JP3700678B2 - オートテンショナ用ダンパ装置 - Google Patents

オートテンショナ用ダンパ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明に係るオートテンショナ用ダンパ装置は、自動車用エンジンのタイミングベルト、或はオルタネータやコンプレッサ等の補機を駆動する為のベルト(以下これらを総称して単に『ベルト』とする。)に適正な張力を付与するオートテンショナに組み込み、上記ベルトの振動を抑え付けるのに利用する。
【0002】
【従来の技術】
ベルトに適正な張力を付与する為、オートテンショナと呼ばれる張力付与装置が知られている。このオートテンショナの構造及び作用に就いて、実願平4−67543号に記載された構造を示す、図2により説明する。シリンダブロックの前面等に固定される固定部材1に設けられた固定軸2の周囲には揺動部材3の基端部を、回転自在に支持している。そして、この揺動部材3の先端部に、上記固定軸2と平行な枢軸4を設けている。そして、この枢軸4の周囲にプーリ5を回転自在に支持し、このプーリ5に、張力を付与すべきベルト6を掛け渡している。上記固定軸2の周囲には捩りコイルばね7のコイル部8を配置している。又、この捩りコイルばね7の両端部に設けた1対の係止部9a、9bを上記固定部材1と上記揺動部材3とにそれぞれ係止する事で、上記揺動部材3に上記プーリ5をベルト6に向け押圧する方向の弾力を付与している。
【0003】
又、上記固定部材1に設けた固定側腕片10と上記揺動部材3に設けた揺動側腕片11との間には、本発明の対象となるダンパ装置12を、これら両腕片10、11同士の間で突っ張る様に設けている。このダンパ装置12は、シリンダ筒13とプランジャ14とを有する。図示の構造の場合には、固定側腕片10の先端部に、シリンダ筒13の下部を内嵌固定し、揺動側腕片11の先端部に固定した受ブロック15の下面にプランジャ14の上端部を突き当てている。尚、図2に示した状態では、上記固定部材1に対する揺動部材3の変位は、ストッパピン16により阻止している。このストッパピン16は、オートテンショナをエンジンに組み付け、プーリ5にベルト6を掛け渡した後に引き抜く。
【0004】
又、実願平5−29569号には、図3に示す様なオートテンショナが記載されている。この図3に示したオートテンショナでは、図2に示した構造から固定部材1を省略している。そして、揺動側腕片11の先端部にダンパ装置12を支持し、このダンパ装置12の下端部で上記揺動側腕片11の下面から突出した部分を、エンジンのシリンダブロック前面等の固定部分に形成した突部(図示せず)に突き当て自在としている。又、捩りコイルばね7の係止部9aは、上記固定部分に係止している。
【0005】
何れの構造を有するオートテンショナの場合でも、上記ダンパ装置12は、図4又は図5に示す様に構成されている。内部にシリコンオイル等の粘性液体17を封入したシリンダ筒13は、上端部が開口し、下端部が塞がれた有底円筒状である。このシリンダ筒13の内側下半部にはピストン19を、昇降自在に嵌装している。尚、シリンダ筒13の内周面とピストン19の外周面との間には微小な隙間が存在する。上記ピストン19の上側と下側とに存在する粘性液体17は、この微小な隙間を通じて緩徐に流通する。又、上記ピストン19の下面と上記シリンダ筒13の底部上面との間には圧縮コイルばねである付勢ばね20を設け、このピストン19を上方に付勢している。更に、上記シリンダ筒13の内側上半部には前記プランジャ14の基部21を、昇降自在に嵌装している。シリンダ筒13の内周面と基部21の外周面との間にはシールリング22を設けて、両周面間の液密保持を図っている。尚、上記ピストン19の上端面には複数の切り欠き23、23を形成し、この切り欠き23、23を通じて、上記基部21及びピストン19の突き合わせ部内側に存在する内側空間24と上記微小な隙間とを連通させている。
