JP2601206B2 - スペクトル拡散通信方式及び受信装置 - Google Patents

スペクトル拡散通信方式及び受信装置

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JP2601206B2 JP18438294A JP18438294A JP2601206B2 JP 2601206 B2 JP2601206 B2 JP 2601206B2 JP 18438294 A JP18438294 A JP 18438294A JP 18438294 A JP18438294 A JP 18438294A JP 2601206 B2 JP2601206 B2 JP 2601206B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスペクトル拡散通信方式
及び受信装置に係り、特にユーザ毎に固有の周波数拡散
符号を割り当ててランダムアクセスを行う符号分割多重
通信網のスペクトル拡散通信方式及びそれに用いる受信
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スペクトル拡散通信方式は、多数の端末
(ユーザ)毎に固有の周波数拡散符号を割り当てて、同
一の周波数帯域を用いて通信を行い、符号間の低相互相
関性を利用して信号選択を行う符号分割多重通信網(C
DMA:Code Division Multipl
e Access)を構築する通信方式であり、その特
徴はランダムアクセスが可能なことである。従って、こ
のスペクトル拡散通信方式は、例えば特開平1−288
023号公報に記載されているような構内無線通信など
に広く使われている。
【0003】図2は従来のスペクトル拡散通信方式の一
例の構成図を示す。同図に示すように、送信側はチップ
クロック発生器11、拡散符号発生器12、乗算器1
3、データ変調器14、送信装置15及び送信アンテナ
16などから構成され、また、受信側は受信アンテナ1
7、受信装置18、ミキサ19−1〜19−3、帯域フ
ィルタ(BPF)20−1〜20−3、2乗検波器21
−1と21−2、加算器22、低域フィルタ(LPF)
23、電圧制御発振器(VCO)24、拡散符号発生器
25、遅延器26と27、及びデータ復調器28より構
成されている。
【0004】拡散符号発生器12及び25がそれぞれ発
生する拡散符号としては通常、疑似ランダム(PN:P
seudo Noise)符号が用いられる。図3はこ
のPN符号を発生する拡散符号発生器12及び25の一
例の構成を示す。拡散符号発生器(PN符号発生器)1
2及び25は、図3に示すように、L段のシフトレジス
タ30、(L−1)個の重み回路31及び加算器32と
からなる。
【0005】通常用いられるのは2進符号であり、重み
回路31は入力2進符号に対して”1”を乗算してその
まま通過させるか、又は”0”を乗算して通過を阻止す
る(すなわち、接続無し)とする。また、加算器32は
2進加算を行う回路であり、排他的論理和回路で構成さ
れる。
【0006】次に、図3の拡散符号発生器(PN符号発
生器)12及び25の動作について説明する。L段シフ
トレジスタ30のL個のタップ出力から並列に出力され
た出力信号pn−1、pn−2、pn−3、...、p
n−L+1及びpn−Lのうち、初段から(L−1)段
のタップ出力信号pn−1〜pn−L+1はそれぞれ対
応する重み回路31で重み係数g〜gL−1を乗じら
れた加算器32に供給されると共に、最終段のタップ出
力信号pn−1は直接に加算器32に供給される。
【0007】加算器32は入力信号をそれぞれ2進加算
して、次式で表される加算結果pをシフトレジスタ3
0の初段に帰還入力する。シフトレジスタ30はチップ
クロックに基づいて初段入力を右方向へシフトする。
【0008】
【数1】 ただし、gL=1、また加算は2進加算である。従っ
て、 0+0=0,0+1=1,1+0=1,1+1=0 (2)
【0009】
