JP5359896B2 - 内燃機関の可変圧縮比機構 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構に関する。
内燃機関の圧縮比を変更する機構として、シリンダブロックとクランクケースとをシリンダ軸方向に相対摺動させることにより、燃焼室容積を変更する可変圧縮比機構が知られている。
可変圧縮比機構においては、従来のようにクランクケースとシリンダブロックとの連結部位にガスケットを配置することができない。これに対し、クランクケース内の気密性の保持や、シリンダブロックとクランクケースとの摺動部に供給される潤滑油の漏洩防止を図るために、クランクケースとシリンダブロックとの隙間に変形自在又は転動自在なシール材を配置する技術が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。
特開2006−316770号公報
ところで、上記したような従来の技術では、シール材を組み付ける際にシリンダブロックとクランクケースとの隙間にシール材を圧入する必要がある。そのため、専用の治具が必要となる可能性がある。また、上記したシール材は内燃機関の全周にわたって配置されるため、シール材の圧入時に該シール材の状態(シリンダ軸方向における位置、歪み、捻れなど)を均一にする必要もある。
本発明は、シリンダブロックとクランクケースとを相対摺動させることにより内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構において、シリンダブロックとクランクケースとの間に配置されるシール材の組み付け容易性を向上させるとともにシール材の耐久性を向上させることにある。
本発明は、上記した課題を解決するために、以下のような手段を採用した。すなわち、本発明は、シリンダブロックとクランクケースとをシリンダ軸方向に相対摺動させることにより内燃機関の圧縮比を変更する内燃機関の可変圧縮比機構において、
前記内燃機関の全周にわたって前記シリンダブロックと前記クランクケースとの隙間を覆うべく、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間に架設されるシール材を備え、
前記シール材は、山部を一つ有する蛇腹形状に形成されるとともに、前記山部における頂部の剛性が裾部および中腹部の剛性よりも高くなるように形成されるようにした。
なお、前記シール材は、シリンダブロックとクランクケースとの相対摺動に伴ってシリンダ軸方向に伸縮する必要があるため、前記山部はシリンダ軸方向に垂直な方向に延在するように形成されるものとする。
本発明によれば、シリンダブロックとクランクケースとの間にシール材を圧入する必要がなくなるため、シール材の組み付け容易性が向上する。さらに、本発明のシール材は山
部が一つのみの蛇腹形状に形成されるため、山部が複数形成された場合に比べ屈曲部分の曲率が大きくなる。屈曲部分の曲率が大きくなると、圧縮比の変更に伴うシール材の伸縮時に該シール材に作用する応力を広い範囲に分散させることが可能となる。その結果、シール材の耐久性が向上する。
ところで、シリンダブロックおよびクランクケースの輪郭は略長方形をなすため、シール材も略長方形の輪郭を有することになる。このようなシール材が収縮(屈曲)した場合、該シール材の輪郭が変化する。たとえば、蛇腹形状の山部が長方形の輪郭の外方に突出するように形成された場合は、シール材の外径が拡大する。一方、蛇腹形状の山部が長方形の輪郭の内方に突出するように形成された場合は、シール材の内径が縮小する。
上記したようにシール材の輪郭が変化すると、長方形の角部に位置するシール材に対して、該シール材を引き延ばそうとする力、又は該シール材を押し縮めようとする力が作用する。その結果、角部周辺のシール材に皺が発生する可能性がある。シール材に皺が発生すると、皺の発生部位に応力が集中し易くなる。その結果、シール材の耐久性が低下する可能性がある。
これに対し、本発明のシール材は、蛇腹形状の山部における頂部の剛性が裾部や中腹部の剛性よりも高く構成されている。そのため、シール材が収縮(屈曲)したときに、前記頂部が殆ど変形せずに前記裾部や前記中腹部が変形する。すなわち、前記頂部は、シール材の伸縮状態にかかわらず略一定の形状を保持し、前記裾部や前記中腹部が変形(屈曲)することになる。その結果、シリンダ軸方向に垂直な方向において、前記頂部の位置はシール材の伸縮状態にかかわらず略一定となる。
