JP2595347B2 - 含フッ素艶消電着塗装用樹脂組成物、その製造方法、同塗装方法および同塗装物品 - Google Patents

含フッ素艶消電着塗装用樹脂組成物、その製造方法、同塗装方法および同塗装物品

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JP2595347B2 JP3921089A JP3921089A JP2595347B2 JP 2595347 B2 JP2595347 B2 JP 2595347B2 JP 3921089 A JP3921089 A JP 3921089A JP 3921089 A JP3921089 A JP 3921089A JP 2595347 B2 JP2595347 B2 JP 2595347B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、含フッ素重合体を含有する艶消電着塗装用
樹脂組成物、艶消電着塗装用樹脂組成物の製造方法、艶
消電着塗装方法および艶消電着塗装物品に関する。
(従来の技術) 従来、艶消電着塗料としては、有機又は無機の微粉末
を電着塗料に混合分散してなるものが知られている。
例えば艶消剤としてシリカ微粉末を分散させた電着塗
料を使用した場合、シリカ微粉末は塗料中で沈降する傾
向を示し、このため被塗物の上面と下面の艶消程度が大
巾に異なり、又塗料自体も経時により分離し不安定であ
るという問題があった。一方、艶消剤として溶剤不溶性
の粒子状重合反応生成物を塗料に添加すれば従来の艶消
剤を粉砕又は分散等の機械的微細化工程が不要になると
いう利点があるが、前記の艶消剤添加の場合と同様に塗
料中においては粒子状重合反応生成物が沈降する傾向は
避けられず、このため均一な艶消塗膜が得られないとい
う問題が依然として残されている。前記問題を解決する
ものとして、樹脂組成物が、(a)α、β−エチレン性
不飽和ポリカルボン酸樹脂及び(b)アルコキシル化メ
チロ−ルメラミンを塗膜形成成分とし、この(a)成分
及び(b)成分を含有する水系エマルジョンを加熱して
得られる生成物を含有する組成物を艶消電着塗料とする
ことが公知である。(特公昭60−19942号公報参照) また、アルコキシシリル基を含有するアクリル共重合
体とアミノ樹脂からなるアニオン性電着塗料も知られて
いる。(特公昭62−24519号公報参照) これらの電着塗料は、塗膜形成主成分がアクリル系共
重合体であるため、艶消電着塗膜の耐候性や耐薬品性と
いった物理的性質、化学的性質において十分満足な結果
が得られておらず、さらにその改良が望まれているのが
現状である。
(発明の目的) 本発明の目的は、前記従来の艶消電着塗料では得られ
ない、優れた耐候性、耐アルカリ性、耐酸性、耐沸水性
等の塗膜の物理的性質を有する艶消電着塗膜を形成しう
る含フッ素重合体を有する艶消電着塗装用樹脂組成物、
艶消電着塗装用樹脂組成物の製造方法、艶消電着塗装方
法及び、艶消電着塗装物品を提供することである。
(発明の構成) 本発明を概説すると、第1の発明は、塗膜形成成分
が、(イ)分子内にカルボキシル基、水酸基及び加水分
解性シリル基を有する含フッ素重合体50〜97重量部と
(ロ)アミノプラスト3〜50重量部よりなることを特徴
とする含フッ素艶消電着塗装用樹脂組成物である。第2
の発明は、「(イ)分子内にカルボキシル基、水酸基及
び加水分解性シリル基を有する含フッ素重合体50〜97重
量部と(ロ)アミノプラスト3〜50重量部よりなる塗膜
形成成分」の該カルボキシル基の一部分を塩基性化合物
で中和し得られる「(ハ)分子内にカルボキシル基、水
酸基、加水分解性シリル基及び塩基性化合物で中和して
なるカルボキシル基を有する含フッ素重合体50〜97重量
部と(ロ)アミノプラスト3〜50重量部よりなる塗膜形
成成分」、および水を含むことを特徴とする含フッ素艶
消電着塗装用樹脂組成物である。第3の発明は、(イ)
分子内にカルボキシル基、水酸基及び加水分解性シリル
基を有する含フッ素重合体及び(ロ)アミノプラストよ
りなる塗膜形成成分の該カルボキシル基の一部分を塩基
性化合物で中和し、水に分散することを特徴とする含フ
ッ素艶消電着塗装用樹脂組成物の製造方法である。第4
の発明は、(イ)分子内にカルボキシル基、水酸基及び
加水分解性シリル基を有する含フッ素重合体及び(ロ)
アミノプラストよりなる塗膜形成成分の該カルボキシル
基の少なくとも一部分を塩基性化合物で中和し、水に分
散した後、常温〜80℃で5〜90時間保持することを特徴
とする含フッ素艶消電着塗装用樹脂組成物の製造方法で
ある。第5の発明は、第2の発明の含フッ素艶消電着塗
装用樹脂組成物中で、導電性物品を陽極に接続し、対極
との間に、電圧30〜300ボルトで10〜300秒間直流通電を
行い、ついで130〜250℃で10〜80分間加熱乾燥すること
を特徴とする含フッ素艶消電着塗装方法である。第6の
発明は、第2の発明の含フッ素艶消電着塗装用樹脂組成
物を用いて電着塗装してなる含フッ素艶消電着塗装物品
である。
前記含フッ素重合体は、(1)フルオロオレフィンに
基づく重合単位、(2)水酸基を有する重合単位、
(3)カルボキシル基を有する重合単位、および(4)
加水分解性シリル基を有する重合単位を有するものであ
る。
詳しく述べると、かかる含フッ素重合体は、フルオロ
オレフィンに基づく重合単位、水酸基を有する重合単位
および加水分解性シリル基を有する重合単位を有する重
合体にカルボキシル基を導入する方法などにより製造す
ることができる。
フルオロオレフィンに基づく重合単位、水酸基を有す
る重合単位および加水分解性シリル基を有する重合単位
を有する重合体は、次に示す方法により製造することが
できる。
