JPH084849A - オートテンショナ用ダンパ装置 - Google Patents

オートテンショナ用ダンパ装置

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JPH084849A
JPH084849A JP14168294A JP14168294A JPH084849A JP H084849 A JPH084849 A JP H084849A JP 14168294 A JP14168294 A JP 14168294A JP 14168294 A JP14168294 A JP 14168294A JP H084849 A JPH084849 A JP H084849A
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JP
Japan
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cylinder
piston
damper device
belt
plunger
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Application number
JP14168294A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Suzuki
鈴木  寛
Ryoichi Otaki
大滝  亮一
Koichi Sakai
幸一 坂井
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Publication of JPH084849A publication Critical patent/JPH084849A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H7/0848Means for varying tension of belts, ropes, or chains with means for impeding reverse motion
    • F16H2007/0859Check valves

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品毎のリークダウン時間のばらつきを少な
くし、ダンパ装置12を組み込んだオートテンショナの
性能を安定させる。 【構成】 ベルトの張力が増大する際、逆止弁27を閉
じた状態のまま、ピストン19が下降する。この下降に
要するリークダウン時間を安定させるべく、シリンダ筒
13とピストン19とを、内径寸法と外径寸法との差が
所定値となるもの同士を組み合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るオートテンショナ
用ダンパ装置は、自動車用エンジンのタイミングベル
ト、或はオルタネータやコンプレッサ等の補機を駆動す
る為のベルト(以下これらを総称して単に『ベルト』と
する。)に適正な張力を付与するオートテンショナに組
み込み、上記ベルトの振動を抑え付けるのに利用する。
【0002】
【従来の技術】ベルトに適正な張力を付与する為、オー
トテンショナと呼ばれる張力付与装置が知られている。
このオートテンショナの構造及び作用に就いて、実願平
4−67543号に記載された構造を示す、図2により
説明する。シリンダブロックの前面等に固定される固定
部材1に設けられた固定軸2の周囲には揺動部材3の基
端部を、回転自在に支持している。そして、この揺動部
材3の先端部に、上記固定軸2と平行な枢軸4を設けて
いる。そして、この枢軸4の周囲にプーリ5を回転自在
に支持し、このプーリ5に、張力を付与すべきベルト6
を掛け渡している。上記固定軸2の周囲には捩りコイル
ばね7のコイル部8を配置している。又、この捩りコイ
ルばね7の両端部に設けた1対の係止部9a、9bを上
記固定部材1と上記揺動部材3とにそれぞれ係止する事
で、上記揺動部材3に上記プーリ5をベルト6に向け押
圧する方向の弾力を付与している。
【0003】又、上記固定部材1に設けた固定側腕片1
0と上記揺動部材3に設けた揺動側腕片11との間に
は、本発明の対象となるダンパ装置12を、これら両腕
片10、11同士の間で突っ張る様に設けている。この
ダンパ装置12は、シリンダ筒13とプランジャ14と
を有する。図示の構造の場合には、固定側腕片10の先
端部に、シリンダ筒13の下部を内嵌固定し、揺動側腕