このように前記頂部が殆ど変形せず、かつ前記頂部の位置が殆ど変化しなくなると、シール材の輪郭(外径または内径)は該シール材の伸縮状態にかかわらず略一定となる。よって、角部のシール材を引き延ばそうとする力や、押し縮めようとする力が殆ど発生しなくなる。その結果、角部周辺のシール材に皺が発生し難くなり、シール材の耐久性が向上する。
ここで、前記頂部の剛性を前記裾部や前記中腹部の剛性より高くする方法としては、前記頂部をシリンダ軸方向に平行な平面で形成する方法、前記頂部の肉厚を前記裾部および前記中腹部の肉厚より厚く形成する方法、または前記頂部に形状保持用の補強材を鋳込む方法、等を用いることができる。
なお、シール材が収縮(屈曲)したときに略長方形の角部における皺の発生を防止する方法としては、前記頂部の剛性を前記裾部および前記中腹部の剛性より高くする方法の他に、前記角部に縦方向(シリンダ軸方向)の蛇腹部を設ける方法を用いることもできる。この方法によれば、略長方形のシール材が収縮したときに、前記角部に設けられた縦方向の蛇腹部が収縮又は伸長することにより、前記角部のシール材を引き延ばそうとする力や押し縮めようとする力が吸収される。その結果、シール材の角部に皺が発生しにくくなる。
本発明のシール材は、シリンダ軸方向の上死点側に位置する開口端(以下、「上部開口端」と称する)がシリンダブロックに固定され、シリンダ軸方向の下死点側に位置する開口端(以下、「下部開口端」と称する)がクランクケースに固定されることになる。
シール材の下部開口端をクランクケースに固定する方法としては、クランクケースとリテーナとの間に下部開口端を挟持する方法を例示することができる。このような固定方法によれば、シール材とクランクケースを容易に固定することができる。
ところで、シール材が伸長するときに、リテーナにおける挟持面(シール材を挟持する面)の端部がシール材と接触する可能性がある。その際、前記端部が角面で形成されていると、シール材の一部(前記端部の角と接触する部位)に応力が集中する可能性がある。
そこで、リテーナにおける挟持面の端部は、シリンダ軸方向の上死点側へ湾曲した曲面で形成されるようにしてもよい。このような構成によれば、リテーナにおける挟持面の端部がシール材と接触した場合に、シール材の一部に応力が集中する事態を回避することができる。
また、シール材の上部開口端をシリンダブロックに固定する方法としては、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に下部開口端を挟持する方法を例示することができる。このような固定方法によれば、シール材とシリンダブロックとを容易に固定することができる。
ところで、シール材が伸長するときに、シリンダブロックにおける挟持面(シール材を挟持する面)の端部がシール材と接触する可能性がある。その際、シリンダブロックにおける挟持面の端部が角面で形成されていると、シール材の一部に応力が集中する可能性がある。
そこで、シリンダブロックにおける挟持面の端部は、シリンダ軸方向の下死点側へ湾曲した曲面で形成されるようにしてもよい。このような構成によれば、シリンダブロックにおける挟持面の端部がシール材と接触した場合に、シール材の一部に応力が集中する事態を回避することができる。
本発明によれば、シリンダブロックとクランクケースとを相対変位させることにより内燃機関の圧縮比を変更する可変圧縮比機構において、シリンダブロックとクランクケースとの間に配置されるシール材の組み付け容易性を向上させることができるとともに、シール材の耐久性を向上させることができる。
本発明を適用する内燃機関の断面図である。 本発明にかかるシール材の斜視図である。 第1の実施例におけるシール材の構成を示す第1の断面図である。 第1の実施例におけるシール材の構成を示す第2の断面図である。 比較例としてのシール材の構成を示す断面図である。 比較例としてのシール材の構成を示す平面図である。 第1の実施例におけるシール材の伸縮状態を示す図である。 第2の実施例におけるシール材の構成を示す断面図である。 第3の実施例におけるシール材の構成を示す図である。 第4の実施例におけるリテーナの形状を示す図である。 第4の実施例におけるリテーナの他の構成例を示す図である。 シリンダブロックにおいてシール材を挟持する部分の構成を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置等は、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
