギャザー部は伸ばした状態)Lの
5〜80%が好ましく、また着用者への良好な密着性と
尿の吸収性を確保するためには30〜50%とすること
が推奨される。なお、C1 は後の工程で使い捨てパンツ
を個別に切り離す時の切断線であり、C2 は脚部用開口
部のための切断線である。
【0015】胴部ギャザーの無伸長状態部分と伸長状態
部分を交互に形成する手段としては、接着剤を塗布した
連続帯状バックシート9を移送させながら、弾性部材を
供給・接着する際に、バックシートの走行速度を、中央
部Nと、左右両側部T1 、T 2 とにおいて変更可能に制
御することが好ましい。すなわち、伸長状態で接着され
るT1 、T2 では、中央部Nよりも速くなる様にバック
シートを走行させて、かつ弾性部材の供給速度を極端に
遅くし、そして中央部Nではその逆となる様に両者の速
度を制御すれば、本発明で規定する胴部ギャザーを連続
的に製造することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の使い捨てパンツは以上の様に構
成されており、胴部ギャザーの弾性部材を連続してパン
ツの前後部にそれぞれ配設できるので外観を損ねること
はなく、しかも吸収体と重複するパンツ中央部において
は弾性部材は伸縮しないため、吸収体の中折れや位置ず
れを生じることがなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使い捨てパンツの代表的な実施例を示
す正面説明図である。
【図2】本発明の使い捨てパンツの代表的な実施例を示
す一部破断説明図である。
【図3】本発明の使い捨てパンツの弾性部材の接着状態
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 使い捨てパンツ 3a、3b、4 弾性部材 5 吸収本体 9 バックシート N 中央部 T1 、T2 左右両側部 C1 、C2 切断線

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエスト用開口部と脚部用開口部の間に
    複数の弾性部材を横方向に添設し胴部ギャザーを形成し
    た使い捨てパンツにおいて、前記弾性部材は使い捨てパ
    ンツの最外層に位置する2枚のバックシート間に挟持さ
    れており、かつ該弾性部材が無伸張状態部分と伸張状態
    部分とを有する様に接着されていることを特徴とする使
    い捨てパンツ。
  2. 【請求項2】 上記無伸長状態部分が使い捨てパンツの
    腹部側中央部に位置するものである請求項1に記載の使
    い捨てパンツ。
  3. 【請求項3】 上記無伸長状態部分が使い捨てパンツの
    背中側中央部に位置するものである請求項1または2に
    記載の使い捨てパンツ。
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