JP2601390B2 - 3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸誘導体またはその塩の製造方法 - Google Patents

3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸誘導体またはその塩の製造方法

Info

Publication number
JP2601390B2
JP2601390B2 JP19265392A JP19265392A JP2601390B2 JP 2601390 B2 JP2601390 B2 JP 2601390B2 JP 19265392 A JP19265392 A JP 19265392A JP 19265392 A JP19265392 A JP 19265392A JP 2601390 B2 JP2601390 B2 JP 2601390B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt
alkylthio
acid derivative
aminopropionic acid
represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19265392A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05310687A (ja
Inventor
勤 三本
純嗣 木佐貫
治 高橋
良明 木曽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Energy Corp filed Critical Japan Energy Corp
Priority to JP19265392A priority Critical patent/JP2601390B2/ja
Priority to DE1993622127 priority patent/DE69322127T2/de
Priority to EP19930303644 priority patent/EP0574135B1/en
Publication of JPH05310687A publication Critical patent/JPH05310687A/ja
Priority to US08/364,707 priority patent/US5644028A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2601390B2 publication Critical patent/JP2601390B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−アルキルチオ−2
−アミノプロピオン酸誘導体及びその塩の製造法に関す
る。本発明のアミノプロピオン酸誘導体はアミノ基が保
護されており、ヒト免疫不全ウイルスのプロテアーゼ阻
害剤として有効なペプチド誘導体、その他の生理活性物
質のペプチド誘導体の中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、後天性免疫不全症候群(A
IDS)の治療あるいはその病原体であるヒト免疫不全ウイ
ルス(HIV) の感染予防の試みとして、該ウイルスのプロ
テアーゼ阻害剤として有効なペプチド誘導体またはその
薬理的に許容される塩を提唱した(特願平03−34870
5)。そして、このペプチド誘導体の製造にはアミノ基
を保護した3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸
誘導体が中間体として用いられている。
【0003】従来、この保護アミノ酸を製造するには、
システインとハロゲン化物とを公知の方法、例えば T.
W.Greene,"Protective Groups in Organic Synthesis"
JOHNWILEY & SONS, New York (1981) 第6章に記載され
る方法でアミノ酸を生成し、これを単離し、次いでこの
アミノ酸を公知の方法、例えば上記文献第7章に記載さ
れる方法に従ってt−ブトキシカルボニル化することに
よって製造していた。しかし、前記のアミノ酸を単離し
て用いると工程が繁雑になるため、より簡便な製造方法
が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑みてなされたもので、3−アルキルチオ−2−ア
ミノプロピオン酸誘導体を簡便かつ安価に製造する方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、システイ
ンから3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸を簡
便かつ安価に製造する方法を開発すべく検討した結果、
工程の途中で生成される中間生成物のアミノ酸誘導体ま
たはその塩を単離せずに、前記化合物に導く方法を見出
して本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、システインまたはそ
の塩と、下記(化4)で示されるハロゲン化物とを反応
させ、下記(化5)で示されるアミノ酸誘導体またはそ