片11の先端部に固定した受ブロック15の下面にプラ
ンジャ14の上端部を突き当てている。尚、図2に示し
た状態では、上記固定部材1に対する揺動部材3の変位
は、ストッパピン16により阻止している。このストッ
パピン16は、オートテンショナをエンジンに組み付
け、プーリ5にベルト6を掛け渡した後に引き抜く。
【0004】又、実願平5−29569号には、図3に
示す様なオートテンショナが記載されている。この図3
に示したオートテンショナでは、図2に示した構造から
固定部材1を省略している。そして、揺動側腕片11の
先端部にダンパ装置12を支持し、このダンパ装置12
の下端部で上記揺動側腕片11の下面から突出した部分
を、エンジンのシリンダブロック前面等の固定部分に形
成した突部(図示せず)に突き当て自在としている。
又、捩りコイルばね7の係止部9aは、上記固定部分に
係止している。
【0005】何れの構造を有するオートテンショナの場
合でも、上記ダンパ装置12は、図4又は図5に示す様
に構成されている。内部にシリコンオイル等の粘性液体
17を封入したシリンダ筒13は、上端部が開口し、下
端部が塞がれた有底円筒状である。このシリンダ筒13
の内側下半部にはピストン19を、昇降自在に嵌装して
いる。尚、シリンダ筒13の内周面とピストン19の外
周面との間には微小な隙間が存在する。上記ピストン1
9の上側と下側とに存在する粘性液体17は、この微小
な隙間を通じて緩徐に流通する。又、上記ピストン19
の下面と上記シリンダ筒13の底部上面との間には圧縮
コイルばねである付勢ばね20を設け、このピストン1
9を上方に付勢している。更に、上記シリンダ筒13の
内側上半部には前記プランジャ14の基部21を、昇降
自在に嵌装している。シリンダ筒13の内周面と基部2
1の外周面との間にはシールリング22を設けて、両周
面間の液密保持を図っている。尚、上記ピストン19の
上端面には複数の切り欠き23、23を形成し、この切
り欠き23、23を通じて、上記基部21及びピストン
19の突き合わせ部内側に存在する内側空間24と上記
微小な隙間とを連通させている。
【0006】一方、上記ピストン19を構成する隔壁2
5の中央部には通孔26を形成して、このピストン19
の上下を連通する通路を構成している。そして、上記隔
壁25の下側部分に、上記通孔26を開閉する逆止弁2
7を設けている。この逆止弁27は、ばね28の弾力に
よりボール29を、上記通孔26の下端開口部に向け弾
性的に押圧して成り、上記ピストン19が前記付勢ばね
20の弾力により上方に変位する場合にのみ開く機能を
有する。
【0007】更に、図4に示した第1例のダンパ装置1
2の場合には、前記プランジャ14の先半部30の外径
寸法を、前記シリンダ筒13の内径寸法よりも十分に小
さくしている。そして、この先半部30の外周面と上記
シリンダ筒13の上部内周面との間の上部空間31の下
半部にも、前記粘性液体17を注入している。そして、
前記基部21と先半部30との連続部に設けた連通孔3
2、32を通じ、上記上部空間31と前記内側空間24
との間での粘性液体17の流通を自在としている。上記
シリンダ筒13の上端部内周面と上記先半部30の外周
面との間にはシールリング33を設けて、上記上部空間
31の上端開口部を塞いでいる。
【0008】一方、図5に示した第2例のダンパ装置1
2の場合には、先半部30aを比較的大径にし、この先
半部30aの内部容積を大きくする代わりに、プランジ
ャ14の内外を通じさせる連通孔32、32(図4)を
省略している。この図5に示したダンパ装置12を前記
図3に示したオートテンショナに組み込む場合、図示の
例では、シリンダ筒13を揺動側腕片11の下面から突
出させて、このシリンダ筒13の下端面を、エンジンの
シリンダブロック前面等の固定部分に形成した突部の上
面に突き当て自在としている。尚、図5(A)はダンパ
装置の収縮状態を、(B)は伸長状態をそれぞれ示して
いる。
【0009】上述の様に構成されるダンパ装置12を組
み込んで前述の様に構成される先発明のオートテンショ
ナは、例えば図6に示す様にエンジンに組み込んで、カ
ムシャフトを駆動する為のベルト6に適正な張力を付与
する。尚、この図6に示した例に於いては図2に示した
オートテンショナを示しているが、図3に示したオート
テンショナに於いても同様に組み込み、ベルト6に適正
な張力を付与する。この図6に示した様なオートテンシ
ョナの使用状態に於いては、捩りコイルばね7の弾力に
基づいて揺動部材3が揺動し、この揺動部材3の先端部