先ず、本発明の第1の実施例について図1乃至図7に基づいて説明する。図1は、本発明を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、シリンダブロック2とクランクケース3とがシリンダ軸方向へ相対摺動することにより機械圧縮比(燃焼室容積)が変更される火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。なお、内燃機関1は、圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)であってもよい。
内燃機関1は、シリンダブロック2と、クランクケース3と、シリンダヘッド4と、を備えている。シリンダブロック2とクランクケース3とは、シリンダ軸方向に摺動自在に嵌合されている。図1に示す例では、シリンダブロック2の下部(シリンダ軸方向において下死点側の部分)がクランクケース3の上部(シリンダ軸方向において上死点側の部分)によって包囲されており、シリンダブロック2の外壁面とクランクケース3の内壁面とが摺動するようになっている。また、シリンダブロック2とシリンダヘッド4とは、一体的に連結されている。
前記シリンダブロック2には、気筒(シリンダ)5が形成されている。気筒5内には、ピストン6がシリンダ軸方向に摺動自在に装填されている。前記クランクケース3には、クランクシャフト7が回転自在に支持されている。ピストン6とクランクシャフト7は、コネクティングロッド8を介して連結されている。
前記シリンダヘッド4には、気筒5内に連通する吸気ポート9と排気ポート10とが設けられている。前記シリンダヘッド4には、吸気ポート9の開口端を開閉するための吸気バルブ11と、排気ポート10の開口端を開閉するための排気バルブ12が設けられている。吸気バルブ11は、シリンダヘッド4に回転自在に支持された吸気カムシャフト13により開閉駆動される。排気バルブ12は、シリンダヘッド4に回転自在に支持された排気カムシャフト14により開閉駆動される。また、シリンダヘッド4には、吸気ポート9内へ燃料を噴射する燃料噴射弁15と、気筒5内に火花を発生させる点火プラグ16とが取り付けられている。
次に、シリンダブロック2とクランクケース3とが相互に重なり合う部分には、クランクケース3に対してシリンダブロック2をシリンダ軸方向へ変位させるための可変圧縮比機構100が設けられている。可変圧縮比機構100としては、電動モータ等のアクチュエータが偏心カムを回転させることによりシリンダブロック2をシリンダ軸方向へ変位させる機構を例示することができる。
可変圧縮比機構100によれば、シリンダ軸方向においてシリンダブロック2をクランクケース3から遠ざける(シリンダブロック2をシリンダ軸方向の上死点側へ変位させる)ことにより、燃焼室容積を大きくすることができる。その結果、機械圧縮比(行程容積と燃焼室容積との総和を燃焼室容積で除算した値)が低くなる。
また、上記した可変圧縮比機構100によれば、シリンダ軸方向においてシリンダブロック2をクランクケース3に近づける(シリンダブロック2をシリンダ軸方向の下死点側へ変位させる)ことにより、燃焼室容積を小さくすることができる。その結果、内燃機関1の機械圧縮比が高くなる。
このように構成された内燃機関1には、燃料噴射弁15、点火プラグ16、可変圧縮比機構100などの各種機器を電気的に制御するための電子制御ユニット(ECU)17が併設されている。ECU17は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAMなどから
構成されるユニットである。
ECU17には、クランクポジションセンサ18や、アクセルポジションセンサ19などの各種センサの電気信号が入力されるようになっている。クランクポジションセンサ18は、クランクシャフト7近傍に配置され、クランクシャフト7の回転位置に相関するパルス信号を出力するセンサである。アクセルポジションセンサ19は、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)に相関する信号を出力するセンサである。
ECU17は、上記した各種センサの電気信号に従って内燃機関1の運転状態(機関運転状態)を判別し、その判別結果に従って上記した各種機器を制御する。たとえば、ECU17は、クランクポジションセンサ18やアクセルポジションセンサ19の出力信号から判別される機関回転数および機関負荷に基づいて、可変圧縮比機構100を制御する。
