JP2601683Y2 - オートテンショナ用ダンパ装置 - Google Patents
オートテンショナ用ダンパ装置Info
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- JP2601683Y2 JP2601683Y2 JP4504193U JP4504193U JP2601683Y2 JP 2601683 Y2 JP2601683 Y2 JP 2601683Y2 JP 4504193 U JP4504193 U JP 4504193U JP 4504193 U JP4504193 U JP 4504193U JP 2601683 Y2 JP2601683 Y2 JP 2601683Y2
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- cylinder
- damper device
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- spring
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H7/00—Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
- F16H7/08—Means for varying tension of belts, ropes, or chains
- F16H7/10—Means for varying tension of belts, ropes, or chains by adjusting the axis of a pulley
- F16H7/12—Means for varying tension of belts, ropes, or chains by adjusting the axis of a pulley of an idle pulley
- F16H7/1254—Means for varying tension of belts, ropes, or chains by adjusting the axis of a pulley of an idle pulley without vibration damping means
- F16H7/1281—Means for varying tension of belts, ropes, or chains by adjusting the axis of a pulley of an idle pulley without vibration damping means where the axis of the pulley moves along a substantially circular path
- F16H7/129—Means for varying tension of belts, ropes, or chains by adjusting the axis of a pulley of an idle pulley without vibration damping means where the axis of the pulley moves along a substantially circular path with means for impeding reverse motion
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
- Fluid-Damping Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案に係るオートテンショナ
用ダンパ装置は、自動車用エンジンのタイミングベル
ト、或はオルタネータやコンプレッサ等の補機を駆動す
る為のベルト(以下これらを合わせて単に『ベルト』と
する。)に適正な張力を付与するオートテンショナに組
み込み、上記ベルトの振動を抑え付けるのに利用する。
用ダンパ装置は、自動車用エンジンのタイミングベル
ト、或はオルタネータやコンプレッサ等の補機を駆動す
る為のベルト(以下これらを合わせて単に『ベルト』と
する。)に適正な張力を付与するオートテンショナに組
み込み、上記ベルトの振動を抑え付けるのに利用する。
【0002】
【従来の技術】OHC型、或はDOHC型エンジンのカ
ムシャフトを、クランクシャフトと同期して回転駆動す
る為、図5に示す様なベルト1による駆動装置が広く使
用されている。この図5に於いて、2はエンジンのクラ
ンクシャフトにより回転駆動される駆動プーリ、3はカ
ムシャフトの端部に固定された従動プーリ、4、4はベ
ルト1を案内したり、或はウォータポンプ等の補機を駆
動する為のガイドプーリ或は従動プーリ、5はベルト1
に適正な張力を付与する為のプーリである。
ムシャフトを、クランクシャフトと同期して回転駆動す
る為、図5に示す様なベルト1による駆動装置が広く使
用されている。この図5に於いて、2はエンジンのクラ
ンクシャフトにより回転駆動される駆動プーリ、3はカ
ムシャフトの端部に固定された従動プーリ、4、4はベ
ルト1を案内したり、或はウォータポンプ等の補機を駆
動する為のガイドプーリ或は従動プーリ、5はベルト1
に適正な張力を付与する為のプーリである。
【0003】このプーリ5は、枢軸6を中心として揺動
する揺動部材7に枢支されている。そして、この揺動部
材7に固定したブラケット8の端部にばね9を設け、こ
のばね9によってプーリ5をベルト1に向け弾性的に押
圧する事により、温度変化等に伴うベルト1等の寸法変
化やエンジンの運転に伴う振動等に拘らず、このベルト
1の張力が常に一定に保たれる様にしている。
する揺動部材7に枢支されている。そして、この揺動部
材7に固定したブラケット8の端部にばね9を設け、こ
のばね9によってプーリ5をベルト1に向け弾性的に押
圧する事により、温度変化等に伴うベルト1等の寸法変
化やエンジンの運転に伴う振動等に拘らず、このベルト
1の張力が常に一定に保たれる様にしている。
【0004】ところで、オートテンショナにはベルト1
に張力を付与する機能の他、このベルト1を抑え付ける
機能が要求される。即ち、図5に示したカムシャフトの
