JP2599258B2 - ガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリン生産性ヒト/ヒトハイブリドーマ - Google Patents
ガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリン生産性ヒト/ヒトハイブリドーマInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫グロブリン生
産能を有するヒトB−セル免疫とグロブリン生産能を実
質的に欠損しているヒトB−セルとの新しいタイプのヒ
ト/ヒト融合細胞クローン、それらが生産した抗原特異
的ヒト免疫グロブリン、更には該ヒト免疫グロブリンの
製法に関する。
産能を有するヒトB−セル免疫とグロブリン生産能を実
質的に欠損しているヒトB−セルとの新しいタイプのヒ
ト/ヒト融合細胞クローン、それらが生産した抗原特異
的ヒト免疫グロブリン、更には該ヒト免疫グロブリンの
製法に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明はヒト大腸癌患者の
ヒトB−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローンと
のヒト/ヒト融合細胞株であつて抗原特異的ヒト免疫グ
ロブリン生産能を有するヒト/ヒトハイブリドーマに関
する。本発明はまた、該ヒト/ヒト融合細胞株が生産し
た抗原特異的ヒト免疫グロブリンにも関する。
ヒトB−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローンと
のヒト/ヒト融合細胞株であつて抗原特異的ヒト免疫グ
ロブリン生産能を有するヒト/ヒトハイブリドーマに関
する。本発明はまた、該ヒト/ヒト融合細胞株が生産し
た抗原特異的ヒト免疫グロブリンにも関する。
【0003】更に、本発明は、該ヒト/ヒト融合細胞株
を培地に培養し、その培養物より抗原特異的ヒト免疫グ
ロブリンを採取することを特徴とする抗原特異的ヒト免
疫グロブリンの製法にも関する。
を培地に培養し、その培養物より抗原特異的ヒト免疫グ
ロブリンを採取することを特徴とする抗原特異的ヒト免
疫グロブリンの製法にも関する。
【0004】該抗原特異的免疫グロブリンは、例えばヒ
ト結腸癌、肺癌、胃癌などの予防、治療、診断の如き医
学及び薬学分野、生化学的試薬、生体高分子の精製試薬
などの薬理学分野、さらには、癌抗原の精製などの生化
学的分野の研究等の広い分野において有用である。
ト結腸癌、肺癌、胃癌などの予防、治療、診断の如き医
学及び薬学分野、生化学的試薬、生体高分子の精製試薬
などの薬理学分野、さらには、癌抗原の精製などの生化
学的分野の研究等の広い分野において有用である。
【0005】
【従来の技術】従来、癌その他の抗原によつて感作され
たマウスB−セルと骨髄性白血病(myeloma)マウスから
のマウスB−セルとの融合細胞をマウス体外で形成し、
上記抗原に対するマウス免疫グロブリン生産能を有し、
且つ自己増殖性を有するマウス/マウス融合細胞を形成
した報告は知られている[例えば、ケーラ・ジー、ミル
スタイン・シー、ネイチヤ“(Koehler G.,Milstein
C.,Nature),256,495(1975);デイポール
ド・イー・ジー,ロイド・ケー・オー,リー・エル・テイ
ー・シー,イケダ・エイチ,エツトゲン・エイチ・エフ,
オールド・エル・ジエイ,プロシーデイング オブ ナ
シヨナル アカデミイ オブ サイエンスオブ ザ ユ
ナイテツドステート オブ アメリカ(Dippold,E.
G.,Lloyd,K.O.,Li,L.T.C.,Ikeda,H.,
Oettgen,H.F.& Old,L.J.,Porc.Nat.A
cad.Sci.U.S.A.),77,6114(1980);
等]。又、抗原によつて感作されたヒトB−セルと骨髄
性白血病マウスからのマウスB−セルとの融合細胞を体
外で形成し、上記抗原に対するヒト免疫グロブリン生産
能を有し且つ自己増殖性を有するヒト/マウス融合細胞
を形成した報告も知られている[例えばシユローム・ジ
エイ,ワンダーリツヒ・デイー,アンド テラモト・ワイ
・エイ プロシーデイング オブ ナシヨナル アカデ
ミイ オブ サイエンス オブ ザ ユナイテツド ス
テート オブ アメリカ(Schlom J.,Wunderrich
P.,and Teramoto Y.A.,Proc.Nat.Acad.
Sci.,U.S.A.),77(11),6841(198
0)]。
たマウスB−セルと骨髄性白血病(myeloma)マウスから
のマウスB−セルとの融合細胞をマウス体外で形成し、
上記抗原に対するマウス免疫グロブリン生産能を有し、
且つ自己増殖性を有するマウス/マウス融合細胞を形成
した報告は知られている[例えば、ケーラ・ジー、ミル
スタイン・シー、ネイチヤ“(Koehler G.,Milstein
C.,Nature),256,495(1975);デイポール
ド・イー・ジー,ロイド・ケー・オー,リー・エル・テイ
ー・シー,イケダ・エイチ,エツトゲン・エイチ・エフ,
オールド・エル・ジエイ,プロシーデイング オブ ナ
シヨナル アカデミイ オブ サイエンスオブ ザ ユ
ナイテツドステート オブ アメリカ(Dippold,E.
G.,Lloyd,K.O.,Li,L.T.C.,Ikeda,H.,
Oettgen,H.F.& Old,L.J.,Porc.Nat.A
cad.Sci.U.S.A.),77,6114(1980);
等]。又、抗原によつて感作されたヒトB−セルと骨髄
性白血病マウスからのマウスB−セルとの融合細胞を体
外で形成し、上記抗原に対するヒト免疫グロブリン生産
能を有し且つ自己増殖性を有するヒト/マウス融合細胞
を形成した報告も知られている[例えばシユローム・ジ
エイ,ワンダーリツヒ・デイー,アンド テラモト・ワイ
・エイ プロシーデイング オブ ナシヨナル アカデ
ミイ オブ サイエンス オブ ザ ユナイテツド ス
テート オブ アメリカ(Schlom J.,Wunderrich
P.,and Teramoto Y.A.,Proc.Nat.Acad.
Sci.,U.S.A.),77(11),6841(198
0)]。
【0006】しかしながら、ヒト免疫グロブリン生産能
を有する融合細胞を取得しようという上記後者の試みに
おいては、経時的に染色体欠落を伴い、前記ヒト免疫グ
ロブリン生産能が、経時的に喪失し、免疫グロブリン生
産能が極めて不安定である致命的な欠陥を有する。
を有する融合細胞を取得しようという上記後者の試みに
おいては、経時的に染色体欠落を伴い、前記ヒト免疫グ
ロブリン生産能が、経時的に喪失し、免疫グロブリン生
産能が極めて不安定である致命的な欠陥を有する。
【0007】ヒト免疫グロブリン生産能を有するヒト/
ヒト融合細胞を形成する試みとして、抗原としてハシカ
・ビールス又はハプテン(hapten)[2,4−ジニトロフエ
ニル]によつて感作されたヒトB−セルをドナーとして
使用し、これと骨髄性白血病患者からのヒト免疫グロブ
リン生産能を有するセルライン(ヒトB−セル,親株)と
の融合細胞をヒト体外で形成し、上記抗原に対するヒト
免疫グロブリン生産能を有し、且つ自己増殖性を有する
ヒト/ヒト融合細胞を形成した報告が知られている[例
えば、クロツチエ・シー・エム,ライネンバツハ・エイ,
ホール・ダブリユ,ステプレスキー・ゼツト,コプロウス
キー・エイチ,ネイチヤー(Croce,C.M.,Linnenbac
h,A.,Hall,W.,Steplowski,Z & Koprowski,
H.,Nature,288,488(1980);オルソン・エ
ル,カプラン・エイチ・エス,プロシーデイング オブ
ナシヨナル アカデミイ オブ サイエンス オブ ザ
ユナイテツド ステート オブ アメリカ(Olsson,L
& Kaplan,H.S.,Proc.Nat.Acad.Sci.