【数2】 初期値として p=1 (7a) p−1=p−2=p−3=・・・=p−L=0 (7b) に設定すると、次式が得られる。
【0010】
【数3】 (8)式中、分母の減算が加算に変わるのは、加算が2
進加算であるからである(a−b=a+b(mod
2))。
【0011】PN符号として最も広く用いられているも
のとして、最長符号系列(m系列:maximum l
ength code)がある。一般に、L段のm系列
は(8)式の特性多項式
【0012】
【数4】 が原始多項式であれば、m系列となる。そのような多項
式をm系列の生成多項式というが、それは既に多くの表
形式に与えられている。例えば、L段のPN符号の数
は、φ(2−1)/L個ある。ただし、φ(x)はオ
イラーの関数と呼ばれ、(2−1)が素数ならばφ
(2−1)=2−2が成立する。
【0013】Lが大きくなると、m系列の数も急激に大
きくなるので、十分大きな段数のm系列を用いることに
より、極めて多数のユーザに固有の拡散符号を割り当て
ることができる。
【0014】m系列の特徴は、その鋭い自己相関性にあ
る。すなわち、今m系列{p}がある時にその自己相
関係数Rpp(m)は次式で表される。
【0015】
【数5】 ただし、(10)式中、Nはm系列の長さであり、L段
m系列の場合は次式で表される。
【0016】 N=2−1 (11) また、同じ符号長でも異なる生成多項式を用いて発生す
る別のm系列{q}に対しての相互相関係数R
pq(m)は次式で表される。
【0017】
【数6】 すなわち、m系列は生成多項式の異なるものの間では相
関係数は1/Nであり、(10)式よりm系列の段数L
に対してNは急激に大きくなるので、異なるm系列の相
互相関は極めて小さい。更に、(10)式よりわかるよ
うに、同じm系列どうしでも1チップ以上タイミングが
異なれば、同様に自己相関は極めて小さなものとなる。
【0018】上記のm系列の鋭い自己相関性こそ符号分
割多重通信の基礎であるが、同時に受信部において受信
信号に対して、正確なタイミング制御が必要となる理由
でもある。このタイミング制御としては図2に示すDL
L(Delay Locked Loop)が用いられ
る。すなわち、VCO24、拡散符号発生器25、遅延
器26及び27、ミキサ19−1及び19−3、BPF
20−1及び20−3、2乗検波器21−1及び21−
2、加算器22並びにLPF23からなる閉ループが上
記のDLLを構成している。
【0019】次に、図2の従来方式の動作について説明
する。チップクロック発生器11の出力チップクロック
に同期して拡散符号発生器12より発生された上記のP
N符号は乗算器13に供給され、ここでデータ変調器1
4により所定の変調方式で変調されたデータと乗算され
る。乗算器13より取り出された変調データは、送信装
置15により所定の送信周波数帯域の送信信号に変換さ
れた後、送信アンテナ16を介して無線送信される。
【0020】この送信信号は受信アンテナ17により受
信され、受信装置18により低雑音増幅されると共に所
定の中間周波数帯への周波数変換などが行われた後、ミ
キサ19−1、19−2及び19−3にそれぞれ供給さ
れ、ここで遅延器27、遅延器26及び拡散符号発生器
25の各出力PN符号と乗算される。遅延器26は拡散
符号発生器25の出力PN符号を時間T/2遅延し、遅
延器27は遅延器26の出力PN符号を更に時間T/2
遅延する。
【0021】ミキサ19−1、19−2及び19−3の
各出力信号はBPF20−1、20−2及び20−3に
それぞれ供給されて、所定の周波数成分のみ濾波され
る。BPF20−1及び20−3の各出力信号は2乗検
波器21−1及び21−2により2乗検波された後、加
算器22で加算され、その加算出力信号がLPF23に
より高周波成分を除去されて制御電圧としてVCO24
に印加され、その出力発振周波数を制御する。
【0022】VCO24の出力発振周波信号は拡散符号
発生器25にチップクロックとして供給される。このよ
うなDLLの動作により、タイミング誤差が0となるよ
うに同期が行われる。これにより、BPF20−2の出