【0006】
一方、上記ピストン19を構成する隔壁25の中央部には通孔26を形成して、このピストン19の上下を連通する通路を構成している。そして、上記隔壁25の下側部分に、上記通孔26を開閉する逆止弁27を設けている。この逆止弁27は、ばね28の弾力によりボール29を、上記通孔26の下端開口部に向け弾性的に押圧して成り、上記ピストン19が前記付勢ばね20の弾力により上方に変位する場合にのみ開く機能を有する。
【0007】
更に、図4に示した第1例のダンパ装置12の場合には、前記プランジャ14の先半部30の外径寸法を、前記シリンダ筒13の内径寸法よりも十分に小さくしている。そして、この先半部30の外周面と上記シリンダ筒13の上部内周面との間の上部空間31の下半部にも、前記粘性液体17を注入している。そして、前記基部21と先半部30との連続部に設けた連通孔32、32を通じ、上記上部空間31と前記内側空間24との間での粘性液体17の流通を自在としている。上記シリンダ筒13の上端部内周面と上記先半部30の外周面との間にはシールリング33を設けて、上記上部空間31の上端開口部を塞いでいる。
【0008】
一方、図5に示した第2例のダンパ装置12の場合には、先半部30aを比較的大径にし、この先半部30aの内部容積を大きくする代わりに、プランジャ14の内外を通じさせる連通孔32、32(図4)を省略している。この図5に示したダンパ装置12を前記図3に示したオートテンショナに組み込む場合、図示の例では、シリンダ筒13を揺動側腕片11の下面から突出させて、このシリンダ筒13の下端面を、エンジンのシリンダブロック前面等の固定部分に形成した突部の上面に突き当て自在としている。尚、図5(A)はダンパ装置の収縮状態を、(B)は伸長状態をそれぞれ示している。
【0009】
上述の様に構成されるダンパ装置12を組み込んで前述の様に構成される先発明のオートテンショナは、例えば図6に示す様にエンジンに組み込んで、カムシャフトを駆動する為のベルト6に適正な張力を付与する。尚、この図6に示した例に於いては図2に示したオートテンショナを示しているが、図3に示したオートテンショナに於いても同様に組み込み、ベルト6に適正な張力を付与する。この図6に示した様なオートテンショナの使用状態に於いては、捩りコイルばね7の弾力に基づいて揺動部材3が揺動し、この揺動部材3の先端部の枢軸4に回転自在に支持されたプーリ5を、ベルト6に向け弾性的に押圧する。プーリ5がベルト6に押し付けられる事で、上記揺動部材3の揺動は制限される。この状態で、固定側腕片10(図2の構造の場合)又はシリンダブロック等の固定部分に形成した突部(図3の構造の場合)と揺動側腕片11との間に設けられたダンパ装置12が、上記固定側腕片10又は突部と揺動側腕片11との間で、前記付勢ばね20の弾力に基づいて突っ張った状態となる。
【0010】
この状態からベルト6が弛むと、前記捩りコイルばね7の弾力に基づいて揺動部材3が揺動し、上記プーリ5をベルト6の動きに追従させる。この際、上記ダンパ装置12を構成するプランジャ14の変位は少し遅れる。この為、このプランジャ14の先端と受ブロック15の下面とが(図2に記載した構造の場合)、或はシリンダ筒13の下面と突部の上面とが(図3に示した構造の場合)、それぞれ離隔する。従って、ベルト6が弛む際には、プーリ5をベルト6の動きに追従させるべく揺動部材3を回動させる事に対し、上記ダンパ装置12が全く抵抗とはならない。この結果、上記プーリ5をベルト6の動きに対し迅速に追従させて、このベルト6の張力が低下する事を防止できる。上記ダンパ装置12の全長は、前記付勢ばね20の弾力により、上記揺動部材3の動きよりも僅かに遅れて伸長する。
