JP2599111Y2 - 車輌用放電灯の点灯回路 - Google Patents

車輌用放電灯の点灯回路

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JP2599111Y2
JP2599111Y2 JP1992048216U JP4821692U JP2599111Y2 JP 2599111 Y2 JP2599111 Y2 JP 2599111Y2 JP 1992048216 U JP1992048216 U JP 1992048216U JP 4821692 U JP4821692 U JP 4821692U JP 2599111 Y2 JP2599111 Y2 JP 2599111Y2
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伸一 入澤
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、所定のランプ電圧範囲
内で定電力曲線を直線近似した部分を含む負荷線に従っ
てランプ電圧やランプ電流の検出信号に応じた放電灯の
点灯制御を行うようにした車輌用放電灯の点灯回路にお
いて、点灯制御の安定化を図ることができるようにした
新規な車輌用放電灯の点灯回路を提供しようとするもの
である。
【0002】
【従来の技術】近時、白熱電球に代わる光源として小型
のメタルハライドランプが注目されており、車輌用メタ
ルハライドランプの点灯回路の構成としては、例えば、
電源に直流電源を用い、直流入力電圧を昇圧回路によっ
て昇圧した後、直流−交流変換回路によって正弦波状又
は矩形波状の交流電圧に変換した後メタルハライドラン
プに印加するようにしたものが知られている。
【0003】そして、ランプの状態に合った制御を行う
ことによってランプ光束を速やかに立ち上がらせて定常
状態に移行させるとともに、定常状態での安定した電力
制御を行うために制御回路が設けられ、その出力信号を
直流昇圧回路に送出して昇圧制御を行うようになってい
る。
【0004】定常状態での点灯制御に関しては、ある決
められたランプ電圧の範囲内において定電力制御を行わ
せるために定電力曲線に対して直線近似を行ってこれを
負荷線とする方法が知られており、負荷線とランプのV
(電圧)−I(電流)特性曲線との交点が点灯の動作点
とされる。
【0005】図5は横軸に電圧Vをとり、縦軸に電流I
をとって定電力曲線aとこれを直線近似した負荷線b
(破線で示す。)との関係を示すものである。
【0006】図中ΔVは定常状態におけるランプ電圧の
範囲を示しており、この範囲ΔV内での定電力曲線aに
係る傾斜の変化が割りと小さいためにこれに近い傾斜を
有する直線を負荷線とすることができる。
【0007】図6は横軸に電圧Vをとり、縦軸に電流I
をとって負荷線bとランプの特性曲線cとを示すもので
ある。
【0008】図示するようにランプの特性曲線cは略L
字状をなしており、負荷線bとの交点A、Bのうち、定
常状態における動作点はランプ電圧範囲ΔV内にあるA
点とされる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に負荷線bと特性曲線cとの交点としてはA点の他に、
電圧の高いB点が存在しており、このB点が一時的な動
作点となるような状況(例えば、放電灯が安定した点灯
状態に移行するまでの過渡状態や放電灯が寿命末期を迎
えた場合等。)が生じた場合にランプの明るさが低下し
たり、チラツキが生じてしまうといった問題がある。
【0010】つまり、ランプの特性曲線c上に沿ってB
点から電流が大きくなる方向に僅かに変位させたところ
では、負荷線bが特性曲線cの上側(負荷線bの電流を
電圧Vの関数として「Ib(V)」と表し、特性曲線c
の電流を電圧Vの関数として「Ic(V)」と表すと、
Ib(V)>Ic(V))となり、電流をさらに増加さ
せようとする作用が働き、逆に特性曲線c上に沿ってB
点から電流が小さくなる方向に僅かに変位させたところ
では、負荷線bが特性曲線cの下側(つまり、Ib
(V)<Ic(V))となり、電流をさらに減少させよ
うとする作用が働くことになる。
【0011】このようにB点はA点のように定常状態に
おける正規の安定動作点ではないが、ある短い時間内で
は動作点となり得る。
【0012】従って、この場合には定電力曲線aを大分
下回った電力で点灯することになるためランプの明るさ
が暗くなってしまったり、動作点がA点とB点とを行き
来することによってチラツキが生じることになる。
【0013】図7は放電灯の点灯状態が未だ不安定であ
る場合において放電灯にある交流電圧を供給したときの
様子を概念的に示すランプ電圧の波形図であり、点VA
は、A点を動作点とするときのピーク電位を示し、点V
Bは、B点を動作点とするときのピーク電位を示してい
る。
【0014】図示するように、|VB|>|VA|であ
るため、振幅に変動が生じることになる。
【0015】
【課題を解決するための手段】そこで、本考案は上記し
た課題を解決するために、放電灯のランプ電圧に関する
検出信号を得るためのランプ電圧検出手段と、放電灯の
ランプ電流に関する検出信号を得るためのランプ電流検
出手段と、所定のランプ電圧範囲内で定電力曲線を直線
近似した直線部を含む負荷線に従って上記検出信号に応
じた放電灯の点灯制御を行う制御手段とを備えた車輌用
放電灯の点灯回路において、放電灯の電圧−電流特性曲
線と点灯制御に係る負荷線とが一点のみで交わるように
負荷線に関する電流の下限を規制する下限規制手段を設
けたものである。
【0016】
【作用】本考案によれば、負荷線の直線部をある範囲ま
で保持するとともに下限規制制御手段によって負荷線と
ランプの特性曲線との交点が一点のみとなるように負荷
線に関する電流の下限が規制されるため、点灯制御上の
動作点が複数存在し得ることに起因する明るさの低下や
チラツキの問題を解消することができる。
【0017】
【実施例】以下に、本考案車輌用放電灯の点灯回路を図
示した実施例に従って詳細に説明する。
【0018】尚、図示した実施例は本考案を矩形波点灯
方式の点灯回路に適用した例を示すものである。
【0019】図1は点灯回路1の全体的な構成を示す回
路ブロック図である。
【0020】直流電源であるバッテリー2は直流電圧入
力端子3、3′間に接続されており、点灯スイッチ4が
直流昇圧回路5のプラス側入力端子と直流電圧入力端子
3とを結ぶプラスライン6上に設けられている。尚、
6′は直流昇圧回路5の他方の入力端子と直流電圧入力
端子3′とを結ぶグランドラインである。
【0021】7は直流−交流変換回路であり、直流昇圧
回路5の直流出力電圧を矩形波交流電圧に変換して出力
するために設けられている。
【0022】8はイグナイタ回路であり、メタルハライ
ドランプ10の起動時にトリガーパルスを発生させ、こ
れを直流−交流変換回路7の交流出力に重畳してその交
流出力端子9、9′に接続されたメタルハライドランプ
10に印加するようになっている。
【0023】11は直流昇圧回路5の出力電圧を制御す
るための制御回路であり、ランプの電圧−電流制御に係
るV−I制御部12とPWM(パルス幅変調)制御部1
3とからなる。
【0024】V−I制御部12は、ランプ電圧とランプ
電流との関係を規定する制御曲線に基づいてメタルハラ
イドランプ10の点灯制御を行うように構成されてお
り、定常状態においてはある定電力曲線を直線近似した
負荷線を採用するとともに、ランプの特性曲線と負荷線
とが1点以外の交点をもたないように点灯制御を行うよ
うになっている。
【0025】ランプ電圧や電流の検出はこれらを直接検
出することが可能であるが、本実施例ではこれらの相当
信号を利用することによって間接的に検出信号を得てい
る。
【0026】つまり、V−I制御部12には、直流昇圧
回路5の出力端子間に設けられた分圧抵抗14、14′
によって検出される直流昇圧回路5の出力電圧(これを
「VO」と記す。)に対応した電圧検出信号が入力され
る。
【0027】また、V−I制御部12には、直流昇圧回
路5と直流−交流変換回路7とを結ぶグランドライン上
に設けられた電流検出用抵抗15によって、直流昇圧回
路5の出力電流(これを「IO」と記す。)に対応した
電流検出信号が電圧変換された形で入力される。
【0028】そして、V−I制御部12が出力する指令
信号はPWM制御部13に送出され、PWM制御部13
によって生成される制御信号(つまり、PWM波であ
り、これを「PS」と記す。)が直流昇圧回路5にフィ
ードバックされるようになっている。
【0029】図2は点灯回路1の要部の回路構成を詳細
に示すものである。
【0030】図示するように、直流昇圧回路5はチョッ
パー式の直流−直流コンバータの構成とされており、プ
ラスライン16上に設けられたインダクタ17と、その
後段においてプラスライン16とグランドライン16′
との間に設けられ、かつ、PWM制御部13から送られ
てくる制御信号PSによってスイッチング動作されるN
チャンネルFET18と、プラスライン16上において
そのアノードがFET18のドレインに接続されたダイ
オード19と、該ダイオード19のカソードとグランド
ライン16′との間に設けられた平滑コンデンサ20と
から構成されている。
【0031】つまり、直流昇圧回路5はPWM制御部1
3からの制御信号PSによってFET18がオン状態と
なったときにインダクタ17がエネルギーを蓄え、FE
T18がオフ状態になったときに蓄えられたエネルギー
を放出し、これに相当する電圧を入力電圧に重畳して直
流昇圧を行なうようになっている。
【0032】図2はV−I制御部12の要部を簡略化し
て示しており、直流昇圧回路5の出力電圧VOに関する
検出信号はバッファ21に送られ、また出力電流に関す
る検出信号はアンプ22に送られるようになっており、
これらの加算結果がエラーアンプ23に送出される。
【0033】バッファ21、アンプ22、エラーアンプ
23は全て演算増幅器を用いて構成され、バッファ21
とアンプ22の出力端子が抵抗24、25、26を介し
て接続されるとともに、抵抗25と26との間の電位が
エラーアンプ23の反転入力端子に入力されるようにな
っており、エラーアンプ23の非反転入力端子には基準
電圧(電圧源Eで示す)が供給されている。
【0034】27はランプ電流の下限を規定するために
設けられる下限設定部であり、演算増幅器28とダイオ
ード29を用いた理想ツェナーダイオード回路の構成と
されている。
【0035】即ち、演算増幅器28の非反転入力端子に
は所定電圧(+Vcc)を抵抗30、30′によって分
圧した電圧が供給され、出力段に設けられたダイオード
29のカソードが演算増幅器28の出力端子に接続され
ており、該ダイオード29のアノードが抵抗31を介し
て演算増幅器28の反転入力端子に接続されるとともに
抵抗24と25との間に接続されている。
【0036】PWM制御部13はエラーアンプ23の出
力を受けて、これを鋸歯状波と比較し、その結果を制御
信号として直流昇圧回路5のFET18のゲートに送出
するように構成され、エラーアンプ23の出力が小さい
程制御信号PSのデューティーサイクルが大きくなるよ
うに制御を行う。
【0037】図3はPWM制御部13の構成例を示すも
のであり、エラーアンプ32の一方の入力端子32aに
上記エラーアンプ23の出力が供給され、エラーアンプ
32の他方の入力端子には基準電圧発生部33から所定
電圧が供給される。
【0038】尚、この基準電圧発生部33はIC内部で
必要な電源電圧を作り出すとともに、外部回路に必要な
電圧を作り出してこれを基準電圧端子34から利用する
ことができるようになっている。
【0039】エラーアンプ32の出力端子は補償用端子
35(図示は省略するがV−I制御部12からのランプ
電流に関する制御信号が入力される。)に接続されると
ともに、ダイオードや抵抗、ツェナーダイオードを経て
電流検出コンパレータ36のネガティブエッジ入力端子
に接続されている。
【0040】尚、電流検出コンパレータ36の他方の入
力端子36aには直流昇圧回路5のFET18に流れる
電流の検出信号が入力されるようになっており、その出
力はラッチ用のRSフリップフロップ37を介してOR
ゲート38に送られる。
【0041】RSフリップフロップ37のR端子には電
流検出コンパーレータ35の出力が入力され、S端子に
はオシレータ39の出力信号が入力されるようになって
いる。
【0042】尚、オシレータ39の出力はORゲート3
8に送出されるとともに、出力端子から外部に取り出す
ことができるようになっている。
【0043】ORゲート38の出力はコンプリメンタリ
接続のトランジスタ40、41を介して出力端子40a
から取り出される。
【0044】図4は横軸にランプ電圧をとり、縦軸にラ
ンプ電流をとって点灯回路1に関する負荷線(あるいは
制御線)とランプの特性曲線との関係を示したものであ
る。
【0045】図中、実線で示す負荷線42は定電力曲線
を直線近似することによって得られる傾斜直線部43
と、点C(Vc、Ic)を境にして電流が一定となる下
限直線部44とからなっており、この負荷線42とラン
プの特性曲線45とが電圧の高い範囲、つまりV>Vc
において交わらないようにIcの値が設定されており、
この範囲ではI=Icの下限直線部44が特性曲線45
の上側に位置することになる。
【0046】傾斜直線部43は図5での説明と同様に、
ある定電力曲線に対して電圧範囲ΔVにおいて直線近似
を施すことによって得られるものであり、この制御は図
2におけるバッファ21、アンプ22、エラーアンプ2
3を通してなされ、V<Vcの場合においてランプ電圧
や電流に関する検出信号を所定の比率で加算した結果が
一定となるように、つまり、aを定数とした式a・V+
I=一定が成立するように制御が行われる。
【0047】また、下限直線部44は、ランプ電圧範囲
ΔVにおけるランプ電流値に基づき実用上のマージンを
加味して設定され(例えば、35W定格のランプにおい
てランプ電圧がVcを越えた所ではランプ電流がほぼ
0.1Aとなるため、Icの設定値としては0.15A
程度にすれば良い。)、この制御は図2の下限設定部2
7によって行われる。
【0048】下限設定部27は、ランプ電圧及びランプ
電流の検出信号に関する重み付き加算結果に対する上限
を規定し、ランプ電圧がVcより大きい場合にランプ電
圧の検出レベルがVcに相当するレベルを越えないよう
することによって信号PSのデューティーサイクルの下
限を規定し、結果としてI=Icの制御を実現する。
【0049】こうして負荷線42とランプの特性曲線4
5との交点は一点Aだけとなるため、点Bが一時的な動
作点となることに起因する明るさの低下やチラツキの問
題が解消される。
【0050】尚、本実施例では制御及び回路構成の複雑
化を避けるために一定電流値の下限直線部44を設ける
ようにしたが、負荷線42とランプの特性曲線45とが
1点で交われば良く、例えば、上記下限直線部44の代
わりにこれを図4に2点鎖線で示すように曲線状(つま
り、負荷線上の任意の点における接線の傾きが傾斜直線
部43の傾きより小さい曲線)にしても構わない。
【0051】
【考案の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、本考案によれば、負荷線の直線部をある範囲まで保
持するとともに下限規制手段によって負荷線とランプの
特性曲線とが2点で交わらないように負荷線に関する電
流の下限が規制されるため、点灯制御上の動作点が複数
存在し得ることに起因する明るさの低下やチラツキの問
題を解消することができる。
【0052】尚、本考案は矩形波点灯方式に限らず正弦
波点灯方式等、各種の点灯回路に適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案車輌用放電灯の点灯回路の構成例を示す
回路ブロック図である。
【図2】本考案の要部を示す回路図である。
【図3】PWM制御部の構成例を示す回路ブロック図で
ある。
【図4】本考案の制御特性を示すグラフ図である。
【図5】定電力曲線に関する直線近似について示すグラ
フ図である。
【図6】ランプの特性曲線と負荷線とを示すグラフ図で
ある。
【図7】従来の問題点を説明するための波形図である。
【符号の説明】
1 車輌用放電灯の点灯回路 10 放電灯 11 制御手段 14、14′ ランプ電圧検出手段 15 ランプ電流検出手段 27 下限規制手段 42 負荷線 43 直線部 45 特性曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−141988(JP,A) 特開 平1−292796(JP,A) 特開 平1−294398(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 41/14 - 41/29

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電灯のランプ電圧に関する検出信号を
    得るためのランプ電圧検出手段と、放電灯のランプ電流
    に関する検出信号を得るためのランプ電流検出手段と、
    所定のランプ電圧範囲内で定電力曲線を直線近似した直
    線部を含む負荷線に従って上記検出信号に応じた放電灯
    の点灯制御を行う制御手段とを備えた車輌用放電灯の点
    灯回路において、放電灯の電圧−電流特性曲線と点灯制
    御に係る上記負荷線とが一点のみで交わるように負荷線
    に関する電流の下限を規制する下限規制手段を設けたこ
    とを特徴とする車輌用放電灯の点灯回路。
JP1992048216U 1992-06-18 1992-06-18 車輌用放電灯の点灯回路 Expired - Fee Related JP2599111Y2 (ja)

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