その際、機関回転数および機関負荷が予め定められた低負荷・低回転運転領域にあるときは、ECU17は、内燃機関1の圧縮比が高くなるように可変圧縮比機構100を制御する。詳細には、ECU17は、シリンダブロック2がクランクケース3に近づく(シリンダ軸方向の下死点側へ変位する)ように可変圧縮比機構100を制御する。
また、機関回転数および機関負荷が上記した低負荷・低回転運転領域から逸脱したときは、ECU17は、シリンダブロック2がクランクシャフト7から遠ざかる(シリンダ軸方向の上死点側へ変位する)ように可変圧縮比機構100を制御することにより、内燃機関1の圧縮比を低下させる。
なお、内燃機関1の圧縮比は、上記したように2段階に切り換えられてもよく、或いは機関回転数及び機関負荷に応じて無段階に切り換えられてもよい。
このように内燃機関1の圧縮比が変更されると、低負荷・低回転運転領域における燃焼効率の向上と、高負荷・高回転運転領域におけるノッキングの抑制と、を両立することができる。
ところで、クランクケース3内の気密性を保つためには、シリンダブロック2とクランクケース3とが相互に重なり合う部分の隙間(シリンダブロック2の外壁面とクランクケース3の内壁面との隙間)を密閉する必要がある。これに対し、本実施例の内燃機関の可変圧縮比機構は、内燃機関1の全周にわたる前記隙間を覆うべく、図2に示すようなシール材200を備えるようにした。
以下、本実施例におけるシール材200の構成について図3乃至図4に基づいて説明する。図3は、クランクケース3に対してシリンダブロック2が最も上死点側に位置するときのシール材200の状態を示す断面図である。図4は、クランクケース3に対してシリンダブロック2が最も下死点側に位置するときのシール材200の状態を示す断面図である。なお、以下において「上部」とはシリンダ軸方向の上死点側の部位を示し、「下部」とはシリンダ軸方向の下死点側の部位を示すものとする。
本実施例におけるシール材200は、内方に突出した山部を一つのみ有する蛇腹形状に形成されている。このシール材200は、ゴム、樹脂、或いはゴムと樹脂の中間組成物を成形したものである。
シール材200の上部開口端201は、シリンダブロック2とシリンダヘッド4との間に挟持されている。シール材200の下部開口端202は、クランクケース3とリテーナ30との間に挟持されている。
シール材200において蛇腹形状の山部の頂部203は、シリンダ軸方向に平行な平面
で構成されている。このように頂部203が形成されると、該頂部203の剛性が山部の裾部204や中腹部205の剛性より高くなる。そのため、図4に示すようにシール材200が収縮(屈曲)したときに、前記頂部203が殆ど変形せずに、前記裾部204や前記中腹部205が変形(屈曲)することになる。
ここで、本実施例の比較例として、蛇腹形状の山部の頂部が曲面で構成されたシール材400を図5に示す。図5中(a)はシール材400が伸長した状態を示し、図5中(b)はシール材400が収縮(屈曲)した状態を示している。
シール材400の頂部401が曲面で構成された場合は、該シール材400が収縮(屈曲)したときに前記頂部401が屈曲する。そのため、シール材400が伸長した場合とシール材400が収縮(屈曲)した場合とでは、水平方向(シリンダ軸方向に垂直な方向)における前記頂部401の位置が変化する。
上記したように頂部401の位置が変化すると、図6に示すように、シール材400の内径が縮小することになる。なお、図6中の破線は、シール材400が伸長したときの内径を示している。
シール材400の輪郭は略長方形となるため、長方形の角部の両辺に位置するシール材400から該角部のシール材400に対して押し縮める力(図6中の矢印X,Yを参照)が働く。その結果、角部周辺のシール材400において皺が発生する可能性がある。シール材400に皺が発生すると、皺の発生部位に応力が集中してシール材400の耐久性を低下させる可能性がある。
これに対し、本実施例のシール材200によれば、該シール材200が収縮(屈曲)したときに、頂部203は殆ど変形(屈曲)せずに、裾部204や中腹部205が変形(屈曲)することになる。そのため、頂部203の水平位置は、図7に示すように、シール材200の伸縮状態にかかわらず略一定位置に保たれる。なお、図7中(a)はシール材200が伸長した状態を示し、図7中(b)はシール材200が収縮(屈曲)した状態を示している。