U.S.A.),7(9),5429(1980);等]。
ヒト融合細胞を形成する試みとして、抗原としてハシカ
・ビールス又はハプテン(hapten)[2,4−ジニトロフエ
ニル]によつて感作されたヒトB−セルをドナーとして
使用し、これと骨髄性白血病患者からのヒト免疫グロブ
リン生産能を有するセルライン(ヒトB−セル,親株)と
の融合細胞をヒト体外で形成し、上記抗原に対するヒト
免疫グロブリン生産能を有し、且つ自己増殖性を有する
ヒト/ヒト融合細胞を形成した報告が知られている[例
えば、クロツチエ・シー・エム,ライネンバツハ・エイ,
ホール・ダブリユ,ステプレスキー・ゼツト,コプロウス
キー・エイチ,ネイチヤー(Croce,C.M.,Linnenbac
h,A.,Hall,W.,Steplowski,Z & Koprowski,
H.,Nature,288,488(1980);オルソン・エ
ル,カプラン・エイチ・エス,プロシーデイング オブ
ナシヨナル アカデミイ オブ サイエンス オブ ザ
ユナイテツド ステート オブ アメリカ(Olsson,L
& Kaplan,H.S.,Proc.Nat.Acad.Sci.
U.S.A.),7(9),5429(1980);等]。
【0008】しかしながら、上述の方法はマウス/マウ
スでは、マウスの免疫グロブリンを作製する方法であ
り、マウス/ヒトハイブリドーマでは、マウス由来の生
産物が細胞培養中に生成されることは避けられない。ヒ
ト染色体の欠失に伴うヒト免疫グロブリン生産の消失が
起こる場合もある。そこでヒト/ヒト融合細胞から採取
されるヒト型免疫グロブリンの生産が望まれる理由であ
る。しかしながら、上記のヒト/ヒトハイブリドーマか
ら生産されるヒト免疫グロブリンの報告は癌細胞に対す
る結合性についてはなんら実証例を提示していない。と
くに、結腸癌、胃癌、肺癌細胞への結合性についての記
載はない。
スでは、マウスの免疫グロブリンを作製する方法であ
り、マウス/ヒトハイブリドーマでは、マウス由来の生
産物が細胞培養中に生成されることは避けられない。ヒ
ト染色体の欠失に伴うヒト免疫グロブリン生産の消失が
起こる場合もある。そこでヒト/ヒト融合細胞から採取
されるヒト型免疫グロブリンの生産が望まれる理由であ
る。しかしながら、上記のヒト/ヒトハイブリドーマか
ら生産されるヒト免疫グロブリンの報告は癌細胞に対す
る結合性についてはなんら実証例を提示していない。と
くに、結腸癌、胃癌、肺癌細胞への結合性についての記
載はない。
【0009】本発明者の一人によつて、ヒト子宮癌患者
のヒトB−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン
とのヒト/ヒト融合細胞株であつて抗原特異的ヒト免疫
グロブリン生産能を有するヒト/ヒトハイブリドーマが
創製された(特開昭59−137497号公報)。そし
て、子宮頚部偏平上皮癌細胞、該細胞由来の株化細胞H
ela及びCaskiに対し、正常繊維芽細胞(WI−38)に
対する結合力に比してより強い結合力を示したことが報
告された。しかしながら、ヒト肺癌、胃癌、結腸癌細胞
などへの結合性に関しては言及していない。
のヒトB−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン
とのヒト/ヒト融合細胞株であつて抗原特異的ヒト免疫
グロブリン生産能を有するヒト/ヒトハイブリドーマが
創製された(特開昭59−137497号公報)。そし
て、子宮頚部偏平上皮癌細胞、該細胞由来の株化細胞H
ela及びCaskiに対し、正常繊維芽細胞(WI−38)に
対する結合力に比してより強い結合力を示したことが報
告された。しかしながら、ヒト肺癌、胃癌、結腸癌細胞
などへの結合性に関しては言及していない。
【0010】更に、Cote et.al.,Proc.Nat.Ac
ad.Sci.USA,Val.80,pp2026−2030
(1983)には、ヒト癌患者のヒトB−セルとヒトリン
パ芽球細胞株とのヒト/ヒト融合細胞株及び該株の生産
するヒト免疫グロブリンに関して報告されている。この
報告によれば、ヒトリンパ芽球細胞株としてLICR−
2もしくはSKO−007を用い、ヒト乳癌患者、ヒト
肺癌患者及びヒト腎癌患者のヒトB−セルとのヒト/ヒ
ト融合細胞株の形成及び形成された融合細胞株の中には
IgAを産生するものもあることが示されている。しか
しながら、この報告にはヒト大腸癌患者のヒトB−セル
とヒトリンパ芽球細胞株のサブクローンとのヒト/ヒト
融合細胞株は、全く示されていない。更に、癌細胞との
結合性について具体的に示された例では、ヒト結腸癌由
来の株化細胞SW−1083、−1116、−122
2、HT−29に対しては結合性がない(nonreactive)
ことが示されている。
ad.Sci.USA,Val.80,pp2026−2030
(1983)には、ヒト癌患者のヒトB−セルとヒトリン
パ芽球細胞株とのヒト/ヒト融合細胞株及び該株の生産
するヒト免疫グロブリンに関して報告されている。この
報告によれば、ヒトリンパ芽球細胞株としてLICR−
2もしくはSKO−007を用い、ヒト乳癌患者、ヒト
肺癌患者及びヒト腎癌患者のヒトB−セルとのヒト/ヒ
ト融合細胞株の形成及び形成された融合細胞株の中には
IgAを産生するものもあることが示されている。しか
しながら、この報告にはヒト大腸癌患者のヒトB−セル
とヒトリンパ芽球細胞株のサブクローンとのヒト/ヒト
融合細胞株は、全く示されていない。更に、癌細胞との
結合性について具体的に示された例では、ヒト結腸癌由
来の株化細胞SW−1083、−1116、−122
2、HT−29に対しては結合性がない(nonreactive)
ことが示されている。
【0011】更にまた、特開昭61−44900号公報
には、膵臓癌、大腸癌及び肝臓癌関連抗原に対して特異
的に反応するモノクローナル抗体に関して記載され、そ
れを生産する融合細胞は、抗体産生細胞と骨髄細胞の融
合によつて得られるが、それらは同種動物由来のもので
あることが好ましいと記載している。しかしながら、こ
の提案において具体的に開示されているのはマウス/マ
ウス融合細胞株のみである。
には、膵臓癌、大腸癌及び肝臓癌関連抗原に対して特異
的に反応するモノクローナル抗体に関して記載され、そ
れを生産する融合細胞は、抗体産生細胞と骨髄細胞の融
合によつて得られるが、それらは同種動物由来のもので
あることが好ましいと記載している。しかしながら、こ
の提案において具体的に開示されているのはマウス/マ
ウス融合細胞株のみである。
【0012】
【発明の開示】本発明者等は、ヒト/ヒトハイブリドー
マの創製研究を行ってきた。その結果、ヒト大腸癌患者
のヒトB−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン
とのヒト/ヒト融合細胞株であつて、抗原特異的ヒト免
疫グロブリン生産能を有するヒト/ヒトハイブリドーマ
の創製に成功した。
マの創製研究を行ってきた。その結果、ヒト大腸癌患者
のヒトB−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン
とのヒト/ヒト融合細胞株であつて、抗原特異的ヒト免
疫グロブリン生産能を有するヒト/ヒトハイブリドーマ
の創製に成功した。
【0013】更に、本発明のヒト/ヒトハイブリドーマ
が生産する免疫グロブリンは大腸癌とくには結腸癌のみ
ならず、その発生の起源の異なる肺癌細胞に対しても結
合力を有し、たとえばヒト株化細胞A549(肺癌)に対
して結合力を有することがわかつた。
が生産する免疫グロブリンは大腸癌とくには結腸癌のみ
ならず、その発生の起源の異なる肺癌細胞に対しても結
合力を有し、たとえばヒト株化細胞A549(肺癌)に対
して結合力を有することがわかつた。
【0014】本発明の該ヒト/ヒトハイブリドーマは、
ヒト大腸癌患者のヒトB−セルの免疫学的形質を有し且
つそのような形質を安定に持続し得ること、及び該ヒト
/ヒトハイブリドーマは、ヒト免疫グロブリンA(Ig
A)生産能を有し且つ生産されたこれら抗体はヒト肺癌
細胞、胃癌細胞、結腸癌細胞に結合性を示す抗原特異的
モノクローナル抗体であることを発見し且つそのような
抗原特異的ヒト免疫グロブリンの製造に成功した。
ヒト大腸癌患者のヒトB−セルの免疫学的形質を有し且
つそのような形質を安定に持続し得ること、及び該ヒト
/ヒトハイブリドーマは、ヒト免疫グロブリンA(Ig
A)生産能を有し且つ生産されたこれら抗体はヒト肺癌
細胞、胃癌細胞、結腸癌細胞に結合性を示す抗原特異的
モノクローナル抗体であることを発見し且つそのような
抗原特異的ヒト免疫グロブリンの製造に成功した。
【0015】また更に、上記の新しいタイプのヒト/ヒ
トハイブリドーマは、ヒト大腸癌患者のヒトB−セルを
含有するヒト細胞群とヒトリンパ芽球細胞株のサブクロ
ーン[ヒトB−セル]を含有するヒト細胞群とを、人間体
外で融合してヒトB−セルとヒトB−セルとの融合細胞
を産生し、常法のHAT培地中で培養して融合細胞クロ
ーンを取得することにより産生できることを発見し且つ
そのような手法で上記ヒト/ヒトハイブリドーマ(たと
