JPH08997B2 - 塗装方法 - Google Patents

塗装方法

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JPH08997B2
JPH08997B2 JP10795687A JP10795687A JPH08997B2 JP H08997 B2 JPH08997 B2 JP H08997B2 JP 10795687 A JP10795687 A JP 10795687A JP 10795687 A JP10795687 A JP 10795687A JP H08997 B2 JPH08997 B2 JP H08997B2
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勝也 世羅
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、塗装工程が簡略化され、しかも塗膜の仕上
り外観が極めてすぐれ、かつ省資源、公害対策上有利な
塗装方法に関する。
従来の技術及びその問題点 従来、美粧的外観が重要視される自動車、二輪車、電
気製品などの外板は、平滑性、鮮映性、耐候性などに優
れた塗膜を形成する有機溶剤希釈型熱硬化性塗料で仕上
げ塗装されている。その塗装工程は、通常、防食性付与
のためのカチオン電着塗料を塗装した後、耐候性を確保
するための中塗り塗料を塗装し、これらの両塗膜をそれ
ぞれ加熱硬化した後、さらに、上塗り塗装として、着色
顔料および/またはメタリツク顔料を配合した有機溶剤
型熱硬化性エナメル塗料(以下「ベースコート」とい
う)を塗装し、風乾後、有機溶剤型熱硬化性透明クリヤ
ー塗料を塗り重ねてから、耐両塗膜を同時に加熱硬化せ
しめるいわゆる2コート1ベーク方式からなっているこ
とが多い。
ところが近年に至って、塗装仕上がり外観、例えば、
平滑性、鮮映性、肉持感などの向上の要求が更に強くな
り、しかも省資源や公害対策、さらに塗装コストを低く
することも望まれている。
このうち、仕上がり外観の向上については、主として
上塗塗着膜の平滑化を目的に各種レオロジーコントロー
ル剤の添加や、中塗塗膜の研磨などにより対処されてい
る。一方、公害対策上から開発されたハイソリツド型塗
料を利用することもある。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら前記した方法においては、レオロジーコ
ントロール剤を添加しても塗面の平滑性や鮮映性の向上
に限度があり、抜本的な解決策でない。一方、中塗塗膜
の研磨は工数増と十分な外観向上が得られないという問
題がある。さらに従来の有機溶剤型ベースコートには多
量の有機溶剤が配合されており、省資源、公害発生防止
などの観点からも好ましくない。また、ハイソリツド型
塗料は有機溶剤の削減にはおのずと限界があり、これを
ベースコートに用いるとシルバー色等の淡色メタリツク
では仕上りの白さが得られにくいという欠点があった。
また、カチオン電着塗装、中塗塗装、水性メタリツクベ
ース塗料および粉体クリヤー塗装から塗装工程もある
が、省工程の観点から見ても、トータルコストが高くつ
くという欠点があった。
発明を解決する為の手段 そこで本発明者等は、前記した種々の欠点を解消し、
塗装工程が簡略化され、しかも塗膜の仕上がり外観が顕
著に向上し、かつ省資源、公害対策上極めて有利な塗装
方法の開発を目的に鋭意研究を行なった。
その結果、耐候性良好な特性組成のカチオン電着塗
料、水性ベースコートおよび粉体塗料(トツプコート)
を用いることによって、中塗り塗料を使用することなく
上記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成す
るに至った。
しかして、本発明によれば、 (i)(A)表面張力が40〜60dyne/cmであり且つ酸で
中和することによって陰極に電着可能な水性浴を形成し