第一の方法として、含フッ素単量体、水酸基含有単量
体、加水分解性シリル基を有するエチレン性不飽和単量
体および必要に応じてその他の共重合性単量体を共重合
せしめる方法、第二の方法として、水酸基および必要に
応じてその他の官能基を有する含フッ素重合体に、水酸
基または上記官能基と反応する基および加水分解性シリ
ル基を有する化合物を反応せしめ、含フッ素重合体に加
水分解性シリル基を導入する方法等が例示される。
第一の方法において、含フッ素単量体としては、フル
オロオレフィンが、特に耐候性に優れた塗膜を形成する
ため好ましい。
かかるフルオロオレフィンとしてはCCIF=CF2、CHCI
=CF2、CCI2=CF2、CCIF=CCIF、CHF=CCI2、CH2=CCI
F、CCI2=CCIF、等のフルオロエチレン、CF2CICF=C
F2、CF3CCI=CF2、CF3CF=CFCI、CF2CICCI=CF2、CF2CI
CF=CFCI、CFCI2CF=CF2、CF3CCI=CCIF、CF3CCI=CC
I2、CCIF2CF=CCI2、CCI3CF=CF2、CF2CICCI=CCI2、CF
CI2CCI=CCI2、CF3CF=CHCI、CCIF2CF=CHCI、CHF2CCI
=CCI2、CF2CICH=CCI2、CF2CICCI=CHCI、CCI3CF=CHC
I、CCI3CF=CHCI、CHBrCF=CCI2等のフルオロプロペン
類、CF3CCI=CFCF3、CF2=CFCF2CCIF2、CF3CF2CF=CCI2
等の炭素数4以上のフルオロオレフィン系を挙げること
ができる。
水酸基含有単量体としては、ヒドロキシアルキルビニ
ルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒド
ロキシアルキルビニルエステル、ヒドロキシアルキルア
リルエステル、ビニルアルコール、アリルアルコール、
ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキル
メタアクリレート等が挙げられる。中でも上記フルオロ
オレフィンとの共重合性の面から、ヒドロキシアルキル
ビニルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエーテルが
好ましく採用される。また、後述する二塩基性酸無水物
との反応性の面から、水酸基を1級もしくは2級の形態
で含有するものが好ましく採用される。特にCH2=CH(C
H2)mO(CH2)nOH(mは0または1、nは2〜6の整
数)で表わされるヒドロキシアルキルビニルエーテルま
たはヒドロキシアルキルアリルエーテルが好ましく採用
される。
また、加水分解性シリル基を有するエチレン性不飽和
単量体における加水分解性シリル基としては、加水分解
によりシラノール基を生成する基であり、アルコキシシ
リル基、アルコキシアルコキシシリル基、アセトキシシ
リル基、ケトオキシルシリル基などが例示される。この
ような加水分解性シリル基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジ
(β−メトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−β−
メトキシエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル
トリエトキシシラン等、の不飽和ジ−またはトリアルコ
キシシラン化合物などが例示される。
また第一の方法における含フッ素重合体は、上記三種
の単量体の他に、共重合可能な単量体を共重合させたも
のでもよい。他の単量体としては、アルキルビニルエー
テル、アルキルアリルエーテル、アルキルビニルエステ
ル、アルキルアリルエステル、フルオロアルキルビニル
エーテルなどが例示される。これらの単量体は、光沢、
強度などの塗膜物性および顔料分散性などの諸物性を所
望のものとするため、適宜選択して使用することが可能
である。
第一の方法では所定割合の含フッ素単量体、水酸基含
有単量体、加水分解性シリル基を有するエチレン性不飽
和単量体を、重合開始剤の存在下で重合せしめることに
より含フッ素共重合体を得ることができる。
第二の方法において、水酸基および必要に応じて他の
官能基を有する含フッ素共重合体は、例えば特開昭57−
34107号、特開昭57−34108号などに記載された方法によ
り製造することができる。すなわち、含フッ素単量体、
水酸基含有単量体、および必要に応じ水酸基以外の官能
基含有単量体、他の単量体を重合開始源の存在下で重合
せしめることにより製造することができる。また、水酸
基含有含フッ素共重体の水酸基の一部を他の官能基に変
換せしめてもよい。ここで、水酸基以外の官能基は、後
述する加水分解性シリル基を有する化合物を反応させる
時必要な基である。加水分解性シリル基を有する化合物
が、水酸基と反応して結合を作る基を有する場合にはこ
の官能基は必要ない。この官能基としては、アミノ基、
カルボキシル基、エチレン性不飽和基などが例示され
る。ちなみに、アミノ基、カルボキシル基は、エポキシ
基などと反応し結合を作る。また、エチレン性不飽和基
はシリル基(H−Si≡)と反応して、結合を作る。第二
の方法において、含フッ素単量体、水酸基含有単量体お
よび他の単量体は、第一の方法で説明したものと同様の
化合物が使用可能である。また、水酸基以外の官能基を
有する単量体としては、アミノアルキルビニルテーテ
ル、グリシジルビニルエーテル、アクリル酸アミド、メ
タクリル酸アミド、アリルビニルエーテルなどが例示さ
れる。また、水酸基含有含フッ素共重合体の水酸基の一
部を他の官能基に変換する方法としては二塩基性酸無水
物を反応させてカルボン酸基に変換する、イソシアネー