駆動装置に於いて、駆動プーリ2の回転時には、ベルト
1の一部で前記各プーリ2〜5の間に位置する部分が、
走行方向とは直角な方向に、振れる様に振動する傾向と
なる。この振れをそのまま許容した場合、振れの振幅が
大きくなり(振動が成長し)、ベルト1による駆動部分
に異常振動が発生したり、或は歯付ベルトの場合には所
謂歯飛びが生じる等の問題を生じる。
に張力を付与する機能の他、このベルト1を抑え付ける
機能が要求される。即ち、図5に示したカムシャフトの
駆動装置に於いて、駆動プーリ2の回転時には、ベルト
1の一部で前記各プーリ2〜5の間に位置する部分が、
走行方向とは直角な方向に、振れる様に振動する傾向と
なる。この振れをそのまま許容した場合、振れの振幅が
大きくなり(振動が成長し)、ベルト1による駆動部分
に異常振動が発生したり、或は歯付ベルトの場合には所
謂歯飛びが生じる等の問題を生じる。
【0005】この為従来から、例えば特開昭58−65
357号公報、同63−180759号公報に記載され
ている様に、オートテンショナにダンパ装置を組み込
み、このダンパ装置によって上記ベルト1を抑え付ける
事が行なわれている。又、ベルト1の弛みをより確実に
防止する為、このベルト1が弛んだ場合にはプーリ5を
迅速に追従させ、ベルト1が緊張する場合にはこのプー
リ5を退避させる事なく、このベルト1を抑え付けるオ
ートテンショナも、例えば特開昭63−167163号
公報、特開平2−72252号公報、同2−80839
号公報、同3−24346号公報、実開平2−1684
6号公報、同2−98243号公報、同4−39349
号公報等に記載されている様に、従来から知られてい
る。
357号公報、同63−180759号公報に記載され
ている様に、オートテンショナにダンパ装置を組み込
み、このダンパ装置によって上記ベルト1を抑え付ける
事が行なわれている。又、ベルト1の弛みをより確実に
防止する為、このベルト1が弛んだ場合にはプーリ5を
迅速に追従させ、ベルト1が緊張する場合にはこのプー
リ5を退避させる事なく、このベルト1を抑え付けるオ
ートテンショナも、例えば特開昭63−167163号
公報、特開平2−72252号公報、同2−80839
号公報、同3−24346号公報、実開平2−1684
6号公報、同2−98243号公報、同4−39349
号公報等に記載されている様に、従来から知られてい
る。
【0006】これら各公報に記載されたオートテンショ
ナは、粘性ダンパと揺動部材との間に一方向クラッチを
設けたり(特開昭63−167163号公報)、ラチェ
ット機構を設けたり(特開平2−80839号公報、実
開平2−16846号公報)、逆止弁を組み込んで一方
向のみ機能するダンパ装置を設けたり(特開平2−72
252号公報、同3−24346号公報、実開平2−9
8243号公報)、粘性液体を一方向にのみ流れ易くす
る傾斜面を備えたダンパ装置を設けたり(実開平4−3
9349号公報)している。更に、特開昭62−274
143号公報、実開昭60−52458号公報等には、
揺動部材とダンパ装置とを別体とし、それぞれを別々に
エンジンのシリンダブロック前面等に取り付けて、オー
トテンショナとする構造が記載されている。
ナは、粘性ダンパと揺動部材との間に一方向クラッチを
設けたり(特開昭63−167163号公報)、ラチェ
ット機構を設けたり(特開平2−80839号公報、実
開平2−16846号公報)、逆止弁を組み込んで一方
向のみ機能するダンパ装置を設けたり(特開平2−72
252号公報、同3−24346号公報、実開平2−9
8243号公報)、粘性液体を一方向にのみ流れ易くす
る傾斜面を備えたダンパ装置を設けたり(実開平4−3
9349号公報)している。更に、特開昭62−274
143号公報、実開昭60−52458号公報等には、
揺動部材とダンパ装置とを別体とし、それぞれを別々に
エンジンのシリンダブロック前面等に取り付けて、オー
トテンショナとする構造が記載されている。
【0007】上述の様に構成される従来技術のうち、特
開昭58−65357号公報、同63−180759号
公報に記載されたオートテンショナでは、プーリが何れ
の方向にも緩徐にしか変位出来ない為、ベルトが弛んだ
場合にプーリがこれに追従出来ず、ベルトの張力が一時
的に低下する場合が考えられる。又、前記特開昭63−
167163号公報、特開平2−72252号公報、同
2−80839号公報、同3−24346号公報、実開
平2−16846号公報、同2−98243号公報、同
4−39349号公報等に記載されたオートテンショナ
の場合、一方向クラッチがフレッチング摩耗する事で、
耐久性が不十分であったり(特開昭63−167163
号公報)、内部構造が複雑で製作が難しく、製作費が嵩
んだり(特開平2−72252号公報、同2−8083
9号公報、同3−24346号公報、実開平2−168
46号公報、同2−98243号公報)、部品摩耗によ
り経時的に特性が変化し易く、又、ベルトが弛んだ場合
にも粘性液体による抵抗を多少受ける為、プーリの追従
性が必ずしも十分でなかったり(特開平2−72252
号公報、同3−24346号公報、実開平2−9824
3号公報、同4−39349号公報)する。更に、特開
昭62−274143号公報、実開昭60−52458
号公報に記載されたオートテンショナの場合には、設置
スペースが嵩んだり、ベルトの張力が急激に低下した場
合の追従性が悪い。
開昭58−65357号公報、同63−180759号
公報に記載されたオートテンショナでは、プーリが何れ
の方向にも緩徐にしか変位出来ない為、ベルトが弛んだ
場合にプーリがこれに追従出来ず、ベルトの張力が一時
的に低下する場合が考えられる。又、前記特開昭63−
167163号公報、特開平2−72252号公報、同
2−80839号公報、同3−24346号公報、実開
平2−16846号公報、同2−98243号公報、同
4−39349号公報等に記載されたオートテンショナ
の場合、一方向クラッチがフレッチング摩耗する事で、
耐久性が不十分であったり(特開昭63−167163
号公報)、内部構造が複雑で製作が難しく、製作費が嵩
んだり(特開平2−72252号公報、同2−8083