図7に示したようにシール材200の頂部203の位置が一定位置に保たれると、該シール材200の内径は殆ど縮小しないことになる。よって、略長方形のシール材200が収縮(屈曲)したときに、角部のシール材200を押し縮めようとする力が殆ど発生しなくなる。その結果、シール材200の角部周辺において皺が発生し難くなり、シール材200の耐久性が向上する。
また、本実施例のシール材200は、山部を一つのみ有する蛇腹形状に形成されるため、シール材200が収縮(屈曲)したときに屈曲する部分(たとえば、裾部204や中腹部205)の曲率は、山部を複数有する蛇腹形状よりも大きくなる。よって、屈曲部分に作用する応力を広い範囲に分散させることができる。その結果、シール材200の耐久性が向上する。
さらに、本実施例のシール材200は、シリンダブロック2とクランクケース3との隙間を覆うように構成されるため、該シール材200を内燃機関1に組み付ける際に専用の治具を必要としない。よって、シール材200の組み付け容易性が高くなる。
以上述べた実施例によれば、シリンダブロック2とクランクケース3とを相対摺動させ
ることにより内燃機関1の圧縮比を変更する可変圧縮比機構において、シール材200の組み付け容易性を高めつつ、シール材200の耐久性も高めることができる。
なお、本実施例では、蛇腹形状の山部が内方に突出したシール材200を例に挙げたが、蛇腹形状の山部が外方に突出していてもよいことは勿論である。
<実施例2>
次に、本発明にかかる内燃機関の可変圧縮比機構の第2の実施例について図8に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例と本実施例との相違点は、シール材200の頂部203の形状にある。すなわち、前述した第1の実施例ではシール材200の頂部203が平面で形成されるのに対し、本実施例ではシール材200の頂部203が裾部204および中腹部205よりも肉厚に形成される。
図8は、本実施例におけるシール材200の構成を示す断面図である。図8中(a)はシール材200が伸長した状態を示し、図8中(b)はシール材200が収縮(屈曲)した状態を示す。
図8に示すように、シール材200の頂部203の形状は、曲面で形成されている。ただし、頂部203におけるシール材200の肉厚は、裾部204および中腹部205におけるシール材200の肉厚よりも厚く形成されている。そのため、頂部203の剛性は、裾部204および中腹部205よりも高くなる。
したがって、図8中(b)に示すように、シール材200が収縮(屈曲)したときに、頂部203は殆ど変形(屈曲)せずに、裾部204および中腹部205が変形(屈曲)することになる。このように頂部203が殆ど変形しなくなると、該頂部203の水平方向における位置はシール材200の伸縮状態にかかわらず略一定の位置となる。その結果、前述した第1の実施例と同等の効果を得ることができる。
<実施例3>
次に、本発明にかかる内燃機関の可変圧縮比機構の第3の実施例について図9に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例と本実施例との差違は、略長方形の輪郭の角部に位置するシール材200の形状にある。すなわち、前述した第1の実施例では角部の形状が直線部の形状と同等に形成されるのに対し、本実施例では角部の形状が直線部の形状と異なる形状に形成される。
図9は、略長方形の輪郭を有するシール材200の角部の構成を示す図である。図9中(a)は角部の斜視図であり、図9中(b)は図9中(a)に示すA断面を示す図であり、図9中(c)は図9中(a)に示すB断面を示す図である。
図9に示すように、略長方形の輪郭を有するシール材200の角部には、シリンダ軸方向に延在する蛇腹部206が設けられている。そのため、シール材200が収縮した際に、角部の両辺に位置するシール材200が角部のシール材200を押し縮めようとする力が発生すると、前記蛇腹部206が収縮(屈曲)することになる。その結果、角部周辺に位置するシール材200に皺が発生しなくなる。
したがって、本実施例によれば、前述した第1および第2の実施例と同等の効果を得ることが可能になる。なお、シール材200の頂部203の形状は、前述した第1の実施例と第2の実施例の何れか一方と同様であってもよく、或いは頂部203の屈曲を許容する形状であってもよい。その際、シール材200の頂部203の形状が前述した第1又は第2の実施例と同様に形成されると、角部のシール材200を押し縮めようとする力が僅かに発生した場合であっても、皺の発生をより確実に抑制することが可能となる。
<実施例4>
次に、本発明にかかる内燃機関の可変圧縮比機構の第4の実施例について図10に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
前述した第1の実施例と本実施例との相違点は、リテーナ30の形状にある。すなわち、前述した第1の実施例ではリテーナ30における挟持面(シール材200を挟持する面)の端部が角面で形成されるのに対し、本実施例ではリテーナ30における挟持面の端部が曲面で形成される。
図10は、本実施例におけるリテーナ30の構成を示す断面図である。図10に示すように、リテーナ30における挟持面の端部(言い換えれば、リテーナ30の内周面)30aは、シリンダ軸方向の上死点側へ湾曲した曲面で形成されている。
このような構成によれば、シール材200が伸長した際に該シール材200が前記端部30aと接触しても、シール材200の一部に応力が集中する事態が回避される。言い換えると、シール材200における前記端部30aと接触する部位の全体に応力が分散することになる。その結果、シール材200の耐久性を一層向上させることができる。
なお、前記端部30aを曲面で形成する方法としては、図10に示したようにリテーナ30の下面と側面との角部を丸面に面取り加工する方法に加え、図11に示すように、リテーナ30の端部30aを曲げ加工する方法を例示することができる。
また、図12に示すように、前記シリンダブロック2における挟持面の端部2aについても、シリンダ軸方向の下死点側へ湾曲した曲面で形成されるようにしてもよい。
本実施例の構成は、前述した第1の実施例の構成の代わりに、前述した第2または第3の実施例で述べた構成と組み合わせてもよい。
1 内燃機関
2 シリンダブロック
2a 端部
3 クランクケース
4 シリンダヘッド
5 気筒
6 ピストン
7 クランクシャフト
8 コネクティングロッド
9 吸気ポート
10 排気ポート
11 吸気バルブ
12 排気バルブ
13 吸気カムシャフト
14 排気カムシャフト
15 燃料噴射弁
16 点火プラグ
30 リテーナ
30a 端部
100 可変圧縮比機構
200 シール材
201 上部開口端
202 下部開口端
203 頂部
204 裾部
205 中腹部
206 蛇腹部

Claims (5)

  1. シリンダブロックとクランクケースとをシリンダ軸方向に相対摺動させることにより内燃機関の圧縮比を変更する内燃機関の可変圧縮比機構において、
    前記内燃機関の全周にわたって前記シリンダブロックと前記クランクケースとの隙間を覆うべく、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間に架設されるシール材を設け、
    前記シール材は、山部を一つ有する蛇腹状に形成されるとともに、前記山部における頂部の剛性が裾部および中腹部の剛性よりも高くなるように形成されることを特徴とする内燃機関の可変圧縮比機構。
  2. 請求項1において、前記山部の頂部は、シリンダ軸方向に平行な平面で形成されることを特徴とする内燃機関の可変圧縮比機構。
  3. 請求項1において、前記山部の頂部の肉厚は、裾部および中腹部の肉厚よりも厚く形成されることを特徴とする内燃機関の可変圧縮比機構。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項において、前記シール材におけるシリンダ軸方向の下死点側に位置する開口端を前記クランクケースと挟持するリテーナをさらに備え、
    前記リテーナにおける前記シール材と接触する面の端部は、シリンダ軸方向の上死点側へ湾曲した曲面で形成されることを特徴とする内燃機関の可変圧縮比機構。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項において、前記シール材におけるシリンダ軸方向の上死点側に位置する開口端は、前記シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に挟持され、
    前記シリンダブロックにおける前記シール材と接触する面の端部は、シリンダ軸方向の下死点側へ湾曲した曲面で形成されることを特徴とする内燃機関の可変圧縮比機構。
JP2010008435A 2010-01-18 2010-01-18 内燃機関の可変圧縮比機構 Expired - Fee Related JP5359896B2 (ja)

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