JP2596282B2 - ゴム加圧注型品の成形方法 - Google Patents

ゴム加圧注型品の成形方法

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JP2596282B2 JP3232792A JP3232792A JP2596282B2 JP 2596282 B2 JP2596282 B2 JP 2596282B2 JP 3232792 A JP3232792 A JP 3232792A JP 3232792 A JP3232792 A JP 3232792A JP 2596282 B2 JP2596282 B2 JP 2596282B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、略直方体形状とし
て、外周面の略長方形となる部位を意匠面とし、この意
匠面の略中央に凹部が形成されたり、この意匠面の内部
の略中央にインサートが埋設されたりして、成形時に、
成形品の長手方向の端面側に配置されるゲートを経て、
型締めした成形型のキヤビテイ内へゴム材料を加圧注入
することにより、成形するゴム加圧注型品の成形方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、ワンボツクスカーのスラ
イドドアに配置されるストツパ1は、図6・7に示すよ
うに、略直方体形状として、外周面の略長方形となる部
位を意匠面Dとし、ゴム材料から射出成形により形成さ
れていた。
【0003】また、このストツパ1には、意匠面Dの略
中央に、ストツパ1の長手方向に沿つて二つの凹部2が
形成され、それぞれの凹部2には、スライドドアに取り
付けるための取付孔として、貫通孔3が形成されてい
た。
【0004】そして、このストツパ1を成形する場合に
は、型締めした成形型のキヤビテイ内にゴム材料を加圧
注入する際、ゲートGをストツパ1の長手方向の端面側
の中央に配置させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のストツ
パ1の成形方法では、意匠面Dの略中央に貫通孔3を備
えた凹部2を形成することから、ストツパ1の長手方向
の端面側の中央に、ゲートGを配置させて成形すると、
凹部2を形成する成形型の部位が堰としての役目を果す
こととなる。
【0006】そのため、成形時の成形型のキヤビテイ内
において、ゲートGから注入されるゴム材料Mは、図6
の矢印で示すように、凹部2を形成する成形型の部位
で、大きく二手に分れてしまう。そして、ストツパ1に
おけるゲートGと凹部2とを結んだ延長線上の部位で、
二手に分れたゴム材料が、融合してストツパ1を成形す
ることとなる。
【0007】その結果、成形後のストツパ1には、スト
ツパ1におけるゲートGと凹部2とを結んだ延長線上の
部位に、フローマークFが発生し易く、フローマークF
が発生した場合には、意匠面Dの外観低下を招き、スト
ツパ1の意匠性を低下させていた。
【0008】そして、上記課題は、意匠面Dの表面に凹
部2が形成される場合に限らず、意匠面Dの内部の略中
央にスタツドボルトやナツト等のインサートが埋設され
る場合にも生ずる。
【0009】この発明は、上述の課題を解決するもので
あり、略直方体形状として、外周面の略長方形となる部
位を意匠面とし、この意匠面の略中央に凹部が形成され
たり、意匠面の内部の略中央にインサートが埋設された
りして、成形品の長手方向の端面側に配置されるゲート
を経て、型締めした成形型のキヤビテイ内へゴム材料を
加圧注入することにより、成形するゴム加圧注型品の成
形方法において、意匠面でのフローマークの発生を抑え
ることができ、意匠性を向上させて成形することができ
る成形方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の第1番目の発明に
係る成形方法は、略直方体形状として、外周面の略長方
形となる部位を意匠面とし、該意匠面の略中央に凹部が
形成され、成形時に、成形品の長手方向の端面側に配置
されるゲートを経て、型締めした成形型のキヤビテイ内
へゴム材料を加圧注入することにより、成形するゴム加
圧注型品の成形方法であつて、前記ゲートを、成形する
成形品の長手方向の端面において、該端面の中央から、
前記意匠面の短手方向側へずれた位置に配置させること
を特徴とする。
【0011】本願の第2番目の発明に係る成形方法は、
略直方体形状として、外周面の略長方形となる部位を意
匠面とし、該意匠面の内部の略中央にインサートが埋設
され、成形時、成形品の長手方向の端面側に配置される
ゲートを経て、型締めした成形型のキヤビテイ内へゴム
材料を加圧注入することにより、成形するゴム加圧注型
品の成形方法であつて、前記ゲートを、成形する成形品
の長手方向の端面において、該端面の中央から、前記意
匠面の短手方向側へずれた位置に配置させることを特徴
とする。
【0012】
【発明の作用・効果】本願の第1・2発明に係る成形方
法では、型締めした成形型のキヤビテイ内へゴム材料を
注入するゲートを、成形する成形品の長手方向の端面に
おいて、この端面の中央から意匠面の短手方向側へずれ
た位置に配置させるものである。
【0013】そのため、ゲートからキヤビテイ内へ注入
されたゴム材料は、凹部を形成する成形型の部位や、成
形型にセツトしたインサートに対して、正面から当たる
ことを避けることができ、凹部を形成する成形型の部位
やセツトしたインサートで、従来のように大きく二手に
分れること、が防止される。
【0014】その結果、この発明に係る成形方法では、
意匠面にフローマークが発生することを抑えることがで
き、意匠性を向上させて成形することができる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。
【0016】実施例で成形する成形品は、従来と同様
に、図3に示すように、NR−SBR、ブチルゴム等の
ゴム材料から射出成形により形成される略直方体形状と
し、ワンボツクスカーのスライドドアに配置されるスト
ツパ11である。
【0017】このストツパ11は、外周面の略長方形と
なる部位を意匠面Dとし、意匠面Dの略中央に、ストツ
パ11の長手方向に沿つて二つの凹部12が形成され、
それぞれの凹部12には、スライドドアに取り付けるた
めの貫通孔13が形成されている(図2参照)。
【0018】また、このストツパ11は、貫通孔13・
13の周囲の部位に、板金等からなるインサート11a
が埋設されている(図1・2参照)。
【0019】このストツパ11の成形に使用する成形型
20は、図1・2に示すように、固定型21と可動型2
2とを備え、固定型21と可動型22とは、型締め時
に、ストツパ11を成形するためのキヤビテイ20aを
形成する型面21a・22aを備えている。
【0020】また、固定型21と可動型22とには、そ
れぞれ、貫通孔13・13を形成するためのピン21b
・22bが配設されている。これらのピン21b・22
bは、先端相互が嵌合するように構成されている。な
お、21cは、固定型21に設けられたエジエクタピン
である。
【0021】そして、この成形型20には、ストツパ1
1の長手方向における厚肉となる側の端面を成形する部
位に、フアンゲートGが配置されている。さらに、この
ゲートGの配置位置を詳しく述べると、このゲートG
は、ストツパ11の長手方向の端面において、端面の中
央から、意匠面Dの短手方向側へずれた位置に配置され
ている。
【0022】なお、実施例の場合、ゲートGのキヤビテ
イ20aへの開口部の寸法は、厚さtを1mmとし、幅b
を8mmとしている。また、ゲートGの中心がストツパ1
1の長手方向の端面中央からずれている距離hは、20
mmとしている。
【0023】つぎに、この成形型20を使用した実施例
の成形方法について説明すると、固定型21にインサー
ト11aをセツトし、型締めして、ゴム材料Mをゲート
Gからキヤビテイ20a内へ注入させれば良い。
【0024】その際、ゲートGからキヤビテイ20a内
へ注入されたゴム材料Mは、貫通孔13を備えた凹部1
2を形成する成形型20の部位21b・22b・22c
に正面から当たることが避けられ、可動型22の部位2
2c・22bで、従来のように大きく二手に分れるこ
と、が防止される。
【0025】その結果、実施例の成形方法では、図1の
矢印のようにゴム材料Mが流れて、意匠面Dにフローマ
ークが発生することを抑えて成形することができ、既述
の発明の作用・効果の欄で述べたと同様の効果を奏す
る。
【0026】なお、実施例では、成形品に、それぞれ貫
通孔13を備えた二つの凹部12が形成されている場合
で説明したが、勿論、成形型のキヤビテイ面に、流れる
ゴム材料の堰となるような部位が生じていれば良いた
め、貫通孔13を備えていない凹部が形成されているよ
うな成形品や、その凹部12が一つの場合の成形品に
も、本発明を応用することができる。
【0027】また、実施例では、射出成形によつて成形
する場合を示したが、勿論、他にトランスフア成形等
の、ゴム材料を加圧して成形型のキヤビテイ内へ注入し
て成形する場合に、本願発明を応用することができる。
【0028】さらに、実施例では、凹部12が形成され
るストツパ11を成形する場合を説明した。
【0029】しかし、図4・5に示すような、凹部12
が設けられないストツパ31の成形に本発明を使用する
ことができる。このストツパ31は、ワンボツクスカー
のスライドドアに取り付けられるものであり、意匠面D
の内部の略中央に、ボルト部31bを備えたインサート
31aが埋設されるものである。
【0030】そして、このストツパ31を成形する場合
にも、ゲートGを、ストツパ31の長手方向の端面にお
いて、この端面の中央から意匠面Dの短手方向側へずれ
た位置に配置させれば、成形時、成形型のキヤビテイ内
へ注入されるゴム材料が、成形型にセツトしたインサー
ト31aに対して、正面から当たることを避けることが
できて、大きく二手に分れないため、意匠面Dにフロー
マークが発生することを抑えて、成形することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す成形時の横断面図で
あり、図2のI−I部位を示す。
【図2】同実施例の成形時の縦断面図である。
【図3】同実施例で成形する成形品の斜視図である。
【図4】成形する成形品の他の例を示す平面図である。
【図5】同成形品の正面図である。
【図6】従来方法で成形する成形品の平面図である。
【図7】従来方法で成形する成形品の正面図である。
【符号の説明】
1・11・31…(成形品)ストツパ、 2・12…凹部、 31a…インサート、 D…意匠面、 G…ゲート、 M…ゴム材料。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体形状として、外周面の略長方形
    となる部位を意匠面とし、該意匠面の略中央に凹部が形
    成され、成形時に、成形品の長手方向の端面側に配置さ
    れるゲートを経て、型締めした成形型のキヤビテイ内へ
    ゴム材料を加圧注入することにより、成形するゴム加圧
    注型品の成形方法であつて、 前記ゲートを、成形する成形品の長手方向の端面におい
    て、該端面の中央から、前記意匠面の短手方向側へずれ
    た位置に配置させることを特徴とするゴム加圧注型品の
    成形方法。
  2. 【請求項2】 略直方体形状として、外周面の略長方形
    となる部位を意匠面とし、該意匠面の内部の略中央にイ
    ンサートが埋設され、成形時、成形品の長手方向の端面
    側に配置されるゲートを経て、型締めした成形型のキヤ
    ビテイ内へゴム材料を加圧注入することにより、成形す
    るゴム加圧注型品の成形方法であつて、 前記ゲートを、成形する成形品の長手方向の端面におい
    て、該端面の中央から、前記意匠面の短手方向側へずれ
    た位置に配置させることを特徴とするゴム加圧注型品の
    成形方法。
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