えば、CoLNE10やTOCo/A1)を創製すること
に成功した。
トハイブリドーマは、ヒト大腸癌患者のヒトB−セルを
含有するヒト細胞群とヒトリンパ芽球細胞株のサブクロ
ーン[ヒトB−セル]を含有するヒト細胞群とを、人間体
外で融合してヒトB−セルとヒトB−セルとの融合細胞
を産生し、常法のHAT培地中で培養して融合細胞クロ
ーンを取得することにより産生できることを発見し且つ
そのような手法で上記ヒト/ヒトハイブリドーマ(たと
えば、CoLNE10やTOCo/A1)を創製すること
に成功した。
【0016】従つて、本発明の目的は、ヒト大腸癌患者
のヒトB−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン
[ヒトB−セル]とのヒト/ヒト融合細胞株であつて、抗
原特異的ヒト免疫グロブリン生産能を有するヒト/ヒト
ハイブリドーマを提供するにある。
のヒトB−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン
[ヒトB−セル]とのヒト/ヒト融合細胞株であつて、抗
原特異的ヒト免疫グロブリン生産能を有するヒト/ヒト
ハイブリドーマを提供するにある。
【0017】本発明の他の目的は、上記ヒト/ヒトハイ
ブリドーマを用いて、ヒト結腸癌細胞、肺癌細胞、胃癌
細胞などに結合性を示す癌関連抗原特異的ヒト免疫グロ
ブリン(モノクローナル抗体)を製造する方法及び該ヒト
免疫グロブリンを提供するにある。
ブリドーマを用いて、ヒト結腸癌細胞、肺癌細胞、胃癌
細胞などに結合性を示す癌関連抗原特異的ヒト免疫グロ
ブリン(モノクローナル抗体)を製造する方法及び該ヒト
免疫グロブリンを提供するにある。
【0018】本発明の上記目的及び更に多くの目的なら
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるであろ
う。
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるであろ
う。
【0019】本発明のヒト/ヒトハイブリドーマは、ヒ
ト大腸癌患者のヒトB−セル、たとえば該患者の血中リ
ンパ節、脾臓、骨髄などから得ることのできるヒトB−
セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン[ヒトB−
セル]、たとえばUC729−6株(ATCC CRL8
061:微工研寄託拒否通知書通知番号、57微寄文第
664号)やHIH/TO1株(微工研受託番号:FER
M BP−1884)などとのヒト/ヒト融合細胞株で
あつて、ヒト結腸癌細胞、肺癌細胞、胃癌細胞などに結
合性を示す抗原特異的ヒト免疫グロブリン生産能(モノ
クローナル抗体生産能)を有する。
ト大腸癌患者のヒトB−セル、たとえば該患者の血中リ
ンパ節、脾臓、骨髄などから得ることのできるヒトB−
セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン[ヒトB−
セル]、たとえばUC729−6株(ATCC CRL8
061:微工研寄託拒否通知書通知番号、57微寄文第
664号)やHIH/TO1株(微工研受託番号:FER
M BP−1884)などとのヒト/ヒト融合細胞株で
あつて、ヒト結腸癌細胞、肺癌細胞、胃癌細胞などに結
合性を示す抗原特異的ヒト免疫グロブリン生産能(モノ
クローナル抗体生産能)を有する。
【0020】本発明者等の研究により、ヒト大腸癌患者
のヒトB−セルを用い、これを免疫グロブリン生産能を
実質的に欠損しているヒトリンパ芽球細胞株のサブクロ
ーン[ヒトB−セル]と人間の体外で融合させ、大腸癌、
胃癌、肺癌などの癌関連抗原に特異的に結合するヒト免
疫グロブリン生産能を有するヒト/ヒトハイブリドーマ
が初めて産生された。
のヒトB−セルを用い、これを免疫グロブリン生産能を
実質的に欠損しているヒトリンパ芽球細胞株のサブクロ
ーン[ヒトB−セル]と人間の体外で融合させ、大腸癌、
胃癌、肺癌などの癌関連抗原に特異的に結合するヒト免
疫グロブリン生産能を有するヒト/ヒトハイブリドーマ
が初めて産生された。
【0021】この融合細胞を産生する融合操作それ自体
は、公知の如何なる方法で行ってもよい。例えば、融合
操作は液媒中で融合促進剤の存在下に、ヒト大腸癌患者
のヒトB−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン
[ヒトB−セル]とを接触させることにより行うことがで
きる。このような融合方法の例としては、仙台ビールス
(HVJ)、ポリエチレングリコールなどの融合促進剤を
用いる方法や高電圧で電気的に融合する方法などを例示
することができる。
は、公知の如何なる方法で行ってもよい。例えば、融合
操作は液媒中で融合促進剤の存在下に、ヒト大腸癌患者
のヒトB−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン
[ヒトB−セル]とを接触させることにより行うことがで
きる。このような融合方法の例としては、仙台ビールス
(HVJ)、ポリエチレングリコールなどの融合促進剤を
用いる方法や高電圧で電気的に融合する方法などを例示
することができる。
【0022】例えば、水性媒体中、上記例示の如き融合
促進剤の存在下、所望によりおだやかな撹拌を加えて系
を均一にし、次いで、前記ヒトB−セルの1個と前記サ
ブクローン(ヒトB−セル)の1個から成る融合細胞が産
生される時間、たとえば数分間のオーダーで静置するこ
とにより、所望の融合細胞が産生できる。液媒の例とし
ては、水、生理食塩水、5%ジメチルスルホキシド水溶
液、5%グリセロール水溶液などを例示することができ
る。
促進剤の存在下、所望によりおだやかな撹拌を加えて系
を均一にし、次いで、前記ヒトB−セルの1個と前記サ
ブクローン(ヒトB−セル)の1個から成る融合細胞が産
生される時間、たとえば数分間のオーダーで静置するこ
とにより、所望の融合細胞が産生できる。液媒の例とし
ては、水、生理食塩水、5%ジメチルスルホキシド水溶
液、5%グリセロール水溶液などを例示することができ
る。
【0023】所望の融合細胞が産生された系を、例え
ば、遠心分離して細胞群を採取し、再び適当な培地に、
たとえば10%仔牛もしくは牛胎児血清含有RPMI−
1640液体培地中にHAT試薬を加えた培地に、採取
した該細胞群を分散させ、この分散液を例えばマイクロ
・タイター・プレートの穴に、夫々、一定量づつ分取注
入し、例えば、5%CO2の存在下、37℃で培養を行う
ことができる。上記RPMI−1640培地に代えて、
RPMI−1640:DME:F−12=2:1:1の混合
培地(RDF)を利用することもできる。各穴中の培養液
を例えば3日毎に新しい培養液と取りかえ、例えば2週
間培養を続けたのち、顕微鏡下で融合細胞の有無を調
べ、コロニーの認められた試料の培養液を採取し、ヒト
免疫グロブリンの有無を例えば125Iを用いたラジオ・
イムノ・アツセイや酵素抗体法により検出することがで
きる。
ば、遠心分離して細胞群を採取し、再び適当な培地に、
たとえば10%仔牛もしくは牛胎児血清含有RPMI−
1640液体培地中にHAT試薬を加えた培地に、採取
した該細胞群を分散させ、この分散液を例えばマイクロ
・タイター・プレートの穴に、夫々、一定量づつ分取注
入し、例えば、5%CO2の存在下、37℃で培養を行う
ことができる。上記RPMI−1640培地に代えて、
RPMI−1640:DME:F−12=2:1:1の混合
培地(RDF)を利用することもできる。各穴中の培養液
を例えば3日毎に新しい培養液と取りかえ、例えば2週
間培養を続けたのち、顕微鏡下で融合細胞の有無を調
べ、コロニーの認められた試料の培養液を採取し、ヒト
免疫グロブリンの有無を例えば125Iを用いたラジオ・
イムノ・アツセイや酵素抗体法により検出することがで
きる。
【0024】このようにして、ヒト免疫グロブリンの生
産の認められたコロニーを、新しい培養液に移して培養
し、融合細胞を増殖させることにより融合細胞クローン
を取得することができる。更に、必要に応じてサブ・ク
ローニングして、所望のヒト大腸癌、胃癌、肺癌などの
癌関連抗原に特異的に結合するヒト免疫グロブリン生産
性クローンを得ることができる。
産の認められたコロニーを、新しい培養液に移して培養
し、融合細胞を増殖させることにより融合細胞クローン
を取得することができる。更に、必要に応じてサブ・ク
ローニングして、所望のヒト大腸癌、胃癌、肺癌などの
癌関連抗原に特異的に結合するヒト免疫グロブリン生産
性クローンを得ることができる。
【0025】この態様の実施に際しては例えば下記文献
により公知の手法を利用することができる[グラツシイ
・エム・シー,ハンドレイ・エイチ・エイチ,ハギワラ・
エイチ,アンド ロイストン・アイ,プロシーデイング
オブ ナシヨナル アカデミイ オブ サイエンス オ
ブ ザ ユナイテツド ステート オブ アメリカ(Gl
assy,M.C.,Handley,H.H.,Hagiwara,H.,and
Royston,I.,Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.