の枢軸4に回転自在に支持されたプーリ5を、ベルト6
に向け弾性的に押圧する。プーリ5がベルト6に押し付
けられる事で、上記揺動部材3の揺動は制限される。こ
の状態で、固定側腕片10(図2の構造の場合)又はシ
リンダブロック等の固定部分に形成した突部(図3の構
造の場合)と揺動側腕片11との間に設けられたダンパ
装置12が、上記固定側腕片10又は突部と揺動側腕片
11との間で、前記付勢ばね20の弾力に基づいて突っ
張った状態となる。
【0010】この状態からベルト6が弛むと、前記捩り
コイルばね7の弾力に基づいて揺動部材3が揺動し、上
記プーリ5をベルト6の動きに追従させる。この際、上
記ダンパ装置12を構成するプランジャ14の変位は少
し遅れる。この為、このプランジャ14の先端と受ブロ
ック15の下面とが(図2に記載した構造の場合)、或
はシリンダ筒13の下面と突部の上面とが(図3に示し
た構造の場合)、それぞれ離隔する。従って、ベルト6
が弛む際には、プーリ5をベルト6の動きに追従させる
べく揺動部材3を回動させる事に対し、上記ダンパ装置
12が全く抵抗とはならない。この結果、上記プーリ5
をベルト6の動きに対し迅速に追従させて、このベルト
6の張力が低下する事を防止できる。上記ダンパ装置1
2の全長は、前記付勢ばね20の弾力により、上記揺動
部材3の動きよりも僅かに遅れて伸長する。
【0011】この様に、付勢ばね20の弾力に基づいて
ダンパ装置12が伸長する際には、前記逆止弁27が開
く。即ち、前記ばね28の弾力に抗してボール29が下
降し、前記隔壁25に形成した通孔26の下端開口を開
く。この結果、隔壁25の上側から下側への粘性液体1
7の移動が円滑に行なわれ、ピストン19並びにプラン
ジャ14の上昇は比較的迅速に行なわれ、極く短時間の
後に、上記ダンパ装置12が上記固定側腕片10又は突
部と揺動側腕片11との間で突っ張る。
【0012】反対にベルト6の張力が増大すると、上記
揺動部材3が捩りコイルばね7の弾力に抗して回動する
傾向となる。この状態では、前記揺動側腕片11が上記
ダンパ装置12を圧縮方向に押圧する。従って、この場
合には上記揺動部材3を回動させる為に、上記プランジ
ャ14並びにピストン19を、前記付勢ばね20の弾力
に抗して、シリンダ筒13内に押し込まなければならな
い。この際に上記逆止弁27は閉じられたままとなる
為、上記ピストン19を下降させるべく、このピストン
19の下側に存在する粘性液体17をピストン19の上
側に移動させるのは、前記シリンダ筒13の内周面とピ
ストン19の外周面との間に存在する微小な隙間を通じ
て行なわなければならない。この微小な隙間を通じて流
れる粘性液体17の量は限られたものである為、上記ピ
ストン19並びにプランジャ14の変位は緩徐にしか行
なわれなくなる。この結果、上記揺動部材3に支持され
たプーリ5の変位も、上記ダンパ装置12の作用により
緩徐にしか行なわれなくなり、上記ベルト6はプーリ5
により抑え付けられ、このベルト6の振動が成長する事
がなくなる。尚、この図6に於いて、42はエンジンの
クランクシャフトにより回転駆動される駆動プーリ、4
3はカムシャフトの端部に固定された従動プーリ、44
はベルト6を案内するガイドプーリである。
【0013】尚、上述の様なオートテンショナに組み込
み可能なダンパ装置としては、前記図4〜5に示した様
な構造の他、図7に示す様な構造も、実開平3−650
41号公報に記載されている様に、従来から知られてい
る。この図7に示した構造の場合には、シリンダケース
34内にシリンダライナ35を内嵌する事でシリンダ筒
13を構成している。そして、シリンダライナ35の内
側に摺動自在に内嵌したピストン19にロッド状のプラ
ンジャ14の下端部を結合している。又、このプランジ
ャ14の中間部に係止した上部止め輪36の下面と、上
記シリンダライナ35の上端縁に係止した下部止め輪3
7との間に、圧縮ばね38を設けている。従って上記プ
ランジャ14は、逆止弁27の下側に設けた付勢ばね2
0の弾力だけでなく、上記圧縮ばね38によっても、上
昇方向の弾力を付与される。ベルトの振動が成長するの
を抑える際の作用自体は、前記図4〜5に示した構造と
ほぼ同様である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の様に
構成され、オートテンショナに組み込まれた状態で上述
の様に作用するオートテンショナ用ダンパ装置の場合、
必ずしも所望の性能を得られない場合がある。これは、
ダンパ装置12を構成するピストン19の外周面とシリ
ンダ筒13(図7の構造ではシリンダライナ35)の内
周面との間の微小隙間の寸法が微妙に異なる事に起因す
る。
【0015】即ち、ベルト6(図2〜3)の張力が急激
に上昇した際にダンパ装置12は、このベルト6を抑え
つつ全長を縮めるが、この際、ダンパ装置12の全長を
所定長さ寸法だけ縮めるべく、所定量の粘性液体17を
ピストン19の下側から上側に流しつつ、ピストン19
が変位する為に要する、所謂リークダウン時間は、上記
微小隙間の寸法に大きく影響される。
【0016】例えば、ピストン19の外周面でシリンダ
筒13の内周面と対向する部分の軸方向長さ寸法をL
(mm)とし、この部分のピストン19の外径寸法をD
(mm)とし、粘性液体17の粘性係数をμ(kgf・s/mm
2 )とし、シリンダ筒13とピストン19とが偏心して
いない状態での上記微小隙間の厚さ寸法をε(mm)と
し、ベルト6の張力上昇に伴うピストン19下側の空間
(高圧室)内の圧力をP(kgf/mm2 )とし、大気圧をP
0 (1×10-2kgf/mm2 )とし、偏心係数をK(シリン
ダ筒13とピストン19とが同心の場合はK=1、最も
偏心した場合はK=2.5)とした場合に、上記リーク
ダウン時間Tは次式で表される。 T={24μ・L・D}/{K・ε3 ・(P−P0 )・
104
【0017】この式から明らかな通り、リークダウン時
間T(s/mm)は微小隙間の厚さ寸法εの3乗に反比例
し、この厚さ寸法εが少しずれただけでも上記リークダ
ウン時間T、延ては上記ベルト6の振動を防止する効果
が大きな影響を受ける。
【0018】一方、シリンダ筒13の内径寸法とピスト
ン19の外径寸法とには、それぞれ数十μm程度の製造
誤差が生じる。この結果、これら内径寸法と外径寸法と
の差に比例する上記微小隙間の厚さ寸法εも、直径で3
0〜60μm程度ばらついてしまう。この結果、製品に
よって上記リークダウン時間T、並びにこのリークダウ
ン時間Tの影響を大きく受けるベルト6の振動防止機能
が、製品毎に大きく異なり易い。本発明は、この様な性
能のばらつきを抑えるべく考えたものである。
【0019】
【課題を解決する為の手段】本発明のオートテンショナ
用ダンパ装置は、内部に粘性液体を封入したシリンダ筒
と、このシリンダ筒の内部に軸方向に亙る変位自在に嵌
装されたピストンと、このピストンとシリンダ筒との間
に設けられ、このピストンを一方向に付勢する付勢ばね
と、この付勢ばねの弾力に基づく上記ピストンの変位に
伴って、上記シリンダ筒からの突出量を増すプランジャ
と、上記ピストンの軸方向両端面同士を連通する通路と
を備えている。
【0020】特に、本発明のオートテンショナ用ダンパ
装置に於いては、シリンダ筒の内径寸法とピストンの外
径寸法とをそれぞれ測定し、内径寸法が外径寸法よりも
所定寸法だけ大きくなるシリンダ筒とピストンとを組み
合わせている。
【0021】
【作用】上述の様に構成される本発明のオートテンショ
ナ用ダンパ装置が、オートテンショナに組み込まれた状
態でベルトの振動を抑えるべく、プーリを支持した揺動
部材の変位を制限する際の作用自体は、前述した先発明
のオートテンショナに組み込まれたダンパ装置、或は前
述した従来のダンパ装置の場合と同様である。
【0022】特に、本発明のオートテンショナ用ダンパ
装置に於いては、シリンダ筒の内径寸法とピストンの外
径寸法との差を所望値通り正確に規制できる。従って、
ベルトの張力が高まる事でピストンがシリンダ筒内に押
し込まれる際に、シリンダ筒の内周面とピストンの外周
面との間の微小隙間を単位時間の間に流れる粘性液体の
量が、製品毎にばらつかなくなる。この結果、ダンパ装
置のリークダウン時間、並びにこのリークダウン時間に
影響されるベルトの振動防止機能の安定化を図れる。
【0023】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す縦断面図で、左
半部は最も縮んだ状態を、右半部は最も伸長した状態
を、それぞれ示している。上端が開口した有底円筒状の
シリンダ筒13の内部には粘性液体17を封入すると共
に、ピストン19を昇降自在に嵌装している。そして、
このピストン19の下面と上記シリンダ筒13の底部上
面との間に付勢ばね20を設けて、上記ピストン19に
上昇方向の弾力を付与している。又、上記ピストン19
の上側にはプランジャ14aを設けている。このプラン
ジャ14aのシリンダ筒13からの突出量は、上記付勢
ばね20の弾力に基づく上記ピストン19の上昇に伴っ