9号公報、同3−24346号公報、実開平2−168
46号公報、同2−98243号公報)、部品摩耗によ
り経時的に特性が変化し易く、又、ベルトが弛んだ場合
にも粘性液体による抵抗を多少受ける為、プーリの追従
性が必ずしも十分でなかったり(特開平2−72252
号公報、同3−24346号公報、実開平2−9824
3号公報、同4−39349号公報)する。更に、特開
昭62−274143号公報、実開昭60−52458
号公報に記載されたオートテンショナの場合には、設置
スペースが嵩んだり、ベルトの張力が急激に低下した場
合の追従性が悪い。
【0008】
【本考案の先行技術となる先考案】上述の様な事情に鑑
みて本考案者は先に、図6〜7に示す様なオートテンシ
ョナを考案した{実願平4−67543号(図6)、同
5−29569号(図7)}。このうち、図6に記載し
たオートテンショナは、固定部材10に設けた固定軸1
1の周囲に揺動部材12の基端部を回転自在に支持し、
この揺動部材12の先端部に、上記固定軸11と平行な
枢軸13を設けている。そして、この枢軸13の周囲に
プーリ5を回転自在に支持し、このプーリ5に、張力を
付与すべきベルト1を掛け渡している。上記固定軸11
の周囲には、上記揺動部材12に上記プーリ5をベルト
1に向け押圧する方向の弾力を付与する張力付与ばねで
ある、捩りコイルばね14のコイル部15を配置してい
る。又、この捩りコイルばね14の両端部に設けた1対
の係止部16a、16bは、上記固定部材10と上記揺
動部材12とにそれぞれ係止する事で上記揺動部材12
に、上記プーリ5をベルト1に向け押圧する方向の弾力
を付与している。
みて本考案者は先に、図6〜7に示す様なオートテンシ
ョナを考案した{実願平4−67543号(図6)、同
5−29569号(図7)}。このうち、図6に記載し
たオートテンショナは、固定部材10に設けた固定軸1
1の周囲に揺動部材12の基端部を回転自在に支持し、
この揺動部材12の先端部に、上記固定軸11と平行な
枢軸13を設けている。そして、この枢軸13の周囲に
プーリ5を回転自在に支持し、このプーリ5に、張力を
付与すべきベルト1を掛け渡している。上記固定軸11
の周囲には、上記揺動部材12に上記プーリ5をベルト
1に向け押圧する方向の弾力を付与する張力付与ばねで
ある、捩りコイルばね14のコイル部15を配置してい
る。又、この捩りコイルばね14の両端部に設けた1対
の係止部16a、16bは、上記固定部材10と上記揺
動部材12とにそれぞれ係止する事で上記揺動部材12
に、上記プーリ5をベルト1に向け押圧する方向の弾力
を付与している。
【0009】又、上記固定部材10に設けた固定側腕片
17と上記揺動部材12に設けた揺動側腕片18との間
には、ダンパ装置19を掛け渡している。即ち、図示の
構造の場合には、固定側腕片17の先端部にシリンダ筒
20の基端部を固定し、揺動側腕片18の先端部に固定
した受ブロック21の下面にプランジャ22の先端部を
突き当てている。
17と上記揺動部材12に設けた揺動側腕片18との間
には、ダンパ装置19を掛け渡している。即ち、図示の
構造の場合には、固定側腕片17の先端部にシリンダ筒
20の基端部を固定し、揺動側腕片18の先端部に固定
した受ブロック21の下面にプランジャ22の先端部を
突き当てている。
【0010】一方、図7に示したオートテンショナで
は、図6に示した構造から固定部材10を省略してい
る。そして、揺動側腕片18の先端部にダンパ装置19
を支持し、このダンパ装置の下端部で上記揺動側腕片1
8の下面から突出した部分を、エンジンのシリンダブロ
ック前面等の固定部分に形成した突部(図示せず)に突
き当て自在としている。又、捩りコイルばね14の係止
部16aは、上記固定部分に係止している。
は、図6に示した構造から固定部材10を省略してい
る。そして、揺動側腕片18の先端部にダンパ装置19
を支持し、このダンパ装置の下端部で上記揺動側腕片1
8の下面から突出した部分を、エンジンのシリンダブロ
ック前面等の固定部分に形成した突部(図示せず)に突
き当て自在としている。又、捩りコイルばね14の係止
部16aは、上記固定部分に係止している。
【0011】何れの構造を有するオートテンショナの場
合でも、上記ダンパ装置19は、図8又は図9に示す様
に構成している。内部にシリコンオイル等の粘性液体2
3を封入したシリンダ筒24は、上端部が開口し、下端
部が塞がれた有底円筒状である。このシリンダ筒24の
内側下半部にはピストン25を、昇降自在に嵌装してい
る。尚、シリンダ筒24の内周面とピストン25の外周
面との間には微小な隙間が存在する。上記ピストン25
の上側と下側とに存在する粘性液体23は、この微小な
隙間を通じて緩徐に流通する。又、上記ピストン25の
下面と上記シリンダ筒24の底部上面との間には圧縮コ
イルばねである付勢ばね26を設けて、このピストンを
上方に付勢している。更に、上記シリンダ筒24の内側
上半部には前記プランジャ22の基部28を、昇降自在
に嵌装している。シリンダ筒24の内周面と基部28の
外周面との間にはシールリング29を設けて、両周面間
の液密保持を図っている。尚、上記ピストン25の上端
面には複数の切り欠き30、30を形成し、この切り欠
き30、30を通じて、上記基部28及びピストン25
の突き合わせ部内側に存在する内側空間31と上記微小
な隙間とを連通させている。
合でも、上記ダンパ装置19は、図8又は図9に示す様
に構成している。内部にシリコンオイル等の粘性液体2
3を封入したシリンダ筒24は、上端部が開口し、下端
部が塞がれた有底円筒状である。このシリンダ筒24の
内側下半部にはピストン25を、昇降自在に嵌装してい
る。尚、シリンダ筒24の内周面とピストン25の外周
面との間には微小な隙間が存在する。上記ピストン25
の上側と下側とに存在する粘性液体23は、この微小な
隙間を通じて緩徐に流通する。又、上記ピストン25の
下面と上記シリンダ筒24の底部上面との間には圧縮コ
イルばねである付勢ばね26を設けて、このピストンを
上方に付勢している。更に、上記シリンダ筒24の内側
上半部には前記プランジャ22の基部28を、昇降自在
に嵌装している。シリンダ筒24の内周面と基部28の