力信号は最大とされ、データ復調器28で高S/N比の
復調データに復調される。
【0023】ここで、上記のDLLのタイミング誤差補
償動作について、更に図4と共に説明する。タイミング
誤差が0のときには、相関検出回路であるBPF20−
2の出力に最大レベルの出力信号が現れる。タイミング
誤差が0でない時には、誤差の絶対値に応じてBPF2
0−2の出力信号レベル(相関値)が小さくなるが、図
4(A)に示すように、タイミング誤差Tが1チップ
時間Tを越えると、m系列の自己相関特性により無相関
となる。
【0024】一方、別の相関検出回路であるBPF20
−1及び20−3の入力信号は、遅延器27及び26に
よりBPF20−2の入力信号に対して相対的にそれぞ
れ1/2チップ(時間T/2)だけ遅れ進みがあるた
め、同じタイミング誤差に対してBPF20−1及び2
0−3の出力信号は、それぞれ図4(B)及び(C)に
示すように、BPF20−2の出力信号に対して各々1
/2チップずつ反対方向にずれた特性を示す。
【0025】そこで、BPF20−1及び20−3の各
出力信号を2乗検波器21−1及び21−2を介して加
算器22に供給して両者の差をとると、図4(D)に示
すS字型タイミング誤差検出特性が得られる。この加算
器22の出力信号はタイミング誤差検出信号としてLP
F23を介してVCO24に制御電圧として印加され
る。このようにして、DLLは図4(D)に示すS字型
タイミング誤差検出特性のIで示す同期点に収束するよ
うに、すなわちタイミング誤差が0となるように同期を
行う。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
方式では同期に時間がかかるという問題がある。すなわ
ち、m系列の自己相関関数の鋭いピークに受信信号のm
系列の位相が一致することにより、初期捕捉ができ正常
な受信ができるのであるが、最初は受信信号のm系列の
位相は全くわからず、またm系列の自己相関関数の鋭い
ピークはその一周期に1回しかないため、従来方式の受
信信号の初期捕捉においては、最悪N通りのタイミング
に対して相関検出を繰り返していくことが必要となる。
従って、従来方式では、m系列の自己相関性が鋭いた
め、タイミング誤差が1チップ以内に入ってこないと相
関出力が得られない。
【0027】しかし、多数の端末間でスペクトル拡散通
信を行うためには通信符号の数(符号長)を大きくする
必要があり、そのためm系列の一周期N(=2−1)
は、通常100〜10000という非常に大きな数であ
る。このため、従来方式では受信信号の初期捕捉に長大
な時間がかかる。
【0028】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
極めて大きな符号長のm系列に対して高速同期を確立で
きるスペクトル拡散通信方式及び受信装置を提供するこ
とを目的とする。
【0029】また、本発明の他の目的は、高品質なスペ
クトル拡散通信を行い得るスペクトル拡散通信方式及び
受信装置を提供することにある。
【0030】また、本発明の他の目的は、極めて多数の
通信端末間での符号分割通信を行い得るスペクトル拡散
通信方式及び受信装置を提供することにある。
【0031】更に、本発明の他の目的は、伝送すべき情
報信号をアナログ信号、ディジタル信号のいずれでも可
能とし得るスペクトル拡散通信方式及び受信装置を提供
することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のスペクトル拡散通信方式では、複数の端末
に各々固有のスペクトル拡散符号を割り当てる符号分割
多重通信システムの送信側で帰還路に所定の特性多項式
を含む発生器からの割り当てたスペクトル拡散符号と伝
送すべき情報信号とを乗算して得られたスペクトル拡散
変調波を送信し、受信側でスペクトル拡散変調波を復調
後前記情報信号を再生するスペクトル拡散通信方式にお
いて、送信されたスペクトル拡散変調波を受信して、位
相が互いにπ/2異なる局部発振信号を用いてベースバ
ンド帯の第1及び第2の受信信号に変換する受信手段