A.),80,6327,(1983)]。
により公知の手法を利用することができる[グラツシイ
・エム・シー,ハンドレイ・エイチ・エイチ,ハギワラ・
エイチ,アンド ロイストン・アイ,プロシーデイング
オブ ナシヨナル アカデミイ オブ サイエンス オ
ブ ザ ユナイテツド ステート オブ アメリカ(Gl
assy,M.C.,Handley,H.H.,Hagiwara,H.,and
Royston,I.,Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.
A.),80,6327,(1983)]。
【0026】たとえば、上記文献に記載の手法を利用し
て健康なヒト脾臓からバイオプシー(Biopsy)により、
リンパ芽球、骨髄性白血病患者のリンパ球などの如きリ
ンパ系細胞をとり、その中の免疫グロブリン生産能を実
質的に有しないBセルリンパ球を選別分離し、たとえば
6−チオグアニン耐性でHAT培地中では死滅する感受
性を有するヒトB−セルを得ることができる。例えば後
記実施例で利用したヒトBセルUC729−6は上記リ
ンパ芽球を用いて6−チオグアニン含有培地で培養して
得ることができる。
て健康なヒト脾臓からバイオプシー(Biopsy)により、
リンパ芽球、骨髄性白血病患者のリンパ球などの如きリ
ンパ系細胞をとり、その中の免疫グロブリン生産能を実
質的に有しないBセルリンパ球を選別分離し、たとえば
6−チオグアニン耐性でHAT培地中では死滅する感受
性を有するヒトB−セルを得ることができる。例えば後
記実施例で利用したヒトBセルUC729−6は上記リ
ンパ芽球を用いて6−チオグアニン含有培地で培養して
得ることができる。
【0027】前述の手法により、ヒト結腸癌患者のヒト
B−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン[ヒト
B−セル]UC729−6株(ATCC CRL806
1)[微工研寄託受託拒否通知書通知番号:57微寄文第
664号]から産生された抗原特異的免疫グロブリン生
産性ヒト/ヒトハイブリドーマ(Human Hybridoma)C
oLNE10[微工研寄託受託拒否通知書通知番号:61
微寄文第794号]及び上記UC729−6株の代り
に、HIH/TO1株[微工研受託番号:FERMBP
−1884]を融合パートナーとして得られた抗原特異
的免疫グロブリン生産性ヒト/ヒトハイブリドーマTO
Co/A1[微工研寄託拒否通知書通知番号:61微寄文
第1075号]の細胞生化学的性質を以下に示す。
B−セルとヒトリンパ芽球細胞株のサブクローン[ヒト
B−セル]UC729−6株(ATCC CRL806
1)[微工研寄託受託拒否通知書通知番号:57微寄文第
664号]から産生された抗原特異的免疫グロブリン生
産性ヒト/ヒトハイブリドーマ(Human Hybridoma)C
oLNE10[微工研寄託受託拒否通知書通知番号:61
微寄文第794号]及び上記UC729−6株の代り
に、HIH/TO1株[微工研受託番号:FERMBP
−1884]を融合パートナーとして得られた抗原特異
的免疫グロブリン生産性ヒト/ヒトハイブリドーマTO
Co/A1[微工研寄託拒否通知書通知番号:61微寄文
第1075号]の細胞生化学的性質を以下に示す。
【0028】ヒトヒトハイブリドーマCoLNE10及
びTOCo/A1 (1) ヒト免疫グロブリンA(IgA)分泌(生産)、
(2) 倍加時間(ダブリング・タイム)約20時間、
(3) DNA含量が正常ヒトリンパ球の約2倍、たと
えば1.5〜2.5倍、(4) 上記(1)のIgAはヒ
ト株化細胞CaCo−2(結腸癌)及びヒト株化細胞A54
9(肺癌)に対して結合性を示す、(5) HAT含有培
地(ヒポキサンチン、アメソプテリン、チミジン含有培
地)中で分裂増殖可能である。
びTOCo/A1 (1) ヒト免疫グロブリンA(IgA)分泌(生産)、
(2) 倍加時間(ダブリング・タイム)約20時間、
(3) DNA含量が正常ヒトリンパ球の約2倍、たと
えば1.5〜2.5倍、(4) 上記(1)のIgAはヒ
ト株化細胞CaCo−2(結腸癌)及びヒト株化細胞A54
9(肺癌)に対して結合性を示す、(5) HAT含有培
地(ヒポキサンチン、アメソプテリン、チミジン含有培
地)中で分裂増殖可能である。
【0029】更に、上記(1)のIgAはヒト株化細胞
LoVo(結腸癌由来の株化細胞;ATCC CCL22
9)に対しても結合性を示す。
LoVo(結腸癌由来の株化細胞;ATCC CCL22
9)に対しても結合性を示す。
【0030】なお、相対DNA含量(正常ヒトリンパ球
のDNA含量に対する比率)は、ハイブリドーマをプロ
ピジユウム・アイオダイドで染色したのち、flow cyto
meterで分離分析する方法によつて決定された。
のDNA含量に対する比率)は、ハイブリドーマをプロ
ピジユウム・アイオダイドで染色したのち、flow cyto
meterで分離分析する方法によつて決定された。
【0031】本発明の抗原特異的ヒト免疫グロブリン
は、ヒト大腸癌患者のヒトB−セルとヒトリンパ芽球細
胞株のサブクローン[ヒトB−セル]とのヒト/ヒト融合
細胞株であつて抗原特異的ヒト免疫グロブリン生産能を
有する細胞株を培地に培養し、その培養物より抗原特異
的ヒト免疫グロブリンを採取することにより製造でき
る。
は、ヒト大腸癌患者のヒトB−セルとヒトリンパ芽球細
胞株のサブクローン[ヒトB−セル]とのヒト/ヒト融合
細胞株であつて抗原特異的ヒト免疫グロブリン生産能を
有する細胞株を培地に培養し、その培養物より抗原特異
的ヒト免疫グロブリンを採取することにより製造でき
る。
【0032】例えば前述のようにして産生できるヒト/
ヒトハイブリドーマを適当な培地、たとえば10%仔牛
血清含有RPMI−1640培地で培養し、培養液を採
取することによりヒト大腸癌、胃癌、肺癌などのガン関
連抗原に特異的に結合する免疫グロブリン含有物質を得
ることができる。上記ヒト/ヒトハイブリドーマの培養
に際して、無血清培地を用いることもでき、得られる免
疫グロブリンの精製が容易となるので有利である。この
ような無血清培地の例として、同一出願人の出願に係わ
る特願昭60−192145号(特開昭62−5198
3号公報)に提案された無血清培地を挙げることができ
る。更に、所望により精製して精製免疫グロブリンとす
ることもできる。精製はたとえば、硫安分画法、アフイ
ニテイークロマトグラフイー、ゲル濾過、イオン交換ク
ロマトグラフイー、電気泳動法などの如き生体液から免
疫グロブリンを採取、精製する際に利用できると同様な
精製手段を適宜に利用することができる。
ヒトハイブリドーマを適当な培地、たとえば10%仔牛
血清含有RPMI−1640培地で培養し、培養液を採
取することによりヒト大腸癌、胃癌、肺癌などのガン関
連抗原に特異的に結合する免疫グロブリン含有物質を得
ることができる。上記ヒト/ヒトハイブリドーマの培養
に際して、無血清培地を用いることもでき、得られる免
疫グロブリンの精製が容易となるので有利である。この
ような無血清培地の例として、同一出願人の出願に係わ
る特願昭60−192145号(特開昭62−5198
3号公報)に提案された無血清培地を挙げることができ
る。更に、所望により精製して精製免疫グロブリンとす
ることもできる。精製はたとえば、硫安分画法、アフイ
ニテイークロマトグラフイー、ゲル濾過、イオン交換ク
ロマトグラフイー、電気泳動法などの如き生体液から免
疫グロブリンを採取、精製する際に利用できると同様な
精製手段を適宜に利用することができる。
【0033】本発明によれば、前述した融合細胞クロー
ンまたはその培養液からヒト大腸癌、胃癌、肺癌などの