トアルキルアクリル酸エステルを反応させて、エチレン
性不飽和基に変換するなどの方法が例示される。
また第二の方法における加水分解性シリル基を有する
化合物は、含フッ素共重合体の水酸基または官能基と反
応する基を有する。かかる基としては、イソシアネート
基、アミノ基、エポキシ基、シリル基などが例示され
る。また、加水分解性シリル基としては、上記第一の方
法で例示した基と同様の基が採用される。かかる化合物
としては、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、n(ジメトキシメチルシリルプロピル)−エチレン
ジアミン、トリエトキシシリルプロピルイソシアネー
ト、メチルジエトキシシランなどが例示される。含フッ
素共重合体と加水分解性シリル基を有する化合物との反
応は、触媒の存在下あるいは非存在下に、室温あるいは
加熱条件下に行なわしめることができる。
前記含フッ素共重合体に、カルボキシル基を導入する
方法としては特開昭58−136605号に記載された方法など
によりなされる。すなわち、水酸基含有含フッ素共重合
体に二塩基性酸無水物を反応せしめることにより水酸基
部位の少なくとも一部を一般式 で表わされるエステル基に変換させ、カルボキシル基を
導入できる。カルボキシル基の導入は、加入分解性シリ
ル基の導入前後、あるいは同時に行えばよい。二塩基性
酸無水物としては、一般式 (ただし、式中のRは2価の有機基を示す) で表わされる各種化合物、具体的には、無水コハク酸、
無水グルタミン酸、無水イタコン酸、無水アジピン酸、
無水1,2シクロヘキサンジカルボン酸、無水cis−4−シ
クロヘキセン1,2ジカルボン酸、無水フタル酸、無水1,8
ナフタル酸、無水マレイン酸等である。
また、フルオロオレフィンに基づく重合単位、水酸基
を有する重合単位および加水分解性シリル基を有する重
合単位を有する重合体を前記第二の方法で製造する場
合、加水分解性シリル基を導入する前にカルボキシル基
を導入してもよい。
本発明における含フッ素共重合体は、含フッ素単量
体、特にフルオロオレフィンに基づく重合した単位を、
20〜80モル%含有することが好ましい。含フッ素単量体
に基づく単位が少なすぎると、充分な耐候性が得られ
ず、多すぎると水溶性、または水分散性が低下し、電着
塗装液として液調製し難くなるため、好ましくない。ま
た水酸基は、水酸基価が10〜150mgKOH/g・resinのもの
が好ましい。水酸基の少なすぎるものは、充分な架橋密
度が得られず、過架橋または未反応水酸基の存在は、塗
膜の諸物性に悪い影響がでることがあり好ましくない。
また、カルボキシル基は、酸価が5mgKOH/g・resin以上
となる量が好ましい。カルボキシル基の量が少ない場合
には、当然塩基性化合物により中和されたカルボキシル
基の量が少ないものとなるため、電着塗装液として充分
な水溶性または水分散性が得られなくなることがあり、
好ましくない。また、カルボキシル基の量があまりに多
いものは、塗膜の耐水性、耐アルカリ性などに悪い影響
を与えることがあるため酸価は、150mgKOH/g・resin以
下が好ましい。
また、含フッ素共重合体における加水分解性シリル基
を有する単量体の割合はあまり少なすぎると充分な艶消
効果が得られず好ましくない。また多すぎると電着塗装
液の安定性が悪くなり、均一な艶消塗膜が得られ難くな
るため好ましくない。好ましい加水分解性シリル基を有
する重合単位は、重合体全単位の0.05〜5モル%であ
る。
一方、本発明の他の塗膜形成成分であるアミノプラス
トとしては、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂
等が使用できる。本発明では、特にメラミン樹脂のうち
でも、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール等の低級アルコールの一種もしくは二種以上により
少なくとも部分的にエーテル化されたメチロールメラミ
ンの使用が好ましい。
本発明において、前記特定の含フッ素重合体とアミノ
プラストとの配合割合は、含フッ素重合体50〜97重量
部、アミノプラスト50〜3重量部の範囲で使用できる。
本発明では、さらに前記含フッ素重合体のカルボキシ
ル基の少なくとも一部分を塩基性化合物で中和し、水に
分散可能な形とした後、純水又は脱イオン水で希釈して
(ハ)分子内にカルボキシル基、水酸基、加水分解性シ
リル基及び塩基性化合物で中和してなるカルボキシル基
を有する含フッ素重合体と(ロ)アミノプラストよりな
る塗膜形成成分および水を含む含フッ素艶消電着塗装用
樹脂組成物(以下、電着塗装液という)とするものであ
る。
かかる塩基性化合物としては、例えばアンモニア、あ
るいはモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチル
アミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン類、
ジブチルアミン類、及びトリブチルアミン類等のような
1級ないし3級のアルキルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、
トリイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエタノー
ル及びジエチルアミノエタノール等のようなアルカノー
ルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジ
エチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン等のよ
うなアルキレンポリアミン、エチレンイミン及びプロピ
