JP2595800B2 - 自動演奏装置 - Google Patents

自動演奏装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、記憶手段に記憶された演奏データに基づ
いて自動演奏を行なう自動演奏装置に関し、特にユーザ
が演奏データを前記記憶手段に書き込む際の操作をより
容易にした自動演奏装置に関する。
[従来の技術] 自動演奏装置において演奏データを作成する方法、す
なわちメモリ等の記憶手段に演奏データを書き込む方法
として、いわゆるリアルタイム入力方式とステップ入力
方式が知られている。
リアルタイム入力方式は、鍵盤を弾いたデータから音
高データとタイミングデータあるいはさらにベロシティ
データ等を検出してこれらをメモリに書き込んで演奏デ
ータを作成する方法である。しかしながら、このリアル
タイム入力方式は、鍵盤楽器を弾ける人でないとデータ
の入力が容易ではなく、特に初心者には実行が困難であ
るという不都合があった。
ステップ入力方式は、音高データ、タイミングデータ
およびベロシティデータ等を数値で入力して演奏データ
を作成する方法である。しかしながら、このステップ入
力方式は、一般に、各データ値を1つ1つ入力しなけれ
ばならないため、入力に手間と時間がかかるという不都
合があった。
[発明が解決しようとする課題] この発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたも
ので、演奏データの作成がより容易、かつ短時間に行な
える自動演奏装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するため、この発明の自動演奏装置
は、楽曲の進行に従って順次発生されるべき楽音を制御
するための順次の演奏データであって、各楽音の音高お
よびオン・オフタイミングを特定するための音高データ
(ノートナンバ)およびタイミングデータ(デュレーシ
ョンデータおよびゲートタイムデータ)を少なくとも有
する複数種類の順次の要素データを含むものを記憶する
演奏データ記憶トラック(TR4)と;前記複数種類の要
素データのうちの少なくとも1種類を用いて構成され、
前記楽曲の進行に従った順序で配列した順次の要素デー
タを記憶する複数の要素データ記憶トラック(TR1〜TR
3)であって、各トラック毎にそれが記憶する要素デー
タの種類のうちの少なくとも1つが特定され(TR1につ
いてはデュレーションデータを特定し、TR2については
ノートナンバを特定する等)、かつその特定される要素
データの種類が各トラック毎にユニークであるものと;
前記各要素データ記憶トラックから、各トラックについ
て特定されている種類の要素データを順次読み出し、こ
れら各トラックからの各種類の要素データ(TR1のデュ
レーションデータ、TR2のノートナンバ等)を組み合わ
せることにより前記演奏データを順次合成して前記演奏
データ記憶トラックに書き込む制御手段とを具備するこ
とを特徴とする。ここで、第13図の例に対比させれば、
演奏データ記憶トラックは、TR4に対応し、複数の要素
データ記憶トラックはTR1〜TR3に対応する。要素データ
の特定は、TR1についてはデュレーションデータ、TR2に
ついてはノートナンバ、TR3についてはベロシティデー
タが特定されており、これらTR1〜TR3についてユニーク
であり重複することはない。これらの要素データがトラ
ックTR1〜TR3のそれぞれから順次読み出され、組み合わ
されて、TR1のデュレーションデータ、TR2のノートナン
バ、TR3のベロシティデータを有する演奏データが順次
合成され、トラックTR4に記憶される。このようにし
て、この発明の自動演奏装置は、音高データ、タイミン
グデータおよびベロシティデータ等の要素データを複数
の記憶トラックに分けて書込み、後で合成して1つの演
奏データを作成するようにしている。
要素データを書き込むための要素データ記憶トラック
は、演奏データを書き込むための演奏データ記憶トラッ
クとは別個に設けてもよく、演奏データ記憶トラックを
共用するようにしてもよい。要素データ記憶トラックと
演奏データ記憶トラックを共用する場合は、演奏データ
合成時、合成しようとする要素データの種別とその要素
データを記憶している演奏データ記憶トラックを指定す
る指定手段を設ける。要素データ記憶トラックを演奏デ
ータ記憶トラックと別個に設ける場合は、各要素データ
の書き込み時にトラックまたはデータ種別を指定するこ
とも可能である。
[作用] 前記の構成によれば、例えば、先ず音高データのみ、
次いでタイミングデータのみというように、演奏データ
の各要素データを別々に入力することができる。この場
合、音高データのみ入力は、押下鍵の位置のみに集中し
て鍵盤演奏を行なうことにより行なうことができる。ま
た、鍵盤を用いるステップ入力方式で行なうことも可能
である。タイミングデータのみの入力は、押下される鍵
にはこだわらず、例えば1つの鍵のみをタイミングだけ
は正しくなるように鍵操作することにより行なうことが
できる。さらに他の要素データ例えばベロシティデータ
も同様に鍵タッチにのみ注意を払って鍵操作することに
より入力することができる。
このような入力方法であれば、初心者にも比較的容易
であり、時間もリアルタイム入力を2〜3回繰り返え
し、その後、合成操作を設定するだけであるから、演奏
データの全部の要素をステップ方式で入力する場合より
入力時間を短縮することができる。
[効果] 以上のように、この発明によると、鍵盤楽器をうまく
弾けない人でも容易に演奏データの作成ができ、時間も
余り掛らない。
[実施例] 以下、図面によりこの発明の実施例を説明する。
第1図は、この発明の一実施例に係る自動演奏装置の
ハードウエア構造を示す。
同図の装置は、中央処理装置(CPU)11を用いてその
全体動作を制御するように構成したものである。CPU11
には双方向バスライン13を介してリードオンリメモリ
(ROM)15、ランダムアクセスメモリ(RAM)17、MIDIイ
ンターフェース19、キー検出回路21、スイッチ検出回路
23、ドライバ回路25、および音源回路27が接続されてい
る。さらに、CPU11には信号ライン29を介してタイマ回
路31が接続され、キー検出回路21には鍵盤回路33が接続
され、スイッチ検出回路23にはパネルスイッチ35が接続
され、ドライバ回路25にはディスプレイ37が接続され、
音源回路27にはサウンドシステム39が接続されている。
ROM15には、第7〜12図に示すフローチャートに対応
するメインルーチン処理、およびタイマインタラプト処
理等の各種制御プログラムが格納されている。また、メ
ーカ設定の自動演奏データが格納されている。
RAM17には、CPU11が前記制御プログラムを実行する際
に発生する各種のデータを一時記憶するためのレジスタ
群や、ユーザが演奏データを書き込むための8個の演奏
データ記憶トラックが設定されている。
第2図は、ROM15およびRAM17の演奏データ記憶トラッ
クのデータ構造を示す。演奏データ記憶トラックの先頭
番地からの数バイトは、音色、テンポおよび拍子等のデ
ータが書き込まれるヘッダ領域である。また、トラック
の最終番地には終了マーク(END)が書き込まれる。こ
のヘッダ領域と終了マークとの間にデュレーションデー
タ(イベントとイベントの間の時間データ)とイベント
データからなる演奏データ本体が書き込まれる。
デュレーションは4分音符の1/24に相当する周期のテ
ンポクロックの数で表わされる。デュレーションデータ
には、ショートとロングの2種類のフォーマットがあ
る。ショートフォーマットは、クロック数1〜31に相当
するデュレーションを表わすための8ビット(1バイ
ト)データである。このショートフォーマットは、第3
図Aに示すように、上位3ビットにショートフォーマッ
トを表わすコード「101」が書き込まれ、下位5ビット
にデュレーションを表わす1〜31の数値tttttが書き込
まれる。
デュレーションがクロック数31を超える場合は、前記
ショートフォーマットに1バイトのポストバイトを付加
した第3図Bに示すようなロングフォーマットが用いら
れる。ポストバイトは、最上位ビット(MSB)にポスト
バイトであることを表わす“0"が書き込まれ、下位7ビ
ットにデュレーションデータの下位7ビットが書き込ま
れる。この場合、ショートフォーマット側の下位5ビッ
トにはデュレーションデータの上位5ビットが書き込ま
れる。すなわち、ロングフォーマットにはクロック数1
〜4095を表わす12ビットデータを書き込むことができ
る。これにより、デュレーションデータのとりうる最長
時間は、テンポが♪=120のとき約85秒になる。なお、
ショートフォーマットおよびロングフォーマットのいず
れにおいても、クロック数データ0の書き込みは禁止さ
れている。
第2図において、イベントデータまたはノートイベン
トデータは、キーのオン/オフ状態を表わすもので、発
音継続時間を表わすゲームタイム、音高を表わすノート
ナンバおよび鍵タッチを表わすベロシティの各データか
らなる3バイトまたは4バイトのデータである。
第1表は、デュレーション(時間)データとゲートタ
イムデータの1例を示す。
前記イベントデータは、前記ゲートタイムの長さに応
じて、第4図AおよびBに示されるようなショートとロ
ングの2種類のフォーマットがある。第4図Aのショー
トフォーマットは、ゲートタイムがクロック数0〜15に
相当する場合に用いられる3バイトデータである。この
ショートフォーマットは、第1バイト目の上位4ビット
にショートフォーマットのノートイベントデータである
ことを表わすコード「1100」が書き込まれ、その下位4
ビットにゲートタイムを表わす0〜15の数値ddddが書き
込まれる。第2バイト目は、最上位(MSB)にそのバイ
トが独立したデータではないことを表わす“0"が書き込
まれ、下位7ビットに0〜127の数値kkkkkkkで表わされ
るノートナンバが書き込まれる。ノートナンバkkkkkkk
はは、音高C2が0、音高G8が127そしてその間の各音
高がC2からの音程を半音数で示す数値で表わしたデー
タである。イベントデータの第3バイト目は、最上位
(MSB)にそのバイトが独立したデータではないことを
表わす“0"を書き込まれ、下位7ビットに1〜127の数
値データであるキーオンベロシティvvvvvvvが書き込ま
れる。なお、このキーオンベロシティデータは省略する
ことができる。
ゲートタイムがクロック数15を超える場合は、前記シ
ョートフォーマットの第1バイト目と第2バイト目との
間に1バイトが付加された第4図Bに示すようなロング
フォーマットが用いられる。このロングフォーマットの
第1バイト目の上位4ビットにはロングフォーマットを
表わす識別コード「1101」が書き込まれ、その下位4ビ
ットにはゲートタイムの上位4ビットを表わす0〜15の
数値ddddが書き込まれる。付加された1バイトは、第3
図Bのポストバイトと全く同様に、、最上位ビットに
“0"が書き込まれ、下位7ビットに0〜127の数値ddddd
ddで表わされるゲートタイムの下位7ビットが書き込ま
れる。このロングフォーマットはデータ長が11ビットで
あり、ゲートタイムとしては0〜2047の数値データを書
き込むことができる。
ノートナンバデータおよびキーオンベロシティデータ
は、前記付加バイトにより1バイトずつずれて第3およ
び第4ビット目となることを除き、ショートフォーマッ
トの場合と同じである。
この実施例において、ゲートタイムのクロックは、デ
ュレーションと同じ4分音符の1/24である。また、ゲー
トタイムの上限は、2047($7FF)に制限され、それ以
上のデータはリミットされる。したがって、ゲートタイ
ムのとりうる最長時間は、テンポが♪=120のとき約42
秒になる。
RAM17に設定されているレジスタ等の一部を下記に例
示する。なお、以下においては、レジスタ等とその内容
とは同一のラベルで表わすものとする。
COUNT(i):第1カウントレジスタ キーオンからキーオフまでの時間(ゲートタイム)
を、その押下鍵を割り当てられたチャンネルiごとにカ
ウントする COUNT2:第2カウントレジスタ キーオンから次のキーオンまでの時間(デュレーショ
ン)をカウントする DSP:ディスプレイレジスタ ディスプレイ画面およびソングモード中の処理モード
を表わす 0:第5図Aの画面;再生モード 1:第5図BまたはCの画面;録音モード 2:第5図Dの画面;コンバインモード DST:ディスティネーショントラック 合成された新たな演奏データが書き込まれる演奏デー
タ記憶トラックを表わす MODE:モードレジスタ 0:ソングモード 1:パターンモード 2:ユーティリティモード 3:ボイスモード NOTE:ノートソーストラック ノートデータの読出元トラック STPF:ステップ録音モードフラグ 0:リアルタイム録音モード 1:ステップ録音モード TIME:デュレーションソーストラック デュレーションデータの読出元トラック TC:テンポクロックレジスタ VELT:ベロシティソーストラック ベロシティデータの読出元トラック 第1図において、MIDIインターフェース19は、コンピ
ュータシステム、電子楽器、外部キーボード(鍵盤)お
よび外部音源等、他のMIDI機器との間でデータの授受を
行なうためものである。
キー検出回路21は、鍵盤における各鍵(キー)の操作
状態を検出し、各鍵ごとの押鍵、離鍵およびキータッチ
(イニシャルタッチ)を表わすキー情報を発生する。
スイッチ検出回路23は、パネルスイッチ35における各
スイッチごとのオン/オフまたは設定状態を表わすスイ
ッチ情報を発生する。第6図は第1図の自動演奏装置の
外観を示す。この自動演奏装置の表面には多数のスイッ
チからなるパネルスイッチ35が配設されている。このパ
ネルスイッチには、ユーティリティモードおよびボイス
モードを選択するためのファンクションキー41〜47、ソ
ング(SONG)、パターン(PATERN)、リアルタイム(RE
AL)録音およびステップ(STEP)録音の各モードを選択
するための処理モードキー49〜55、自動演奏の開始を指
示するための再生(PLAY)キー57、再生キー57と同時に
押下して演奏データの書込を指示するための録音(RE
C)キー59、録音および再生等の停止を指示するための
停止(STOP)キー61、各演奏モードトラックから読み出
したデータを組合せて新たな演奏データを合成するコン
バインモードを設定するためのコンバイン(COMB)キー
62、ならびに数値データ入力用のカーソルキー63,65、
プラス(+)キー67、マイナス(−)キー69およびテン
キー71〜80等が設けられている。
ドライバ回路25は、CPU11がディスプレイレジスタDSP
の値およびカーソルキー63,65、±キー67,69およびテン
キー71〜80等の操作に基づいて送出する指令に基づき、
ディスプレイ37を駆動する。第5図A〜Dは各動作また
は処理モードにおけるディスプレイ37の表示例を示す。
第5図Aはソングモード時の表示例、第5図Bはステッ
プ録音モード時の表示例、第5図Cはリアルタイム録音
モード時の表示例、第5図Dはコンバインモード時の表
示例である。
音源回路27は、再生または録音中、演奏データ記憶ト
ラックから読み出されたデータまたは鍵盤の操作に応じ
てCPU11から送出される楽音制御データに基づいて楽音
信号を形成する。この楽音信号は、D/A変換器、増幅器
およびスピーカ等からなるサウンドシステム39に供給さ
れる。サウンドシステム39は、前記楽音信号を音響に変
換して放音する。
次に、第7図〜第12図のフローチャートを参照しなが
ら第1図の自動演奏装置におけるCPU11の動作を説明す
る。
第1図の自動演奏装置において図示しない電源が投入
されると、CPU11はROM15に格納された制御プログラムに
従って動作を開始する。
第7図を参照して、CPU11は、先ず、ステップ701にて
RAM17内に設定されている各レジスタおよびフラグをク
リアしたり、所定のプリセット値に設定する等の初期設
定を行なう。次に、ステップ702にてファンクションお
よびモードキー41〜51のいずれかがオンされたか否かを
判定する。オンされていればステップ703にてオンされ
たモードキーに対応するモードナンバをモードレジスタ
MODEに書き込む。すなわち、ソングキー49がオンされて
いればソングモードを表わす「0」を、パターンキー51
がオンされていればパターンモードをを表わす「1」
を、ファンクションキー41〜47のいずれかがオンされて
いればそのキーに応じてユーティリテイモードを表わす
「2」またはボイスモードを表わす「3」をモードレジ
スタMODEに書き込む。続いて、ステップ704に処理を進
める。一方、ステップ702の判定が「NO」、すなわちモ
ード41〜51のいずれもオンされていなければステップ70
3をスキップしてステップ702から直接、ステップ704に
処理を進める。
ステップ704ではモードレジスタMODEの内容に応じた
ステップに分岐する。つまり、レジスタMODEの内容、す
なわち現在設定されている動作モードがソングモード
(MODE=0)であれば1曲全部を通して曲を作っていく
ソングモード処理(ステップ705)に分岐し、パターン
モード(MODE=1)であれば1〜2小節分のデータを作
るパターンモード処理(ステップ706)に、ユーティリ
ティモード(MODE=2)であればMIDIの設定等を行なう
ユーティリティモード処理(ステップ707)に、そして
ボイスモードモード(MODE=3)であれば音源関係の設
定を行なうボイスモード処理(ステップ708)に、それ
ぞれ分岐する。ステップ705〜708のいずれかの処理を終
了すると、ステップ709にて他のパネルキーの状態検出
およびそれらの応じた設定処理等からなるその他の処理
を実現した後、前記ステップ702に戻り、上述の処理を
繰り返す。
第8図は、上述したソングモード処理(第7図のステ
ップ705)の詳細を示す。
第8図を参照して、ステップ801ではディスプレイレ
ジスタDSPを検査する。レジスタDSP初期値は「0」であ
る。DSPの値が「0」であれば処理をステップ802に進め
る。このときディスプレイ37には例えば第5図Aの画面
が表示されている。ステップ802ではカーソルキー63,6
5、±キー67,69およびテンキー71〜80を検査し、これら
のキーが操作されていればその操作に応じてカレント小
節MEAS、テンポTEMP、拍子TIME、ソングナンバSONGの設
定変更を行なう。第5図Aの表示画面は、これらの設定
変更に応じてパラメータ値(数値)を変更される。続く
ステップ803では再生(PLAY)キー57がオンされたか否
かを判定する。オンされていればステップ804にてソン
グ再生処理を行なった後、オンされていなければステッ
プ804をスキップしてステップ803から直接、ステップ80
5へ処理を進める。ソング再生処理は、従来の自動演奏
装置と同様に行なえばよい。例えば、ソングナンバSONG
で指定される演奏データ記憶トラックのヘッダ部分のデ
ータを読み込んでテンポTEMPおよび拍子TIMEのレジスタ
およびディスプレイへの表示の設定、ならびに音源27へ
の音色データの送出等を行ない、テンポクロックをテン
ポTEMPに応じた周期に設定してカウントし、このカウン
ト値が演奏データのデュレーションデータと一致する度
に演奏データの読出および音源への送出、読み出したデ
ュレーションおよびゲートタイムの設定、ならびに読み
出したノートデータおよびベロシティデータ等に従った
キーオン処理を実行し、ゲートタイムデータと一致する
度にそのゲートタイムデータに対応するノートのキーオ
フ処理を実行する。また、カレント小節MEASは、カウン
ト値と拍子TIMEとから算出してセットおよび表示する。
ステップ805では録音(REC)キー59がオンされたか否
かを判定する。オンされていればステップ806にてディ
スプレイレジスタDSPを「1」に設定した後、オンされ
ていなければステップ806をスキップしてステップ805か
ら直接、ステップ807へ処理を進める。レジスタDSPの設
定値が「1」に変更された場合、ディスプレイ37はステ
ップフラグSTPFの設定状態に応じて第5図BまたはCの
表示画面に変更される。
ステップ807ではコンバイン(COMB)キー62がオンさ
れたか否かを判定する。オンされていればステップ808
にてディスプレイレジスタDSPを「2」に設定した後、
オンされていなければステップ808をスキップしてステ
ップ807から直接、もとの処理(第7図に示すメインル
ーチンのステップ709)に戻る。レジスタDSPの設定値が
「2」に変更された場合、ディスプレイ37は第5図Dの
表示画面に変更される。
前記ステップ801の判定が「NO」、すなわちディスプ
レイレジスタDSPの値が「1」または「2」であれば、
処理をステップ801からステップ811に進め、このステッ
プ811にてディスプレイレジスタDSPの値が「1」である
か否かを判定する。レジスタDSPの値が「1」であれば
処理をステップ812に進めてリアルタイム入力モード設
定用のREALキー53がオンされたか否かを判定する。オン
されていればステップ813にてステップ入力モードフラ
グSTPFをクリアし、ステップ814にてリアルタイム入力
モードに応じた各種パラメータを設定する。フラグSTPF
が“0"のとき、ディスプレイ37の表示画面は第5図Cの
ようになる。ステップ814で設定されたテンポTEMP等の
各種パラメータはこの表示画面に表示される。
前記ステップ812の判定が「NO」、すなわちREALキー5
3がオンされていなければステップ813および814をスキ
ップしてステップ812から直接、ステップ815へ処理を進
める。
ステップ815ではステップ入力モード設定用のSTPFキ
ー55がオンされたか否かを判定する。オンされていれば
ステップ816にてステップ入力モードフラグSTPFをセッ
トした後、オンされていなければステップ816をスキッ
プしてステップ815から直接、ステップ817へ処理を進め
る。ステップ816にてフラグSTPFがセットされるとディ
スプレイ37の表示画面は第5図Bのものに切り換わる。
ステップ817ではPLAYキー57がオンされたか否かを再
度判定する。オンされていればステップ818にてステッ
プ入力モードフラグSTPFがセットされている(STPF=
1)か否かを判定する。フラグSTPFがセットされていれ
ばステップ819のステップ録音処理を実行した後、セッ
トされてなければ、ステップ820のリアルタイム録音処
理を実行した後、処理をステップ821へ進める。前記ス
テップ817の判定が「NO」、すなわちPLAYキー57がオン
されていなければステップ817からステップ821へ処理を
進める。このステップ819では、前記ステップ802におけ
ると同様に、カーソルキー63,65、±キー67,69およびテ
ンキー71〜80を検査し、これらのキー操作に応じてディ
スプレイ37に表示されているパラメータに対応するレジ
スタおよびディスプレイ37の表示を変更する。なお、こ
こでは、ディスプレイ37の1画面に入り切れない数のパ
ラメータがある場合、第5図Bに点線および一点鎖線で
示すように、カーソルの位置に応じて表示画面を切り換
えるようにしている。これらの処理を終了すると、処理
をステップ821へ進める。
ステップ821では録音モード解除用のEXITキー82がオ
ンされたか否かを判定する。オンされていればステップ
822にてディスプレイレジスタDSPを「0」に設定した
後、オンされていなければステップ822をスキップして
ステップ821から直接、もとの処理(第7図に示すメイ
ンルーチンのステップ709)に戻る。レジスタDSPの設定
値が「0」に変更された場合、ディスプレイ37は第5図
Aの表示画面に変更される。
前記ステップ811の判定が「NO」、すなわちディスプ
レイレジスタDSPの値が「2」であれば、処理をステッ
プ811からステップ831に進め、そこでコンバイン処理を
実行した後、もとの処理(第7図に示すメインルーチン
のステップ709)に戻る。
第9図は、第8図のステップ819におけるステップ録
音処理の詳細を示す。
第9図を参照して、ステップ901ではテンポクロック
レジスタTCをクリアする。このテンポクロックレジスタ
TCは、第1図のタイマ回路31から出力されるクロックパ
ルスを割込信号とする第10図のタイマインタラプト処理
において4分音符の1/24に相当する周期で歩進されるも
のである。
第9図のステップ902では第2カウンタCOUNT2をクリ
アする。このカウンタCOUNT2はキーオンから次のキーオ
ンまでの時間、すなわちデュレーションをカウントする
カウンタである。続くステップ903ではMIDIインターフ
ェース19の受信バッテリにデータが有るか否かを判定す
る。この受信バッファにデータが有るのは、外部のMIDI
キーボード等からデータをもらった場合である。なけれ
ばステップ904にてキー検出回路21に鍵盤操作の検出デ
ータが有るか否かを判定する。受信バッファにデータが
有った場合はステップ903から、キー検出回路21にデー
タが有った場合はステップ904から、ステップ905へ処理
を進める。
ステップ905では受信バッファまたはキー検出回路21
に有ったデータがキーオンイベントを示すデータである
か否かを判定する。キーオンイベントを示すデータであ
ればステップ906にてRAM17の演奏データ記憶トラックに
デュレーションデータ、ノートナンバデータおよびベロ
シテイデータを書き込む。この場合、デュレーションデ
ータは、テンポクロックレジスタTCの計数値である現時
点のタイミングと、第2カウンタCOUNT2に格納されたデ
ータ値である前キーオンイベント発生タイミングとの差
TC-COUNT2として算出される。また、ノートナンバデー
タおよびベロシテイデータは、受信バッファまたはキー
検出回路21に有ったデータから読み出される。続くステ
ップ907ではゲートタイム検出用の第1カウンタCOUNT1
(i)およびデュレーション検出用の第2カウンタCOUN
T2にテンポクロックレジスタTCの計数値TCを転送し、こ
れらのカウンタの値を更新する。これらのカウンタの値
は、前述のステップ906および後述するステップ908で使
用される。ステップ907の処理を終了すると、次にステ
ップ911の処理を実行する。
前記ステップ905の判定が「NO」、すなわちMIDI受信
バッファまたはキー検出回路21に有ったデータがキーオ
フイベントを示すデータであれば処理をステップ905か
らステップ908へ進める。ステップ908では前記演奏デー
タ記憶トラックに、テンポクロックレジスタの計数値TC
とキーオフしたノートが割り当てられていたチャンネル
iに対応する第1カウンタに格納されている数値COUNT1
(i)との差をゲートタイムとして書き込んだ後、処理
をステップ911へ進める。
ステップ911では停止(STOP)キー61がオンされたか
否かを判定する。オンされていればステップ912にて前
記演奏データ記憶トラックにエンドデータを書き込んだ
後、このリアルタイム録音処理を終了してもとの処理
(第8図のステップ822)に戻る。
一方、前記ステップ911の判定が「NO」、すなわちSTO
Pキー61がオンされていなければステップ911からステッ
プ903へ戻って上述したステップ903〜911の処理を繰り
返す。
第11図は、第8図のステップ820におけるステップ録
音処理の詳細を示す。
第11図を参照して、ステップ1101ではカーソルキーお
よびテンキー等の各パネルキー63〜80を用いて入力され
るカレント(現時点で演奏データ作成中の)小節MEAS、
ビートBEAT、クロックCLCK、ステップタイムSTEP、ノー
トNOTE、ゲートタイムGATEおびベロシティVEL等のデー
タを読み込む。続くステップ1102ではエンター(ENTE
R)キー84がオンされたか否かを判定する。オンされて
いればステップ1103にてRAM17の演奏データ記憶トラッ
クTRCKにデュレーションデータ、ゲートタイムデータ、
ノートナンバデータおよびベロシテイデータを書き込
む。この場合、デュレーションデータは今回入力された
カレント小節MEAS、ビートBEATおよびクロックCLCKと前
回入力された小節CMEAS、ビートCBEATおよびクロックCL
OCKとの差から求め、ゲートタイムデータは今回入力さ
れたステップタイムとゲートタイムとの積から求める。
ノートナンバデータおよびベロシテイデータは今回入力
されたノートナンバNOTEおよびベロシティVELをそのま
ま用いる。続くステップ1104では今回入力されたカレン
ト小節MEAS、ビートBEATおよびクロックCLCKをそれぞれ
対応するレジスタCMEAS、CBEATおよびCLOCKに格納す
る。これらのデータCMEAS、CBEATおよびCLOCKは、次回
にステップ1103の処理を実行する際、前回入力されたデ
ータとして用いられる。
前記ステップ1102の判定が「NO」、すなわちENTERキ
ー84がオンされていなければステップ1103および1104の
処理をスキップして、ステップ1102から直接ステップ11
05へ処理を進める。
ステップ1105ではSTOPキー61がオンしたか否かを判定
する。オンしていればステップ1106にて前記演奏データ
記憶トラックにエンドデータを書き込んだ後、このステ
ップ録音処理を終了してもとの処理(第8図のステップ
822)に戻る。
前記ステップ1105の判定が「NO」、すなわちSTOPキー
61がオンしていなければステップ1105からステップ1101
へ戻って上述したステップ1101〜1105の処理を繰り返
す。
第12図は、第8図のステップ831におけるコンバイン
処理の詳細を示す。
第12図を参照して、ステップ1201ではディスプレイ37
を観察しながらカーソルキーおよびテンキー等の各パネ
ルキー63〜80を用いて指定されたコンバインもとのトラ
ック(ソーストラック)、すなわちタイミングデータ読
込用、ノートナンバデータ読込用およびベロシティデー
タ読込用の各トラックナンバをそれぞれ対応するレジス
タTIME、NOTEおよびVELTに格納する。続くステップ1202
ではコンビ(COMB)キー62がオンされたか否かを判定す
る。オンされていればステップ1203にて各ソーストラッ
クTIME、NOTEおよびVELTのデータを読み出し、ソースト
ラックTIMEのデュレーションデータ、ソーストラックNO
TEのノートナンバデータおよびソーストラックVELTのベ
ロシティデータを、それぞれ書き込み先トラック(デス
ティネーショントラック)DESTに書き込む。このステッ
プ1203において、和音(キーオンタイミングが同じ複数
個のノートデータ)については、タイムデータを取り入
れるためのソーストラックTIMEに対しては和音を1個の
イベントとみなし、最も短いゲートタイムを新たな演奏
データ用のデータとして取り入れる。また、ノートデー
タを取り入れるためのソーストラックNOTEについて、キ
ーオンタイミングが同じ和音のノートデータは、全ての
ノートを同一のタイミングのデータとして取り入れる。
さらに、ベロシティデータを取り入れるためのソースト
ラックVELTについて、キーオンタイミングが同じ和音の
ベロシティデータは、最も強いベロシティを演奏データ
作成用データとして取り入れる。
さらに、ステップ1204にてディスプレイレジスタDSP
を「0」に設定した後、もとの処理(第7図のステップ
709)に戻る。
第13図は、第1図の装置における演奏データ作成処理
(コンバイン処理)の概念を示す。
すなわち、演奏データ記憶トラックTR1〜TR3(ソース
トラック)にはそれぞれデュレーションデータ、ノート
ナンバデータおよびベロシティデータ等のデータが記録
されており、各トラックから1種類ずつデータを持って
きて、それらを1つのトラックにまとめて書き込むこと
により新たなデータを作成する。このとき新たにデータ
書き込むトラック(ディスティネーショントラックDES
T)は、新しい別のトラックTR4でもよいし、3つのトラ
ックTR1〜TR3の内の任意の1つでもよい。また、デュレ
ーションとベロシティは同一トラックのものを用い、ノ
ートナンバのみ別トラックのものを用いるというような
やり方も可能である。
このように、例えば音高情報はトラックTR1の音高情
報を、タイミング情報はトラックTR2のタイミング情報
を、ベロシティ情報はトラックTR3のベロシティ情報を
もってきてこれらを1つのトラックに合成して自動演奏
データを作成することができるので、トラックTR1に関
しては音高情報のみに気を付けてタイミング等は適当に
録音し、トラックTR2に関してはタイミング情報のみに
気を付けて音高等は適当に、トラックTR3に関してはベ
ロシティのみに気を付けてデータを録音すればよい。し
たがって、鍵盤楽器を弾けない人でも容易に自動演奏デ
ータを作成することができ、時間も余り掛らない。
[発明の適用例] なお、この発明は、上記実施例に限定されることなく
適宜変形して実施することができる。
例えば、上述の実施例においては、ソフトウエアでの
処理を示したが、ハードウエアを用いて処理することも
可能である。
上述においては、ソーストラックとして演奏データ記
憶トラックを流用した例を示したが、単数または複数の
データを記憶するソース専用トラックを設けるようにし
てもよい。
上述においては、デュレーションとノートナンバとベ
ロシティを1つのトラックにまとめる例を示したが、他
のデータをまとめるようにしてもよい。データフォーマ
ットも上述の例に限らない。
この発明はリズム楽器等に適用することも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の一実施例に係る自動演奏装置のハ
ードウエア構成図、 第2図は、第1図の装置におけるRAM内に記録される演
奏データのフォーマット図、 第3図AおよびBは、第2図の演奏データにおけるデュ
レーションデータのフォーマット図、 第4図AおよびBは、第2図の演奏データにおけるノー
トデータのフォーマット図、 第5図A〜Dは、それぞれ第1図の装置におけるディス
プレイの表示画像を示す図、 第6図は、第1図の装置におけるパネルスイッチを示す
外観図、 第7図〜第12図は、第1図におけるCPUが実行する処理
を示すフローチャート図、そして 第13図は、第1図の装置における演奏データ合成の概念
図である。 11:中央処理装置(CPU) 15:ROM 17:RAM 33:鍵盤回路 37:ディスプレイ 53:リアルタイム録音キー 55:ステップ録音キー 57:再生キー 59:録音キー 62:コンバインキー 63,65:カーソルキー 71〜80:テンキー

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽曲の進行に従って順次発生されるべき楽
    音を制御するための順次の演奏データであって、各楽音
    の音高およびオン・オフタイミングを特定するための音
    高データおよびタイミングデータを少なくとも有する複
    数種類の順次の要素データを含むものを記憶する演奏デ
    ータ記憶トラックと、 前記複数種類の要素データのうちの少なくとも1種類を
    用いて構成され、前記楽曲の進行に従った順序で配列し
    た順次の要素データを記憶する複数の要素データ記憶ト
    ラックであって、各トラック毎にそれが記憶する要素デ
    ータの種類のうちの少なくとも1つが特定され、かつそ
    の特定される要素データの種類が各トラック毎にユニー
    クであるものと、 前記各要素データ記憶トラックから、各トラックについ
    て特定されている種類の要素データを順次読み出し、こ
    れら各トラックからの各種類の要素データを組み合わせ
    ることにより前記演奏データを順次合成して前記演奏デ
    ータ記憶トラックに書き込む制御手段とを具備すること
    を特徴とする自動演奏装置。
  2. 【請求項2】前記複数の要素データ記憶トラックの各ト
    ラック毎に、前記楽曲の進行に従った鍵盤操作により、
    リアルタイムで、前記楽曲の進行に従った順序で配列し
    た順次の要素データを記憶させる手段を有することを特
    徴とする請求項1記載の自動演奏装置。
  3. 【請求項3】前記要素データ記憶トラックから読み出さ
    れるべき前記要素データ種類の特定を行う手段を有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の自動演奏装
    置。
  4. 【請求項4】前記要素データ記憶トラックとして使用す
    るトラックを指定する手段を有し、これによって指定さ
    れる要素データ記憶トラックは、それぞれが前記演奏デ
    ータを記憶するために複数個設定されている前記演奏デ
    ータ記憶トラックの一部または全部を流用するものであ
    り、前記指定される要素データ記憶トラックに対して、
    前記合成される演奏データが書き込まれることを特徴と
    する請求項1〜3いずれかに記載の自動演奏装置。
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