ガン関連抗原に特異的に結合するヒト免疫グロブリン含
有物質又は該免疫グロブリンを取得するに際し、抗原性
組織(例えば癌組織)を一度、免疫物質生産能を欠如する
かもしくは極めて弱い生体、例えばヌード・マウス(nud
e mouse)等に植えつけ組織を維持した後、その組織に
対して或いは培養系にもどされた組織に対して反応する
ヒト免疫グロブリン(抗体)を探し出し、これを分離する
のが有利である。
ンまたはその培養液からヒト大腸癌、胃癌、肺癌などの
ガン関連抗原に特異的に結合するヒト免疫グロブリン含
有物質又は該免疫グロブリンを取得するに際し、抗原性
組織(例えば癌組織)を一度、免疫物質生産能を欠如する
かもしくは極めて弱い生体、例えばヌード・マウス(nud
e mouse)等に植えつけ組織を維持した後、その組織に
対して或いは培養系にもどされた組織に対して反応する
ヒト免疫グロブリン(抗体)を探し出し、これを分離する
のが有利である。
【0034】上記ヒト/ヒトハイブリドーマの培養に利
用できる培地の他の例としては、10%ウシ胎児血清含
有RPMI−1640培地、Dulbeco培地及びHAM培
地の三者混合培地(混合比2:1:1)であるRDF培地、
及びトランスフエリン、インシユリン、亜セレン酸ナト
リウム、エタノールアミン並びにβ−メルプトエタノー
ル添加のRDF培地などを例示することができる。ま
た、培養条件としては、たとえば5%CO2の存在下、
37℃の条件を例示できる。
用できる培地の他の例としては、10%ウシ胎児血清含
有RPMI−1640培地、Dulbeco培地及びHAM培
地の三者混合培地(混合比2:1:1)であるRDF培地、
及びトランスフエリン、インシユリン、亜セレン酸ナト
リウム、エタノールアミン並びにβ−メルプトエタノー
ル添加のRDF培地などを例示することができる。ま
た、培養条件としては、たとえば5%CO2の存在下、
37℃の条件を例示できる。
【0035】上述のようにして得ることのできる本発明
のガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリンの例として、
前述したヒト/ヒトハイブリドーマCoLNE10或い
は前述したヒト/ヒトハイブリドーマTOCo/A1を
用いて得られる本発明グロブリンを例示できる。その特
性を以下に示す。ヒト/ヒトハイブリドーマCoLNE
10或いはヒト/ヒトハイブリドーマTOCo/A1が
生産するガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリン: (イ) ヒト免疫グロブリンA(IgA)であつて、
(ロ) ヒト株化細胞CaCo−2(結腸癌)及びヒト株化
細胞A549(肺癌)に対して結合力を有する。更に、ヒ
ト株化細胞LoVo(結腸癌)及びKATO−III(胃癌)な
どに対しても結合力を示す、(ハ) 分子量約6万のH
鎖(heavy chain)、分子量約2万のL鎖(light chain)
及び分子量約1.5万のJ鎖(J chain)のサブユニツト
を含有する。
のガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリンの例として、
前述したヒト/ヒトハイブリドーマCoLNE10或い
は前述したヒト/ヒトハイブリドーマTOCo/A1を
用いて得られる本発明グロブリンを例示できる。その特
性を以下に示す。ヒト/ヒトハイブリドーマCoLNE
10或いはヒト/ヒトハイブリドーマTOCo/A1が
生産するガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリン: (イ) ヒト免疫グロブリンA(IgA)であつて、
(ロ) ヒト株化細胞CaCo−2(結腸癌)及びヒト株化
細胞A549(肺癌)に対して結合力を有する。更に、ヒ
ト株化細胞LoVo(結腸癌)及びKATO−III(胃癌)な
どに対しても結合力を示す、(ハ) 分子量約6万のH
鎖(heavy chain)、分子量約2万のL鎖(light chain)
及び分子量約1.5万のJ鎖(J chain)のサブユニツト
を含有する。
【0036】上記ヒト株化細胞A549(肺癌)は、AT
CCCCL185として、更に、ヒト株化細胞CaCo−
2はATCC HTB37として、ヒト株化細胞LoVo
はATCC CCL229として、ヒト株化細胞KAT
O−IIIはATCC HTB103として、ATCC(ア
メリカン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨン)から自
由に入手することができる。
CCCCL185として、更に、ヒト株化細胞CaCo−
2はATCC HTB37として、ヒト株化細胞LoVo
はATCC CCL229として、ヒト株化細胞KAT
O−IIIはATCC HTB103として、ATCC(ア
メリカン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨン)から自
由に入手することができる。
【0037】本発明の抗原特異的ヒト免疫グロブリン
は、たとえばヒト大腸癌とくには結腸癌、肺癌、胃癌の
如きヒト癌への作用抗体またはそれ自体の作用でこれら
癌細胞の増殖抑制、癌細胞の死滅を行わせたり、ヒト体
外で量産されたこれらの癌組織認識抗体に補体もしくは
T−リンパ球の助けをかりて癌細胞の増殖抑制や癌細胞
死滅のはたらきをさせたりすることができる。更にま
た、ヒト体外で量産された癌特異的抗体をキヤリアーと
して利用して例えば化学療法剤結合−ヒト・モノクロー
ナル抗体、インターフエロン結合−ヒトモノクローナル
抗体、高分子毒素結合−ヒト・モノクローナル抗体、薬
物入りリポゾーム結合−ヒト・モノクローナル抗体など
の形で癌細胞の増殖抑制や死滅のはたらきをさせたりす
るのに有用である。また、本発明で得られるヒト・モノ
クローナル抗体をキヤリアーとして利用し、これに放射
線感受性物質を結合させて患者に投与し、癌細胞に選択
的に集まる性質を利用して患部を検知し放射線療法に利
用することができる。このような癌に対する利用に際し
ては、ヒト・モノクローナル抗体として完全な抗体を用
いてもよいし、抗体を化学的な手法で特異的抗原認識部
位を含むより小さな分子に切断して用いたり、或いは、
そのような小さな分子もしくは特異的抗原認識部位のみ
を他の抗体の非特異的抗原認識部分と結合させて、より
有効性のある修飾ヒト・モノクローナル抗体を化学的手
法で創製して用いることもできる。
は、たとえばヒト大腸癌とくには結腸癌、肺癌、胃癌の
如きヒト癌への作用抗体またはそれ自体の作用でこれら
癌細胞の増殖抑制、癌細胞の死滅を行わせたり、ヒト体
外で量産されたこれらの癌組織認識抗体に補体もしくは
T−リンパ球の助けをかりて癌細胞の増殖抑制や癌細胞
死滅のはたらきをさせたりすることができる。更にま
た、ヒト体外で量産された癌特異的抗体をキヤリアーと
して利用して例えば化学療法剤結合−ヒト・モノクロー
ナル抗体、インターフエロン結合−ヒトモノクローナル
抗体、高分子毒素結合−ヒト・モノクローナル抗体、薬
物入りリポゾーム結合−ヒト・モノクローナル抗体など
の形で癌細胞の増殖抑制や死滅のはたらきをさせたりす
るのに有用である。また、本発明で得られるヒト・モノ
クローナル抗体をキヤリアーとして利用し、これに放射
線感受性物質を結合させて患者に投与し、癌細胞に選択
的に集まる性質を利用して患部を検知し放射線療法に利
用することができる。このような癌に対する利用に際し
ては、ヒト・モノクローナル抗体として完全な抗体を用
いてもよいし、抗体を化学的な手法で特異的抗原認識部
位を含むより小さな分子に切断して用いたり、或いは、
そのような小さな分子もしくは特異的抗原認識部位のみ
を他の抗体の非特異的抗原認識部分と結合させて、より
有効性のある修飾ヒト・モノクローナル抗体を化学的手
法で創製して用いることもできる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により、本発明の実施の一態様
をさらに詳しく述べる。
をさらに詳しく述べる。
【0039】実施例1 結腸癌患者から手術の際に癌組織周辺のリンパ節を入手
した。リンパ節をハサミで細かく切りきざみ内部のリン
パ球を培地RDF(RPMI1640:DME:F−12
=2:1:1)に分散させ、続いて2重のガーゼを用いて
濾過を行い脂肪層を除いた後に、濾液中の細胞(リンパ
球>80%)を遠心法によつて集める。その後、この癌
患者由来のリンパ球分画(ドナーBセル)を20%牛胎児
血清および10%ジメチルスルホオキサイド(DMSO)
を含むRDF培地中で凍結(−130℃)し、細胞融合を
行う日まで保存した。
した。リンパ節をハサミで細かく切りきざみ内部のリン
パ球を培地RDF(RPMI1640:DME:F−12
=2:1:1)に分散させ、続いて2重のガーゼを用いて
濾過を行い脂肪層を除いた後に、濾液中の細胞(リンパ
球>80%)を遠心法によつて集める。その後、この癌
患者由来のリンパ球分画(ドナーBセル)を20%牛胎児
血清および10%ジメチルスルホオキサイド(DMSO)
を含むRDF培地中で凍結(−130℃)し、細胞融合を
行う日まで保存した。
【0040】ドナーBセルと免疫ブロブリン生産能を実
質的に欠損している融合パートナー(UC729−6)の
それぞれを1.3×107及び2.3×107個混合し、3
5%ポリエチレングリコール1540を含有する水溶液
で融合を完了させた。その後、100×g、10分間の
遠心処理を行ってポリエチレングリコールを除き、10
%牛胎児血清及びヒポキサンチン、アメソプテリン、チ
ミジン(HAT)を含むRDF培地を加える。この細胞群
を含む培養液150μl(この中には1.2×105の細
胞を含む)づつを、96個の穴をもつミクロプレート3
枚の各穴に分注し、約3週間37℃、5% CO2条件
下のインキユベータで培養した。この間、HAT及び1
0%牛胎児血清を含むRDF培地を約3日に1度交換し
た。3週間培養の後、ミクロプレート3枚の288個の
穴の中に5個のハイブリドーマのサブクローンが見られ
た。このうち1個のハイブリドーマサブクローンはHA
T及び10%牛胎児血清を含むRDF培地中で更にクロ
ーン化されCoLNE10と命名された。
質的に欠損している融合パートナー(UC729−6)の
それぞれを1.3×107及び2.3×107個混合し、3
5%ポリエチレングリコール1540を含有する水溶液
で融合を完了させた。その後、100×g、10分間の
遠心処理を行ってポリエチレングリコールを除き、10
%牛胎児血清及びヒポキサンチン、アメソプテリン、チ
ミジン(HAT)を含むRDF培地を加える。この細胞群
を含む培養液150μl(この中には1.2×105の細
胞を含む)づつを、96個の穴をもつミクロプレート3
枚の各穴に分注し、約3週間37℃、5% CO2条件
下のインキユベータで培養した。この間、HAT及び1
0%牛胎児血清を含むRDF培地を約3日に1度交換し
た。3週間培養の後、ミクロプレート3枚の288個の
穴の中に5個のハイブリドーマのサブクローンが見られ
た。このうち1個のハイブリドーマサブクローンはHA
T及び10%牛胎児血清を含むRDF培地中で更にクロ
ーン化されCoLNE10と命名された。
【0041】このCoLNE10がハイブリドーマであ
ることをさらに確認するために、細胞内DNA含量を調
べた。その方法を以下に説明する。
ることをさらに確認するために、細胞内DNA含量を調
べた。その方法を以下に説明する。
【0042】遠心管の中に培養細胞液(CoLNE10)
を入れ遠心処理により、上清を除去する。70%エタノ
ール溶液で30分以上固定を行う。遠心処理により上清
を除きRNA分解酵素(RNase)溶液を加え、静かに振
盪しRNAを分解する。37℃で30分間反応させた
後、再蒸留水で2度洗浄する。プロピデイウムイオダイ
ド(PI)を加え、室温で20分間染色した後再蒸留水で
2度洗浄する。再蒸留水で希釈し、flow cytometerを
用いて分析した結果、CoLNE10にはドナーBセル
の約2倍のDNA含量が認められた。
を入れ遠心処理により、上清を除去する。70%エタノ
ール溶液で30分以上固定を行う。遠心処理により上清
を除きRNA分解酵素(RNase)溶液を加え、静かに振
盪しRNAを分解する。37℃で30分間反応させた
後、再蒸留水で2度洗浄する。プロピデイウムイオダイ
ド(PI)を加え、室温で20分間染色した後再蒸留水で
2度洗浄する。再蒸留水で希釈し、flow cytometerを
用いて分析した結果、CoLNE10にはドナーBセル
の約2倍のDNA含量が認められた。
【0043】以上の結果よりCoLNE10はハイブリ
ドーマであることが確認された。
ドーマであることが確認された。
【0044】このCoLNE10がヒト免疫グロブリン
(HuIg)を産生していることを酵素抗体法を用いて確め
た。以下その方法を説明する。
(HuIg)を産生していることを酵素抗体法を用いて確め
た。以下その方法を説明する。
【0045】ミクロタイタプレートの中に抗ヒト免疫ブ
ロブリン抗体を滴下(50μl)し、37℃で1時間プレ
ートに吸着させる。0.3%のゼラチンを含む10mMP
BS(ゼラチン緩衝液)で3回洗浄した後、5%牛血清ア
ルブミン溶液を滴下(200μl)し、37℃で1時間吸
着させる。ゼラチン緩衝液で3回洗浄し、未吸着のもの
を除去する。次に検液(培養上清)を滴下(50μl)し
て、37℃で1時間反応後、ゼラチン緩衝液で3回洗浄
する。ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒト免疫グロブリン
抗体を滴下(50μl)して、37℃で30分間反応さ
せ、検液中のヒト免疫グロブリンと結合させる。ゼラチ
ン緩衝液で3回洗浄後、過酸化水素とo−フエニレンジ
アミンを含む基質溶液を加え暗室で10分間反応させ
る。5N H2SO4(50μl)を加え、反応を止める。
検液中のヒト免疫グロブリンの量に比例して490nmに
吸収をもつ黄色の基質反応物が生産される。この量を吸
光光度計を用いて測定し、予め濃度のわかつたヒト免疫
グロブリンの吸光度と比較することによつて、検液中の
ヒト免疫グロブリン濃度を知ることができる。
ロブリン抗体を滴下(50μl)し、37℃で1時間プレ
ートに吸着させる。0.3%のゼラチンを含む10mMP
BS(ゼラチン緩衝液)で3回洗浄した後、5%牛血清ア
ルブミン溶液を滴下(200μl)し、37℃で1時間吸
着させる。ゼラチン緩衝液で3回洗浄し、未吸着のもの
を除去する。次に検液(培養上清)を滴下(50μl)し
て、37℃で1時間反応後、ゼラチン緩衝液で3回洗浄
する。ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ヒト免疫グロブリン
抗体を滴下(50μl)して、37℃で30分間反応さ
せ、検液中のヒト免疫グロブリンと結合させる。ゼラチ
ン緩衝液で3回洗浄後、過酸化水素とo−フエニレンジ
アミンを含む基質溶液を加え暗室で10分間反応させ
る。5N H2SO4(50μl)を加え、反応を止める。
検液中のヒト免疫グロブリンの量に比例して490nmに
吸収をもつ黄色の基質反応物が生産される。この量を吸
光光度計を用いて測定し、予め濃度のわかつたヒト免疫
グロブリンの吸光度と比較することによつて、検液中の