レンイミンなどのようなアルキレンイミン、ピペラジ
ン、モルホリン、ピラジン及びピリジン等がある。
含フッ素重合体の中和は、アミノプラストの存在下に
あるいは不存在下に行われる。
中和が終了した後、攪拌下に純水又は脱イオン水を徐
々に添加して所望の樹脂固形分濃度になるよう希釈を行
い、ついで常温〜80℃で5〜90時間保持して電着塗装液
を調製する。
これは、含フッ素重合体中の加水分解性シリル基を縮
合させ、シロキサン結合を生成させるために必要であ
る。なお、この時触媒を使用すると、反応時間が短縮さ
れるので好ましい。
本発明では、常用の各種塗料添加剤、着色剤、光沢調
整剤等を任意に加えることは、何ら差仕えない。
また、電着塗装液は他の艶消剤を添加併用して艶消効
果をさらに向上させることができる。かかる艶消剤とし
ては、従来公知のシリカ微粉末、架橋重合体粒子、ワッ
クス、アイオノマー、シリコーン樹脂微粉末などが例示
される。例えば、シリコーン樹脂微粉末としては、平均
粒径が0.1〜10μ程度の物が好ましい。また、3官能性
単位から構成されたシリコーン樹脂が好ましい。かかる
シリコーン樹脂は、溶剤不溶かつ熱不融であり、無機シ
リカ粉末に比べ比重が小さく沈降し難いものである。か
かるシリコーン樹脂微粉末は、トスパール120、130、14
5、240などの商品名で東芝シリコーン(株)より市販さ
れている。また、前記艶消剤を併用する場合、界面活性
剤を併用して艶消剤の分散性を向上させることが好まし
い。
また、水性媒体としては、水の単独使用でもよいが、
組成物の安定性を高める上で有機溶剤を含んでいること
が好ましい。
かかる有機溶剤としては、電着塗装液を安定化するた
めに水溶性かつ樹脂と親和性のある、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−ブタノール、イソブタノール、第
2級ブタノール、第3級ブタノール、ペンタノール等の
ようなアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、第
2級ブチルセロソルブ等のようなセロソルブ類等を使用
する。電着塗装液中の有機溶剤の量は、溶膜形成成分に
対し、2.5〜150重量%の範囲で使用される。
電着塗装液は、通常樹脂固形分濃度を3〜35重量%、
望ましくは5〜25重量%に調整して使用する。又、この
電着塗装液中に、無機酸及び/又は有機酸あるいは酸の
塩を配合することにより、溶膜の架橋が促進され、望ま
しい結果が得られる。
次に、電着塗装は、前記電着塗装液中に導電性物品を
陽極として浸漬し、陰極を設けて、両極間に電圧30〜30
0ボルトで10〜300秒、望ましくは30〜300秒印加するこ
とにより達成される。
電着塗装終了後、電着塗装液中の導電性物品を引き上
げて液切りした後、洗浄を行う。洗浄には、各種の水を
使用することができ、例えば脱イオン水、上水および井
水を通常使用するが、酸、塩基、塩、界面活性剤及び有
機溶剤等を添加あるいは含有した水、更には電着塗装液
を限外ろ過処理及び/又は逆浸透圧処理をして得られる
透過液も使用することができる。
洗浄後、電着塗膜を架橋させるために加熱処理を行
う。この加熱処理は、約130〜250℃、望ましくは140〜2
30℃の温度で10〜80分間で達成される。この加熱処理に
際しては、電着塗膜の予備乾燥をしておくと光沢値が低
下する傾向がみられ、低光沢を所望する場合望ましい。
本発明において、塗装の対象とする導電性物品として
は、導電性を有するものであればよく、形状、大きさ、
材質等に限定されるものでなく、例えば鉄、銅、アルミ
ニウム、マグネシウム、チタン等あるいはそれら各種合
金、さらには、表面に金属メッキ層、その他導電層を形
成したプラスチック等が挙げられる。これ等の導電性物
品は、通常電着塗装を施す前に各種前処理を行うが、例
えば常用のリン酸塩処理、クロム酸塩処理、ベーマイト
処理、陽極酸化処理等が適当である。
特に陽極酸化処理したアルミニウムの場合、酸化皮膜
を染料、顔料あるいは金属塩水溶液中での電解等により
あらかじめ着色を施したものが望ましい。
本発明においては、連続的な塗装により生じる電着塗
装液の浴組成の変化を極力防止するため、該塗装液を公
知の各種処理を施して浴組成を管理することが望まし
い。処理手段としては、イオン交換処理、限外濾過処
理、逆浸透圧処理及び低アミン濃度の濃厚塗料の補給処
理等を単独又は、適当に組合せて実施することができ
る。特に、本発明においては、電着塗装後の洗浄を、水
性塗料を限外濾過及び/又は逆浸透圧処理して得られる
透過液を用いて行うことにより、美麗な外観を有する艶
消塗装物品が得られる傾向にあり推奨される。
(作用) 本発明により艶消塗膜が得られる機構は必ずしも明確
ではないが、含フッ素共重合体中に存在するシラノール
基に起因するシロキサン結合によるものであると考えら
れる。シロキサン結合が、含フッ素共重合体において部
分架橋点となっているため、電着塗装後の塗膜の焼付時
に充分な流動性を示さず、ミクロ的な不均一状態の塗膜
が形成され、艶消効果が達成されるか、あるいは電着塗
装時にシロキサン結合部に何らかの変化が生じるため艶
消効果が達成されるなど考えられる。
(実施例) 以下、本発明をより具体的に説明するため実施例を示
す。なお、実施例中の部数は、特にことわりのない限り
重量部を示すものである。
(原料含フッ素重合体の合成例1) 内容積200mlのステンレス製攪拌機付オートクレープ
(耐圧50Kg/cm2)にシクロヘキシルビニルエーテル11.7
部、エチルビニルエーテル11.1部、ω−ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル7.17部、ビニルトリメトキシシラン1.