と、第1及び第2の受信信号をそれぞれ並列に標本化及
びA/D変換して第1及び第2のディジタル信号を得る
標本化及びA/D変換手段と、第1及び第2のディジタ
ル信号を入力信号として受け、第1及び第2のディジタ
ル信号をそれぞれ実部及び虚数部とする複素信号の位相
を検出する位相検出器と、位相検出器の出力信号を入力
信号として受け、送信側のスペクトル拡散符号を発生す
る発生器の特性多項式に対応するフィルタリングを行
う、有限時間応答フィルタ構成の逆拡散回路と、逆拡散
回路の出力信号の平均化を行うディジタルフィルタとを
受信側に有する構成としたものである。
【0033】また、本発明の受信装置は、受信回路部、
第1及び第2の周波数変換手段、標本化及びA/D変換
手段、位相検出器、タップ付き遅延回路、複数の重み回
路、加算器及びディジタルフィルタより構成したもので
ある。
【0034】ここで、上記の受信回路部は、帰還路に所
定の特性多項式を含む発生器からのPN符号と伝送すべ
き情報信号とを乗算して得られたスペクトル拡散変調波
が、高周波数帯に変換されて無線送信された送信信号を
受信し、所定周波数の中間周波信号に変換する。第1及
び第2の周波数変換手段は、中間周波信号に周波数が等
しく、位相が互いにπ/2異なる第1及び第2の局部発
振信号により中間周波信号を周波数変換してベースバン
ド帯の第1及び第2の受信信号を並列出力する。標本化
及びA/D変換手段は、第1及び第2の受信信号をそれ
ぞれ並列に標本化及びA/D変換して第1及び第2のデ
ィジタル信号を得る。
【0035】位相検出器は、第1及び第2のディジタル
信号を入力信号として受け、第1及び第2のディジタル
信号をそれぞれ実部及び虚数部とする複素信号の位相を
検出する。タップ付き遅延回路は、位相検出器の出力信
号を入力信号として受け、PN符号のチップ速度に等し
い遅延量単位の遅延を行う。複数の重み回路は、遅延回
路の各出力信号に指定されたスペクトル拡散符号に対応
する重み係数を乗じる。加算器は、複数の重み回路の出
力信号及び位相検出器の出力信号とをそれぞれ加算して
前記特性多項式に相当するフィルタリングを行った信号
を出力する。ディジタルフィルタは、加算器の出力信号
に対して平均化を行う。
【0036】
【作用】本発明通信方式では、送信側のスペクトル拡散
符号を発生する発生器の特性多項式に対応するフィルタ
リングを行う、有限時間応答フィルタ構成の逆拡散回路
により、また本発明受信装置ではタップ付き遅延回路、
複数の重み回路及び加算器よりなる回路により前記特性
多項式に相当するフィルタリングを行った信号を出力す
るようにしたため、従来のディジタル・ディレイ・ルー
プ(DLL)回路のような閉ループ回路を用いなくとも
伝送すべき情報信号の再生ができる。
【0037】また、本発明の受信装置では、ディジタル
フィルタの出力信号を入力信号として受け、データ復調
を行うデータ復調器を更に有することにより、データ通
信を行うことができる。
【0038】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。図
1は本発明になるスペクトル拡散通信方式の一実施例の
構成図を示す。同図に示すように、本実施例は受信アン
テナ41、受信装置42、ミキサ43−1及び43−
2、局部発振器44、π/2移相器45、LPF46−
1及び46−2、標本化及びA/D変換器47−1及び
47−2、標本化タイミング発生器48、位相検出器4
9、逆拡散回路50、LPF54並びにデータ復調器5
5から構成されている。
【0039】局部発振器44は受信装置42の出力中間
周波信号と同一周波数の正弦波を発振出力する。ミキサ
43−1及び43−2はそれぞれ入力中間周波信号をベ
ースバンド帯の信号に周波数変換する。標本化及びA/
D変換器47−1及び47−2は、ミキサ43−1及び
43−2の出力ベースバンド信号を並列に高速標本化
し、各々2進数に変換する。位相検出器49は入力受信
信号の位相を検出する。
【0040】逆拡散回路50は受信アンテナ41で受信
するスペクトル拡散変調信号の変調の際に用いた拡散符
号のチップ速度に等しい複数(L個)の遅延器51と、
スペクトル拡散符号に対応する重みを乗ずる(L−1)
個の重み回路52と、重み回路52の出力信号及び位相
検出器49の出力信号とをそれぞれ加算する加算器53
とから構成され、送信側のスペクトル拡散符号を発生す
る発生器の特性多項式1+G(z)に対応するフィルタ
リングを行う。
【0041】LPF54は逆拡散回路50の出力信号の
平均化を行うディジタルフィルタである。データ復調器
55は送信された情報信号を再生する。本実施例は図1
からわかるように、DLLを用いていない点に特徴があ
る。
【0042】次に、本実施例の動作について説明する。
受信アンテナ41により受信される送信信号は、図2の
送信側により生成された高周波数帯のスペクトル拡散変
調信号であり、受信装置42に供給されて低雑音増幅さ
れると共に、中間周波数帯の信号に周波数変換される。
この受信装置42の出力受信信号v(t)は多数Mの
信号が相加されているため、次式で表される。
【0043】
【数7】 上記の受信信号v(t)はミキサ43−1に供給され
て局部発振器44よりの局部発振周波数と乗算される一
方、ミキサ43−2に供給されてπ/2移相器45によ
りπ/2移相された局部発振器44よりの局部発振信号
と乗算される。ここで、局部発振器44の出力局部発振
周波数を v(t)=cosωt (14) としたとき、π/2移相器45の出力信号v(t)は
次式で表されるようにする。
【0044】 v(t)=−sinωt (15) ミキサ42−1及び42−2の各出力信号中には、入力
信号と局部発振周波数との差の周波数成分と和の周波数
成分とが存在するが、LPF46−1及び46−2によ
り差の周波数成分のみが周波数選択されて標本化及びA
/D変換器47−1及び47−2にそれぞれ供給され
る。
【0045】標本化及びA/D変換器47−1及び47
−2は標本化タイミング発生器48よりの標本化タイミ
ング信号に基づいて、入力信号の標本化及びA/D変換
を行う。この標本化タイミング信号は、標本化定理によ
り前記チップ速度よりも高くする必要があり、通常はチ
ップ速度の2倍〜4倍程度に設定される。この標本化及
びA/D変換器47−1及び47−2からは、それぞれ
次式で表されるディジタル信号v(t)及びv
(t)が出力される。
【0046】
【数8】 (15)式及び(16)式からわかるように、v
(t)及びv(t)はそれぞれ受信信号の実部と虚
数部である。
【0047】位相検出器49は上記のディジタル信号v
(t)及びv(t)が端子x及びyに供給され、次
式で表される位相φを検出して出力する。
【0048】 φ=arctan(v(t)/v(t)) (18) この位相検出器49による位相検出の意味は次のように
複素信号形式で考えると分かりやすい。
【0049】
【数9】 すなわち、位相φを検出することは、a/Aなる重み
の加わった各波の総和を検出することにほかならない。
ここで、位相検出器49の出力はkビットの2の補数2
進表示で表現する。すると、位相とそのディジタル表現
の間の関係は、位相の演算がモジュロ(modulo)
2πで行われるのに対し、kビット2進数演算はmod
ulo 2で行われ、位相の加算演算が自然に2進演
算で実行される。
【0050】例えば、3ビット2の補数表示の場合の位
相と2進数との関係は表1のようになる。
【0051】
【表1】 従って、位相の加算演算は次のように2進演算で実行で
きる。
【0052】 (π/2)−(π/2)=010+110=000=0 (π/2)−(π/4)=010+111=001=π
/4 (π/2)+(π/2)=010+010=100=−
π=π(mod2π) 上記の位相検出器49の出力位相検出信号φは逆拡散回
路50内の縦続接続されたそれぞれ遅延時間TのL個の
遅延器51に供給される一方、加算器53に供給され
る。L個の遅延器51から取り出された各遅延位相検出
信号はそれぞれ(L−1)個の重み回路52により重み
係数g1〜gL-1を別々に乗じられた後、加算器53に供