の塩を生成せしめ、これを単離することなく、該アミノ
酸誘導体またはその塩を含む反応混合物をジ−t−ブチ
ルジカルボナートと反応させて下記(化6)で示される
3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸のアミノ基
保護誘導体またはその塩を製造する方法である。ただし
(化4)、(化5)及び(化6)中、Rは置換基を有す
ることもある低級アルキル基を、Xはハロゲン原子を表
わす。このような低級アルキル基には炭素数1〜5のア
ルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、n−ブチ
ル、アミル等を例示することができる。また、置換基を
有するアルキル基としては、ベンジル、シクロヘキシル
メチル、ナフチルメチル等を例示することができる。X
には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げること
ができる。またシステインの塩には、塩酸塩、硫酸塩等
の無機塩や酢酸塩、乳酸塩等の有機塩類等を例示するこ
とができる。また、(化4)及び(化5)で示される化
合物には不斉炭素原子が存在するのでこれらの光学活性
体あるいはラセミ体のいずれを使用してもよい。
【0007】
【化4】
【化5】
【化6】
【0008】本発明の製造法について説明すると、ま
ず、システインまたはその塩を水酸化ナトリウム等の塩
基により中和し、水、有機溶媒混合系で上記(化4)で
示されるハロゲン化物と反応させる。このような有機溶
媒として、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
エチルエーテル等を用いることができる。この反応にお
いては、ハロゲン化物は通常 1.0当量以上用いるが、過
剰に用いると副反応が起きる恐れがあり、1.0 〜1.1 当
量用いるのが好ましい。反応温度は−10〜50℃が好まし
く、特には0〜30℃が好ましい。反応の終結は薄相クロ
マトグラフィー等により確認することができる。
【0009】次にこの反応生成物から上記(化5)で示
されるアミノ酸を単離することなく、この反応混合物を
ジ−t−ブチルジカルボナートを加えて反応させる。こ
の際、適当な塩基を加えて、反応液を中性ないしは弱ア
ルカリ性に保ち、さらに極性有機溶媒を共存させること
が好ましい。このような塩基としては、トリエチルアミ
ン、N−メチルモルホリン等の有機三級アミン、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基を用いること
ができる。また有機溶媒としては、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等を用いることができる。反応温度は−
10〜50℃、特には0〜30℃が好ましい。このようにして
得られた反応混合物を酸性化すると、(化6)で示され
る保護アミノ酸が遊離する。酸性化に使用する酸として
は、クエン酸等の水溶性有機酸または塩酸等の鉱酸を使
用することができるが、塩酸が簡便かつ安価で好まし
い。このような保護アミノ酸の遊離に先立ち、まず反応
液から反応に用いた有機溶媒を留去し、トルエン、酢酸
エチル、エーテル等の有機溶液によって洗浄し、酸性化
させて遊離させることが好ましい。このようにすると、
保護アミノ酸を効率よく遊離させることができる。この
ようにして遊離させた(化6)で示される保護アミノ酸
は、そのまま水系から晶析させるか、あるいはトルエ
ン、酢酸エチル、エーテル等の有機溶媒によって抽出し
濃縮することによって単離できる。
【0010】また、上記単離操作において、亜硫酸水素
ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤水溶液によ
る洗浄工程を入れると、さらに好ましい。なお、本発明
の原料として光学活性システインを用いると、ラセミ化
することなく、(化6)で示される保護アミノ酸を得る
ことができる。
【0011】このようにして得られた3−アルキルチオ
−2−アミノプロピオン酸誘導体またはその塩は、アミ
ノ基が保護されており、これを中間体として HIVウイル
スのプロテアーゼ阻害剤となるペプチド誘導体あるいは
その他の生理活性を有するペプチド誘導体を製造するこ
とができる。すなわち、特願平03−348705明細書に記載
したように、例えば、t−ブチルアミンと3−t−ブト
キシカルボニル−5,5−ジメチル−1,3−チアゾリ
ジン−4−カルボン酸を縮合させ脱保護し、3−N−t
−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フ
ェニルブタン酸と縮合させ、脱保護し、これを上記3−
アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸誘導体と縮合さ
せ、脱保護し、イソキノリン−5−イルオキシ酢酸と縮
合させることにより、 HIVウイルスのプロテアーゼ阻害
剤を製造できる。
【0012】
【発明の効果】本発明の方法によると、システインまた
はその塩と(化4)で示されるハロゲン化化合物との反
応液から(化6)で示される3−アルキルチオ−2−ア
ミノプロピオン酸誘導体またはその塩を製造するに当
り、中間生成物の(化5)で示されるアミノ酸またはそ
