JP2600074B2 - 放射線遮蔽壁における傾斜したダクト孔周囲の構造 - Google Patents

放射線遮蔽壁における傾斜したダクト孔周囲の構造

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JP2600074B2
JP2600074B2 JP63012648A JP1264888A JP2600074B2 JP 2600074 B2 JP2600074 B2 JP 2600074B2 JP 63012648 A JP63012648 A JP 63012648A JP 1264888 A JP1264888 A JP 1264888A JP 2600074 B2 JP2600074 B2 JP 2600074B2
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昭雄 山路
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、放射線遮蔽壁に形成される傾斜したダクト
孔の放射線漏洩を低減できるようにした構造に関するも
のである。
「従来の技術とその問題点」 「従来の技術」 配管が貫通した放射線遮蔽壁のダクト孔付近から漏漏
する放射線を低減するための構造として従来、第12図な
いし第15図に示す遮蔽構造が知られている。
第12図に示す遮蔽構造は、コンクリート製の遮蔽壁1
に形成されたダクト孔2を遊挿した挿通管3の外側に、
コンクリートより遮蔽性能の優れた板状の遮蔽部材4を
取り付けて構成したものである。第12図に示す構造にお
いては、ダクト孔部分を通過する放射線を遮蔽部材4で
遮蔽するものである。
第13図に示す遮蔽構造は、第12図に示す構造における
ダクト孔2の開口部周縁に板状の遮蔽部材5を遮蔽部材
4とは別個に取り付けて遮蔽性能を更に向上させたもの
である。
第14図は、放射線遮蔽壁に対して斜めにダクト孔2を
形成することにより、放射線遮蔽壁に対して垂直に入射
する放射線の漏洩を低減させたものである。
第15図に示す遮蔽構造は、特願61−047762号公報に示
されたものであって、ダクト孔2の両開口部の周囲のコ
ンクリート遮蔽壁内に、コンクリートより遮蔽性能の優
れた材料からなる附加遮蔽体6を組み込んだものであ
り、放射線遮蔽壁に対して斜方向から入射する放射線に
対する遮蔽性能を向上させたものである。
「発明が解決しようとする問題点」 ところで、第12図と第13図に示す構造は主に挿通管3
の外側の円環状の間隙から漏洩する放射線を遮蔽するこ
とを目的とした構造であり、いずれも遮蔽壁1の外側に
遮蔽部材4,5を設ける構造であるために、挿通管3を設
置せずにダクト孔2のみを設ける構造の遮蔽壁には適用
できない問題がある。また、挿通管3に遮蔽部材4,5を
装着させる構造であるために、挿通管3に重量負担がか
かり、大重量の遮蔽部材は使用できない欠点がある。そ
して、第12図と第13図に示す構造では遮蔽壁1の外側に
遮蔽部材4,5があるためにダクト孔周辺遮蔽壁1の厚さ
が実質的に増大する問題がある。ちなみに、核燃料再処
理施設やホットラボ施設(高放射性物質を取り扱う実験
室)に備えられる遮蔽壁にあっては、遮蔽壁の表面に凹
凸がないこと、遮蔽壁付近に各種機器の設置が容易であ
ること、更には、壁面が滑らかで美観が整っていること
等が要求される。そしてこれらの施設においては、ダク
ト孔を設けた遮蔽壁の放射線遮蔽性能をダクト孔のない
遮蔽壁と同程度にするとともに遮蔽壁の厚さの増加をも
抑えることが要求されるが、前記従来の構造ではいずれ
もこれらの要求には対応できない問題がある。
また、第14図に示す放射線遮蔽壁に対して斜めに形成
されたダクト孔では、放射線遮蔽壁に対して垂直に入射
する放射線の漏洩を低減できるものの、遮蔽壁後面のダ
クト孔開口部付近の放射線はダクト孔のない配置よりも
高く、ダクト孔を漏洩する放射線をダクト孔のない配置
における値にまで低減させるためには、遮蔽体を追加し
なければならない問題がある。
また、第15図に示す構造では、放射線遮蔽壁に斜めに
入射する放射線は十分に低減できるが、放射線遮蔽壁に
垂直に入射する放射線の遮蔽には対応できない問題があ
る。
ところで、このような問題点とは別に、従来、第16図
に示すように、ダクト孔2を配して放射線遮蔽壁1を打
設する場合には、ダクト孔の下部にハッチングに示すよ
うな欠陥部Kが生じて遮蔽性が損なわれる可能性があ
る。そこで、通常は、施設使用前にRI線源を用いた遮蔽
性能確認試験を実施しているが、この試験により前記欠
陥部Kの存在が分かると、従来構造のダクトでは、欠陥
部周囲のコンクリートをはつり、欠陥部Kにコンクリー
トを埋め込む補修工事が必要になる等の問題があった。
本発明は前記事情に鑑みて提案されたもので、ダクト
の形状や放射線遮蔽壁の外側の形状等を変えることな
く、垂直に入射する放射線に対して優秀な遮蔽性能を発
揮し、しかも、埋込部における施工上の欠陥部が生じた
場合にもその補修を不要とし得るダクト孔の構造を提供
することを目的としている。
「問題点を解決するための手段」 本発明は、コンクリート製の放射線遮蔽壁に対して傾
斜する中心軸線を有するダクト孔において、コンクリー
トより遮蔽性能の優れた材料からなる補償遮蔽体をダク
ト孔の管として放射線遮蔽壁内に組み込み、さらに、こ
の管をダクト孔の両開口部に突出させたものである。
「作用」 このような構造をしているダクト孔であると、放射線
遮蔽壁に垂直入射する放射線のうち、ダクト孔を通過す
る放射線は、ダクトに入る時と出る時に補償遮蔽体の性
能を有するダクト管を透過するため、漏洩放射線量が抑
制される。
また、前記補償遮蔽体は遮蔽壁内にダクト孔の管を形
成するようにして組み込まれるため、ダクトの形状や遮
蔽壁の壁面の形状を変えることもなく、且つ、ダクト孔
の中心軸線と遮蔽壁とのなす角度は変えられるため、ダ
クトの設置位置の変更も容易であり、遮蔽壁近傍に機器
等を設置するにも有利に作用する。
「実施例」 第1図と第2図は、本発明の一実施例を示すもので、
図中10はホットラボ施設等に設置された線源から放射さ
れる放射線を遮蔽するためのコンクリート製の遮蔽壁で
あり、この遮蔽壁10にはダクト孔11が形成され、このダ
クト11に補償遮蔽体の性能を有するダクト管12が設けら
れ、ダクト孔の両開口部に突出している。
前記ダクト孔11は、その中心軸線が遮蔽壁10の壁面に
対して傾斜するように遮蔽壁に形成されたものである。
また、前記ダクト管12は、ダクト孔の両開口部におい
て、遮蔽壁面の垂直方向からダクト孔開口部を直視でき
ないように突出している。即ち、遮蔽壁に垂直入射する
放射線のうち、ダクト孔を通過する放射線は、ダクト孔
に入る時とダクト孔を出る時に、補償遮蔽体の性能を有
するダクト管12を通過して減衰できる。第1図では、ダ
クト管が遮蔽壁より突出している部分は、遮蔽壁面に対
して垂直に切断されている例を示している。
前記の構造においては、遮蔽壁10の外面に突出する部
分は補償遮蔽体の性能を有するダクト管のみで、遮蔽壁
10の厚さは一定にできるために、遮蔽壁10の外面を凹凸
の無い平面状に仕上げることができるようになり、遮蔽
壁10に隣接させて各種機器を設置し易くなって遮蔽壁10
の美観も従来より向上する特長がある。また、前記構造
の遮蔽壁10を構築するには、補償遮蔽体の性能を有する
ダクト管12を予めセットした後にコンクリートの打設を
行えばよいので施工も容易である。従って本願構造は、
核燃料再処理施設やホットラボ施設等に設けられる遮蔽
壁として望ましいものである。
また、このようにして補償遮蔽体の性能を有するダク
ト管12を設置した場合には、第16図に示すような施工上
の欠陥部Kが生じたとしても該欠陥部Kはダクト管12の
外側に存在することになるので、欠陥部Kを透過する放
射線は、ダクト管12を通過して減衰してダクト孔内に到
達するため、たとえ欠陥部Kが存在するような場合にあ
っても許容値をクリアしてこの部分の補修工事が必要に
なるようなことはない。 ところで以下に、本願構造の
遮蔽効果を明らかにするために行った実験について説明
する。
実験にあたって、まず、第1図に示す構造と同等の構
造を有する第3図に示すような第1遮蔽体21を作製し
た。第1遮蔽体21において、第1図に示す構成部分と同
一の部分には同一の符号を付してある。第1遮蔽体21は
直方体状の厚さ1.2m、横3m、高さ1.44mのコンクリート
ブロックであり、ダクト孔11の直径は3.492cm(ダクト
管12の厚さは7.54mm)と6.16cm(ダクト管12の厚さは1
3.2mm)の2種類で、ダクト孔11の中心軸線tは所定角
度θ(θは15゜と30゜の2種類)に設定している。
更に、第3図に示す遮蔽体と同一寸法で、補償遮蔽体
の性能を有するダクト管12を省略した第4図に示す第2
遮蔽体22(ダクト孔11の直径は5.08cmと8.91cmの2種
類)と、この遮蔽体22と同一寸法でダクト孔11を省略し
た第5図に示す第3遮蔽体23を各々作製して前記第1遮
蔽体21とともに実験に使用した。
実験は、原子炉の実験孔から放射されたγ線の平行ビ
ームを第1遮蔽体、第2遮蔽体、第3遮蔽体に各々垂直
入射させ、遮蔽壁の外面から40cm離れた各地点(第3図
ないし第5図に×印で示す点)における線量率を測定し
た。そして、ダクト孔のない第3遮蔽体23での線量率を
基準値として、前記第1遮蔽体21で得られた各点での線
量率と第3遮蔽体23の各点の線量率との比を算出し、そ
の結果を第6図ないし第9図に示す。また、ダクト管12
を省略した第2遮蔽体22で得られた各点の線量率とダク
ト孔10を省略した第3遮蔽体23の各点の線量率(基準
値)との比を算出し、その結果を第10図と第11図に示
す。
第6図ないし第11図により、ダクト管12を省略したダ
クト孔を有する第2遮蔽体での線量率はダクト孔のない
第3遮蔽体での線量率に比べて高いが、補償遮蔽体の性
能を有するダクト管12を用いた第1遮蔽体の線量率はダ
クト孔のない第3遮蔽体の線量率以下にできることが判
明し、本願構造の効果が明らかになった。
「発明の効果」 以上説明したように本発明は、ダクト孔の中心軸線を
放射線遮蔽壁面に対して傾斜させてダクト孔を形成した
コンクリート製の遮蔽壁において、コンクリートより放
射線の遮蔽性能の優れた材料からなる補償遮蔽体をダク
ト孔の管として設けたものであるため、コンクリート部
分に加えてダクト管が放射線を減衰させ、ダクト孔によ
る遮蔽性能の低下を補償する。従って遮蔽壁の外部に特
別な遮蔽部材を設けることなく放射線の遮蔽ができるた
めに、遮蔽壁の厚さを増加させることなく放射線を十分
に減衰できる効果がある。また、前記補償遮蔽体はダク
ト管であり、この中を通常は配管が挿入される。したが
って、遮蔽壁近傍での各種機器の設置が容易にできると
ともに、ダクトの形状や遮蔽壁の壁面の形状を変えるこ
ともなく、単純な構造で遮蔽性能を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は本発明の一実施例を示すもので、第1
図は断面図、第2図は第1図のII−II面における断面
図、第3図は本発明の一実施例の遮蔽効果を示すために
実施した実験を説明するための配置図、第4図はダクト
管のないダクト孔を形成した遮蔽壁の遮蔽効果を示すた
めに実施した実験を説明するための配置図、第5図はダ
クト孔のない遮蔽壁の遮蔽効果を示すために実施した実
験を説明するための配置図、第6図ないし第11図は本発
明の一実施例の遮蔽効果を示すために行った実験結果を
示すもので、第6図と第7図はダクト孔の中心軸線と放
射線遮蔽壁の法線とのなす角度θが15゜の場合の、補償
遮蔽体の性能を有するダクト管のあるダクト孔での実験
結果を示す図で、第6図はダクト孔の直径が3.492cm
(管の厚さ7.54mm)、第7図はダクト孔の直径が6.16cm
(管の厚さ13.2mm)の場合を示す図、第8図と第9図は
角度θが30゜の場合の補償遮蔽体の性能を有するダクト
管のあるダクト孔での実験結果を示す図で、第8図はダ
クト孔の直径が3.492cm(管の厚さ7.54mm)、第9図は
ダクト孔の直径が6.16cm(管の厚さ13.2mm)の場合を示
す図、第10図と第11図は角度θが15゜の場合のダクト管
のないダクト孔での実験結果を示す図で、第10図はダク
ト孔の直径が5.08cm、第12図はダクト孔の直径が8.91cm
の場合を示す図、第12図は従来構造の一例を示す断面
図、第13図は従来構造の他の例を示す断面図、第14図は
放射線遮蔽壁に対して斜めに貫通しているダクト孔の構
造の例を示す断面図、第15図は遮蔽壁に対して斜めに入
射する放射線に対するダクト孔周囲の構造の例を示す断
面図、第16図はダクト孔下面に空洞が生じた場合の説明
図である。 10……放射線遮蔽壁、11……ダクト孔 12……補償遮蔽体の性能を有するダクト管

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート製の放射線遮蔽壁に対して傾
    斜する中心軸線を有する直線的なダクト孔において、コ
    ンクリートより遮蔽性能の優れた材料からなる補償遮蔽
    体をダクト孔の管として放射線遮蔽壁内に組み込み、さ
    らに、この管をダクト孔の両開口部に突出させて、ダク
    ト孔による放射線遮蔽壁の遮蔽性能の低下を補償してい
    ることを特徴とする放射線遮蔽壁における傾斜したダク
    ト孔周囲の構造
JP63012648A 1988-01-25 1988-01-25 放射線遮蔽壁における傾斜したダクト孔周囲の構造 Expired - Lifetime JP2600074B2 (ja)

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JPS58204394A (ja) * 1982-05-22 1983-11-29 東芝プラント建設株式会社 放射線源を有する建屋の貫通部構造

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