給される。加算器53の出力信号は遅延器51に帰還入
力されることなく、そのまま出力される。
【0053】なお、最終段のL個目の遅延器51の出力
信号は重み回路52を介さずに直接に加算器53に入力
されているが、これは重み係数gL=1(固定)の重み
回路52を介して入力された場合と等価である。
【0054】かかる開ループ構成の逆拡散回路50は有
限時間応答(FIR:FiniteImpulse R
esponse)フィルタであり、その重み回路52の
設定により、FIRフィルタとしての応答が、選択すべ
き変調信号に合わせて1+G(z)とされる。すなわ
ち、逆拡散回路50の伝達特性をH(z)とすると、次
式が成立する。
【0055】
【数10】 ただし、前述したように(21)式中、gL=1であ
る。従って、逆拡散回路50の出力信号Y(z)は次式
で表される。
【0056】
【数11】 ここで、φ(n)を求める必要があるが、(20)式の
標本化系列を次式に書き改めることができる。
【0057】
【数12】 ただし、 W=a/A (26) (25)式をベキ級数展開して両辺を比較すると、第一
近似として次式が得られる。
【0058】
【数13】 特に全チャネルの振幅がほぼ等しい場合には、次式が成
立する。
【0059】
【数14】 ここで、(29)式の第1項が希望波を示し、第2項は
(28)式の総和から(29)式の第1項を除いた総和
を示し、干渉波である。p(n)は(1)式により生成
多項式1+G(z)で生成される符号で、0か1の2値
符号であるが、π倍されることにより自然に位相を表
す。
【0060】
【数15】 (31)式の右辺第1項は、受信フィルタH(z)によ
り逆拡散された信号であり、右辺第2項は生成多項式が
異なるため以前と同じく拡散されたままの他の変調信号
(干渉波)を示す。
【0061】逆拡散回路50により逆拡散されて取り出
された信号は、LPF54に供給され、ここで拡散され
たままの信号成分がほぼ抑圧され、逆拡散された信号成
分が濾波される。LPF54による抑圧比は、LPF5
4の通過帯域幅と拡散変調信号の帯域幅の比によって決
まり、これを拡散比又は処理利得という。
【0062】逆拡散後の希望信号のS/N比を大きくす
るには、処理利得を大きくすれば良い。データ通信を行
う場合には、LPF54の出力信号をデータ復調器55
に供給することにより、情報データを再生する。アナロ
グ通信を行う場合には、LPF54の出力信号が再生受
信信号となる。
【0063】このように、本実施例によれば、閉ループ
構成のDDLでなく開ループ構成の逆拡散回路50によ
り逆拡散された信号を得るようにしたため、大きな拡散
符号を用いても受信同期を迅速にできる。
【0064】また、符号長を大きくできることから、大
きな拡散比を実現できるため、異なるチャネル間の干渉
抑圧比を大きくすることができると共に、極めて多数の
通信端末に相異なる拡散符号を割り当てて多数の通信端
末間の符号分割通信ができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明通信方式及
び受信装置によれば、従来のディジタル・ディレイ・ル
ープ(DLL)回路のような閉ループ回路を用いなくと
も伝送すべき情報信号の再生ができるため、次の効果を
奏する。
【0066】(1)大きな符号長の拡散符号を用いても
受信同期の迅速なスペクトル拡散通信ができる。
【0067】(2)符号長を大きくできるため、大きな
拡散比を実現することができ、異なるチャネル間の干渉
抑圧比を大きくすることができ、よって高品質なスペク
トル拡散通信ができる。
【0068】(3)符号長を大きくできるため、極めて
多数の通信端末に相異なる拡散符号を割り当てて多数の
端末間の符号分割通信ができる。
【0069】(4)スペクトル逆拡散は非同期動作であ
るため、伝送すべき情報信号はデータでもアナログ信号
でも良く、また、ディジタルフィルタの出力信号を入力
信号として受け、データ復調を行うデータ復調器を更に
有することにより、データ通信を行うことができるた
め、多様な応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図である。
【図2】従来の一例の構成図である。
【図3】拡散符号発生器の一例の構成図である。
【図4】図2のDLLのタイミング誤差検出動作説明用
タイミングチャートである。
【符号の説明】
42 受信装置 43−1、43−2 ミキサ 44 局部発振器 45 π/2移相器 46−1、46−2、54 低域フィルタ(LPF) 47−1、47−2 標本化及びA/D変換器 48 標本化タイミング発生器 49 位相検出器 50 逆拡散回路 51 遅延器 52 重み回路 53 加算器 55 データ復調器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の端末に各々固有のスペクトル拡散
    符号を割り当てる符号分割多重通信システムの送信側で
    帰還路に所定の特性多項式を含む発生器からの割り当て
    た該スペクトル拡散符号と伝送すべき情報信号とを乗算
    して得られたスペクトル拡散変調波を送信し、受信側で
    該スペクトル拡散変調波を復調後前記情報信号を再生す
    るスペクトル拡散通信方式において、 前記送信されたスペクトル拡散変調波を受信して、位相
    が互いにπ/2異なる局部発振信号を用いてベースバン
    ド帯の第1及び第2の受信信号に変換する受信手段と、 該第1及び第2の受信信号をそれぞれ並列に標本化及び
    A/D変換して第1及び第2のディジタル信号を得る標
    本化及びA/D変換手段と、 該第1及び第2のディジタル信号を入力信号として受
    け、該第1及び第2のディジタル信号をそれぞれ実部及
    び虚数部とする複素信号の位相を検出する位相検出器
    と、 該位相検出器の出力信号を入力信号として受け、前記送
    信側のスペクトル拡散符号を発生する発生器の特性多項
    式に対応するフィルタリングを行う、有限時間応答フィ
    ルタ構成の逆拡散回路と、 該逆拡散回路の出力信号の平均化を行うディジタルフィ
    ルタとを受信側に有することを特徴とするスペクトル拡
    散通信方式。
  2. 【請求項2】 帰還路に所定の特性多項式を含む発生器
    からのPN符号と伝送すべき情報信号とを乗算して得ら
    れたスペクトル拡散変調波が、高周波数帯に変換されて
    無線送信された送信信号を受信し、所定周波数の中間周
    波信号に変換する受信回路部と、 該中間周波信号に周波数が等しく、位相が互いにπ/2
    異なる第1及び第2の局部発振信号により該中間周波信
    号を周波数変換してベースバンド帯の第1及び第2の受
    信信号を並列出力する第1及び第2の周波数変換手段
    と、 該第1及び第2の受信信号をそれぞれ並列に標本化及び
    A/D変換して第1及び第2のディジタル信号を得る標
    本化及びA/D変換手段と、 該第1及び第2のディジタル信号を入力信号として受
    け、該第1及び第2のディジタル信号をそれぞれ実部及
    び虚数部とする複素信号の位相を検出する位相検出器
    と、 該位相検出器の出力信号を入力信号として受け、前記P
    N符号のチップ速度に等しい遅延量単位のタップ付き遅
    延回路と、 該遅延回路の各出力信号に指定されたスペクトル拡散符
    号に対応する重み係数を乗じる複数の重み回路と、 該複数の重み回路の出力信号及び該位相検出器の出力信
    号とをそれぞれ加算して前記特性多項式に相当するフィ
    ルタリングを行った信号を出力する加算器と、 該加算器の出力信号に対して平均化を行うディジタルフ
    ィルタとを有することを特徴とする受信装置。
  3. 【請求項3】 前記ディジタルフィルタの出力信号を入
    力信号として受け、データ復調を行うデータ復調器を更
    に有することを特徴とする請求項2記載の受信装置。
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