の塩を単離することなく、3−アルキルチオ−2−アミ
ノプロピオン酸誘導体またはその塩を反応液から直接生
産するので、反応工程を簡便化することができ、経済的
に有利な製造法である。
【0013】
【実施例1】L−システイン塩酸塩一水和物 5.00g (2
8.5mmol) を2N水酸化ナトリウム水溶液28.5ml(2.0当
量) に溶解させ、氷冷下でヨウ化メチル 4.45g(1.1当
量) のテトラヒドロフラン(30ml)溶液を滴下した。その
まま氷冷下で2時間攪拌した後、トリエチルアミン 6.0
ml(1.5当量) 及びジ-t- ブチルジカルボナート 7.51g
(1.2当量) を加え、2時間攪拌した。これにトリエチル
アミン 2.0ml(0.5当量) を加え、室温で終夜攪拌した。
反応混合物に水20mlを加えて、酢酸エチル20mlで洗浄
し、水層を減圧濃縮した。これにクエン酸を加えてpH4
として酢酸エチルで抽出し、有機層を5%クエン酸水溶
液、飽和食塩水で順に洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥、溶
媒を減圧留去、ヘキサンを加えて結晶化、濾取、真空乾
燥してR−2−(N−t−ブトキシカルボニルアミノ)
−3−メチルチオプロピオン酸 5.90g (収率88%) を得
た。1 H NMR (CDCl3):δ1.46(S, 9H, t-Bu) 、2.16(S, 3H, S
CH3) 、2.99(m, 2H,CH2S) 、4.55(m, 1H) 、5.39(m, 1
H) 、8.79(b, 1H, OH) なお、この生成物の一部を4M塩化水素ジオキサン溶液
で脱保護した後、キラルHPLC(ダイセル社製、キラルパ
ックWH)で分析したところ、S体は全く検出されなかっ
た。
【0014】
【実施例2】L−システイン塩酸塩一水和物 125.0g(71
2mmol)を水250ml に溶解させ、氷冷下、20℃以下で3N
水酸化ナトリウム水溶液 475ml(2.0当量) を加え、つい
でヨウ化メチル 106.1g(1.05当量) のテトラヒドロフラ
ン(250ml) 溶液を20℃以下で加えた。そのまま氷冷下で
2時間攪拌した後、3N水酸化ナトリウム水溶液 250ml
を加え、ついでジ−t−ブチルジカルボナート170.9g
(1.1当量) のテトラヒドロフラン(250ml) 溶液を加え
た。氷浴をはずして3.5 時間攪拌した後、3N水酸化ナ
トリウム水溶液 48ml(0.2 当量) を加え、さらに室温で
15時間攪拌した。減圧濃縮してテトラヒドロフランを留
去した後トルエン 500mlで洗浄し、6N塩酸140ml を徐
々に加えて酸性化し、酢酸エチル1000mlで抽出した。こ
の酢酸エチル溶液を0.5 %亜硫酸水素ナトリウム、5%
食塩を含む水溶液 500mlで洗浄、減圧濃縮し、ここにト
ルエン 200mlを加えて減圧下で共沸脱水し、残査にヘキ
サン500ml を加えて破粋、濾取、真空乾燥してR−2−
(N−t−ブトキシカルボニルアミノ)−3−メチルチ
オ−プロピオン酸 159.7g(収率95%) を得た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 システインまたはその塩と、(化1)で
    示されるハロゲン化物とを反応させ、(化2)で示され
    るアミノ酸またはその塩を生成せしめ、これを単離する
    ことなく、該アミノ酸またはその塩を含む反応混合物を
    ジ−t−ブチルジカルボナートと反応させて(化3)で
    示される3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸誘
    導体またはその塩を生成せしめることを特徴とする3−
    アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸誘導体またはそ
    の塩の製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】 〔(化1)、(化2)、及び(化3)中、Rは置換基を
    有することもある低級アルキル基を、またXはハロゲン
    原子を表わす。〕
JP19265392A 1992-05-13 1992-05-13 3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸誘導体またはその塩の製造方法 Expired - Fee Related JP2601390B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19265392A JP2601390B2 (ja) 1992-05-13 1992-05-13 3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸誘導体またはその塩の製造方法
DE1993622127 DE69322127T2 (de) 1992-05-13 1993-05-11 Verfahren zur Herstellung von Peptidderivaten und ihrer Salze
EP19930303644 EP0574135B1 (en) 1992-05-13 1993-05-11 Process for producing peptide derivatives and salts thereof