【0011】
この様に、付勢ばね20の弾力に基づいてダンパ装置12が伸長する際には、前記逆止弁27が開く。即ち、前記ばね28の弾力に抗してボール29が下降し、前記隔壁25に形成した通孔26の下端開口を開く。この結果、隔壁25の上側から下側への粘性液体17の移動が円滑に行なわれ、ピストン19並びにプランジャ14の上昇は比較的迅速に行なわれ、極く短時間の後に、上記ダンパ装置12が上記固定側腕片10又は突部と揺動側腕片11との間で突っ張る。
【0012】
反対にベルト6の張力が増大すると、上記揺動部材3が捩りコイルばね7の弾力に抗して回動する傾向となる。この状態では、前記揺動側腕片11が上記ダンパ装置12を圧縮方向に押圧する。従って、この場合には上記揺動部材3を回動させる為に、上記プランジャ14並びにピストン19を、前記付勢ばね20の弾力に抗して、シリンダ筒13内に押し込まなければならない。この際に上記逆止弁27は閉じられたままとなる為、上記ピストン19を下降させるべく、このピストン19の下側に存在する粘性液体17をピストン19の上側に移動させるのは、前記シリンダ筒13の内周面とピストン19の外周面との間に存在する微小な隙間を通じて行なわなければならない。この微小な隙間を通じて流れる粘性液体17の量は限られたものである為、上記ピストン19並びにプランジャ14の変位は緩徐にしか行なわれなくなる。この結果、上記揺動部材3に支持されたプーリ5の変位も、上記ダンパ装置12の作用により緩徐にしか行なわれなくなり、上記ベルト6はプーリ5により抑え付けられ、このベルト6の振動が成長する事がなくなる。尚、この図6に於いて、42はエンジンのクランクシャフトにより回転駆動される駆動プーリ、43はカムシャフトの端部に固定された従動プーリ、44はベルト6を案内するガイドプーリである。
【0013】
尚、上述の様なオートテンショナに組み込み可能なダンパ装置としては、前記図4〜5に示した様な構造の他、図7に示す様な構造も、実開平3−65041号公報に記載されている様に、従来から知られている。この図7に示した構造の場合には、シリンダケース34内にシリンダライナ35を内嵌する事でシリンダ筒13を構成している。そして、シリンダライナ35の内側に摺動自在に内嵌したピストン19にロッド状のプランジャ14の下端部を結合している。又、このプランジャ14の中間部に係止した上部止め輪36の下面と、上記シリンダライナ35の上端縁に係止した下部止め輪37との間に、圧縮ばね38を設けている。従って上記プランジャ14は、逆止弁27の下側に設けた付勢ばね20の弾力だけでなく、上記圧縮ばね38によっても、上昇方向の弾力を付与される。ベルトの振動が成長するのを抑える際の作用自体は、前記図4〜5に示した構造とほぼ同様である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述の様に構成され、オートテンショナに組み込まれた状態で上述の様に作用するオートテンショナ用ダンパ装置の場合、ピストン19の下側に気体が存在すると、逆止弁27が閉じられた状態でも、この気体の弾性変形分だけピストン19が昇降自在となり、ベルト6の振動防止効果が損なわれる為、必ずしも所望の性能を得られない場合がある。
本発明は、この様な振動防止効果を損なう原因となる、ピストン下側への気体の進入を防止すべく考えたものである。
【0015】
【課題を解決する為の手段】
本発明のオートテンショナ用ダンパ装置は、上端が開口し、内部に粘性液体を封入したシリンダ筒と、このシリンダ筒の内部に軸方向に亙る変位自在に嵌装されたピストンと、このピストンとシリンダ筒との間に設けられ、このピストンを上昇方向に付勢する付勢ばねと、この付勢ばねの弾力に基づく上記ピストンの変位に伴って、上記シリンダ筒からの突出量を増すプランジャと、上記ピストンの軸方向両端面同士を連通する通路と、このピストンが上記付勢ばねの弾力に基づいて上昇する場合にのみ開いてこの通路を開放する逆止弁とを備えている。