ヒト免疫グロブリン濃度を知ることができる。
【0046】以上の測定方法を用いた結果、CoLNE
10はヒトIgAを生産していることが分かった(ドナー
Bセルと同形質の免疫グロブリン)。
10はヒトIgAを生産していることが分かった(ドナー
Bセルと同形質の免疫グロブリン)。
【0047】1ケ月後にCoLNE10を24個の穴を
もつミクロプレート(2ml/穴)に植えかえた後に、さら
に1週間培養を続けた。その培養液の上清を採取し種々
の株化細胞を標的細胞としてCoLNE10から生産さ
れるIgの特異性を調べた。その方法を以下に説明す
る。
もつミクロプレート(2ml/穴)に植えかえた後に、さら
に1週間培養を続けた。その培養液の上清を採取し種々
の株化細胞を標的細胞としてCoLNE10から生産さ
れるIgの特異性を調べた。その方法を以下に説明す
る。
【0048】ヒトの種々の株化培養細胞をDF培地(D
ME:F−12=1:1)に10%牛胎児血清を加えた培
地で培養する。細胞の数が5×106〜1×107になつ
た段階でトリプシンを用いて、細胞をシヤーレの底面か
らはがし、遠心法を用いて細胞を集め、培地でよく洗浄
する。96個の穴をもつミクロタイタプレートの各穴に
細胞を一定数(105/100μl)ずつ分注し37℃で
1晩プレートに吸着させる。次に、3%グルタルアルデ
ヒド溶液(50μl)を滴下し、37℃で30分間細胞の
固定を行う。遠心法(200g,10分間)で細胞をさらに
固定し、ゼラチン緩衝液で3回洗浄した後、5%牛血清
アルブミン溶液を滴下(200μl)し、37℃で1時間
プレートに吸着させる。ゼラチン緩衝液で3回洗浄し、
未吸着のものを除去する。その後検液(培養上清)を細胞
の上に滴下(50μl)し、37℃で1時間反応させ、ゼ
ラチン緩衝液で3回洗浄する。続いてペルオキシダーゼ
結合抗ヒトIg抗体を滴下(50μl)し、37℃で30
分間反応させる。ゼラチン緩衝液で3回洗浄を行った
後、先の酵素抗体法で述べた方法によつて細胞に結合す
る培養液中のヒトIgの量を測定する。
ME:F−12=1:1)に10%牛胎児血清を加えた培
地で培養する。細胞の数が5×106〜1×107になつ
た段階でトリプシンを用いて、細胞をシヤーレの底面か
らはがし、遠心法を用いて細胞を集め、培地でよく洗浄
する。96個の穴をもつミクロタイタプレートの各穴に
細胞を一定数(105/100μl)ずつ分注し37℃で
1晩プレートに吸着させる。次に、3%グルタルアルデ
ヒド溶液(50μl)を滴下し、37℃で30分間細胞の
固定を行う。遠心法(200g,10分間)で細胞をさらに
固定し、ゼラチン緩衝液で3回洗浄した後、5%牛血清
アルブミン溶液を滴下(200μl)し、37℃で1時間
プレートに吸着させる。ゼラチン緩衝液で3回洗浄し、
未吸着のものを除去する。その後検液(培養上清)を細胞
の上に滴下(50μl)し、37℃で1時間反応させ、ゼ
ラチン緩衝液で3回洗浄する。続いてペルオキシダーゼ
結合抗ヒトIg抗体を滴下(50μl)し、37℃で30
分間反応させる。ゼラチン緩衝液で3回洗浄を行った
後、先の酵素抗体法で述べた方法によつて細胞に結合す
る培養液中のヒトIgの量を測定する。
【0049】以上の方法によつてCoLNE10が産出
するIgAの標的細胞特異性を調べた結果、CoLNE1
0の培養液中のIgAは、ヒト結腸癌由来の株化細胞Ca
Co−2(ATCC HTB37)、LoVo(ATCC C
CL229)ヒト肺癌由来の株化細胞A549(ATCC
CCL185)、ヒト胃癌由来の株化細胞KATO−I
II(ATCC HTB103)に対して結合力を有してい
ることがわかつた。
するIgAの標的細胞特異性を調べた結果、CoLNE1
0の培養液中のIgAは、ヒト結腸癌由来の株化細胞Ca
Co−2(ATCC HTB37)、LoVo(ATCC C
CL229)ヒト肺癌由来の株化細胞A549(ATCC
CCL185)、ヒト胃癌由来の株化細胞KATO−I
II(ATCC HTB103)に対して結合力を有してい
ることがわかつた。
【0050】すなわち、ドナーBセルは体内に結腸癌を
もつ患者から採取されたものであるので、細胞融合法に
よつて作り出された自己増殖性をもつハイブリドーマの
クローンからは、ドナーBセルと同形質のかつ特定の抗
原結合部位をもつモノクローナル(単一)抗体を生産して
いることを示している。のみならず他種の癌腫にも反応
することが分った。
もつ患者から採取されたものであるので、細胞融合法に
よつて作り出された自己増殖性をもつハイブリドーマの
クローンからは、ドナーBセルと同形質のかつ特定の抗
原結合部位をもつモノクローナル(単一)抗体を生産して
いることを示している。のみならず他種の癌腫にも反応
することが分った。
【0051】約4週間後にハイブリドーマの培地からH
ATを除き、インシユリン、トランスフエリン、亜セレ
ン酸ナトリウム、エタノールアミン、β−メルカプトエ
タノール及び血清アルブミンを含むRDF培地で37
℃、5%CO2条件下で培養し、1×106個/mlで増殖
する時約2.2μg/mlの量でヒトIgAを生産し続け
た。上記培養での培加時間は約20時間であつた。
ATを除き、インシユリン、トランスフエリン、亜セレ
ン酸ナトリウム、エタノールアミン、β−メルカプトエ
タノール及び血清アルブミンを含むRDF培地で37
℃、5%CO2条件下で培養し、1×106個/mlで増殖
する時約2.2μg/mlの量でヒトIgAを生産し続け
た。上記培養での培加時間は約20時間であつた。
【0052】ハイブリドーマの多量培養液を70%の硫
酸アンモニウムで沈澱させ、粗Ig分画を得た。得られ
た沈澱を生理食塩水に溶かし、ヤギ抗IgA抗体を結合
させたセフアロースを用いてアフイニテイクロマトグラ
フイーの手法でIgAを精製した。CoLNE10の培養
液1lから精製したIgA0.7mgが得られた。この精製
したIgA標品をSDS−電気泳動法で分析した結果、
分子量約6万、2万、1万5千のサブユニツトを含むI
gAを生産していることが確かめられた。
酸アンモニウムで沈澱させ、粗Ig分画を得た。得られ
た沈澱を生理食塩水に溶かし、ヤギ抗IgA抗体を結合
させたセフアロースを用いてアフイニテイクロマトグラ
フイーの手法でIgAを精製した。CoLNE10の培養
液1lから精製したIgA0.7mgが得られた。この精製
したIgA標品をSDS−電気泳動法で分析した結果、
分子量約6万、2万、1万5千のサブユニツトを含むI
gAを生産していることが確かめられた。
【0053】実施例2 実施例1において融合パートナーとして用いたUC72
9−6株の代りに、HIH/TO1株を融合パートナー
として用い、更に、実施例1において融合操作を完了し
たのちポリエチレングリコールを除いて加えたRDF培
地の代りに、ウワバインを更に含有させたRDF培地を
用いたほかは、実施例1と同様に行ってハイブリドーマ
サブクローンを得た。このハイブリドーマを実施例1と
同様にしてクローン化し、TOCo/A1と命名し且つ
同様にしてハイブリドーマであることが確認された。
9−6株の代りに、HIH/TO1株を融合パートナー
として用い、更に、実施例1において融合操作を完了し
たのちポリエチレングリコールを除いて加えたRDF培
地の代りに、ウワバインを更に含有させたRDF培地を
用いたほかは、実施例1と同様に行ってハイブリドーマ
サブクローンを得た。このハイブリドーマを実施例1と
同様にしてクローン化し、TOCo/A1と命名し且つ
同様にしてハイブリドーマであることが確認された。
【0054】実施例1と同様の処理を行って、該TOC
o/A1はヒトIgAを生産していることがわかつた。更
に、実施例1と同様な方法でTOCo/A1の産生する
IgAの標的細胞特異性を調べた結果、実施例1の場合
と同様な結果が得られた。更に、実施例1と同様にして
IgAの生産を行った結果、約2.0μg/mlの量でヒト
IgAを生産し続けた。実施例1と同様の処理を行って
同様なサブユニツトを含む精製IgA1.0mgが得られ
た。
o/A1はヒトIgAを生産していることがわかつた。更
に、実施例1と同様な方法でTOCo/A1の産生する
IgAの標的細胞特異性を調べた結果、実施例1の場合
と同様な結果が得られた。更に、実施例1と同様にして
IgAの生産を行った結果、約2.0μg/mlの量でヒト
IgAを生産し続けた。実施例1と同様の処理を行って
同様なサブユニツトを含む精製IgA1.0mgが得られ
た。
【0055】参考例1.ヒトBセル‐リンパ芽球細胞株
HIH/TO1。
HIH/TO1。
【0056】ヒトBセル・リンパ芽球細胞WI−L2
(微工研寄託受託拒否通知書、通知番号:60微寄文第1
621号)を、基礎培地RDF中にインシユリン、トラ
ンスフエリン、セレニウム、エタノールアミン、β−メ
ルカプトエタノール及び牛血清アルブミンの適量を含有
する無血清培地で培養適応させる。該無血清培地を分注
した96穴マイクロタイタープレートに1cell/wellと
なるように植えこみ、5%CO2、37℃の条件下で限
界稀釈法によりクローニング操作を行なう。約1ケ月経
過後、増殖してきた50穴より免疫グロブリンIgG及
びIgMを実質的に培地中に生産していないクローンを
1つ選び出した。
(微工研寄託受託拒否通知書、通知番号:60微寄文第1
621号)を、基礎培地RDF中にインシユリン、トラ
ンスフエリン、セレニウム、エタノールアミン、β−メ
ルカプトエタノール及び牛血清アルブミンの適量を含有
する無血清培地で培養適応させる。該無血清培地を分注
した96穴マイクロタイタープレートに1cell/wellと
なるように植えこみ、5%CO2、37℃の条件下で限
界稀釈法によりクローニング操作を行なう。約1ケ月経
過後、増殖してきた50穴より免疫グロブリンIgG及
びIgMを実質的に培地中に生産していないクローンを
1つ選び出した。
【0057】このクローンを、まず0.1μMの6−チ
オグアニンを含む前記と同様な無血清培地中で培養適応
させる。培養は5%CO2、37℃の条件下で、継代培
養をくり返すごとに、6−チオグアニン濃度を0.2μ
M、0.5μM、1μM、2μM、4μM、10μM、
15μM、20μMと段階的に上げて行ない、最終的に
20μMの6−チオグアニン含有無血清培地中で増殖可
能な単クローンを、前記と同様な限界稀釈法によるクロ
ーニング操作で選別する。
オグアニンを含む前記と同様な無血清培地中で培養適応
させる。培養は5%CO2、37℃の条件下で、継代培
養をくり返すごとに、6−チオグアニン濃度を0.2μ
M、0.5μM、1μM、2μM、4μM、10μM、
15μM、20μMと段階的に上げて行ない、最終的に
20μMの6−チオグアニン含有無血清培地中で増殖可
能な単クローンを、前記と同様な限界稀釈法によるクロ
ーニング操作で選別する。
【0058】この細胞を、1μg/mlの突然変異剤M
NNG(N−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン)を含有する基礎培地RDF中で、5%CO2、37
℃の条件下で3時間培養した後、前記と同様な無血清培
地で洗浄し、洗浄した細胞を20μMの6−チオグアニ
ン及びウワバインを含む前記と同様な無血清培地中で培
養適応させる。培養は5%CO2、37℃の条件下で、
継代培養をくり返すごとに、ウワバインの濃度を0.1
μM、0.2μM、0.5μM、1μM、5μMと段階的
に上げて行ない、最終的に20μMの6−チオグアニン
及び5μMのウワバインを含む無血清培地中で増殖可能
な単クローンを、前記と同様な限界稀釈法によるクロー
ニング操作で選別し、HIH/TO1株が得られた。
NNG(N−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン)を含有する基礎培地RDF中で、5%CO2、37
℃の条件下で3時間培養した後、前記と同様な無血清培
地で洗浄し、洗浄した細胞を20μMの6−チオグアニ
ン及びウワバインを含む前記と同様な無血清培地中で培
養適応させる。培養は5%CO2、37℃の条件下で、
継代培養をくり返すごとに、ウワバインの濃度を0.1
μM、0.2μM、0.5μM、1μM、5μMと段階的
に上げて行ない、最終的に20μMの6−チオグアニン
及び5μMのウワバインを含む無血清培地中で増殖可能
な単クローンを、前記と同様な限界稀釈法によるクロー
ニング操作で選別し、HIH/TO1株が得られた。
Claims (2)
- 【請求項1】 ヒト大腸癌患者のヒトB−セルとヒトリ
ンパ芽球細胞株のサブクローンとのヒト/ヒト融合細胞
株であって、抗原特異的ヒト免疫グロブリン生産能を有
することを特徴とするヒト/ヒトハイブリドーマCoL
NE10。 - 【請求項2】 (a)ヒト免疫グロブリンA(IgA)を
分泌(生産)し、かつ(b)上記ヒト免疫グロブリンA
(IgA)はヒト株化細胞CaCo−2(結腸癌)及びヒト株
化細胞A549(肺癌)に対して結合性を示す細胞生化学
的性質を有する請求項1記載のヒト/ヒトハイブリドー
マCoLNE10。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7286340A JP2599258B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリン生産性ヒト/ヒトハイブリドーマ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7286340A JP2599258B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリン生産性ヒト/ヒトハイブリドーマ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61202752A Division JP2509191B2 (ja) | 1986-08-30 | 1986-08-30 | ガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08224079A JPH08224079A (ja) | 1996-09-03 |
JP2599258B2 true JP2599258B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=17703127
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7286340A Expired - Fee Related JP2599258B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | ガン関連抗原特異的ヒト免疫グロブリン生産性ヒト/ヒトハイブリドーマ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2599258B2 (ja) |
-
1995
- 1995-10-09 JP JP7286340A patent/JP2599258B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08224079A (ja) | 1996-09-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |