JP2599961Y2 - 防塵手段を備えた記録装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は筐体内に記録再生ドライ
ブを収納した記録装置における防塵機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば光磁気ディスク装置等の記録装置
や光磁気ディスクは、熱あるいは塵や埃によりその特性
が劣化してしまうことが知られている。光磁気ディスク
装置のように集中度の高い回路を基板上に搭載する装置
においては、動作中に熱を多く発生するため、装置外よ
り外気を導入し装置内を冷却することによって回路の安
定動作を保ち、同時にディスクの記録特性の劣化を防い
でいる。装置外から外気を導入するためには一般にファ
ンが用いられ、ファンにより外気を吸入し、装置の筐体
に設けられた排気孔より取り入れた空気を排出する方法
がとられていた。この際ファン近傍にはフィルタが設け
られ、外気と同時に侵入してくる塵、あるいは埃を防い
でいる。

【０００３】しかしながらこの方法によれば外気と同時
に装置内に侵入しようとする塵、あるいは埃によってフ
ィルタが目詰まりを起こすため、これを定期的に交換し
なければならず、結果的に需要者に金銭的、時間的に多
大な負担を強いることになる。

【０００５】そこで同一出願人は実願平５ー９５９３号
において、吸気孔から外気を導入し、ファンによって空
気を排出する方法を提案した。この際外気と同時に侵入
してくる塵、あるいは埃は基板上に設けられたフィルタ
によってドライブ内への侵入を防がれる。

【０００６】図２は、同出願にて提案の装置の概略を示
している。１はディスクドライブ装置で本実施例では光
磁気ディスクに対して書き込み、読み出しが可能であ
る。上部にコントローラ等を有した基板１８が取り付け
られており、冷却風を送るべき部分である。１１はディ
スクドライブユニットの本体で、１５はディスクドライ
ブカートッジ２の挿入口である。１２は筐体で吸気口１
６及び排気口１７を備えている。１８は基板であって、
各部の駆動、制御、記録再生等の種々の回路が搭載され
ている。１９は防塵フィルタで、基板１８上にあって略
基板１８の全面を覆うようにして配設されている。２３
はシールド板で、電磁的、あるいは電波的な影響を外部
に与えないための公知の手段である。２４はファンであ
って、詳細に示さないモータ、回転軸などを備えてい
る。２５は電源である。

【０００７】ファンの作動により吸入孔から吸入された
外気は、筐体１２と基板１８の間を通って排気孔より排
出される。空気は狭い通路を通ることにより流速が加速
され、この加速された空気が基板上の熱を吸収する。こ
のとき万が一ディスクドライブユニット１１内へ空気が
入り込んでも、外気とともに吸入された塵や埃は基板上
に配設された防塵フィルタ１９によって透過されるので
基板やドライブ装置内に到達することはない。

【０００８】しかしながら、ファンの空気の排出量に対
し、筐体１２とフィルタ１９の間を流れる空気量が小さ
いと装置内の吸気孔付近に負圧が発生する。この負圧は
ベゼルと扉の隙間から外気を吸入し、外気はドライブ内
を通って負圧部分に達し更に排出孔から装置外へと排出
される。この時外気とともに吸入された塵や埃はドライ
ブ装置内あるいはドライブ装置上面に配設された基板に
堆積する。この結果、記録装置の記録媒体への書き込
み、読み取り特性が劣化することとなる。

【０００９】またベゼルと扉の間から外気の侵入を防ぐ
ためにベゼルと扉の隙間をなくすことは、機構部材の反
りなどの問題で困難である。いっぽう扉を二重にして２
枚の扉を機械的にずらして作動させることによって記録
装置内の密閉を常に保つ方法も考えられるが、部品点数
の増加や高い機構精度を必要とすることとなり、装置の
大型化や製造費の上昇といった新たな問題が生じること
となる。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】本願の目的とするとこ
ろは、同出願において提案の装置における長所について
はそれを妨げることなく、更に新たに見られた不都合点
を解消することにより、さらなる防塵効果の高い記録装
置を得ることにある。

【００１１】

【問題点を解決する手段】上記の課題は吸入孔近傍の負
圧が発生する場所と扉とベゼルの間の外気が侵入する部
位の間に遮蔽板を設けた記録装置とすることにより達成
される。

【００１２】

【考案の作用】遮蔽板を配設することによって、ベゼル
と扉の隙間から負圧発生部位への外気の流れを遮断し同
時に塵や埃等が装置内へ侵入するのを防ぐが、冷却性能
には影響を及ぼすことなく、また記録媒体への書き込
み、読み出し特性が劣化することもない。

【００１３】

【実施例】以下、本考案を光磁気ディスクドライブに適
用した実施例を図１および図３を参照して説明する。符
号は先に説明した従来例と同部材には同一符号を付して
理解の助けとしている。

【００１４】１はディスクドライブ装置で本実施例では
光磁気ディスクに対して書き込み、読み出しが可能であ
る。上部にコントローラ等を有した基板１８が取り付け
られており、冷却風を送るべき部分である。１１はディ
スクドライブユニットの本体で、１５はディスクドライ
ブカートッジ２の挿入口である。１２は筐体で吸気口１
６及び排気口１７を備えている。１８は基板であって、
各部の駆動、制御、記録再生等の種々の回路が搭載され
ている。１９は防塵フィルタで、基板１８上にあって略
基板１８の全面を覆うようにして配設されている。２０
は遮蔽板であって、吸気口１６の近傍で発生する負圧が
ヘゼルと扉の間から外気を吸い込むことを防いでいる。
２３はシールド板で、電磁的、あるいは電波的な影響を
外部に与えないための公知の手段である。２４はファン
であって、詳細に示さないモータ、回転軸などを備えて
いる。２５は電源である。本考案の実施例を備えた装置
は上述のように構成されている。

【００１５】以下、本考案の実施例の動作について説明
する。ディスクドライブ装置１に電源が投入されると、
ディスクドライブ装置１の外面に使用者に対して動作確
認標示がなされ、同時にファン２４は動作を開始する。
操作者の手によりディスクドライブ装置１の外部よりデ
ィスクドライブカートリッジ２が挿入口１５を通してデ
ィスクドライブユニット１１へと装着される。ディスク
ドライブカートリッジ２はシャッタを備えていて、装着
されると記録用開口を開放してディスク面が記録ヘッド
に臨ませるようにし、また排出されると再び開口を閉じ
るようになされている。装着されたディスクドライブカ
ートリッジ２は同時にディスクドライブユニット１１内
のスピンドルモータに掟着もしくは磁気吸着されること
により回転可能な状態となる。ディスクドライブ装置１
は、電源が投入されることで電源２５はＡＣ／ＤＣ電圧
変換を行うために内包されたコイル等が熱を帯びてく
る。同時に基板１８上に搭載されている各種の回路にも
通電され機能を開始すると、コイルと同様に熱を発しは
じめる。また記録再生時には記録ヘッドを所定のトラッ
キング動作させるためにステップモータ、リニアボイス
コイルモータ等の電磁アクチュエータが動作し、さらに
光磁気記録であるため所定のバイアス磁界を発生するた
めのコイルへの通電あるいは永久磁石を用いた装置であ
っても、これを駆動する電磁アクチュータ等が必要に応
じて動作するが、これらはいずれも熱の発生源となる。

【００１６】ファン２４の作動により、空気の移動が始
まる。基板１８の上部に防塵フィルタ１９を配されたド
ライブユニット１１の上部を通過する導入外気と基板か
ら発生した熱との交換が行われる。導入外気は防塵フィ
ルタ１９上部と筐体天部（シールド板２３下面）との間
の狭い経路を通るため、流速が加速され、この加速され
た空気がさらに防塵フィルタ１９内の基板上の空気の熱
を吸収しながらファン２４の方向へ流れる。空気の流路
を妨げる位置に防塵フィルタ１９は配されていないの
で、ファン２４は抵抗を受けることなく冷却性能が充分
に発せられる。

【００１７】またこのとき遮蔽板２０を配設することに
よってベゼルと扉の隙間から負圧発生部位への外気の流
れが遮断されるので、負圧によって塵や埃等が装置内へ
侵入することがない。

【００１８】図４はフィルタ手段の他の実施例を示して
いて、遮蔽板とフィルタ取付枠とを一体に形成すること
としている。

【００１９】

【考案の効果】上述したように、本願によればエアフィ
ルタを通らずにドライブ内に入り込む空気を減少させる
ので、ドライブ内に塵、埃が堆積することなく、本来の
書き込み、読み出し機能が低下することはない。これに
より、先に同一出願人の提案した技術の記録装置の持つ
長所に何らの弊害をもたらすことなく、更なる防塵効果
を得ることのできる防塵手段を備えた記録装置を得るこ
とができる。

【００２０】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例を示した側断面図である。

【図２】 従来例で、概略の配置を示した側断面図であ
る。

【図３】 本考案の実施例で、フィルタユニットを詳細
に示した図である。

【図４】 遮蔽板とフィルタ取付枠を一体にした、実施
例の応用例である。

【符号の説明】

１ ディスクドライブ装置 ２ ディスクドライブカートリッジ １１ ディスクドライブユニット １２ 筐体 １３ ベゼル １４ 扉 １５ 挿入口 １６ 吸気口 １７ 排気口 １８ 基板 １９ 防塵フィルタ ２０ 遮蔽板 ２１ フィルタ取付枠 ２２ フィルタユニット ２３ シールド板 ２４ ファン ２５ 電源

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吸気孔と、 熱交換のための空気の取入口を有する記録・再生ドライ
   ブと、 前記記録・再生ドライブを収納する筐体と、 前記筐体を冷却するためのモータファンと、 カートリッジ先端を利用してドアを開閉できるドアと、 前記記録・再生ドライブの空気の取入口がある面に設け
   られた、防塵のためのエアフィルタと、 前記エアフィルタが設けられている面と同じ面であっ
   て、前記ドアの近傍に設 けられた、空気が流入することを防ぐ遮蔽板、とを有し
   ている防塵手段を備えた記録装置。