5部、ジオキサン116部、アゾビスイソブチロニトリル0.
06部、無水炭酸カリウム0.69部、を仕込み、液体窒素に
て冷却して固化脱気により溶存空気を除去した後に、ク
ロロトリフルオロエチレン36部をオートクレープ中に仕
込み徐々に昇温し65℃で8時間反応を行い、圧力が2.2K
g/cm2に低下した時点でオートクレーブを水冷し反応を
停止して水酸基およびアルコキシシリル基含有含フッ素
重合体を得た。得られた重合体は、テトラヒドロフラン
中30℃で測定される固有粘度が、0.11dl/gであった。
得られた水酸基およびアルコキシシリル基含有含フッ
素重合体(水酸基価は約52mgKOH/g−resin)の約60重量
%ジオキサン溶液を50℃に加熱し、重合体100部に対し
て3.6部の無水コハク酸を加え、さらに0.05部のトリエ
チルアミンを添加して、常圧で150℃で16時間反応させ
た。反応液の赤外スペクトルを測定すると、反応前に観
測された無水酸の特性吸収(1850cm-1,1780cm-1)が、
反応後では消失しており、カルボン酸(1710cm-1)およ
びエステル(1735cm-1)の吸収が観測された。
かくしてカルボキシル基およびアルコキシシリル基を
導入した含フッ素重合体の酸価は20mgKOH/g−resin、水
酸基価は32mgKOH/g−resinであった。
なお、得られた含フッ素重合体溶液は、樹脂固形分約
60重量%の溶液とした。
(原料含フッ素重合体の合成例2) 合成例1の方法において、ビニルメトキシシランを使
用せず水酸基含有含フッ素重合体を調製した。ついで、
得られた重合体溶液を水中に投入して重合体を回収し、
これを減圧乾燥した。この重合体100部にジオキサンを
加え、樹脂固形分60重量%に調整し、反応フラスコに仕
込み、さらにトリメトキシシリルプロピルイソシアネー
ト9.8部に加え、約45℃で12時間反応を行った。つい
で、無水コハク酸5部、トリエチルアミン0.03部を加
え、50℃で16時間反応を行った。
反応液の赤外スペクトルを判定すると、合成例1と同
様であった。
かくしてカルボキシル基およびアルコキシシリル基を
導入した含フッ素重合体の酸価は20mgKOH/g−resin、水
酸基価は32mgKOH/g−resinであった。
えられた含フッ素重合体溶液は、樹脂固形分約60重量
%の溶液とした。
(原料含フッ素重合体の合成例3) 内容積200mlのステンレス製攪拌機付オートクレーブ
(耐圧50Kg/cm2)にクロロトリフルオロエチレン35部、
シクロヘキシルビニルエーテル11部、エチルビニルエー
テル14部、ω−ヒドロキシブチルビニルエーテル11部、
キシレン98部、エタノール28部、アゾビスイソブチロニ
トリル0.3部、無水炭酸カリウム1.5部を仕込み、液体窒
素にて冷却して固化脱気により溶存空気を除去した後
に、65℃で16時間反応を行い、水酸基含有含フッ素重合
体を得た。
得られた重合体はテトラヒドロフラン中30℃で測定さ
れる固有粘度が、0.11dl/gであった。
得られた水酸基含有フッ素重合体(水酸基価約80mgKO
H/g−resin)の樹脂固形分60重量%のキシレン溶液(重
合体100部使用)をフラスコに仕込んだ。これにコハク
酸3.7部、トリエチルアミン0.05部を加え、50℃で16時
間反応を行った。次にトリメトキシシリルプロピルイソ
シアネート3.5部ジブチル錫ジラウレート0.003部を加
え、80℃で3時間反応を行いカルボキシル基及びアルコ
キシシリル基を導入した含フッ素重合体を得た。このも
のの酸価は、20mgKOH/g−resin、水酸基価は、50mgKOH/
g−resinであった。
なお、得られた含フッ素重合体溶液は、減圧下で濃縮
し樹脂固形分を単離したあと、イソプロピルアルコール
/ブチルセロソルブ=90/10の混合溶媒に溶解し、樹脂
固形分約60重量%の溶液とした。
(原料含フッ素重合体の合成例4) 合成例3において樹脂固形分60重量%に調整したキシ
レン溶液(重合体100部使用)をフラスコに仕込むまで
は全く同じに行った。
これに無水コハク酸5.4部、トリエチルアミン0.05部
を加え50℃で20時間反応を行った。次にγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシランを4.2部加え40℃で5時
間反応させた。
かくしてカルボキシル基及びアルコキシシリル基を導
入した含フッ素重合体を得た。このものの酸価は、20mg
KOH/g−resin、水酸基価は50mgKOH/g−resinであった。
得られた含フッ素重合体溶液は、合成例3と同様の操作
を行い、樹脂固形分約60重量%の溶液とした。
(原料含フッ素重合体の合成例5) 合成例3において樹脂固形分60重量%に調整したキシ
レン溶液(重合体100部使用)をフラスコに仕込むまで
は全く同じに行った。
このものにイソシアネートエチルメタクリレート2.8
部、ジブチル錫ジラウレート0.003部、ハイドロキノン
モノメチルエーテル0.05部を加え80℃で3時間反応させ
た。
この後、無水コハク酸3.7部、トリエチルアミン0.05
部を加え、さらに50℃で16時間反応させた。得られた含
フッ素重合体溶液を合成例3と同様の操作を行いイソプ
ロピルアルコール/ブチルセロフルブ=90/10の混合溶
媒の樹脂固形分60重量%の溶液とした。
次にこの溶液にメチルジエトキシシラン2.4部、塩化
白金酸0.00001部を加え80℃で3時間反応させた。かく
してカルボキシル基及びアルコキシシリル基を導入した
含フッ素重合体を得た。このものの酸価は20mgKOH/g−r
esin、水酸基価は、50mgKOH/g−resinであった。
(原料含フッ素重合体の合成例6〜11) 前記合成例の方法において、単量体組成を第1表に示
すように変える以外は、すべて同じ方法を行い、樹脂固
形分約60重量%の含フッ素重合体溶液をえた。
ただし、合成例6、7および11は、合成例2の方法、
合成例8は、合成例5の方法、合成例9は、合成例4の
方法および合成例10は、合成例1の方法を行った。
実施例1 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器
に、合成例1で調製した含フッ素重合体溶液135部、メ
チルエチル混合エーテル化メチロールメラミン(商品
名、サイメル301 三井東圧社製)20部を仕込み、攪拌
を続けながらトリエタノールアミン3部を添加した後、
ブチルセロソルブ26部を加え、更に脱イオン水を465部
加えて電着塗装用原液を調製した。
ついで、これを40℃で90時間保持した後、脱イオン水
を加えて樹脂固形分濃度10重量%に希釈し、更に40℃の
雰囲気下で25時間保持して電着塗装液aを調製した。
実施例2〜11 電着塗装液aの調製において、含フッ素重合体溶液を
合成例2〜11の方法で調製したものにかえて使用する以
外は、すべて同じ方法を行ない電着塗装液b〜kを調製
した。この結果、実施例6においては、合成例6で調製
した含フッ素重合体単独では、十分に水に分散させるこ
とが困難であり、アニオン系界面活性剤を添加して水に
分散し、電着塗装液fを調製した。
実施例12〜14 電着塗装液aの調製において、電着塗装用原液を40℃
の雰囲気下で保持する時間を第2表に示すよう変える以
外は、すべて同じ方法を行ない電着塗装液l〜nを調製
した。
ただし、ゲル分率とは、電着塗装用原液を上記各保持
条件終了後、脱イオン水を加えて樹脂固形分約10重量%
に希釈し遠心管に秤取し、これにアセトンを加え遠心分
離(1万RPMで30分)処理した後、上澄液を廃棄し、再
度同じ操作を繰返し沈澱物を得、これを乾燥して重量を
測定して秤取量に対する重量%を算出した値である。
実施例15〜28 実施例1〜14で調製した各電着塗装液を用いて、常法
により陽極酸化処理し、浅田法によりアンバー色に電解
着色を施したアルミニウム板を被塗物として、陽極電着
塗装を行った。
厚さ9μmの前記着色陽極酸化皮膜を形成したアルミ
ニウム板を、それぞれの電着塗装液中に浸漬し、これを
陽極に結線し、対極にステンレス板を設けて、極間距離
30cm、極比+/−=2/1、液温22℃、電圧150ボルトで2
分間直流通電を行った。ついで、アルミニウム板を液中
より引上げ、十分に液切りを行った後、上水で洗浄を行
った。洗浄後、これを180℃で30分間加熱処理を行っ
て、塗膜を硬化させた。
この結果、第3表に示すようにアルミニウム板の表面
には、ムラのない均一できめの細かい美麗な艶消し外観
を呈する含フッ素電塗膜が形成した。
ただし、 (1)60度鏡面反射率で表示した。
(2)アルミニウム板の表裏の光沢差で判定した。
○・・・光沢差 0〜3未満 △・・・光沢差 3以上5未満 ×・・・光沢差 5以上 (3)(4)及び(8)は、JIS H 8602の方法で実
施した。
(5)デュポン衝撃試験機にて荷重1Kg、直径1/2インチ
の球を落下させ塗膜の変化しない最高の高さを表示し
た。(ただし最高50cm) (6)5%硫酸溶液中に7日間浸漬後、塗膜の変化を目
視にて判定した。
(7)5%水酸化ナトリウム溶液中に7日間浸漬後、塗
膜の変化を目視にて判定した。
(9)4000時間後の塗膜の光沢保持率 (10)300時間後の塗膜の光沢保持率 (11)キシレンをしみ込ませた木綿地で塗膜表面をを軽
くこすり塗膜が変化した回数を表示した。
(12)電着塗装液を30℃の雰囲気で1ケ月静置後、その
変化を目視にて判定した。
実施例29〜31及び比較例1 (含フッ素重合体の合成例12) 合成例2において、トリメトキシシリルプロピルイソ
シアネートを反応させない以外はすべて同じ方法を行い
含フッ素重合体を得た。
かくしてカルボキシル基を導入した含フッ素重合体の
酸価は20mgKOH/g−resin、水酸基価は32mgKOH/g−resin
であった。
合成例1で調製した含フッ素重合体溶液と合成例12で
調製した含フッ素重合体溶液を混合液の樹脂固形分が10
0重量部となるよう第4表に示すように配合し、これに
メチルエチル混合エーテル化メチロールメラミン(商品
名サイメル301三井サイアナミッド社製)20部を仕込
み、攪拌を続けながらトリエタノールアミン3部を添加
した後、ブチルセロソルブ26部を加え、更に脱イオン水
を465部加えて電着塗装用原液を調製した。
この電着塗装用原液を40℃の雰囲気下で90時間保持し
た後、更に脱イオン水を加えて樹脂固形分濃度10重量%
として電着塗装液o〜qを調製した。比較例1として、
合成例12で調製した含フッ素重合体単独を用い、同様の
方法で電着塗装用原液を調製し、これに脱イオン水を加
えて樹脂固形分濃度10重量%の電着塗装液rを使用し
た。
ついで、前記調製した電着塗装液o〜rを用いる以外
は、すべて実施例16と同じ方法で着色アルミニウム板に
電着塗装を行ったところ、ムラのない均一できめの細か
い美麗な艶消外観を呈する含フッ素電着塗膜を形成し
た。塗膜の光沢値は、第4表に示す通りあった。
ただし、電着塗装液rを用いたものは、光沢のある塗
膜であった。
実施例32〜33 電着塗装液nを使用し、これを市販のシリコーン樹脂
微粉末(商品名 トスパール120 東芝シリコーン社
製)を第5表に示すように配合した。この電着塗装液を
用いて実施例15と同様の方法で、着色アルミニウム板に
電着塗装を行ったところ、第5表に示す電着塗膜が得ら
れた。
実施例34 実施例19で調製した電着塗装液eを用いて、常法によ
り陽極酸化処理及びブロンズ色に電解着色したアルミニ
ウム板に次に示す方法で電着塗装を行った。
厚さ9μmの陽極酸化皮膜を形成したアルミニウム板
を、電着塗装液a中に浸漬し、これを陽極に結線し、対
極にステンレス板を設けて、極間距離30cm、極比+/−
=2/1、液温22℃、電圧180ボルトで2分間直流通電を行
った。ついで、アルミニウム板を取り出し、十分に液切
りを行った後、上水で洗浄を行った。ついで洗浄後、塗
膜を180℃で30分間加熱処理を行って、塗膜を硬化し
た。
この結果、アルミニウム板の表面には、光沢値13%
(60゜鏡面反射率)のムラのない均一できめの細かい美
麗な艶消し外観を呈する含フッ素電着塗膜が形成され
た。
実施例35 実施例21と同じ電着塗装液を入れた100電着槽に被
塗物として陽極酸化処理を行いかつ無機電解着色(アン
バー色)を施したアルミニウム押出形材を陽極として浸
漬し、陰極のステンレス板との間に電圧170Vで2分間直
流通電を行った。次いで、アルミニウム押出形材を電着
槽より引き上げて液切りを行った後、含フッ素電着塗装
液を限外濾過して得られる透過水で洗浄を行った。これ
を170℃で30分間加熱処理を行ったところ、密着性に優
れ、光沢値20%の均一な艶消電着塗膜が形成された。な
お、電着槽中の含フッ素電着塗装液はアニオン交換樹脂
(三菱化成社製ダイヤイオンSA−10A)及びカチオン交
換樹脂〔IMAC(アイマック)社製IMAC Z−5〕に通液
して、該含フッ素電着塗装液中の夾雑イオン更には過剰
塩基類を除去して常に安定に保つようにした。
実施例36 被塗物をリン酸亜鉛処理鉄板に変え、かつ含フッ素電
着塗装液の樹脂固形分100重量部に対し、チタン白25重
量部を分散させた白色塗装液を使用し電圧100ボルトと
する以外は、実施例22と同じ方法を実施した。その結
果、鉄板の表面に光沢値11%の白色の均一な含フッ素艶
消電着塗膜が形成された。
実施例37 実施例19の方法を連続的に行うに当り、含フッ素電着
塗装液において低下する樹脂固形分を補給するため、樹
脂固形分が0.2重量%低下する毎に、樹脂固形分濃度40
重量%、中和度0.25の補給用原液(中和度を変化させた
以外は上記含フッ素電着塗装液と同じもの)を塗装浴1
当り5gの割合で塗装浴に添加し、塗装液の樹脂固形成
分及びアミン濃度の変動を微小に保った。その結果、均
質の艶消電着塗装(光沢値11〜15%)が形成された。
実施例38 実施例15の方法(pH8.9)を連続的に行うに当り、含
フッ素電着塗装液のpHが0.4上昇する毎に含フッ素電着
塗装液の一部をカチオン交換樹脂〔IMAC(アイマック)
社製IMAC Z−5〕に通液した。その結果、含フッ素電
着塗装液のpHの変動幅を小さく抑えることができ、均質
の艶消電着塗膜(光沢値3±0.5%)が得られた。
実施例39 実施例35の方法を連続的に行うに当り、含フッ素電着
塗装液を限外濾過する代りに逆浸透圧処理を行い得られ
た透過液で、電着塗装し、液切りを行ったアルミニウム
押出形材を洗浄した。逆浸漬圧処理は、チューブ型逆浸
透圧装置を使用し、圧力25Kg/cm2、透過液量25ml/分の
条件で行った。この結果、光沢値20±3%の均一な艶消
電着塗膜が形成された。
実施例40 実施例36の方法において、白色含フッ素電着塗装液を
限外濾過処理し濃縮液と透過液とに分離し、濃縮液は電
着槽に戻し、透過液を更に逆浸透圧処理を行って濃縮液
と透過液に分離した。濃縮液は電着槽に戻し、最終透過
液を表面に白色電着塗膜を形成した鉄板の洗浄水として
使用した以外はすべて実施例36と同じ方法を実施した。
その結果、密着性に優れ、光沢値12±2%の均一な白
色含フッ素艶消電着塗膜が形成された。
なお、限外濾過処理は操作圧力3Kg/cm2で行い、得ら
れる限外濾液を次いでチューブ型逆浸透圧装置で、圧力
25Kg/cm2、透過液量25ml/分の条件で処理した。
実施例41〜43 電着塗装液aの調製において、含フッ素重合体溶液と
メチルエチル混合エーテル化メチロールメラミンとの配
合比率を第6表に示すように変える以外は、すべて同じ
方法を行ない電着塗装液s〜uを調製した。
ついで、これらの電着塗装液を用いて実施例15と同じ
方法で、アルミニウム板に電着塗装を行った。
この結果、得られた電着塗膜は、第6表に示す通りで
あった。
実施例44 実施例40の方法において、リン酸亜鉛処理鋼板にかえ
て、陽極酸化処理アルミニウム板(酸化皮膜厚9μm)
を使用し、電着塗装条件を第7表に示す内容にかえた以
外は、すべて同じ方法を行い、光沢値13%の白色含フッ
素艶消電着塗膜を形成したアルミニウム板を得た。
実施例45〜47 実施例15の方法において、被塗物を常法によりえられ
る着色ステンレス板、着色チタン板及び表面に銅メッキ
(厚さ2μm)を施したポリエステルフィラメントシャ
ー織物にかえ、電着塗装を第7表に示す条件で行う以外
は、すべて同じ方法を行ったところ、光沢値3〜7%の
含フッ素艶消電着塗膜が形成できた。
(発明の効果) 以上説明した方法により、導電性物品上に、従来の艶
消材配合電着塗料を使用する方法及び電着塗膜を化学薬
品で後処理する方法では不可能な光沢差及び光沢むらの
ない均一かつ独特の風合いを有する含フッ素艶消電着塗
装物品が得られる。特に各成分の最適の配合によれば、
光沢値を非常に低くすることができる。更に、本発明に
より得られる塗膜は、被塗物との密着性に優れ、又、特
に耐候性に優れ、その他耐酸性、耐アルカリ性及び耐沸
水性等の塗膜性能にも優れたものがある。
フロントページの続き (72)発明者 鷲田 弘 神奈川県横浜市神奈川区菅田町1588―6 (72)発明者 宮崎 信幸 神奈川県横浜市緑区荏田南1―20―5

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗膜形成成分が、(イ)分子内にカルボキ
    シル基、水酸基及び加水分解性シリル基を有する含フッ
    素重合体50〜97重量部と(ロ)アミノプラスト3〜50重
    量部よりなることを特徴とする含フッ素艶消電着塗装用
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】含フッ素重合体が、(1)フルオロオレフ
    ィンに基づく重合単位、(2)カルボキシ基を有する重
    合単位、(3)水酸基を有する重合単位、および(4)
    加水分解性シリル基を有する重合単位を有するものであ
    る請求項1の含フッ素艶消電着塗装用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】含フッ素重合体が、酸価5〜150mgKOH/g、
    水酸基価10〜150mgKOH/gおよび加水分解性シリル基を有
    する重合単位が全重合単位の0.05〜5モル%を有するも
    のである請求項1の含フッ素艶消電着塗装用樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】下記塗膜形成成分(a)の該カルボキシル
    基の一部分を塩基性化合物で中和し得られる下記塗膜形
    成成分(b)、および水を含むことを特徴とする含フッ
    素艶消電着塗装用樹脂組成物。 (a)(イ)分子内にカルボキシル基、水酸基及び加水
    分解性シリル基を有する含フッ素重合体50〜97重量部と
    (ロ)アミノプラスト3〜50重量部よりなる塗膜形成成
    分。 (b)(ハ)分子内にカルボキシル基、水酸基、加水分
    解性シリル基及び塩基性化合物で中和してなるカルボキ
    シル基を有する含フッ素重合体と(ロ)アミノプラスト
    よりなる塗膜形成成分。
  5. 【請求項5】(イ)分子内にカルボキシル基、水酸基及
    び加水分解性シリル基を有する含フッ素重合体及び
    (ロ)アミノプラストよりなる塗膜形成成分の該カルボ
    キシル基の一部分を塩基性化合物で中和し、水に分散す
    ることを特徴とする請求項4の含フッ素艶消電着塗装用
    樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】(イ)分子内にカルボキシル基、水酸基及
    び加水分解性シリル基を有する含フッ素重合体及び
    (ロ)アミノプラストよりなる塗膜形成成分の該カルボ
    キシル基の一部分を塩基性化合物で中和し、水に分散し
    た後、常温〜80℃で5〜90時間保持することを特徴とす
    る請求項4の含フッ素艶消電着塗装用樹脂組成物の製造
    方法。
  7. 【請求項7】請求項4の含フッ素艶消電着塗装用樹脂組
    成物中で、導電性物品を陽極に接続し、対極との間に、
    電圧30〜300ボルトで10〜300秒間直流通電を行い、つい
    で130〜250℃で10〜80分間加熱乾燥することを特徴とす
    る含フッ素艶消電着塗装方法。
  8. 【請求項8】請求項4の含フッ素艶消電着塗装用樹脂組
    成物を用いて電着塗装してなる含フッ素艶消電着塗装物
    品。
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