て増す。更に、上記ピストン19の隔壁25の中央部に
は通孔26を形成し、このピストン19の上側と下側と
を(軸方向両端面同士を)連通する通路としている。更
に、上記隔壁25の下側部分に、ばね28とボール29
とから成る逆止弁27を設けている。この逆止弁27
は、上記ピストン19が上記付勢ばね20の弾力に基づ
いて上昇する場合にのみ開く。
【0024】又、上記プランジャ14aの下半部には、
上記シリンダ筒13の内周面と摺接する円筒状部39
を、上半部には上記シリンダ筒13の内径寸法よりも十
分に小さな外径寸法を有するロッド状部40を、それぞ
れ形成している。このロッド状部40は、前記図4に示
した先発明構造とは異なり、充実体である。そして、上
記円筒状部39とロッド状部40との連続部には連通孔
32、32を設けて、上部空間31と内側空間24とを
連通させている。
【0025】本発明のダンパ装置12の場合には、上記
シリンダ筒13の内径寸法R13と上記ピストン19の外
径寸法D19との差(=R13−D19)を、所望値通り正確
に規制している。例えば、この差を40±2μm程度と
し、これら両周面同士の間に存在する微小隙間の厚さ寸
法εを20±1μm程度としている。この為に本発明の
ダンパ装置12を組み立てる場合には、先ず、上記シリ
ンダ筒13の内径寸法R13と上記ピストン19の外径寸
法D19とをそれぞれ測定する。そして、上記内径寸法R
13が上記外径寸法D19よりも所定寸法(40±2μm)
だけ大きくなる様な内径寸法R13或は外径寸法D19を有
するシリンダ筒13とピストン19とを組み合わせる。
【0026】又、図示の実施例の場合、シリンダ筒13
の上端開口を、耐油性ゴム等の可撓性を有する材料によ
り造られたブーツ18により塞いでいる。この様なブー
ツ18により上記上端開口を塞ぐ結果、周囲の温度変化
に拘らず、シリンダ筒13上部に存在する上部空間31
内の圧力変化が抑えられる。この結果、圧力上昇に伴っ
て粘性液体17中に混入した空気が、圧力低下時に析出
する事がなくなり、析出空気がピストン19の下側に入
り込む事がなくなる。ピストン19の下側に気体が存在
すると、逆止弁27が閉じられた状態でも、この気体の
弾性変形分だけピストン19が昇降自在となり、ベルト
6(図2〜3)の振動防止効果が損なわれる。従って、
ブーツ18を設ける事でピストン19下側への空気進入
防止を図る事は、ダンパ装置の性能確保の面から有効で
ある。
【0027】更に、図示の実施例の場合には、上記ブー
ツ18の基部に設けた芯金41の一部を、上記シリンダ
筒13の内周面よりも直径方向内方に突出させる事で、
前記プランジャ14aの抜け止め用のストッパとしての
機能を持たせている。即ち、上記芯金41の内径寸法R
41を、上記シリンダ筒13の内径寸法R13よりも小さく
(R41<R13)すると共に、この芯金41の一部で上記
プランジャ14aの肩部に対向する折り曲げ角部を、上
記耐油性ゴム等の弾性体で覆っている。従って、上記プ
ランジャ14aが上昇した場合には、上記肩部が弾性体
に衝合し、このプランジャ14aがシリンダ筒13から
抜け出る事を防止する。上記芯金41の下端部は、上記
シリンダ筒13の上部外周面に形成した溝部45にかし
め付けている。従って、この芯金41がシリンダ筒13
から不用意に脱落する事はない。
【0028】上述の様に構成される本発明のオートテン
ショナ用ダンパ装置が、前記図2或は図3に示す様なオ
ートテンショナに組み込まれた状態で、ベルト6の振動
を抑えるべく、プーリ5を支持した揺動部材3の変位を
制限する際の作用自体は、前述した先発明のオートテン
ショナに組み込まれたダンパ装置の場合と同様である。
【0029】特に、本発明のオートテンショナ用ダンパ
装置に於いては、シリンダ筒13の内径寸法R13とピス
トン19の外径寸法D19との差を所望値通り正確に規制
できる。従って、ベルト6の張力が高まる事で、ピスト
ン19がシリンダ筒13内に押し込まれる際に、シリン
ダ筒13の内周面とピストン19の外周面との間の微小
隙間を単位時間の間に流れる粘性液体17の量が、製品
毎にばらつかなくなる。この結果、ダンパ装置12のリ
ークダウン時間、並びにこのリークダウン時間に影響さ
れるベルト6の振動防止機能の安定化を図れる。
【0030】本発明の効果を確認する為、本発明者がリ
ークダウン時間Tを計算により求めた結果を、下表に示
す。この計算は、前記式により行った。下表に示した、
微小隙間の厚さ寸法ε以外の条件は次の通りである。ピ
ストン19の外周面でシリンダ筒13の内周面と対向す
る部分の軸方向長さ 寸法L=7.76(mm) ピストン19の外径寸法D=11.4(mm) 粘性液体17の粘性係数μ=1.74×10-4(kgf・s/
mm2 ) ベルト6の張力上昇に伴うピストン19下側の空間内の
圧力P=0.210(kgf/mm2
【0031】
【表1】
【0032】この表の記載から明らかな通り、本発明に
よれば、製品毎のリークダウン時間Tを従来に比べて大
幅に安定させる事ができる。尚、本発明は、図1に示し
た構造に限らず、図4〜5に示した先発明の構造、或は
図7に示した従来構造にも実施できる事は明らかであ
る。図7に示した従来構造で実施する場合には、シリン
ダライナ35とピストン19とを、それぞれの内径寸法
と外径寸法との差に応じて組み合わせる。更に、例えば
実開平5−42801号公報、同5−38441号公報
に記載されている様に、シリンダ筒内に粘性液体のみで
空気を封入せず、ピストン及びプランジャを水平方向に
配置したダンパ装置にも、本発明は実施可能である。こ
の場合、各公報に記載してある様に、ダイヤフラム等に
より、プランジャの出入に伴うシリンダ筒内の容積変化
を補償する。
【0033】
【発明の効果】本発明のオートテンショナ用ダンパ装置
は、以上に述べた通り構成され作用するが、製品毎のリ
ークダウン時間の差が小さく、安定するので、ダンパ装
置を組み込んだオートテンショナがベルトの振動を防止
する機能を安定させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す縦断面図。
【図2】先発明に係るオートテンショナの第1例を示す
正面図。
【図3】同第2例を示す正面図。
【図4】先発明に係るオートテンショナに組み込まれた
ダンパ装置の第1例を示す縦断面図。
【図5】同第2例を、収縮状態と伸長状態とで示す縦断
面図。
【図6】先発明に係るオートテンショナの使用状態の1
例を示す正面図。
【図7】従来のダンパ装置の1例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 固定部材 2 固定軸 3 揺動部材 4 枢軸 5 プーリ 6 ベルト 7 捩りコイルばね 8 コイル部 9a、9b 係止部 10 固定側腕片 11 揺動側腕片 12 ダンパ装置 13 シリンダ筒 14、14a プランジャ 15 受ブロック 16 ストッパピン 17 粘性液体 18 ブーツ 19 ピストン 20 付勢ばね 21 基部 22 シールリング 23 切り欠き 24 内側空間 25 隔壁 26 通孔 27 逆止弁 28 ばね 29 ボール 30、30a 先半部 31 上部空間 32 連通孔 33 シールリング 34 シリンダケース 35 シリンダライナ 36 上部止め輪 37 下部止め輪 38 圧縮ばね 39 円筒状部 40 ロッド状部 41 芯金 42 駆動プーリ 43 従動プーリ 44 ガイドプーリ 45 溝部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に粘性液体を封入したシリンダ筒
    と、このシリンダ筒の内部に軸方向に亙る変位自在に嵌
    装されたピストンと、このピストンとシリンダ筒との間
    に設けられ、このピストンを一方向に付勢する付勢ばね
    と、この付勢ばねの弾力に基づく上記ピストンの変位に
    伴って、上記シリンダ筒からの突出量を増すプランジャ
    と、上記ピストンの軸方向両端面同士を連通する通路と
    を備えたオートテンショナ用ダンパ装置に於いて、シリ
    ンダ筒の内径寸法とピストンの外径寸法とをそれぞれ測
    定し、内径寸法が外径寸法よりも所定寸法だけ大きくな
    るシリンダ筒とピストンとを組み合わせた事を特徴とす
    るオートテンショナ用ダンパ装置。
JP14168294A 1994-06-23 1994-06-23 オートテンショナ用ダンパ装置 Pending JPH084849A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2107279A2 (en) 2008-04-01 2009-10-07 Toyota Jidosha Kabusiki Kaisha Gear whine prevention device for manual transmission

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