【0016】
特に、本発明のオートテンショナ用ダンパ装置に於いては、上記プランジャの先半部の外径寸法をシリンダ筒の内径寸法よりも小さくして、これら先半部の外周面とシリンダ筒の上部内周面との間の上部空間の下半部にも粘性液体を注入している。そして、このシリンダ筒に嵌装された上記プランジャの基部と上記先半部との連続部に設けた連通孔を通じて、上記上部空間と上記ピストンの内側に存在する内側空間との間での上記粘性液体の流通を自在としている。更に、上記シリンダ筒の上端開口を可撓性を有する材料により造られ、このシリンダ筒の上端部と上記プランジャの外周面でこのシリンダ筒の上端開口よりも上方に突出した部分との間に設けられた、ブーツにより塞いでいる。
【0017】
【作用】
上述の様に構成される本発明のオートテンショナ用ダンパ装置が、オートテンショナに組み込まれた状態でベルトの振動を抑えるべくプーリを支持した揺動部材の変位を制限する際の作用自体は、前述した先発明のオートテンショナに組み込まれたダンパ装置、或は前述した従来のダンパ装置の場合と同様である。
特に、本発明のオートテンショナ用ダンパ装置に於いては、ピストン下側への空気進入防止を図り、ダンパ装置の性能確保を図れる。
【0018】
【実施例】
図1は本発明の実施例を示す縦断面図で、左半部は最も縮んだ状態を、右半部は最も伸長した状態を、それぞれ示している。上端が開口した有底円筒状のシリンダ筒13の内部には粘性液体17を封入すると共に、ピストン19を昇降自在に嵌装している。そして、このピストン19の下面と上記シリンダ筒13の底部上面との間に付勢ばね20を設けて、上記ピストン19に上昇方向の弾力を付与している。又、上記ピストン19の上側にはプランジャ14aを設けている。このプランジャ14aのシリンダ筒13からの突出量は、上記付勢ばね20の弾力に基づく上記ピストン19の上昇に伴って増す。更に、上記ピストン19の隔壁25の中央部には通孔26を形成し、このピストン19の上側と下側とを(軸方向両端面同士を)連通する通路としている。更に、上記隔壁25の下側部分に、ばね28とボール29とから成る逆止弁27を設けている。この逆止弁27は、上記ピストン19が上記付勢ばね20の弾力に基づいて上昇する場合にのみ開く。
【0019】
又、上記プランジャ14aの下半部には、上記シリンダ筒13の内周面と摺接する円筒状部39を、上半部には上記シリンダ筒13の内径寸法よりも十分に小さな外径寸法を有するロッド状部40を、それぞれ形成している。このロッド状部40は、前記図4に示した先発明構造とは異なり、充実体である。そして、上記円筒状部39とロッド状部40との連続部には連通孔32、32を設けて、上部空間31と内側空間24とを連通させている。
【0020】
本実施例のダンパ装置12の場合には、上記シリンダ筒13の内径寸法R13と上記ピストン19の外径寸法D19との差(=R13−D19)を、所望値通り正確に規制している。例えば、この差を40±2μm程度とし、これら両周面同士の間に存在する微小隙間の厚さ寸法εを20±1μm程度としている。この為に本実施例のダンパ装置12を組み立てる場合には、先ず、上記シリンダ筒13の内径寸法R13と上記ピストン19の外径寸法D19とをそれぞれ測定する。そして、上記内径寸法R13が上記外径寸法D19よりも所定寸法(40±2μm)だけ大きくなる様な内径寸法R13或は外径寸法D19を有するシリンダ筒13とピストン19とを組み合わせる。
【0021】
又、図示の実施例の場合、シリンダ筒13の上端開口を、耐油性ゴム等の可撓性を有する材料により造られ、このシリンダ筒13の上端部と前記プランジャ14aを構成する上記ロッド状部40の外周面でこのシリンダ筒13の上端開口よりも上方に突出した部分との間に設けられた、ブーツ18により塞いでいる。この様なブーツ18により上記上端開口を塞ぐ結果、周囲の温度変化に拘らず、シリンダ筒13上部に存在する上部空間31内の圧力変化が抑えられる。この結果、圧力上昇に伴って粘性液体17中に混入した空気が、圧力低下時に析出する事がなくなり、析出空気がピストン19の下側に入り込む事がなくなる。ピストン19の下側に気体が存在すると、逆止弁27が閉じられた状態でも、この気体の弾性変形分だけピストン19が昇降自在となり、ベルト6(図2〜3)の振動防止効果が損なわれる。従って、ブーツ18を設ける事でピストン19下側への空気進入防止を図る事は、ダンパ装置の性能確保の面から有効である。
【0022】
更に、図示の実施例の場合には、上記ブーツ18の基部に設けた芯金41の一部を、上記シリンダ筒13の内周面よりも直径方向内方に突出させる事で、前記プランジャ14aの抜け止め用のストッパとしての機能を持たせている。即ち、上記芯金41の内径寸法R41を、上記シリンダ筒13の内径寸法R13よりも小さく(R41<R13)すると共に、この芯金41の一部で上記プランジャ14aの肩部に対向する折り曲げ角部を、上記耐油性ゴム等の弾性体で覆っている。従って、上記プランジャ14aが上昇した場合には、上記肩部が弾性体に衝合し、このプランジャ14aがシリンダ筒13から抜け出る事を防止する。上記芯金41の下端部は、上記シリンダ筒13の上部外周面に形成した溝部45にかしめ付けている。従って、この芯金41がシリンダ筒13から不用意に脱落する事はない。
【0023】
上述の様に構成される本実施例のオートテンショナ用ダンパ装置が、前記図2或は図3に示す様なオートテンショナに組み込まれた状態で、ベルト6の振動を抑えるべく、プーリ5を支持した揺動部材3の変位を制限する際の作用自体は、前述した先発明のオートテンショナに組み込まれたダンパ装置の場合と同様である。
【0024】
特に、本実施例のオートテンショナ用ダンパ装置に於いては、ピストン19の下側に気体が入り込む事がなくなり、逆止弁27が閉じられた状態で、この気体の弾性変形分だけピストン19が昇降自在となる事を防止して、ベルト6(図2〜3)の振動防止効果が損なわれる事を防止できる。そして、ダンパ装置の性能確保を図れる。
【0025】
又、本実施例の場合には、シリンダ筒13の内径寸法R13とピストン19の外径寸法D19との差を所望値通り正確に規制できる。従って、ベルト6の張力が高まる事で、ピストン19がシリンダ筒13内に押し込まれる際に、シリンダ筒13の内周面とピストン19の外周面との間の微小隙間を単位時間の間に流れる粘性液体17の量が、製品毎にばらつかなくなる。この結果、ダンパ装置12のリークダウン時間、並びにこのリークダウン時間に影響されるベルト6の振動防止機能の安定化を図れる。
【0026】
本実施例の効果を確認する為、本発明者がリークダウン時間Tを計算により求めた結果を、下表に示す。この計算は、前記式により行った。下表に示した、微小隙間の厚さ寸法ε以外の条件は次の通りである。
ピストン19の外周面でシリンダ筒13の内周面と対向する部分の軸方向長さ寸法L=7.76(mm)
ピストン19の外径寸法D=11.4(mm)
粘性液体17の粘性係数μ=1.74×10-4(kgf・s/mm2
ベルト6の張力上昇に伴うピストン19下側の空間内の圧力P=0.210(kgf/mm2
【0027】
【表1】
Figure 0003700678
【0028】
この表の記載から明らかな通り、本実施例によれば、製品毎のリークダウン時間Tを従来に比べて大幅に安定させる事ができる。尚、本実施例の技術思想は、図1に示した構造に限らず、図4〜5に示した先発明の構造、或は図7に示した従来構造にも実施できる事は明らかである。図7に示した従来構造で実施する場合には、シリンダライナ35とピストン19とを、それぞれの内径寸法と外径寸法との差に応じて組み合わせる。更に、例えば実開平5−42801号公報、同5−38441号公報に記載されている様に、シリンダ筒内に粘性液体のみで空気を封入せず、ピストン及びプランジャを水平方向に配置したダンパ装置でも実施可能である。この場合、各公報に記載してある様に、ダイヤフラム等により、プランジャの出入に伴うシリンダ筒内の容積変化を補償する。
【0029】
【発明の効果】
本発明のオートテンショナ用ダンパ装置は、以上に述べた通り構成され作用するのでピストン下側への空気進入防止を図り、ダンパ装置の性能確保を図れ、ダンパ装置を組み込んだオートテンショナがベルトの振動を防止する機能を安定させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す縦断面図。
【図2】 先発明に係るオートテンショナの第1例を示す正面図。
【図3】 同第2例を示す正面図。
【図4】 先発明に係るオートテンショナに組み込まれたダンパ装置の第1例を示す縦断面図。
【図5】 同第2例を、収縮状態と伸長状態とで示す縦断面図。
【図6】 先発明に係るオートテンショナの使用状態の1例を示す正面図。
【図7】 従来のダンパ装置の1例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 固定部材
2 固定軸
3 揺動部材
4 枢軸
5 プーリ
6 ベルト
7 捩りコイルばね
8 コイル部
9a、9b 係止部
10 固定側腕片
11 揺動側腕片
12 ダンパ装置
13 シリンダ筒
14、14a プランジャ
15 受ブロック
16 ストッパピン
17 粘性液体
18 ブーツ
19 ピストン
20 付勢ばね
21 基部
22 シールリング
23 切り欠き
24 内側空間
25 隔壁
26 通孔
27 逆止弁
28 ばね
29 ボール
30、30a 先半部
31 上部空間
32 連通孔
33 シールリング
34 シリンダケース
35 シリンダライナ
36 上部止め輪
37 下部止め輪
38 圧縮ばね
39 円筒状部
40 ロッド状部
41 芯金
42 駆動プーリ
43 従動プーリ
44 ガイドプーリ
45 溝部

Claims (1)

  1. 上端が開口し、内部に粘性液体を封入したシリンダ筒と、このシリンダ筒の内部に軸方向に亙る変位自在に嵌装されたピストンと、このピストンとシリンダ筒との間に設けられ、このピストンを上昇方向に付勢する付勢ばねと、この付勢ばねの弾力に基づく上記ピストンの変位に伴って、上記シリンダ筒からの突出量を増すプランジャと、上記ピストンの軸方向両端面同士を連通する通路と、このピストンが上記付勢ばねの弾力に基づいて上昇する場合にのみ開いてこの通路を開放する逆止弁とを備えたオートテンショナ用ダンパ装置に於いて、上記プランジャの先半部の外径寸法をシリンダ筒の内径寸法よりも小さくして、これら先半部の外周面とシリンダ筒の上部内周面との間の上部空間の下半部にも粘性液体を注入し、このシリンダ筒に嵌装された上記プランジャの基部と上記先半部との連続部に設けた連通孔を通じて、上記上部空間と上記ピストンの内側に存在する内側空間との間での上記粘性液体の流通を自在とすると共に、上記シリンダ筒の上端開口を可撓性を有する材料により造られ、このシリンダ筒の上端部と上記プランジャの外周面でこのシリンダ筒の上端開口よりも上方に突出した部分との間に設けられた、ブーツにより塞いだ事を特徴とするオートテンショナ用ダンパ装置。
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