US08/364,707 US5644028A (en) 1992-05-13 1994-12-28 Process for producing peptide derivatives and salts therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19265392A JP2601390B2 (ja) 1992-05-13 1992-05-13 3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸誘導体またはその塩の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05310687A JPH05310687A (ja) 1993-11-22
JP2601390B2 true JP2601390B2 (ja) 1997-04-16

Family

ID=16294822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19265392A Expired - Fee Related JP2601390B2 (ja) 1992-05-13 1992-05-13 3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸誘導体またはその塩の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2601390B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05310687A (ja) 1993-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5550283A (en) Process for producing alanylglutamine
EP0773932B1 (fr) Derives de benzenesulfonamide comme antagonistes de la bradykinine
JPH07304770A (ja) 新規ベンゾアゼピノン誘導体
JPH06234715A (ja) アラニルグルタミンの製造法
JP2601390B2 (ja) 3−アルキルチオ−2−アミノプロピオン酸誘導体またはその塩の製造方法
JP3247696B2 (ja) 〔1s−(1r*,2s*,3r*)〕−n−(4−モルホリニルスルホニル)−l−フェニルアラニル−3−(2−アミノ−4−チアゾリル)−n−〔(1−シクロヘキシルメチル)−2,3−ジヒドロキシ−5−メチルヘキシル〕−l−アラニンアミドの改良された製法
EP1205476B1 (fr) Procédé de synthhèse de dérivés N-(mercaptoacyl)-amino-acides à partir d'acides acryliques alpha-substitués
JPH02256655A (ja) 光学活性なスレオージヒドロキシフェニルセリン誘導体の製造方法
FR2702220A1 (fr) Dédoublement enzymatique de dérivés de 4-alkyl-2-pipéridine-carboxylate et utilisation des composés obtenus, comme intermédiaires de synthèse.
JPH0776199B2 (ja) 光学活性アミノ酸の合成方法
JP3157118B2 (ja) アシルアミノ酸を用いるピペリジン誘導体の光学分割方法
JP3032442B2 (ja) 光学活性エリスロ−3−アミノ−1,2−エポキシ体の製造法
JPH06247948A (ja) 1,3−チアゾリジン−4−カルボン酸誘導体またはその塩の製造方法
JPS5846045A (ja) ラセミ化合物(1rs,2sr)−2−アミノ−1−フエニル−プロパン−1−オ−ルの分割法
JPH078855B2 (ja) スルホニウム化合物
JPH08157437A (ja) D−アミノ酸−N−(S)−α−アルキルベンジルアミドの製造法
KR100434915B1 (ko) 광학활성시아노히드린의제조방법
JP3855323B2 (ja) 3−アミノ−2−オキソ−1−ハロゲノプロパン誘導体の製造方法
JP3201998B2 (ja) (s)−ベンゾオキサジン誘導体の製造方法及び(r)−ベンゾオキサジン誘導体のラセミ化方法
JP3740783B2 (ja) 4−(2−アルケニル)−2,5−オキサゾリジンジオン類の製造法
US6043376A (en) Synthesis of alpha-methyl, alpha-substituted amino acids
JP3552260B2 (ja) 1−アミノ−2−インダノール類の光学分割法
JPH0149139B2 (ja)
JP3832919B2 (ja) 光学活性シアンヒドリンの製造法
JPH0859576A (ja) 光学活性アミノケトン及びアミノアルコールの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees