JP2595681B2 - 車両の加速スリップ防止装置 - Google Patents

車両の加速スリップ防止装置

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JP2595681B2
JP2595681B2 JP63221609A JP22160988A JP2595681B2 JP 2595681 B2 JP2595681 B2 JP 2595681B2 JP 63221609 A JP63221609 A JP 63221609A JP 22160988 A JP22160988 A JP 22160988A JP 2595681 B2 JP2595681 B2 JP 2595681B2
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  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は車両の旋回性を向上させるようにした車両の
加速スリップ防止装置に関する。
(従来の技術) 従来、自動車が急加速された場合に生じる駆動輪のス
リップを防止する加速スリップ防止装置(トラクション
コントロール装置)が知られている。このようなトラク
ションコントロール装置においては、駆動輪の加速スリ
ップを検出するとタイヤと路面との摩擦係数μが最大範
囲(第15図の斜線範囲)にくるように、スリップ率Sを
制御していた。ここで、スリップ率Sは[(VF−VB)/V
F]×(パーセント)であり、VFは駆動輪の車輪速度、V
Bは車体速度である。つまり、駆動輪のスリップを検出
した場合には、駆動輪の車輪速度VFをエンジン出力の制
御により、スリップ率Sが斜線範囲に来るように制御し
て、タイヤと路面との摩擦係数μが最大範囲に来るよう
に制御して、加速時に駆動輪のスリップを防止して自動
車の加速性能を向上させるようにしている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、自動車の旋回時における旋回性能を向上さ
せる要因として、タイヤに発生される横力(サイドフォ
ース)がある。この横力を大きくすることにより、コー
ナリング力が大きくとれ、旋回性を向上させることがで
きる。この横力は第15図のAで示すようにスリップ率S
が大きくなると徐々に減少される。従って、摩擦係数μ
が最大範囲となる位置においては、まだ横力が不足して
いるため、旋回性能が充分に発揮できないという問題点
がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的
は、車両旋回中の求心加速度及び求心加速度変化率に応
じてスリップ量を補正することにより、旋回時には横力
を大きくするように制御して、旋回時にスリップを発生
させないようにして安定した旋回走行を可能にすると共
に、旋回時の加速性をも確保できるようにした車両の加
速スリップ防止装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段及び作用) 駆動輪のスリップ量を検出し、同スリップ量に応じて
駆動トルクを低減することにより上記駆動輪スリップを
抑制する車両の加速スリップ防止装置において、上記車
両が旋回中であるときに発生する求心加速度を求める求
心加速度検出手段と、同求心加速度の変化率を求める求
心加速度変化率検出手段と、上記求心加速度と求心加速
度変化率とに基づいて上記スリップ量を補正するスリッ
プ量補正手段とを備えたことを特徴とする車両の加速ス
リップ防止装置である。
このような構成とすることにより、求心加速度と求心
加速度変化率とに基づいてスリップ量を補正するため、
旋回の前半ではエンジン出力を低下させることで横力を
増大させるとともに旋回後半では前半よりもエンジン出
力を回復させて旋回終了後の加速度を向上させることが
できる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例に係わる車両
の加速スリップ防止装置について説明する。第1図は車
両の加速スリップ防止装置を示す構成図である。同図は
前輪駆動車を示しているもので、WFRは前輪右側車輪、
WFLは前輪左側車輪、WRRは後輪右側車輪、WRLは後輪
左側車輪を示している。また、11は前輪右側車輪(駆動
輪)WFRの車輪速度VFRを検出する車輪速度センサ、12
は前輪左側車輪(駆動輪)WFLの車輪速度VFLを検出す
る車輪速度センサ、13は後輪右側車輪(従動輪)WRRの
車輪速度VRRを検出する車輪速度センサ、14は後輪左側
車輪(従動輪)WRLの車輪速度VRLを検出する車輪速度
センサである。上記車輪速度センサ11〜14で検出された
車輪速度VFR,VFL,VRR,VRLはトラクションコントローラ
15に入力される。このトラクションコントローラ15はエ
ンジン16に制御信号を送って加速時の駆動輪のスリップ
を防止する制御を行なっている。このエンジン16はアク
セルペダルによりその開度が操作される主スロットル弁
THmの他に、上記トラクションコントローラ15からの制
御信号Θsによりその開度が制御される副スロットル弁
THsを有しており、この副スロットル弁THsの開度をトラ
クションコントローラ15からの制御信号により制御して
エンジン16の駆動力を制御している。
また、17は前輪右側車輪WFRの制動を行なうホイール
シリンダ、18は前輪左側車輪WFLの制動を行なうホイー
ルシリンダである。通常これらのホイールシリンダには
ブレーキペダル(図示せず)を操作することでマスタバ
ック、マスタシリンダ(図示せず)を介して圧油が供給
される。トラクションコントロール作動時には次に述べ
る別の経路からの圧油の供給を可能としている。上記ホ
イールシリンダ17への油圧源19からの圧油の供給はイン
レッドバルブ17iを介して行われ、上記ホイールシリン
ダ17からリザーバ20への圧油の排出はアウトレットバル
ブ17oを介して行われる。また、上記ホイールシリンダ1
8への油圧源19からの圧油の供給はインレットバルブ18i
を介して行われ、上記ホイールシリンダ18からリザーバ
20への圧油の排出はアウトレットバルブ18oを介して行
われる。そして、上記インレットバルブ17i及び18i、上
記アウトレットバルブ17o及び18oの開閉制御は上記トラ
クションコントローラ15により行われる。
次に、第2図を参照して上記トラクションコントロー
ラ15の詳細な構成について説明する。車輪速度センサ11
及び12において検出された駆動輪の車輪速度VFR及びV
FLは高車速選択部(SH)31に送られて、車輪速度VFRと
車輪速度VFLのうち大きい車輪速度の方が選択されて出
力される。また同時に、車速センサ11及び12において検
出された駆動輪の車輪速度VFR及びVFLは平均部32にお
いて平均されて平均車輪速度(VFR+VFL)/2が算出さ
れる。上記高車速選択部31から出力される車輪速度は重
み付け部33において変数KG倍され、上記平均部32から
出力される平均車輪速度は重み付け部34において変数
(1−KG)倍されて、それぞれ加算部35に送られて加
算されて駆動輪速度VFとされる。なお、変数KGは第3
図に示すように求心加速度GYに応じて変化する変数であ
る。第3図に示すように、求心加速度GYが所定値(例え
ば、0.1g、ただしgは重力加速度)までは求心加速度に
比例し、それ以上になると、「1」となるように設定さ
れている。
また、上記車輪速度センサ13,14で検出される従動輪
の車輪速度は低車速選択部36に入力されて、小さい方の
車輪速度が選択される。さらに、上記車輪速度センサ1
3,14で検出される従動輪の車輪速度は高車速選択部37に
入力されて、大きい方の車輪速度が選択される。そし
て、上記低車速選択部36で選択された小さい方の車輪速
度は重み付け部38において変数Kr倍され、上記高車速選
択部37で選択された大きい方の車輪速度は重み付け部39
において、変数(1−Kr)倍される。この変数Krは第4
図に示すように求心加速度GYに応じて「1」〜「0」の
間を変化している。
また、上記重み付け部38及び上記重み付け部39から出
力される車輪速度は加算部40において加算されて従動輪
速度VRとされ、さらに上記従動輪速度VRは乗算部40′
において(1+α)倍されて目標駆動輪速度VΦとされ
る。
そして、上記加算部35から出力される駆動輪速度VF
と上記乗算部40′から出力される目標駆動輪速度VΦは
減算部41において減算されてスリップ量DVi′(=VF−
VΦ)が算出される。このスリップ量DVi′はさらに加
算部42において、求心加速度GY及び求心加速度GYの変化
率Gに応じてスリップDVi′の補正がなされる。つま
り、スリップ量補正部43には第5図に示すような求心加
速度GYに応じて変化するスリップ補正量Vgが設定されて
おり、スリップ量補正部44には第6図に示すような求心
加速度GYの変化率Gに応じて変化するスリップ補正量
Vdが設定されている。そして、加算部42において、減算
部41から出力されるスリップ量DVi′に上記スリップ補
正量Vd及びVgが加算されて、スリップ量DViとされる。
このスリップ量DViは例えば15msのサンプリング時間
TでTSn演算部45内の演算部45aに送られて、スリップ量
DViが係数KIを乗算されながら積分されて補正トルクTSn
が求められる。つまり、 TSn=ΣKI・DVi(KIはスリップ量DViに応じて変化する
係数である) としてスリップ量DViの積算により求められた補正トル
ク、つまり積分型補正トルクTSnが求められる。
また、上記スリップ量DViはサンプリング時間T毎にT
Pn演算部46の演算部46aに送られてスリップ量DViに比例
する補正トルクTPnが算出される。つまり、 TPn=DVi・Kp(Kpは係数) としてスリップ量DViに比例する補正トルク、つまり比
例型補正トルクTPnが求められる。
また、上記加算部40から出力される従動輪速度VRは
車体速度VBとして基準トルク演算部47に入力される。
この基準トルク演算部47は上記従動輪速度VRに基づい
て摩擦係数μの路面にスリップを生じさせないで伝達可
能な基準トルクTGが算出される。
そして、上記基準トルクTGと上記積分型補正トルクT
Snとの減算は減算部48において行われ、さらに上記比例
側補正トルクTPnとの減算が減算部49において行われ
る。このようにして、目標トルクTΦは TΦ=TG−TSn−TPnとして算出される。
そして、この目標トルクTΦはトルク/スロットル開
度変換部50において、上記目標トルクTΦを発生させる
ためのエンジントルクが算出されると共に、このエンジ
ントルクを発生させるための副スロットル弁開度に変換
される。そして、副スロットル弁の開度Θsを調整する
ことにより、エンジンの出力トルクが目標エンジントル
クTΦになるように制御される。
また、従動輪の車輪速度VRR,VRLは求心加速度演算部
53に送られ、旋回度を判断するために、求心加速度GY′
が求められる。この求心加速度GY′は求心加速度補正部
54に送られて、求心加速度GY′が車速に応じて補正され
る。
つまり、GY=Kv・GY′とされて、係数Kvが第7図乃至
第12図に示すように車速に応じてKvが変化することによ
り、求心加速度GYが車速に応じて補正される。
ところで、駆動輪の車輪速度VFRから上記高車速選択
部37出力の従動輪で値が大きい方の車輪速度が減算部55
において減算される。さらに、駆動輪の車輪速度VFLか
ら上記高車速選択部37出力の従動輪で値が大きい方の車
輪速度が減算部56において減算される。
上記減算部55の出力は乗算部57においてKB倍(0<
KB<1)され、上記減算部56の出力は乗算部58におい
て(1−KB)倍された後、加算部59において加算され
て右側駆動輪のスリップ量DV FRとされる。また同時
に、上記減算部56の出力は乗算部60においてKB倍さ
れ、上記減算部55の出力は乗算部61において(1−K
B)倍された後加算部62において加算されて左側の駆動
輪のスリップ量DV FLとされる。上記変数KBは第13図に
示すようにトラクションコントロールの制御開始からの
経過時間に応じて変化するもので、トラクションコント
ロールの制御開始時には「0.5」とされ、トラクション
コントロールの制御が進むに従って、「0.8」に近付く
ように設定されている。例えば、KBを「0.8」とした場
合、一方の駆動輪だけにスリップが発生したとき他方の
駆動輪でも一方の駆動輪の20%だけスリップが発生した
ように認識してブレーキ制御を行なうようにしている。
これは、左右駆動輪のブレーキを全く独立にすると、一
方の駆動輪だけにブレーキがかかって回転が減少した時
にデフの作用により今度は反対側の駆動輪がスリップし
てブレーキがかかり、この動作が繰返えされて好ましく
ないためである。上記右側駆動輪のスリップ量DV FRは
微分部63において微分されてその時間的変化量、つまり
スリップ加速度GFRが算出されると共に、上記左側駆動
輪のスリップ量DV FLは微分部64において微分されてそ
の時間的変化量、つまりスリップ加速度GFLが算出され
る。そして、上記スリップ加速度GFRはブレーキ液圧変
化量(ΔP)算出部65に送られて、第14図に示すGFR
(GFL)−ΔP変換マップが参照されてスリップ加速度
GFRを抑制するためのブレーキ液圧の変化量ΔPが求め
られる。また、同様に、スリップ加速度GFLはブレーキ
液圧変化量(ΔP)算出部66に送られて、第14図に示す
GFR(GFL)−ΔP変換マップが参照されて、スリップ
加速度GFLを抑制するためのブレーキ液圧の変化量ΔP
が求められる。
なお、第14図において、旋回時にブレーキを掛ける場
合には、内輪側の駆動輪のブレーキを強化するために、
旋回時の内輪側は破線aで示すようになっている。
次に、上記のように構成された本発明の一実施例に係
わる車両の加速スリップ防止装置の動作について説明す
る。第1図及び第2図において、車輪速度センサ13,14
から出力される従動輪(後輪)の車輪速度は高車速選択
部36,低車速選択部37,求心加速度演算部53に入力され
る。上記低車速選択部36においては従動輪の左右輪のう
ち小さい方の車輪速度が選択され、上記高車速選択部37
においては従動輪の左右輪のうち大きい方の車輪速度が
選択される。通常の直線走行時において、左右の従動輪
の車輪速度が同一速度である場合には、低車速選択部36
及び高車速選択部37からは同じ車輪速度が選択される。
また、求心加速度演算部53においては左右の従動輪の車
輪速度が入力されており、その左右の従動輪の車輪速度
から車両が旋回している場合の旋回度、つまりどの程度
急な旋回を行なっているかの度合いが算出される。
以下、求心加速度演算部53においてどのように求心加
速度が算出されるかについて説明する。前輪駆動車では
後輪が従動輪であるため、駆動によるスリップに関係な
くその位置での車体速度を車輪速度センサにより検出で
きるので、アッカーマンジオメトリを利用することがで
きる。つまり、定常旋回においては求心加速度GY′は GY′=v2/r …(1) (v=車速、r=旋回半径)として算出される。
例えば、第16図に示すように車両が右に旋回している
場合において、旋回の中心をMoとし、旋回の中心Moから
内輪側(WRR)までの距離をr1とし、トレッドをΔrと
し、内輪側(WRL)の車輪速度をv1とし、外輪側の車輪
速度をv2とした場合に、 v2/v1=(Δr+r1)/r1 …(2) とされる。
そして、上記(1)式を変形して 1/r1=(v2−v1)/Δr・v1 …(3) とされる。そして、内輪側を基準とすると求心加速度G
Y′は GY′=v12/r1 =v12・(v2−v1)/Δr・v1 =v1・(v2−v1)/Δr …(4) として算出される。
つまり、第(4)式により求心加速度GY′が算出され
る。ところで、旋回時には内輪側の車輪速度v1は外輪側
の車輪速度v2より小さいため、内輪側の車輪速度v1を用
いて求心加速度GY′を算出しているので、求心加速度G
Y′は実際より小さく算出される。従って、重み付け部3
3で乗算される係数KGは求心加速度GY′が小さく見積ら
れるほど、小さい値となる。従って、駆動輪速度VFが
小さく見積もられるために、スリップ量DV′=(VF−
VΦ)も小さく見積もられる。これにより、目標トルク
TΦが大きく見積もられ、目標エンジントルクが大きく
見積もられることにより、旋回時にも充分な駆動力を与
えるようにしている。
ところで、極低速時の場合には、第16図に示すよう
に、内輪側から旋回の中心M0までの距離はr1であるが、
速度が上がるに従ってアンダーステアする車両において
は、旋回の中心はMに移行し、その距離はr(r>r1)
となっている。このように速度が上がった場合でも、旋
回半径をr1として計算しているために、上記第(1)式
に基づいて算出された求心加速度GY′は実際よりも大き
い値として算出される。このため、求心加速度演算部53
において算出された求心加速度GY′は求心加速度補正部
54に送られて、高速では求心加速度GYが小さくなるよう
に、求心加速度速度GY′に第7図の係数Kvが乗算され
る。この変数Kvは車速に応じて小さくなるように設定さ
れており、第8図あるいは第9図に示すように設定して
も良い。このようにして、求心加速度補正部54により補
正された求心加速度GYが出力される。
一方、速度が上がるに従って、オーバステアする(r
<r1)車両においては、上記したアンダーステアする車
両とは全く逆の補正が求心加速度補正部54において行わ
れる。つまり、第10図ないし第12図のいずれかの変数Kv
が用いられて、車速が上がるに従って、上記求心加速度
演算部53で算出された求心加速度GY′を大きくなるよう
に補正している。
ところで、上記低車速選択部36において選択された小
さい方の車輪速度は重み付部38において第4図に示すよ
うに変数Kr倍され、高車速選択部37において選択された
高車輪速は重み付け部39において変数(1−Kr)倍され
る。変数Krは求心加速度GYが例えば0.9gより大きくなる
ような旋回時に「1」となるようにされ、求心加速度GY
が0.4gより小さくなると「0」に設定される。
従って、求心加速度GYが0.9gより大きくなるような旋
回に対しては、低車速選択部36から出力される従動輪の
うち低車速の車輪速度、つまり操舵時における内輪側の
車輪速度が選択される。そして、上記重み付け部38及び
39から出力される車輪速度は加算部40において加算され
て従動輪速度VRとされ、さらに上記従動輪速度VRは乗
算部40′において(1+α)倍されて目標駆動輪速度V
Φとされる。
また、駆動輪の車輪速度のうち大きい方の車輪速度が
高車速選択部31において選択された後、重み付け部33に
おいて第3図に示すように変数KG倍される。さらに、
平均部32において算出された駆動輪の平均車速(VFR+
VFL)/2は重み付け部34において、(1−KG)倍さ
れ、上記重み付け部33の出力と加算部35において加算さ
れて駆動輪速度VFとされる。従って、求心加速度GYが
例えば0.1g以上となると、KG=1とされるため、高車
速選択部31から出力される2つの駆動輪のうち大きい方
の駆動輪の車輪速度が出力されることになる。つまり、
車両の旋回度が大きくなって求心加速度GYが例えば、0.
9g以上になると、「KG=Kr=1」となるために、駆動
輪側は車輪速度の大きい外輪側の車輪速度を駆動輪速度
VFとし、従動輪側は車輪速度の小さい内輪側の車輪速
度を従動輪速度VRとしており、減算部41で算出される
スリップ量DVi′(=VF−VΦ)としているために、ス
リップ量DVi′は大きく見積もられる。従って、目標ト
ルクTΦは小さく見積もられるために、エンジンの出力
が低減されて、スリップ率Sを低減させて第15図に示す
ように横力Aを上昇させることができ、旋回時のタイヤ
のグリップ力を上昇させて、安全な旋回を行なうことが
できる。
上記スリップ量DV′はスリップ量補正部43において、
求心加速度GYが発生する旋回時のみ第5図に示すような
スリップ補正量Vgが加算されると共に、スリップ量補正
部44において第6図に示すようなスリップ量Vdが加算さ
れる。例えば、直角に曲がるカーブの旋回を想定した場
合に、旋回の前半においては求心加速度GY及びその時間
的変化率Gは正の値となるが、カーブの後半において
は求心加速度GYの時間的変化率Gは負の値となる。従
って、カーブの前半においては加算部42において、スリ
ップ量DVi′に第5図に示すスリップ補正量Vg(>0)
及びスリップ補正量Vd(>0)が加算されてスリップ量
DViとされ、カーブの後半においてはスリップ補正量Vg
(>0)及びスリップ補正量Vd(<0)が加算されてス
リップ量DViとされる。従って、旋回の後半におけるス
リップ量DViは旋回の前半におけるスリップ量DViよりも
小さく見積もることにより、旋回の前半においてはエン
ジン出力を低下させて横力を増大させて旋回性を向上さ
せ、旋回の後半においては、前半よりもエンジン出力を
回復させて旋回終了後の車両の加速性を向上させるよう
にしている。
このようにして、補正されたスリップ量DViは例えば1
5msのサンプリング時間TでTSn演算部45に送られる。こ
のTSn演算部45内において、スリップ量DViが係数KIを乗
算されながら積分されて補正トルクTSnが求められる。
つまり、 TSn=ΣKI・DVi(KIはスリップ量DViに応じて変化する
係数である) としてスリップ量DViの積算により求められた補正トル
ク、つまり積分型補正トルクTSnが求められる。
また、上記スリップ量DViはサンプリング時間T毎にT
Pn演算部46に送られて、補正トルクTPnが算出される。
つまり、 TPn=DVi・Kp(Kpは係数) としてスリップ量DViに比例する補正トルク、つまり比
例型補正トルクTPnが求められる。
また、上記加算部40から出力される従動輪速度VRは
車体速度VBとして基準トルク演算部47に入力される。
そして、この基準トルク演算部47において、上記車体速
度VBに基づき摩擦係数μの路面にスリップしないで伝
達可能な基準トルクTGが算出される。
そして、上記基準トルクTGと上記積分型補正トルクT
Snとの減算は減算部48において行われ、さらに上記比例
側補正トルクTPnが減算部49において行われる。このよ
うにして、目標トルクTΦは TΦ=TG−TSn−TPnとして算出される。
そして、この目標トルクTΦはトルク/スロットル開
度変換部50に送られて、目標トルクTΦを発生させるた
めの副スロットル弁開度Θsに変換され、同副スロット
ル開度Θsに応じて副スロットル弁THsが開閉制御され
る。
ところで、駆動輪の車輪速度VFRから上記高車速選択
部37出力の従動輪で値が大きい方の車輪速度が減算部55
において減算される。さらに、駆動輪の車輪速度VFLか
ら上記高車速選択部37出力の従動輪で値が大きい方の車
輪速度が減算部56において減算される。従って、減算部
55及び56の出力を小さく見積もるようにして、旋回中に
おいて内輪差により左右従動輪速に差が発生しても、ス
リップの誤検出によるブレーキ作動を防ぎ、走行安定性
を向上している。
上記減算部55の出力は乗算部57においてKB倍(0<
KB<1)され、上記減算部56の出力は乗算部58におい
て(1−KB)倍された後、加算部59において加算され
て右側駆動輪のスリップ量DV FRとされる。また同時
に、上記減算部56の出力は乗算部60においてKB倍さ
れ、上記減算部55の出力は乗算部61において(1−K
B)倍された後加算部62において加算されて左側の駆動
輪のスリップ量DV FLとされる。上記変数KBは第13図に
示すようにトラクションコントロールの制御開始からの
経過時間に応じて変化するもので、トラクションコント
ロールの制御開始時には「0.5」とされ、トラクション
コントロールの制御が進むに従って、「0.8」に近付く
ように設定されている。つまり、ブレーキにより駆動輪
のスリップを低減させる場合には、制動開始時において
は、両車輪に同時にブレーキを掛けて、例えばスピリッ
ト路でのブレーキ制動開始時の不快なハンドルショック
を低減させることができる。ブレーキ制御が継続されて
行われて、KBが「0.8」となった場合には動作について
説明する。この場合、一方の駆動輪だけにスリップが発
生したとき他方の駆動輪でも一方の駆動輪の20%だけス
リップが発生したように認識してブレーキ制御を行なう
ようにしている。これは、左右駆動輪のブレーキを全く
独立にすると、一方の駆動輪にのみブレーキがかかって
回転が減少するとデフの作用により今度は反対側の駆動
輪がスリップしてブレーキがかかり、この動作が繰返え
されて好ましくないためである。上記右側駆動輪のスリ
ップ量DV FRは微分部63において微分されてその時間的
変化量、つまりスリップ加速度GFRが算出されると共
に、上記左側駆動輪のスリップ量DV FLは微分部64にお
いて微分されてその時間的変化量、つまりスリップ加速
度GFLが算出される。そして、上記スリップ加速度GFR
はブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部65に送られて、第
14図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マップが参照されて
スリップ加速度GFRを抑制するためのブレーキ液圧の変
化量ΔPが求められる。また、同様に、スリップ加速度
GFLはブレーキ液圧変化量(ΔP)算出部66に送られ
て、第14図に示すGFR(GFL)−ΔP変換マップが参照
されて、スリップ加速度GFLを抑制するためのブレーキ
液圧の変化量ΔPが求められる。
なお、第14図において、旋回時にブレーキを掛ける場
合には、内輪側の駆動輪のブレーキを強化するために、
旋回時の内輪側には破線aで示すようになっている。こ
のようにして、旋回時において荷重移動が外輪側に移動
して、内輪側がすべり易くなっているのを、ブレーキ液
圧の変化量ΔPを内輪側を外輪側よりも大きめとするこ
とにより、旋回時に内輪側がすべるのを防止させること
ができる。
なお、上記実施例における求心加速度演算部53におけ
る求心加速度GY′の演算は内輪側の車輪速度v1を基準と
したが、これに限らず、内輪側の車輪速度v1と外輪側の
車輪速度v2との平均を基準としたり、あるいは外輪側の
車輪速度v2を基準として算出するようにしても良い。
例えば、求心加速度GY′を内輪側の車輪速度v1と外輪
側の車輪速度v2の平均を基準として算出する場合につい
て説明する。この場合には、求心加速度GY′は 第1式に、 v=(v2+v1)/2, r=r1+Δr/2 を代入して、(2)式を用いて変形すると、 GY′=(v22−v12)/2・Δr …(5) となる。
一方、外輪側の車輪速度v2を基準とした場合には 上記第1式にv=v2,r=r1+Δrを代入して(2)式を
用いて変形すると GY′=(v2−v1)v2/Δr …(6) となる。
従って、外輪側の車輪速度v2を基準として求心加速度
GY′を算出した場合には、求心加速度GY′を実際より大
きく見積もっているので、スリップ量DV′を実際より大
きく見積もることにより目標トルクTΦを小さく見積も
り、内輪側の車輪速度v1を基準とした時よりもエンジン
出力トルクを小さくして、横力を増加させて旋回性能を
向上させている。また、求心加速度GY′を内輪側の車輪
速度v1と外輪側の車輪速度v2の平均を基準として求心加
速度GY′を算出した場合には、上記したように内輪側の
車輪速度v1を基準とした場合と外輪側の車輪速度v2を基
準とした場合の中間的なエンジンの出力制御がなされる
ために、旋回時の駆動力及び旋回性の両方に比重を置く
中間的な特性を得ることができる。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、車両旋回時に加
速スリップが発生すると、求心加速度及び求心加速度変
化率とに基づいてスリップ量を補正するようにしたた
め、旋回の前半ではエンジン出力を低下させることで横
力を増加させるとともに旋回後半では前半よりもエンジ
ン出力を回復させて旋回終了後の加速性を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係わる車両の加速スリップ
防止装置の全体的な構成図、第2図は第1図のトラクシ
ョンコントローラの制御を機能ブロック毎に分けて示し
たブロック図、第3図は求心加速度GYと変数KGとの関
係を示す図、第4図は求心加速度GYと変数Krとの関係を
示す図、第5図は求心加速度GYとスリップ補正量Vgとの
関係を示す図、第6図は求心加速度の時間的変化率G
とスリップ補正量Vdとの関係を示す図、第7図乃至第12
図はそれぞれ車体速度VBと変数Kvとの関係を示す図、
第13図はブレーキ制御開始時から変数KBの経時変化を
示す図、第14図はスリップ量の時間的変化量GFR(GF
L)とブレーキ液圧の変化量ΔPとの関係を示す図、第1
5図はスリップ率Sとタイヤ−路面間の摩擦計数μ及び
横力(サイドフォース)の関係を示す図、第16図は車両
が右旋回中の場合における旋回半径r1,r,トレッドΔr
を示した図である。 11〜14……車輪速度センサ、15……トラクションコント
ローラ、45……TSn演算部、46……TPn演算部、47……基
準トルク演算部、50……トルク/スロットル開度変換
部、53……求心加速度演算部、54……求心加速度補正
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−31859(JP,A) 特開 昭62−240811(JP,A) 特開 昭63−39677(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪のスリップ量を検出し、同スリップ
    量に応じて駆動トルクを低減することにより上記駆動輪
    のスリップを抑制する車両の加速スリップ防止装置にお
    いて、上記車両が旋回中であるときに発生する求心加速
    度を求める求心加速度検出手段と、 同求心加速度の変化率を求める求心加速度変化率検出手
    段と、 上記求心加速度と求心加速度変化率とに基づいて上記ス
    リップ量を補正するスリップ量補正手段とを備えたこと
    を特徴とする車両の加速スリップ防止装置。
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