外周面との間にはシールリング29を設けて、両周面間
の液密保持を図っている。尚、上記ピストン25の上端
面には複数の切り欠き30、30を形成し、この切り欠
き30、30を通じて、上記基部28及びピストン25
の突き合わせ部内側に存在する内側空間31と上記微小
な隙間とを連通させている。
【0012】一方、上記ピストン25を構成する隔壁3
2の中央部には通孔33を形成して、このピストン25
の上下を連通する通路を構成している。そして、上記隔
壁32の下側部分に、上記通孔33を開閉する逆止弁3
4を設けている。この逆止弁34は、ばね38の弾力に
よりボール39を、上記通孔33の下端開口部に向け弾
性的に押圧して成り、上記ピストン25が前記付勢ばね
26の弾力により上方に変位する場合にのみ開く機能を
有する。
2の中央部には通孔33を形成して、このピストン25
の上下を連通する通路を構成している。そして、上記隔
壁32の下側部分に、上記通孔33を開閉する逆止弁3
4を設けている。この逆止弁34は、ばね38の弾力に
よりボール39を、上記通孔33の下端開口部に向け弾
性的に押圧して成り、上記ピストン25が前記付勢ばね
26の弾力により上方に変位する場合にのみ開く機能を
有する。
【0013】更に、図8に示した第1例のダンパ装置1
9の場合には、前記プランジャ22の先半部27の外径
を、前記シリンダ筒24の内径よりも十分に小さくし
て、この先半部27の外周面と上記シリンダ筒24の上
部内周面との間の上部空間35の下半部にも、前記粘性
液体23を注入している。そして、前記基部28と先半
部27との連続部に設けた連通孔36、36を通じ、上
記上部空間35と前記内側空間31との間での粘性液体
23の流通を自在としている。上記シリンダ筒24の上
端部内周面と上記先半部27の外周面との間にはシール
リング37を設けて、上記上部空間35の上端開口部を
塞いでいる。
9の場合には、前記プランジャ22の先半部27の外径
を、前記シリンダ筒24の内径よりも十分に小さくし
て、この先半部27の外周面と上記シリンダ筒24の上
部内周面との間の上部空間35の下半部にも、前記粘性
液体23を注入している。そして、前記基部28と先半
部27との連続部に設けた連通孔36、36を通じ、上
記上部空間35と前記内側空間31との間での粘性液体
23の流通を自在としている。上記シリンダ筒24の上
端部内周面と上記先半部27の外周面との間にはシール
リング37を設けて、上記上部空間35の上端開口部を
塞いでいる。
【0014】一方、図9に示した第2例のダンパ装置1
9の場合には、先半部27aを比較的大径にし、この先
半部27aの内部容積を大きくする代わりに、プランジ
ャ22の内外を通じさせる連通孔36、36(図8)を
省略している。この図9に示したダンパ装置19を前記
図7に示したオートテンショナに組み込む場合に、図示
の例では、シリンダ筒24を揺動腕18の下面から突出
させて、このシリンダ筒24の下端面を、エンジンのシ
リンダブロック前面等の固定部分に形成した突部の上面
に突き当て自在としている。尚、図9(A)はダンパ装
置の収縮状態を、(B)は伸長状態を、それぞれ示して
いる。
9の場合には、先半部27aを比較的大径にし、この先
半部27aの内部容積を大きくする代わりに、プランジ
ャ22の内外を通じさせる連通孔36、36(図8)を
省略している。この図9に示したダンパ装置19を前記
図7に示したオートテンショナに組み込む場合に、図示
の例では、シリンダ筒24を揺動腕18の下面から突出
させて、このシリンダ筒24の下端面を、エンジンのシ
リンダブロック前面等の固定部分に形成した突部の上面
に突き当て自在としている。尚、図9(A)はダンパ装
置の収縮状態を、(B)は伸長状態を、それぞれ示して
いる。
【0015】上述の様に構成するダンパ装置19を組み
込んで前述の様に構成される先考案のオートテンショナ
は、例えば図10に示す様にエンジンに組み込んで、カ
ムシャフトを駆動する為のベルト1に適正な張力を付与
する。この図10に示した様なオートテンショナの使用
状態に於いては、捩りコイルばね14の弾力に基づいて
揺動部材12が揺動し、この揺動部材12の先端部の枢
軸13に回転自在に支持されたプーリ5を、ベルト1に
向け弾性的に押圧する。プーリ5がベルト1に押し付け
られる事で、上記揺動部材12の揺動は制限される。こ
の状態で、固定側腕片17(図6の構造の場合)又はシ
リンダブロック等の固定部分に形成した突部(図7の構
造の場合)と揺動側腕片18との間に設けられたダンパ
装置19が、上記固定側腕片17又は突部と揺動側腕片
18との間で、前記付勢ばね26の弾力に基づいて突っ
張った状態となる。
込んで前述の様に構成される先考案のオートテンショナ
は、例えば図10に示す様にエンジンに組み込んで、カ
ムシャフトを駆動する為のベルト1に適正な張力を付与
する。この図10に示した様なオートテンショナの使用
状態に於いては、捩りコイルばね14の弾力に基づいて
揺動部材12が揺動し、この揺動部材12の先端部の枢
軸13に回転自在に支持されたプーリ5を、ベルト1に
向け弾性的に押圧する。プーリ5がベルト1に押し付け
られる事で、上記揺動部材12の揺動は制限される。こ
の状態で、固定側腕片17(図6の構造の場合)又はシ
リンダブロック等の固定部分に形成した突部(図7の構
造の場合)と揺動側腕片18との間に設けられたダンパ
装置19が、上記固定側腕片17又は突部と揺動側腕片
18との間で、前記付勢ばね26の弾力に基づいて突っ
張った状態となる。
【0016】この状態からベルト1が弛むと、前記捩り
コイルばね14の弾力に基づいて揺動部材12が揺動
し、上記プーリ5をベルト1の動きに追従させる。この
際、上記ダンパ装置19を構成するプランジャ22の変
位は少し遅れる為、このプランジャ22の先端と受ブロ
ック21の下面とが(図6に記載した構造の場合)、或
はシリンダ筒24の下面と突部の上面とが(図7に示し
た構造の場合)、それぞれ離隔する。従って、ベルト1
が弛む際には、プーリ5をベルト1の動きに追従させる
べく揺動部材12を回転させる事に対し、上記ダンパ装
置19が全く抵抗とはならない。この結果、上記プーリ
5をベルト1の動きに対し迅速に追従させて、このベル
ト1の張力が低下する事を防止できる。上記ダンパ装置
19の全長は、前記付勢ばね26の弾力により、上記揺
動部材12の動きよりも僅かに遅れて伸長する。
コイルばね14の弾力に基づいて揺動部材12が揺動
し、上記プーリ5をベルト1の動きに追従させる。この
際、上記ダンパ装置19を構成するプランジャ22の変
位は少し遅れる為、このプランジャ22の先端と受ブロ
ック21の下面とが(図6に記載した構造の場合)、或
はシリンダ筒24の下面と突部の上面とが(図7に示し
た構造の場合)、それぞれ離隔する。従って、ベルト1
が弛む際には、プーリ5をベルト1の動きに追従させる
べく揺動部材12を回転させる事に対し、上記ダンパ装
置19が全く抵抗とはならない。この結果、上記プーリ
5をベルト1の動きに対し迅速に追従させて、このベル
ト1の張力が低下する事を防止できる。上記ダンパ装置
19の全長は、前記付勢ばね26の弾力により、上記揺
動部材12の動きよりも僅かに遅れて伸長する。
【0017】この様に、付勢ばね26の弾力に基づいて
ダンパ装置19が伸長する際には、前記逆止弁34が開
く。即ち、前記ばね38の弾力に抗してボール39が下
降し、前記隔壁32に形成した通孔33の下端開口を開
く。この結果、隔壁32の上側から下側への粘性液体2
3の移動が円滑に行なわれ、ピストン25並びにプラン
ジャ22の上昇は比較的迅速に行なわれ、極く短時間の
後に、上記ダンパ装置19が上記固定側腕片17又は突
部と揺動側腕片18との間で突っ張る。
ダンパ装置19が伸長する際には、前記逆止弁34が開
く。即ち、前記ばね38の弾力に抗してボール39が下
降し、前記隔壁32に形成した通孔33の下端開口を開
く。この結果、隔壁32の上側から下側への粘性液体2
3の移動が円滑に行なわれ、ピストン25並びにプラン
ジャ22の上昇は比較的迅速に行なわれ、極く短時間の
後に、上記ダンパ装置19が上記固定側腕片17又は突
部と揺動側腕片18との間で突っ張る。
【0018】反対にベルト1の張力が増大すると、上記
揺動部材12が捩りコイルばね14の弾力に抗して回動
する傾向となる。この状態では、前記揺動側腕片18が
上記ダンパ装置19を圧縮方向に押圧する。従って、こ
の場合には上記揺動部材12を回動させる為に、上記プ
ランジャ22並びにピストン25を、前記付勢ばね26
の弾力に抗して、シリンダ筒24内に押し込まなければ
ならない。この際に上記逆止弁34は閉じられたままと
なる為、上記ピストン25を下降させるべく、このピス
トン25の下側に存在する粘性液体23をピストン25
の上側に移動させるのは、前記シリンダ筒24の内周面
とピストン25の外周面との間に存在する微小な隙間を
通じて行なわなければならない。この微小な隙間を通じ
て流れる粘性液体23の量は限られたものである為、上
記ピストン25並びにプランジャ22の変位は緩徐にし
か行なわれなくなる。この結果、上記揺動部材12に支
持されたプーリ5の変位も、上記ダンパ装置19の作用
により緩徐にしか行なわれなくなり、上記ベルト1はプ
ーリ5により抑え付けられ、このベルト1の振動が成長
する事がなくなる。
揺動部材12が捩りコイルばね14の弾力に抗して回動
する傾向となる。この状態では、前記揺動側腕片18が
上記ダンパ装置19を圧縮方向に押圧する。従って、こ
の場合には上記揺動部材12を回動させる為に、上記プ
ランジャ22並びにピストン25を、前記付勢ばね26
の弾力に抗して、シリンダ筒24内に押し込まなければ
ならない。この際に上記逆止弁34は閉じられたままと
なる為、上記ピストン25を下降させるべく、このピス
トン25の下側に存在する粘性液体23をピストン25
の上側に移動させるのは、前記シリンダ筒24の内周面
とピストン25の外周面との間に存在する微小な隙間を
通じて行なわなければならない。この微小な隙間を通じ
て流れる粘性液体23の量は限られたものである為、上
記ピストン25並びにプランジャ22の変位は緩徐にし
か行なわれなくなる。この結果、上記揺動部材12に支
持されたプーリ5の変位も、上記ダンパ装置19の作用
により緩徐にしか行なわれなくなり、上記ベルト1はプ
ーリ5により抑え付けられ、このベルト1の振動が成長
する事がなくなる。
【0019】
【考案が解決しようとする課題】ところが、前述の様に
構成され、オートテンショナに組み込まれた状態で上述
の様に作用するオートテンショナ用ダンパ装置の場合、
ベルト1の張力が高くなった状態から急激に、しかも大
幅に低下した場合に、ピストン25の下側に空気が入り
込む可能性があり、入り込んだ場合にはダンパ装置19
の性能が低下してしまう。この様に、高くなった張力が
急激に低下する現象は、エンジンの始動、停止時にしば
しば発生する。そして、この様な現象が発生すると上記
ダンパ装置19の全長は、縮まった状態から、付勢ばね
26の弾力に基づいて急激に伸長する。
構成され、オートテンショナに組み込まれた状態で上述
の様に作用するオートテンショナ用ダンパ装置の場合、
ベルト1の張力が高くなった状態から急激に、しかも大
幅に低下した場合に、ピストン25の下側に空気が入り
込む可能性があり、入り込んだ場合にはダンパ装置19
の性能が低下してしまう。この様に、高くなった張力が
急激に低下する現象は、エンジンの始動、停止時にしば
しば発生する。そして、この様な現象が発生すると上記
ダンパ装置19の全長は、縮まった状態から、付勢ばね
26の弾力に基づいて急激に伸長する。
【0020】例えば、前記図8に示す様な構造を有する
ダンパ装置19の場合、上述の様な現象が発生すると、
図11(A)に示した様に一度縮まったダンパ装置19
が、同図(B)〜(D)の状態を経て、同図(E)に示
した状態にまで伸長する。即ち、同図(A)に示す様に
収縮したダンパ装置19が伸長する際、先ず同図(B)
に示す様に逆止弁34が開き、プランジャ22及びピス
トン25が上昇し始める。
ダンパ装置19の場合、上述の様な現象が発生すると、
図11(A)に示した様に一度縮まったダンパ装置19
が、同図(B)〜(D)の状態を経て、同図(E)に示
した状態にまで伸長する。即ち、同図(A)に示す様に
収縮したダンパ装置19が伸長する際、先ず同図(B)
に示す様に逆止弁34が開き、プランジャ22及びピス
トン25が上昇し始める。
【0021】ピストン25の上昇に伴って上部空間35
内の粘性液体23が連通孔36、36を通じて内側空間
31内に流入するが、この際、図11(C)に示す様
に、上記上部空間35内に存在する空気40が、連通孔
36、36を通じて内側空間31内に入り込む。そし
て、ピストン25の上昇速度が速い場合には、同図
(D)に示す様に、連通孔36、36から入り込んだ空
気が上記内側空間31を横切り、隔壁32中央の通孔3
3を通ってこの隔壁32の下側にまで達する。
内の粘性液体23が連通孔36、36を通じて内側空間
31内に流入するが、この際、図11(C)に示す様
に、上記上部空間35内に存在する空気40が、連通孔
36、36を通じて内側空間31内に入り込む。そし
て、ピストン25の上昇速度が速い場合には、同図
(D)に示す様に、連通孔36、36から入り込んだ空
気が上記内側空間31を横切り、隔壁32中央の通孔3
3を通ってこの隔壁32の下側にまで達する。
【0022】この様にして隔壁32の下側にまで達した
空気40の一部は、上記ピストン25の上昇が停止し、
上記逆止弁34が閉じた後は、図11(E)及び図13
に示す様に、上記隔壁32の下側にそのまま残留してし
まう。
空気40の一部は、上記ピストン25の上昇が停止し、
上記逆止弁34が閉じた後は、図11(E)及び図13
に示す様に、上記隔壁32の下側にそのまま残留してし
まう。
【0023】又、図9に示した構造を有するダンパ装置
の場合も、図12(A)に示した収縮状態から同図
(F)に示した伸長状態にまで、同図(B)〜(E)の
状態を経て変位する間に、隔壁32の下側に空気40が
入り込む。この様にして隔壁32の下側に進入した空気
40は、図13に示す様に、そのまま隔壁32の下側に
残留する。ところが、空気40は、非圧縮性流体である
粘性液体23とは異なり圧縮性流体である為、ダンパ装
置19の全長を弾性的に伸縮させる機能を果たし、この
ダンパ装置19の性能を劣化させてしまう。本考案のオ
ートテンショナ用ダンパ装置は、この様な原因による性
能劣化を防止する為、ピストン25の下側に空気が進入
する事を防止すべく考案したものである。
の場合も、図12(A)に示した収縮状態から同図
(F)に示した伸長状態にまで、同図(B)〜(E)の
状態を経て変位する間に、隔壁32の下側に空気40が
入り込む。この様にして隔壁32の下側に進入した空気
40は、図13に示す様に、そのまま隔壁32の下側に
残留する。ところが、空気40は、非圧縮性流体である
粘性液体23とは異なり圧縮性流体である為、ダンパ装
置19の全長を弾性的に伸縮させる機能を果たし、この
ダンパ装置19の性能を劣化させてしまう。本考案のオ
ートテンショナ用ダンパ装置は、この様な原因による性
能劣化を防止する為、ピストン25の下側に空気が進入
する事を防止すべく考案したものである。
【0024】
【課題を解決する為の手段】本考案のオートテンショナ
用ダンパ装置は、固定部材と、この固定部材に設けられ
た固定軸と、この固定軸の周囲にその基端部を回転自在
に支持された揺動部材と、この揺動部材の先端部に設け
られた、上記固定軸と平行な枢軸と、この枢軸の周囲に
回転自在に支持されたプーリと、このプーリをベルトに
向け押圧する方向の弾力を上記揺動部材に付与する張力
付与ばねとを備えたオートテンショナに、上記揺動部材
に設けた揺動側腕片と固定の部分との間に掛け渡した状
態で組み込む。
用ダンパ装置は、固定部材と、この固定部材に設けられ
た固定軸と、この固定軸の周囲にその基端部を回転自在
に支持された揺動部材と、この揺動部材の先端部に設け
られた、上記固定軸と平行な枢軸と、この枢軸の周囲に
回転自在に支持されたプーリと、このプーリをベルトに
向け押圧する方向の弾力を上記揺動部材に付与する張力
付与ばねとを備えたオートテンショナに、上記揺動部材
に設けた揺動側腕片と固定の部分との間に掛け渡した状
態で組み込む。
【0025】この様な本考案のオートテンショナ用ダン
パ装置は、前述した先考案のオートテンショナに組み込
まれたダンパ装置と同様に、内部に粘性液体を封入した
シリンダ筒と、このシリンダ筒の内部に軸方向に亙る変
位自在に嵌装されたピストンと、このピストンとシリン
ダ筒との間に設けられ、このピストンを一方向に付勢す
る付勢ばねと、この付勢ばねの弾力に基づく上記ピスト
ンの変位に伴って、上記シリンダ筒からの突出量を増す
プランジャと、上記ピストンの軸方向両端面同士を連通
する通路と、この通路を開閉する逆止弁とを備える。そ
して、この逆止弁は、上記ピストンが上記付勢ばねの弾
力に基づいて変位する場合にのみ開く機能を有する。
パ装置は、前述した先考案のオートテンショナに組み込
まれたダンパ装置と同様に、内部に粘性液体を封入した
シリンダ筒と、このシリンダ筒の内部に軸方向に亙る変
位自在に嵌装されたピストンと、このピストンとシリン
ダ筒との間に設けられ、このピストンを一方向に付勢す
る付勢ばねと、この付勢ばねの弾力に基づく上記ピスト
ンの変位に伴って、上記シリンダ筒からの突出量を増す
プランジャと、上記ピストンの軸方向両端面同士を連通
する通路と、この通路を開閉する逆止弁とを備える。そ
して、この逆止弁は、上記ピストンが上記付勢ばねの弾
力に基づいて変位する場合にのみ開く機能を有する。
【0026】特に、本考案のオートテンショナ用ダンパ
装置に於いては、上記シリンダ筒は上端部が開口し、下
端部が塞がれた有底円筒状であり、上記付勢ばねは上記
シリンダ筒の底部上面と上記ピストンの下面との間に設
けられた圧縮ばねである。そして、上記ピストンの下面
は、直径方向に亙り傾斜して、この下面の下側に進入し
た空気を上方に排出自在としている。
装置に於いては、上記シリンダ筒は上端部が開口し、下
端部が塞がれた有底円筒状であり、上記付勢ばねは上記
シリンダ筒の底部上面と上記ピストンの下面との間に設
けられた圧縮ばねである。そして、上記ピストンの下面
は、直径方向に亙り傾斜して、この下面の下側に進入し
た空気を上方に排出自在としている。
【0027】
【作用】上述の様に構成する本考案のオートテンショナ
用ダンパ装置が、オートテンショナに組み込まれた状態
でベルトの振動を抑えるべく、プーリを支持した揺動部
材の変位を制限する際の作用は、前述した先考案のオー
トテンショナに組み込まれたダンパ装置の場合と同様で
ある。特に、本考案のオートテンショナ用ダンパ装置に
於いては、仮にピストンの下側に空気が進入した場合で
も、この空気を迅速に排出できる為、迅速にダンパ装置
の機能を回復できて、空気によるダンパ装置の性能低下
を防止できる。
用ダンパ装置が、オートテンショナに組み込まれた状態
でベルトの振動を抑えるべく、プーリを支持した揺動部
材の変位を制限する際の作用は、前述した先考案のオー
トテンショナに組み込まれたダンパ装置の場合と同様で
ある。特に、本考案のオートテンショナ用ダンパ装置に
於いては、仮にピストンの下側に空気が進入した場合で
も、この空気を迅速に排出できる為、迅速にダンパ装置
の機能を回復できて、空気によるダンパ装置の性能低下
を防止できる。
【0028】
【実施例】図1〜2は、本考案の第一実施例を示してい
る。本実施例の場合、ピストン25を構成する隔壁32
の下面を、中央部から外周縁部に向け次第に上方に向か
う方向に傾斜した円錐凸面としている。更に、上記ピス
トン25の下面外周縁部に存在する垂下壁57に複数の
切り欠き58、58を形成し、上記円錐凸面の外周縁部
を各切り欠き58、58の奥端縁に連続させている。
る。本実施例の場合、ピストン25を構成する隔壁32
の下面を、中央部から外周縁部に向け次第に上方に向か
う方向に傾斜した円錐凸面としている。更に、上記ピス
トン25の下面外周縁部に存在する垂下壁57に複数の
切り欠き58、58を形成し、上記円錐凸面の外周縁部
を各切り欠き58、58の奥端縁に連続させている。
【0029】上述の様に構成する本実施例の場合、仮に
上記隔壁32の下側に空気が入り込んだ場合でも、この
空気はこの隔壁32の下面に案内され、更に上記各切り
欠き58、58を通過して、ピストン25の外周面とシ
リンダ筒24の内周面との合わせ面部分に達する。前述
の様にこの合わせ面部分には、粘性液体23を緩徐に流
すだけの隙間が存在するので、粘性液体23に比べて遥
かに粘度が小さい空気は、この隙間及び上記ピストン2
5の上端縁部に形成した切り欠き30、30を通じてこ
のピストン25の上側に向け、迅速に排出される。この
結果、ピストン25の下側に空気が存在する時間を極く
短くできて、空気40によりダンパ装置の性能が低下す
る事を防止できる。
上記隔壁32の下側に空気が入り込んだ場合でも、この
空気はこの隔壁32の下面に案内され、更に上記各切り
欠き58、58を通過して、ピストン25の外周面とシ
リンダ筒24の内周面との合わせ面部分に達する。前述
の様にこの合わせ面部分には、粘性液体23を緩徐に流
すだけの隙間が存在するので、粘性液体23に比べて遥
かに粘度が小さい空気は、この隙間及び上記ピストン2
5の上端縁部に形成した切り欠き30、30を通じてこ
のピストン25の上側に向け、迅速に排出される。この
結果、ピストン25の下側に空気が存在する時間を極く
短くできて、空気40によりダンパ装置の性能が低下す
る事を防止できる。
【0030】次に、図3は、本考案の第二実施例を示し
ている。本実施例の場合、ピストン25を構成する隔壁
32の下面を、中央部に向かう程上方に向かう方向に傾
斜した円錐凹面としている。この様な本実施例の場合、
仮に上記隔壁32の下側に空気40が入り込んだ場合で
も、この空気40はこの隔壁32の下面に案内されてこ
の隔壁32中央部に形成された通孔33の周囲部分に集
まる。そして、逆止弁34を構成するボール39が僅か
に動いた瞬間に上記ピストン25の上側に向け、迅速に
排出される。この結果、ピストン25の下側に空気が存
在する時間を極く短くできて、空気40によりダンパ装
置の性能が低下する事を防止できる。
ている。本実施例の場合、ピストン25を構成する隔壁
32の下面を、中央部に向かう程上方に向かう方向に傾
斜した円錐凹面としている。この様な本実施例の場合、
仮に上記隔壁32の下側に空気40が入り込んだ場合で
も、この空気40はこの隔壁32の下面に案内されてこ
の隔壁32中央部に形成された通孔33の周囲部分に集
まる。そして、逆止弁34を構成するボール39が僅か
に動いた瞬間に上記ピストン25の上側に向け、迅速に
排出される。この結果、ピストン25の下側に空気が存
在する時間を極く短くできて、空気40によりダンパ装
置の性能が低下する事を防止できる。
【0031】尚、上述した各実施例で、シリンダ筒24
の上端部とプランジャ22aの上端部との間に、図4に
示す様なベローズ59を設ければ、ダンパ装置内への塵
芥等の異物進入防止を確実に図れる。
の上端部とプランジャ22aの上端部との間に、図4に
示す様なベローズ59を設ければ、ダンパ装置内への塵
芥等の異物進入防止を確実に図れる。
【0032】
【考案の効果】本考案のオートテンショナ用ダンパ装置
は、以上に述べた通り構成され作用するので、ピストン
の下側に進入した空気がそのままこのピストンの下側に
滞留する事を確実に防止できる。この為、空気によりダ
ンパ装置の性能が劣化する事を防止して、オートテンシ
ョナの性能を常に良好な状態に維持できる。
は、以上に述べた通り構成され作用するので、ピストン
の下側に進入した空気がそのままこのピストンの下側に
滞留する事を確実に防止できる。この為、空気によりダ
ンパ装置の性能が劣化する事を防止して、オートテンシ
ョナの性能を常に良好な状態に維持できる。
【図1】本考案の第一実施例を示す、ダンパ装置の下部
の縦断面図。
の縦断面図。
【図2】同じくピストンの下部を下方から見た状態で示
す斜視図。
す斜視図。
【図3】本考案の第二実施例を示す、ダンパ装置の下部
の縦断面図。
の縦断面図。
【図4】ベローズの装着状態の1例を示す、ダンパ装置
の上部の縦断面図。
の上部の縦断面図。
【図5】従来から知られたオートテンショナの使用状態
の1例を示す正面図。
の1例を示す正面図。
【図6】先考案に係るオートテンショナの第1例を示す
正面図。
正面図。
【図7】同第2例を示す正面図。
【図8】先考案に係るオートテンショナに組み込まれた
ダンパ装置の第1例を示す縦断面図。
ダンパ装置の第1例を示す縦断面図。
【図9】同第2例を、収縮状態と伸長状態とで示す縦断
面図。
面図。
【図10】先考案に係るオートテンショナの使用状態の
1例を示す正面図。
1例を示す正面図。
【図11】図8に記載したオートテンショナの収縮状態
から伸長状態までを行程順に示す縦断面図。
から伸長状態までを行程順に示す縦断面図。
【図12】図9に記載したオートテンショナの収縮状態
から伸長状態までを行程順に示す縦断面図。
から伸長状態までを行程順に示す縦断面図。
【図13】ピストンの下側に空気が入り込んだ状態を示
すダンパ装置の下部縦断面図。
すダンパ装置の下部縦断面図。
1 ベルト 2 駆動プーリ 3 従動プーリ 4 ガイドプーリ 5 プーリ 6 枢軸 7 揺動部材 8 ブラケット 9 ばね 10 固定部材 11 固定軸 12 揺動部材 13 枢軸 14 捩りコイルばね 15 コイル部 16a、16b 係止部 17 固定側腕片 18 揺動側腕片 19 ダンパ装置 20 シリンダ筒 21 受ブロック 22、22a プランジャ 23 粘性液体 24 シリンダ筒 25 ピストン 26 付勢ばね 27、27a 先半部 28 基部 29 シールリング 30 切り欠き 31 内側空間 32 隔壁 33 通孔 34 逆止弁 35 上部空間 36 連通孔 37 シールリング 38 ばね 39 ボール 40 空気 57 垂下壁 58 切り欠き 59 ベローズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−186645(JP,A) 実開 平2−56950(JP,U) 実開 昭51−114587(JP,U) 実開 昭54−117483(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 7/12
Claims (1)
- 【請求項1】 固定部材と、この固定部材に設けられた
固定軸と、この固定軸の周囲にその基端部を回転自在に
支持された揺動部材と、この揺動部材の先端部に設けら
れた、上記固定軸と平行な枢軸と、この枢軸の周囲に回
転自在に支持されたプーリと、このプーリをベルトに向
け押圧する方向の弾力を上記揺動部材に付与する張力付
与ばねとを備えたオートテンショナに、上記揺動部材に
設けた揺動側腕片と固定の部分との間に掛け渡した状態
で組み込まれ、内部に粘性液体を封入したシリンダ筒
と、このシリンダ筒の内部に軸方向に亙る変位自在に嵌
装されたピストンと、このピストンとシリンダ筒との間
に設けられ、このピストンを一方向に付勢する付勢ばね
と、この付勢ばねの弾力に基づく上記ピストンの変位に
伴って、上記シリンダ筒からの突出量を増すプランジャ
と、上記ピストンの軸方向両端面同士を連通する通路
と、この通路を開閉する逆止弁とを備え、この逆止弁
は、上記ピストンが上記付勢ばねの弾力に基づいて変位
する場合にのみ開く機能を有するオートテンショナ用ダ
ンパ装置に於いて、上記シリンダ筒は上端部が開口し、
下端部が塞がれた有底円筒状であり、上記付勢ばねは上
記シリンダ筒の底部上面と上記ピストンの下面との間に
設けられた圧縮ばねであり、上記ピストンの下面は、直
径方向に亙り傾斜して、この下面の下側に進入した空気
を上方に排出自在としている事を特徴とするオートテン
ショナ用ダンパ装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4504193U JP2601683Y2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | オートテンショナ用ダンパ装置 |
US08/281,121 US5569105A (en) | 1993-07-28 | 1994-07-28 | Damper apparatus for an autotensioner |
DE19944426845 DE4426845A1 (de) | 1993-07-28 | 1994-07-28 | Dämpfervorrichtung für ein automatisches Spannelement |
GB9415198A GB2280486A (en) | 1993-07-28 | 1994-07-28 | Damper for autotensioner |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4504193U JP2601683Y2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | オートテンショナ用ダンパ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0710597U JPH0710597U (ja) | 1995-02-14 |
JP2601683Y2 true JP2601683Y2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=12708287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4504193U Expired - Fee Related JP2601683Y2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | オートテンショナ用ダンパ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2601683Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006071010A (ja) * | 2004-09-02 | 2006-03-16 | Fu Luong Hi-Tech Co Ltd | 気圧棒 |
-
1993
- 1993-07-28 JP JP4504193U patent/JP2601683Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0710597U (ja) | 1995-02-14 |
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