JP2503513B2 - コ−ティング方法 - Google Patents

コ−ティング方法

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JP2503513B2
JP2503513B2 JP17354387A JP17354387A JP2503513B2 JP 2503513 B2 JP2503513 B2 JP 2503513B2 JP 17354387 A JP17354387 A JP 17354387A JP 17354387 A JP17354387 A JP 17354387A JP 2503513 B2 JP2503513 B2 JP 2503513B2
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勝 三辻
泰弘 藤井
勝也 世羅
裕三 宮本
政文 久米
栄作 中谷
顕雅 中畑
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、塗装工程が簡略化され、しかも塗膜の仕上
り外観が極めてすぐれ、かつ省資源、公害対策上有利な
塗装方法に関する。
従来の技術及びその問題点 従来、美粧的外観が重要視される自動車、二輪車、電
気製品などの外板は、平滑性、鮮映性、耐候性などに優
れた塗膜を形成する有機溶剤希釈型熱硬化性塗料で仕上
げ塗装されている。その塗装工程は、通常、防食性付与
のためのカチオン電着塗料を塗装した後、耐候性を確保
するための中塗り塗料を塗装し、これらの両塗膜をそれ
ぞれ加熱硬化した後、さらに、上塗り塗装として、着色
顔料および/またはメタリック顔料を配合した有機溶剤
型熱硬化性エナメル塗料を塗装し、風乾後もしくは加熱
硬化後、有機溶剤型熱硬化性透明クリヤー塗料を塗装し
て仕上げる方式が主に採用されている。
ところが近年に至って、塗装仕上がり外観、例えば、
色彩的意匠感、平滑性、鮮映性、肉持感などの向上の要
求が更に強くなり、しかも省資源や公害対策、さらに塗
装コストを低くすることも望まれている。
このうち、上塗塗着膜の平滑化を目的に各種レオロジ
ーコントロール剤の添加や、中塗塗膜の研磨などにより
対処している。一方、公害対策上から開発されたハイソ
リッド型塗料を利用することもある。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら前記した方式においては鮮映性や意匠性
などを改善することは困難であり、また、レオロジーコ
ントロール剤を添加しても塗面の平滑性や鮮映性の向上
に限度があり、抜本的な解決策でない。一方、中塗塗膜
の研磨は工数増と十分な外観向上が得られないという問
題がある。さらに従来の有機溶剤型塗料には多量の有機
溶剤が配合されており、省資源、公害発生防止などの観
点からも好ましくない。また、ハイソリッド型塗料は有
機溶剤の削減にはおのずと限界がある。
発明を解決する為の手段 そこで本発明者等は、前記した種々の欠点を解消し、
塗装工程が簡略化され、しかも塗膜の仕上がり外観が顕
著に向上し、かつ省資源、公害対策上極めて有利な塗装
方法の開発を目的に鋭意研究を行なった。
その結果、耐候性良好な特定組成のカチオン電着塗
料、および上塗り塗料として特定範囲に着色した着色塗
料と着色粉体塗料を用いることによって、中塗り塗料を
使用することなく上記目的を達成できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 (i)(A)で表面張力が40〜60dyne/cmであり且つ酸
で中和することによって陰極に電着可能な水性浴を形成
しうるエポキシ系カチオン電着性樹脂、及び (B)表面張力が25〜45dyne/cmである非イオン系被膜
形成性樹脂を、 樹脂(A):樹脂(B)=60:40〜98:2の範囲内の重量
比で含有し且つ樹脂(A)の表面張力が樹脂(B)の表
面張力より大きい複層膜形成用カチオン電着塗料を塗装
し、加熱硬化後、 (ii)該電着塗面に、第1上塗りとして、20μの膜厚に
おいて波長が400〜700nmの可視光線透過率が5%以下で
ある着色塗料を塗装し、 (iii)次いで、第2上塗りとして、60μの膜厚で波長
が400〜700nmの可視光線透過率が30〜90%である着色粉
体塗料を塗装する ことを特徴とするコーティング方法に関する。
本発明の特徴は、従来一般の中塗り塗料を塗装するこ
となく、上記(i)の特定のカチオン電着塗料塗面に、
上塗り塗料としての上記(ii)および(iii)の塗料を
塗装するところにある。
すなわち、本発明で用いる上記(i)のカチオン電着
塗料は、一回の電着塗装により、下層部(金属基体表面
側。以下同じ)に主として防食性樹脂が分布し且つ上層
部に主として耐候性樹脂が分布するような濃度勾配を有
する複層膜を形成することができる。さらに具体的に
は、該カチオン電着塗料は、エポキシ樹脂系カチオン電
着性樹脂中に耐候性の優れたアクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂等の非イオン系被膜形成性樹脂を分散させた
ものを結合剤成分とするカチオン電着塗料であって、該
非イオン系被膜形成性樹脂粒子がエポキシ樹脂によって
極めて安定に分散され、貯蔵安定性の優れ、また、前記
エポキシ系カチオン電着性樹脂と非イオン系被膜形成性
樹脂を特定割合で配合し且つこれらの樹脂成分の表面張
力を特定範囲に限定し、しかも前者の表面張力を後者の
それより大きくしてあるため、それから形成されるカチ
オン電着浴を用いて電着塗装した塗膜は、焼付乾燥する
と表面張力の差によって非イオン系被膜形成性樹脂が上
層部に浮上し、他方、エポキシ樹脂は金属基体表面側、
すなわち下層部に移行し、その結果上層部を主として非
イオン系被膜形成性樹脂が占め、下層部を主としてエポ
キシ樹脂が占めるような濃度勾配を有する被層膜を形成
する。その結果、1回の電着塗装及び焼付により、防食
性および耐候性のすぐれた被層塗膜を形成することがで
きる。
そのため本発明の方法では、該カチオン電着塗料の焼
付硬化塗膜面に、中塗塗装工程を省略し、上記(ii)及
び(iii)の上塗り塗膜を直接施しても、耐候性ハガレ
(上塗りを透過した光により、プライマーが光劣化をお
こし、屋外バクロ中に、プライマーと上塗りの層間でハ
クリがおこる現象)が発生することは皆無となることが
判明した。しかも、本発明の方法によれば、中塗り塗装
工程が省略されるので塗装工程が簡略化され、塗装コス
トが低くできるという利点がある。
本発明で用いる成分(i)のカチオン電着塗料塗膜は
耐候性がすぐれており、具体的には、該塗料の硬化塗膜
単独を、1100K.Juole/m2・hrの光線を40時間照射した後
の60度鏡面反射率の保持率が通常、50%以上であり、好
ましくは60%以上でありうる。
また、成分(ii)の上塗り塗料としては水性もしくは
有機溶剤系のいずれでもさしつかえないが、そのうち、
水性では有機溶剤を全くもしくは殆ど含有していないの
で、省資源および公害対策に極めて有効で、また、該水
性塗料では一般に低固形分濃度で使用されるため、塗着
してから硬化に至るまでの体積収縮率が大きく、塗着時
に発生した凹凸面も平滑化されやすく、平滑性、鮮映
性、などもすぐれているという利点がある。一方、有機
溶剤系であっても、中塗り塗料とその塗装工程が省略さ
れ、かつ粉体塗料(成分(iii))の使用などによっ
て、トータル的にみると従来の塗装工程に比べてコスト
低下となる。
さらに、成分(iii)の粉体塗料は、有機溶剤を全く
含んでいないので、省資源、公害防止に特に有効であ
り、しかも、60μ以上の厚膜に塗装できるので、肉持
感、平滑性、鮮映性などの仕上がり外観にすぐれた塗面
に仕上げることができるという特徴がある。
また、成分(ii)および成分(iii)の複層塗膜は、
それぞれ特定範囲に着色してあるので、意匠性のすぐれ
た塗膜を形成できる。すなわち、成分(ii)の塗膜は可
視光線透過率が低く、隠ぺい性が大きいので目的とする
色調に調整できるが、該塗膜単独では平滑性、光沢、鮮
映性などが劣化することがある。しかし、成分(iii)
の塗膜は隠ぺい性が小さく、着色透明であって、しかも
厚膜塗装が可能であるため、これを上記成分(ii)の塗
膜表面に施すと、上記平滑性、光沢、鮮映性などの表面
劣化がすべて解消され、かつ、成分(ii)の着色塗膜を
成分(iii)の透明着色塗膜を通して観察することにな
るために該両塗膜の色調を適宜変えることによって意匠
性のすぐれた塗膜に仕上げることができ、さらに、肉持
感も著しく向上する。
次に、本発明の塗装方法についてさらに具体的で説明
する。
成分(i):(A)で表面張力が40〜60dyne/cmであり
且つ酸で中和することによって陰極に電着可能な水性浴
を形成しうるエポキシ系カチオン電着性樹脂、及び (B)表面張力が25〜45dyne/cmである非イオン系被膜
形成性樹脂を、 樹脂(A):樹脂(B)=60:40〜98:2の範囲内の重量
比で含有し且つ樹脂(A)の表面張力が樹脂(B)の表
面張力より大きい複層膜形成用カチオン電着塗料。
エポキシ系カチオン電着性樹脂(A成分)としては、
従来からカチオン電着塗料分野において使用されている
アミン付加エポキシ樹脂のようなポリアミン樹脂、例え
ばポリエポキシドと第1級モノ及びポリアミン、第2級
ポリアミン又は第1級、第2級混合ポリアミンとの付加
物(例えば米国特許第3,984,299号参照);ポリエポキ
シドとケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級
モノ及びポリアミンとの付加物(例えば米国特許第4,01
7,438号参照);ポリエポキシドとケチミン化された1
級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化に
より得られる反応物(例えば特開昭59−43013号公報参
照)などが用いられる。これらのポリアミン樹脂はアル
コール類でブロックしたポリイソシアネート化合物を用
いて硬化させることができ電着塗膜を形成する。
また、ブロックイソシアネート化合物を使用しないで
硬化させることが可能なアミン付加エポキシ樹脂も使用
することができ、例えばポリエポキシドにβ−ヒドロキ
シアルキルカルバメート基を導入した樹脂(例えば特開
昭59−155470号公報参照);エステル交換反応によって
硬化しうるタイプの樹脂(例えば特開昭55−80436号公
報参照)などを用いることもできる。
樹脂(A成分)の製造に使用される前記したポリエポ
キシドとしては、例えば、ポリフェノールをアルカリの
存在下にエピクロルヒドリンと反応させることにより製
造することができるポリフェノールのポリグリシジルエ
ーテルが包含され、中でも、価格と防食性の点から特に
好適なものは、数平均分子量が少なくとも約380、好適
には約800〜2,000の範囲内、及びエポキシ当量が190〜
2,000、好適には400〜1,000の範囲内のポリフェノール
のポリグリシジルエーテルである。
成分(i)のカチオン電着塗料のエポキシ系カチオン
電着性樹脂(A成分)は、表面張力が40〜60dyne/cm、
好適には45〜55dyne/cmの範囲内にあることが必要であ
る。表面張力が40dyne/cmより低いと、非イオン系被膜
形成性樹脂(B成分)との相溶性が良好になりすぎて所
望の濃度勾配を有する複層膜を形成させ難くなり、しか
も該塗膜が耐候性、防食性とも劣るものになりやすい。
他方、表面張力が60dyne/cmを超えると、濃度勾配が極
端に進み、樹脂(A成分)と樹脂(B成分)とが完全に
2層に分離するようになり、前記樹脂(A成分)と樹脂
(B成分)の層間付着性が劣る結果となりやすい。
本明細書において、エポキシ系カチオン樹脂(A成
分)及び後記する非イオン系被膜形成性樹脂(B成分)
についていう「表面張力」は次のようにして測定したも
のでる: 樹脂(A成分)または樹脂(B成分)を溶剤で希釈
し、脱脂した平滑なブリキ板上にバーコーターにより乾
燥塗膜で10ηmになるように塗装する。塗膜を室温で1
日風乾し、さらに50℃/0.1気圧で1時間乾燥した後、室
温で10分後に次の測定を行なう。
脱イオン水を滴下して、上記乾燥樹脂との接触角
(θ)を測定する。
ついで、SellとNeumannの実験式 式中、γ:水の表面張力 (72.8dyne/cm)、 γ:樹脂(A成分)または樹脂(B成分) の表面張力(dyne/cm) により樹脂(A成分)または樹脂(B成分)の表面張力
を求める。
成分(i)のカチオン電着塗料で使用される非イオン
系被膜形成性樹脂(B成分)は、本発明の目的から特に
耐候性の優れた樹脂であれば熱硬化性樹脂および熱可塑
性樹脂のいずれでもよく、就中アクリル系樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリエステル変性樹脂及びシリコン変性樹
脂が好適に使用される。この樹脂(B成分)は非イオン
系であること、すなわち酸中和によってカチオン性基を
生じるような官能基を有さないことが重要であり且つ不
可欠である。すなわち、樹脂(B成分)がイオン性であ
ると、その表面張力が大きくなるため、本発明の目的と
する理想的な濃度勾配を有する複層塗膜を得るためには
樹脂(B成分)の骨格部(非イオン性部)を表面張力の
小さいものに設計しなければならず、その結果として形
成される複層塗膜は層間付着性および耐食性に劣ったも
のとなりやすい。
該アクリル系樹脂は数平均分子量が約3,000〜約100,0
00、好ましくは約4,000〜約50,000の範囲内のものが適
している。また、該アクリル系樹脂は官能基として水酸
基を含有せしめた場合には、樹脂(A成分)の架橋剤で
あるポリイソシアネート化合物と反応して架橋硬化せし
めることができる。
また、樹脂(B成分)として、前記したアクリル系樹
脂とポリエステル樹脂をブレンドしたものも使用できる
し、さらにポリエステル変性(グラフト)アクリル樹
脂、アクリル変性(グラフト)ポリエステル樹脂も前記
原材料を組合せることにより合成できそれらもまた樹脂
(B成分)として使用できる。
さらにまた、樹脂(B成分)として用いられる非イオ
ン系シリコン変性樹脂には、基体樹脂、例えば前記した
アクリル系樹脂またはポリエステル樹脂、或いはアルキ
ド樹脂等をシリコン樹脂で変性したものが包含され、シ
リコン樹脂の使用量は樹脂全体の50重量%以下、好まし
くは3〜45重量%の範囲内である。
基体樹脂を変性するために用いるシリコン樹脂は、通
常、数平均分子量が好ましくは約500〜約2,000の範囲内
にある、分子中に水酸基、アルコキシ基のような反応性
基を2個以上有するオルガノポリシロキサン樹脂であ
る。
シリコン変性樹脂は、上記したシリコン樹脂と水酸基
および/又はカルボキシル基を有する基体樹脂、例えば
アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を上記した使用割
合で、それ自体公知の方法で共縮合させることによって
製造することができる。
樹脂(B成分)は、表面張力が25〜45dyne/cm、好適
には28〜40dyne/cmの範囲内にあることが必要である。
表面張力が25dyne/cmより小さいと、形成される塗膜と
上塗り塗膜との層間付着性が低下し、また樹脂(A成
分)と樹脂(B成分)が完全に2層に分離し層間付着性
も悪くなる。他方、表面張力が45dyne/cmを超えると、
樹脂(A成分)との相溶性が良好になりすぎ所望の濃度
勾配を有する複層膜が形成され難くなり、しかも塗膜の
耐候性、腐食性がともに劣る結果となる。
成分(i)のカチオン電着塗料において、前記した樹
脂(A成分)及び樹脂(B成分)の表面張力がそれぞれ
前記特定範囲にあって且つ樹脂(A成分)の表面張力が
樹脂(B成分)の表面張力より大きければ、濃度勾配の
ある複層膜を形成することができるが、好適には樹脂
(A成分)と樹脂(B成分)の表面張力の差が5dyne/cm
以上、より好ましくは10〜20dyne/cmの範囲内になるよ
うに両成分を選択して組合わせることが、複層膜の形成
が容易で且つ迅速であり実用的である。
また、複層膜の形成をさらに容易にするには、樹脂
(A成分)と樹脂(B成分)間の相溶性が不相溶もしく
は難相溶の関係にある組合せからなるものを選択すれば
よい。樹脂(A成分)と樹脂(B成分)間の相溶性が
「不相溶」もしくは「難相溶」とは次のことを意味す
る。すなわち、樹脂(A成分)及び樹脂(B成分)を等
重量部の割合で混合した後有機溶剤などに溶解せしめ、
テフロン板に約70ミクロンの膜厚になるように均一にエ
アースプレーし、ついで160〜220℃の間の一定の温度で
且つ15〜60分の間の一定の時間で焼付け、放冷し、得ら
れる単離皮膜について光線透過率を測定したとき、紫外
線の光線(波長約300ミリミクロン)ならびに可視部の
光線(波長約500ミリミクロン)についての透過率がそ
れぞれ0〜約70%の値を示すことを意味する。
成分(i)の電着塗料は、以上述べた樹脂(A成分)
及び樹脂(B成分)をそれ自体既知の方法で水中に分散
及び/又は溶解させることにより調製することができ
る。例えば、樹脂(A成分)及び樹脂(B成分)を水
混和性有機溶剤中に溶解させた状態で水及び酸(例えば
酢酸、ギ酸、乳酸、リン酸、硫酸などの水溶性有機酸又
は無機酸)と混合し中和して水性浴を形成するか、樹
脂(A成分)を水性媒体中に分散させ、酸で中和して水
性浴を形成し、その水性浴中に樹脂(B成分)の水混和
性有機溶剤液をホモジナイザー等を用いて強制分散せし
める等の方法で調製することができる。前記及びの
いずれの方法によって得られる組成物においても、樹脂
(B成分)の粒子は樹脂(A成分)の中和物によって水
中に極めて安定に分散され、長期間にわたって優れた貯
蔵安定性を示す。
成分(i)の電着塗料の調製にあたって、樹脂(A成
分)及び樹脂(B成分)はそれぞれ単独又は2種以上組
合せて使用することができる。樹脂(A成分)と樹脂
(B成分)の使用割合は、 (A成分):(B成分)=60:40〜98:2、 好ましくは70:30〜95:5 の範囲内にすることが必要である。
前記した範囲外の配合割合では効果的な濃度勾配を有
する複層膜が得られず、耐候性又は防食性が劣る結果と
なる。
成分(i)には、前記した樹脂(A成分)及び(B成
分)成分の他に、適宜必要に応じて、通常塗料分野で用
いられている着色顔料、防食顔料、体質顔料、添加剤な
どを添加することもできる。
さらに、樹脂(A成分)として、硬化剤との併用によ
って硬化するタイプのエポキシ系カチオン電着性樹脂を
用いる場合には、該組成物に、硬化剤としてポリイソシ
アネート化合物、例えばイソホロンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどのブロ
ック化物を所定量配合することができる。
成分(i)のカチオン電着塗料を被塗物に電着塗装す
る方法及び装置としては、従来から陰極電着塗装におい
てそれ自体使用されている公知の方法及び装置を使用す
ることができる。その際、被塗物をカソードとし、アノ
ードとしてはステンレス又は炭素板を用いるのが望まし
い。用いうる電着塗装条件は、特に制限されるものでは
ないが、一般的には浴温20〜30℃、電圧:100〜400V(好
ましくは200〜300V)、電流密度:0.01〜3A/dm2、通電時
間:1〜5分、局面積比(A/C):2/1〜1/2、極間距離:10
〜100cm、撹拌状態で電着することが望ましい。
カソードの被塗物上に析出した塗膜は、硬化塗膜に基
いて10〜50μ、特に20〜40μの膜厚が好ましく、この析
出した塗膜を洗浄後、約150〜約230℃で約10〜30分間焼
付けて硬化させることができる。この硬化処理により金
属基体に接する部分にエポキシ系樹脂(A成分)が、プ
ライマー層の表面部分には被膜形成性樹脂(B成分)が
優先的に分布した多層構造が形成される。これは加熱溶
融状態で両樹脂が主として表面張力の差で層分離をする
ように作用するためと考えられる。
かくして形成される電着塗膜層が多層分布構造を有し
ている事実は、塗膜を金属基体方向(厚さ方向)に向か
って最上層、中間層及び最下層の3層に分割し、この分
割層における樹脂(B成分)の分配率(含有重量%)を
求めることにより確認することができる。成分(i)の
カチオン電着塗料から形成される電着プライマー層にお
いては、一般に最上層では樹脂(B成分)の分配率が50
%以上、好ましくは70〜95%であり、最下層においては
樹脂(B成分)の分配率は10%以下、好ましくは5%以
下である。
成分(ii):20μの膜厚において波長が400〜700nmの可
視光透過率が5%以下である着色塗料。
これは、加熱硬化した成分(i)のカチオン電着塗膜
面に塗装する第1上塗り塗料であり、基体樹脂、硬化
剤、および着色剤を主成分とし、これらを水および/ま
たは有機溶剤に溶解、分散してなる液状硬化性塗料であ
る。
基体樹脂は、成分(ii)による塗膜の主成分であり、
耐候性が良好で、水もしくは有機溶剤に溶解もしくは分
散しうる塗料用樹脂が好適であり、例えば、塗料のベヒ
クルとして通常用いられるタイプのアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの熱硬
化性樹脂があげられる。
該基体樹脂に関し、水性化は、原則的には、水溶性化
もしくは水分散化するのに十分な量の親水性基、例えば
カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、メチロー
ル基(−CH2OH)、アミノ基(−NH2)、スルホン基(−
SO3H)、ポリオキシエチレン結合CH2CH2Onなど
を樹脂骨格中に導入することによって行なわれるが、最
も一般的なものはカルボキシル基を導入することであ
り、これは、中和してアルカリ塩を作ることにより水溶
性もしくは水分散化することができる。水性化し得るカ
ルボキシル基の量は、樹脂の骨格や他の親水性基の含有
量、中和剤の種類、中和当量によって変わってくるが少
なくとも酸価は30以上を必要とする。かかる水溶性樹脂
は一般に、アルカリ性物質例えば水酸化ナトリウム、各
種アミンなどで中和することによって完全に水溶性化す
ることができ、水分散化の酸価はそれ以下でもさしつか
えない。
上記基体樹脂のうち、ウレタン樹脂としては、上記ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂にジ
イソシアネート化合物を反応させて高分子量化したもの
が挙げられ、これは主として水分散性樹脂として用いら
れる。
また、上記樹脂の水分散化は、上記モノマー成分を界
面活性剤や水溶性樹脂の存在下で乳化重合することによ
って重合せしめることに達成される。さらに上記樹脂を
例えば乳化剤などの存在下で水中に分散することによっ
ても得られる。この水分散化において、基体樹脂中は前
記親水性基を全く含んでいなくてもよく、或いは上記水
溶性樹脂よりも少なく含有することができる。
該水分散液のうち、アクリル樹脂系は、多段重合法に
よって得られるのが好ましい。即ち、最初にα,β−エ
チレン性不飽和酸を全く含まないか或いは少量含んだ単
量体を重合し、次いでα,β−エチレン性不飽和酸を多
量に含んだ単量体を共重合することによって得られる多
段重合エマルジョンは、中和剤を用いて中和することに
よって増粘するので塗装作業性の面から好ましいもので
ある。
該水分散液中のアクリル樹脂は、その機械安定性、貯
蔵安定性等の性能面からは分散粒子を架橋した方が有利
である。また、この水分散液には、必要に応じて、従来
から公知の方法により製造されるポリエステル系、ポリ
ウレタン系の水分散性樹脂を併用することが可能であ
る。
また、有機溶剤系は、有機溶剤に上記基体樹脂などを
溶解もしくは分散させることによって得られる。その形
態としては、溶液型、ハイソリッド型、非水分散液型な
どがあげられる。
硬化剤は、上記基体樹脂を加熱により三次元的に架橋
硬化させるためのものであり、具体的には、メラミン、
ベンゾグアナミン、尿素などとホルムアルデヒドとの縮
合もしくは共縮合または、さらに低級1価アルコールで
エーテル化するなどによって得られるアミノ樹脂が好適
に用いられる。また、ポリイソシアネート化合物もしく
はブロックポリイソシアネート化合物も好適に使用でき
る。
成分(ii)に配合する着色剤は、主として無機顔料や
有機顔料で、例えば二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロ
ム、クロム酸鉛、クロムチタンエロー、コバルトブル
ー、カーボンブラック等の如き無機顔料;フタロシアニ
ンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイ
オレット、アントラピリミジン、アゾオレンジ、イエロ
ー、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロ
ー、アゾイエロー、インダスロンブルー、ジブロムアン
ザスロンレッド、ペリレンレッド、アゾレッド、アンス
ラキノンレッド、キナクリドンレッド、バイオレット等
の如き有機顔料を挙げることができる。
成分(ii)の塗料における上記各成分の比率は、目的
に応じ任意に選択できるが、例えば、基体樹脂と硬化剤
とは、該両成分の合計重量にもとずいて、前者が60〜90
重量%、特に70〜85重量%、後者が40〜10重量%、特に
30〜15重量%の範囲内が好ましい。
また、着色剤の含有率は、成分(ii)の硬化塗膜厚が
20μにおいて、波長400〜700nm可視光線透過率が5%以
下、好ましくは3%以下になるような範囲内であれば、
上記着色剤を任意に組み合わせて使用でき、さらにメタ
リック顔料を併用してもさしつかえない。
成分(ii)の塗膜の可視光線透過率を5%以下にする
ことによって、電着下地を完全に隠ペイして下地の色の
影響をなくし(ii)本来の色彩の塗膜が得られる。
したがって、5%より大きくなると隠ペイ性が小さく
電着下地の色の影響が出て黄変したり又は濁った色彩に
なるので好ましくない。
成分(ii)の塗料は、上記基体樹脂、硬化剤および着
色剤を通常の方法に従って、脱イオン水及び(または)
有機溶媒、さらに必要に応じ増粘剤、消泡剤等の添加剤
を加えて、固形分10〜40重量%程度、粘度800〜5000cps
/6rpm(B型粘度計)程度に調整して得られる。
該成分(ii)の塗料は、前記成分(i)によるカチオ
ン電着加熱硬化塗膜面に、例えば10〜50μ程度の硬化膜
厚になるようにスプレー塗装等により塗装することがで
きる。このうち、水性塗料は一般に低固形分濃度で使用
されるため、塗着してから硬化に至るまでの体積収縮率
が大きいため、りん片状のメタリック顔料が含まれてい
ると被塗面に対して平行に配向しやすくなって、輝きの
あるメタリック感が容易に得られ、またソリッドカラー
仕上げでは塗着時に発生した凹凸面も平滑化されやす
く、平滑性、鮮映性などもすぐれているという利点があ
る。
本発明における成分(ii)および後記成分(iii)に
よる形成塗膜の可視光線透過率測定方法は、ガラス板に
塗料を所定の膜厚(成分(ii)では20μ,成分(iii)
では60μ,いずれも硬化塗膜に基く)に塗装し、加熱硬
化してから、60〜70℃の温水中に浸せきして塗膜を剥離
する。この塗膜を乾燥後、自記分光々度計(EPS−3T
型、日立製作所製)を用いて400〜700nmの波長での分光
透過率を測定することによって行なった。測定波長によ
って差が生じるときは最大数値で示した。
成分(iii):60μの膜厚において、波長400〜700nmの
可視光線透過率が30〜90%である着色剤含有粉体塗料。
該粉体塗料は、成分(ii)の塗料による塗膜面に塗装
する熱硬化性の粉体塗料であることができ、基体樹脂と
硬化剤とを主成分とし、さらに、可視光線透過率が上記
範囲内に包含されるように着色剤を含んでなる粉体塗料
である。
基体樹脂は成分(iii)の粉体塗料の塗膜形成のため
の主要成分であって、例えば、水酸基、カルボキシル
基、グリシジル基などから選ばれる1種またはそれ以上
の架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、およびこれらの変性体
(例えば、グラフト重合体)などがあげられるが、これ
らは単なる例示であり、これらのみに限定されるもので
はない。該基体樹脂はガラス転移温度が一般に50℃以
上、特に60〜120℃であることが好ましく、また、組成
および分子量などは目的に応じて任意に選択でき、特に
限定されない。
硬化剤は、上記基体樹脂を加熱により三次元的に架橋
硬化させるための成分であり、例えば、アルコキシメチ
ロールメラミン、ブロックポリイソシアネート化合物、
エポキシ化合物、イソシアヌレート化合物および脂肪族
二塩基酸などが使用できる。
基体樹脂と硬化剤との比率は、基体樹脂中の上記官能
基と硬化剤中の官能基とのモル比がほぼ等モルになるこ
とが最も好ましい。
本発明で用いる成分(iii)の粉体塗料には、該粉体
塗料の膜厚60μ(硬化塗膜にもとずく)における400〜7
00nmの可視光線透過率が30〜90%、好ましくは50〜75%
となるように着色剤を配合しておく必要がある。
すなわち、前記成分(ii)による塗膜面に、該成分
(iii)の塗膜を形成することによって、隠ペイ性が大
きく、平滑性、光沢感、鮮映性に優れ透明感のある彩度
の高い従来に得られなかった意匠性の優れた仕上り外観
が得られた。
したがって、成分(iii)による塗膜の透過率が30%
より小さくなると、透明性が悪くなり一方、90%より大
きくなると、着色性が小さく(ii),(iii)膜を組合
せて独特に仕上り感を得ることは難しいのでいずれも好
ましくない。
着色剤としては、前記成分(ii)で例示したものが使
用でき、その色調は、成分(ii)と同一もしくは近似し
ていることが意匠的にみて好ましいが、それに制限され
ることがなく、メタリック顔料を併用してもさしつかえ
ない。
着色剤の配合量は、目的に応じて任意に採択できる
が、基体樹脂と硬化剤との合計100重量部(固形分)100
重量部あたり、0.3〜50重量部が適している。
成分(iii)の粉体塗料には、さらに流動調整剤、紫
外線吸収剤、光安定剤などの塗料添加物を必要に応じて
配合してもさしつかえない。
成分(iii)の粉体塗料は、通常、上記各成分を溶融
混練し、冷却後、粉砕することによって得られ、これら
の工程及および粒径などは通常のとおりでよい。
また、該成分(iii)の塗料は、前記成分(ii)の塗
料を塗装し、加熱硬化してから、又は加熱硬化させるこ
となく、該塗膜中に含まれている水分や有機溶剤の殆ど
もしくはすべてを除去するために常温もしくは100℃以
下で風乾したのち、該成分(ii)の塗料による未硬化の
塗膜面に塗装される。塗装方法は特に制限されず、静電
噴霧塗装、流動浸漬法など任意の粉体塗装方法を用いる
ことができる。
成分(iii)の粉体塗料の塗装膜厚は特に制限される
ものではないが、一般には、例えば40〜200μの範囲が
適しており、なかでも、仕上がり塗膜の平滑性、鮮映
性、光沢、肉持感などを良好にするためには、60〜120
μの肉厚に塗装することが好ましい。
本発明において、加熱硬化した成分(i)の電着塗膜
面に成分(ii)の液状塗料を硬化塗膜にもとずいて10〜
50μの厚さに塗装し、風乾後未硬化のうちに、又は80〜
140℃に加熱して硬化させてから、成分(iii)の粉体塗
料を硬化塗膜にもとずいて40〜200μの厚さに塗装し、
例えば120〜200℃に加熱し、成分(ii)と成分(iii)
との両塗膜もしくは成分(iii)の塗膜を硬化せしめる
のである。
以上に述べた本発明の方法は、塗装工程が簡略化さ
れ、しかも塗膜の仕上がり外観が極めてすぐれ、かつ省
資源、公害対策上有利な塗装方法であり、自動車、二輪
車、電気製品などの塗装において広く利用することがで
きる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具
体的に説明する。なお実施例中、「部」及び「%」は
「重量部」及び「重量%」である。
I 試料の調製 成分(i)のカチオン電着塗料: (A)エポキシ系カチオン電着性樹脂の調製 ビスフェノール型エポキシ樹脂 (チバガイギー社製「アラルダイト#6071」) 930部 ビスフェノール型エポキシ樹脂 (チバガイギー社製「アラルダイトGY2600」) 380〃 ポリカプロラクトンジオール (ダイセル社製「プラクセル#205」) 550〃 ジメチルベンジルアミン酢酸塩 2.6〃 p−ノニルフェノール 79〃 モノエタノールアミンのメチルイソブチルケトンケ
チミン化物 71〃 ジエタノールアミン 105〃 ブチルセロソルブ 180〃 セロソルブ 525〃 成分〜を一緒にし150℃で2時間反応させた後、
成分〜を配合し、80〜90℃で3時間反応させ、固形
分75%の樹脂溶液を得る。この樹脂の表面張力は53dyne
/cmである。
(B) 非イオン系被膜形成性樹脂の調製 (B−1)の製造: ブチルセロソルブ 26部 80%ポリエステルモノマー (ダイセル社製「FM−3X」) 37.5〃 スチレン 40〃 ヒドロキシエチルメタクリレート 25〃 n−ブチルメタクリレート 5〃 AIBN(アゾビスイソブチロニトリル) 4〃 ブチルセロソルブ 5〃 アゾビスジメチルバレロニトリル 0.5〃 セロソルブ 23〃 成分を130℃に加熱し、130℃で成分〜を5時間
かけて滴下後、130℃で2時間維持し、130℃で2時間か
けて成分、を滴下し、更に130℃で2時間維持し、
次いで成分を添加して冷却する。
かくして、固形分62%で数平均分子量約5,000及び表
面張力40dyne/cmの樹脂溶液を得る。
(B−2)の製造: ブチルセロソルブ
26部 80%ポリエステルモノマー (ダイセル社製FM−3X」)
87.5〃 スチレン
25〃 ヒドロキシエチルアクリレート
5〃 AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)
4〃 ブチルセロソルブ
5〃 アゾビスジメチルバレロニトリル
0.5〃 セロソルブ
23〃 成分を130℃に加熱し、130℃で成分〜を5時間
かけて滴下した後、130℃で2時間維持し、130℃で2時
間かけて成分、を滴下し、更に130℃で2時間維持
し、次いで成分を添加して冷却する。かくして、固形
分62%で数平均分子量約5,000及び表面張力35dyne/cmの
樹脂溶液を得る。
エマルジョンの製造 樹脂溶液混合物((A)および(B)成分を 後記第1表に示した割合からなる組成樹脂固形分として
82.6部 4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルブ
ロック 5.0〃 イソホロンジイソシアネートの メチルエチルケトンケトオキシムジブロック 12.4〃 ポリプロピレングリコール4000 0.5〃 酢酸鉛 1.0〃 10%酢酸 9.3〃 脱イオン水 185.75〃 成分〜を均一に混合し、成分〜を加えてさら
に均一に混合し、次いで成分を加えて均一に撹拌混合
して、不揮発分32%(120℃〜1Hr.)のエマルジョンを
得る。
顔料ペーストの製造: 60%第4級塩化エポキシ樹脂(分散媒) 5.73部 チタン白 14.5〃 カーボン 0.54〃 体質顔料(クレー) 7.0〃 ケイ酸鉛 2.3〃 ジブチルチンオキサイド 2.0〃 脱イオン水 27.49〃 からなる不揮発分50%(120℃〜1Hr.)なる顔料ペース
トを得る。
カチオン電着塗料の製造 上記(A成分)および(B成分)を第1表に示す混合
比(樹脂重量固形分比)に基づいて得られるエマルジョ
ン317.2部、顔料ペースト59.56部及び脱イオン水279.64
部を混合してカチオン電着塗料浴(固形分20%)を得
る。
成分(ii)の塗料 アクリル樹脂水分散液(W−1)の製造 反応容器内に、脱イオン水140部、30%Newcol707SF2.
5部および下記の単量体混合物(1)1部を加え、窒素
気流中で撹拌混合し、60℃で3%過硫酸アンモニウム3
部を加える。ついで80℃に温度を上昇せしめた後、下記
の単量体混合物(1)79部、30%Newcol707SF2.5部、3
%過硫酸アンモニウム4部および脱イオン水42部からな
る単量体乳化物を4時間かけて定量ポンプを用いて反応
容器に加える。添加終了後1時間熟成を行なう。
さらに、80℃で下記の単量体混合物(2)20.5部と3
%過硫酸アンモニウム水溶液4部を同時に1.5時間かけ
て反応容器に並列滴下する。添加終了後1時間熟成し、
30℃で200meshのナイロンクロスで過した。このもの
にさらに脱イオン水を加えジメチルアミノエタノールで
pH7.5に調整し、平均粒径0.1μ、Tg(ガラス転移温度)
46℃の不揮発分20%アクリル樹脂水分散液W−1を得
た。
単量体混合物(1) メタクリル酸メチル 55部 スチレン 10 アクリル酸n−ブチル 9 アクリル酸2−ヒドロキシエチル 5 メタクリル酸 1 単量体混合物(2) メタクリル酸メチル 5部 アクリル酸n−ブチル 7 アクリル酸2−エチルヘキシル 5 メタクリル酸 3 30%Newcol 707SF 0.5 (注) 30%Newcol 707SFは日本乳化剤社製界面活性剤 アクリル樹脂水溶液(W−2)の製造 反応容器にブチルセロソルブ60部およびイソブチルア
ルコール15部を加え窒素気流中で115℃に加温する。115
℃に達したらアクリル酸n−ブチル26部、メタクリル酸
メチル47部、スチレン10部、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル10部、アクリル酸6部およびアゾイソブチロニ
トリル1部の混合物を3時間かけて加える。添加終了後
115℃で30分間熟成し、アゾビスイソブチロニトリル1
部とブチルセロソルブ115部の混合物を1時間にわたっ
て加え、30分間熟成後50℃で200メッシュナイロンクロ
スで過する。
得られた反応生成物は酸価は48、粘度Z4(ガードナー
泡粘度計)、不揮発分55%、Tg45℃であった。このもの
をジメチルアミノエタノールで当量中和し、さらに脱イ
オン水を加えることによって50%アクリル樹脂水溶液を
得た。
成分(ii)の製造 上記(W−1)および(W−2)などを用いて、第2
表および第3表に示した配合にもとずいて混合分散を行
なって製造した。
上記顔料ペーストの成分の混合物をペブルミルで5μ
以下になるまで分散し、これに塗料化の各成分を混合
し、チクゾールK−130B(共栄社油脂化学工業(株)製
商品名、増粘剤)を添加して、B型粘度計(ローター回
転数6 rpm)で2500センチポイズに調整した。
第2表において、 (*1)石原産業(株)製商品名 (*2)三菱化成工業(株)製商品名 (*3)戸田工業(株)製商品名 (*4)BASF製商品名 (*5)ヘキスト製商品名 (*6)戸田工業(株)製商品名 (*7)チバガイギー製商品名 (*8)BASF製商品名 (*9)チバガイギー製商品名 (*10)三井東圧化学(株)製商品名 (*11)ガラス板に塗料を硬化塗膜が20μになるように
塗装し、加熱硬化してから60〜70℃の温水に浸せきして
塗膜をはくりする。この塗膜を乾燥後、自記分光光度計
(EPS−3T型、日立製作所製)を用いて、400〜700nmの
波長での分光透過率を測定した。測定波長により差が生
じるときは最大数値で示した。
上記各成分を常法により混合分散した。なお、基体樹
脂と硬化剤との配合量は固形分量であり、塗装粘度の調
整は、トルエンとキシレンとの等重量混合溶剤で行なっ
た。
第3表において、 (*1)三井東圧化学(株)製商品名 (*2) 同上 (*3)富士色素(株)製商品名 (*4)大日精化(株)製商品名 (*5)チバガイギー製商品名 (*6)第2表の(*11)と同様にして測定した。
成分(iii)の塗料 第4表に記載の成分をヘンシェルミキサーで前混合を
行なってから、BUSSコニーダーで溶融混練した。次い
で、これを冷却してから粉砕し、粒径20〜150μのカラ
ークリヤー粉体塗料を得る。
第4表において、 (*1)三井東圧化学(株)製商品名、グリシジル基官
能アクリル樹脂 (*2)石原産業(株)製商品名 (*3)戸田工業(株)製商品名 (*4)ICI製商品名 (*5)ヘキスト製商品名 (*6)BASF製商品名 (*7)チバガイギー製商品名 (*8)BASF製商品名 (*9)チバガイギー製紫外線吸収剤 (*10)信越化学(株)製 (*11)測定膜厚を硬化塗膜にもとずいて60μに変更し
た以外は前記第2表の(*6)と同様に測定した。
II 実施例および比較例 リン酸亜鉛処理した鉄板製品(被塗物)をカチオン電
着塗料[成分(i)]浴中に浸漬し、対極である陽極と
の間に、焼付後の膜厚が20μとなる電圧で3分間通電
し、水洗後、二酸化窒素濃度が10ppmである雰囲気にお
いて170℃に加熱し20分加熱して該電着塗膜を硬化させ
た。次に、この電着塗面に第1上塗りとして成分(ii)
の塗料をスプレーガン(デビルビスSGA502、25℃、湿度
70%)で硬化膜厚が30μになるように塗装し、次いで、
100℃で20分間加熱乾燥したのち、該塗料の未硬化塗面
に第2上塗りとして粉体塗料[成分(iii)]を静電粉
体塗装法により、硬化塗膜厚が70〜100μになるように
塗装し、150℃で30分加熱して上記成分(ii)および(i
ii)の両塗料による両塗膜を同時に硬化させた。これら
の塗装工程およびその評価も第1表に示す。
第1表において、 (*1)従来型電着塗料:前記成分(i)のカチオン電
着塗料において、(A)成分のみで、(B)成分を配合
しないで製造したカチオン電着塗料であり、前記(i−
1)と同様に塗装し、加熱硬化した。
(*2)N−2:アミノ・アルキド樹脂系中塗り塗料であ
り、硬化した電着塗面に、スプレー塗装機で硬化塗膜に
もとずいて30μになるように塗装し、160℃で30分加熱
して硬化せしめた。
(*3)従来型トップコート:マジクロンクリヤー[関
西ペイント(株)製 有機溶液型熱硬化性アクリル樹脂
系クリヤー塗料]であり、未硬化の第1上塗りの塗膜面
に硬化塗膜で40μになるように塗装し、140℃で30分加
熱して両塗膜を同時に硬化させた。
(*4)加熱硬化した塗板をサンシャインウェザオメー
ター(光量は1100K Juole/m2・hr)で4000時間促進ばく
ろ後、40℃温水に20時間浸漬した塗板について、塗膜外
観を評価し、次いで素地に達するように塗膜をクロスカ
ットし、テープハクリを行う。ハクリがなく、かつ外観
に全く異常が認められないものは○、はくりやふくれな
どのあったものは×とする。
(*5)鮮映性測定器JCRI−PGD−160型cd計(発売元:
日本色彩研究所)を用いた。数値が大きい程すぐれてい
る。
(*6)光沢、色調(意匠性)、肉持感、平滑性などに
ついて観察した。
◎ すべてのおいてすぐれている。
△ 従来得られている一般的な仕上がりである。
(*7)VOC(Volatile organic com-pound)規制合否
の計算方法 膜厚:第1上塗=15μm で塗装した時の塗着塗料固形分1gal(ガロン)当りのVO
Cが12.2lb/gal、Applied solidを越すものを×、越さな
いものを○と評価する。→EPA(環境保護局)規制 (*8)経済性の評価は、従来型カチオン電着塗料〜溶
剤型中塗〜溶剤型上塗の3コート系を100とし、他の経
済性の良否を指数で示す。100をこえるものは「経済性
不良」、100をこえないものは「良好」である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 裕三 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 久米 政文 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 中谷 栄作 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 中畑 顕雅 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 審査官 城所 宏

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)(A)表面張力が40〜60dyne/cmで
    あり且つ酸で中和することによって陰極に電着可能な水
    性浴を形成しうるエポキシ系カチオン電着性樹脂、及び (B)表面張力が25〜45dyne/cmである非イオン系被膜
    形成性樹脂を、 樹脂(A):樹脂(B)=60:40〜98:2の範囲内の重量
    比で含有し且つ樹脂(A)の表面張力が樹脂(B)の表
    面張力より大きい複層膜形成用カチオン電着塗料を塗装
    し、加熱硬化後、 (ii)該電着塗面に、第1上塗りとして、20μの膜厚に
    おいて波長が400〜700nmの可視光線透過率が5%以下で
    ある着色塗料を塗装し、 (iii)次いで、第2上塗りとして、60μの膜厚で波長
    が400〜700nmの可視光線透過率が30〜90%である着色粉
    体塗料を塗装する ことを特徴とするコーティング方法。
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