うるエポキシ系カチオン電着性樹脂、及び (B)表面張力が25〜45dyne/cmである非イオン系被膜
形成性樹脂を、 樹脂(A):樹脂(B)=60:40〜98:2 の範囲内の重量比で含有し且つ樹脂(A)の表面張力が
樹脂(B)の表面張力より大きい複層膜形成用カチオン
電着塗料を塗装し、加熱硬化後、 (ii)該電着塗面に、第1上塗りとしてメタリツク顔料
及び/又は着彩顔料を含有する水性塗料を塗装し、加熱
硬化することなく、 (iii)更に、第2上塗りとして顔料を含まない粉体塗
料を塗装し、 (iv)次いで、加熱して上記(ii)および(iii)の両
塗膜を同時に硬化させる ことを特徴とする塗装方法が提案される。
本発明の特徴は、従来一般の中塗り塗装を塗装するこ
となく、上記(i)の特定のカチオン電着塗料面に、上
塗り塗料としての上記(ii)および(iii)の塗料を2
コート1ベーク方式で塗装するところにある。
すなわち、本発明で用いる上記(i)のカチオン電着
塗料は、一回の電着塗装により、下層部(金属基体表面
側。以下同じ)に主として防食性樹脂が分布し且つ上層
部に主として耐候性樹脂が分布するような濃度勾配を有
する複層膜を形成することができる。さらに具体的に
は、該カチオン電着塗料は、エポキシ樹脂系カチオン電
着性樹脂中に耐候性の優れたアクリル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂等の非イオン系被膜形成性樹脂を分散させた
ものを結合剤成分とするカチオン電着塗料であって、該
非イオン系被膜形成性樹脂粒子がエポキシ樹脂によって
極めて安定に分散され、貯蔵安定性の優れ、また、前記
エポキシ系カチオン電着性樹脂と非イオン系被膜形成性
樹脂を特定割合で配合し且つこれらの樹脂成分の表面張
力を特定範囲に限定し、しかも前者の表面張力を後者の
それより大きくしてあるため、それから形成されるカチ
オン電着浴を用いて電着塗装した塗膜は、焼付乾燥する
と表面張力の差によって非イオン系被膜形成性樹脂が上
層部に浮上し、他方、エポキシ樹脂は金属基体表面側、
すなわち下層部に移行し、その結果上層部を主として非
イオン系被膜形成性樹脂が占め、下層部を主としてエポ
キシ樹脂が占めるような濃度勾配を有する複層膜を形成
する。その結果、1回の電着塗装及び焼付により、防食
性および耐候性のすぐれた複層塗膜を形成することがで
きる。
そのため本発明の方法では、該カチオン電着塗料の焼
付硬化塗膜面に、中塗塗装工程を省略し、上記(ii)及
び(iii)の上塗り塗膜を直接施しても、耐候性ハガレ
(上塗りを透過した光により、プライマーが光劣化をお
こし、屋外バクロ中に、プライマーと上塗りの層間でハ
クリがおこる現象)が発生することは皆無となることが
判明した。しかも、本発明の方法によれば、中塗り塗装
工程が省略されるので塗装工程が簡略化され、塗装コス
トが低くできるという利点がある。
本発明で用いる成分(i)のカチオン電着塗料塗膜は
耐候性がすぐれており、具体的には、該塗料の硬化塗膜
単独を、1100K.J uole/m2・hrの光線を40時間照射した
後の60度鏡面反射率の保持率が通常、50%以上であり、
好ましくは60%以上でありうる。
次に、上記(ii)の水性塗料は、水を溶媒もしくは分
散媒とするメタリツクもしくはソリツドカラー塗料であ
って、有機溶剤を全くもしくは殆ど含有していないの
で、省資源および公害対策に極めて有効である。また、
該水性塗料は一般に低固形分濃度で使用されるため、塗
着してから硬化に至るまでの体積収縮率が大きく、りん
片状のメタリツク顔料が被塗面に対して平行に配向しや
すくなって、輝きのあるメタリツク感が容易に得られ、
しかもソリツドカラー仕上げでも塗着時に発生した凹凸
面も平滑化されやすく、平滑性、鮮映性、などもすぐれ
ているという利点がある。
さらに、該水性塗料の塗面に塗装する上記(iii)の
粉体塗料は、有機溶剤を全く含んでいないので、上記水
性塗料と同様に省資源、公害防止に特に有効であり、し
かも、60μ以上の厚膜に塗装できるので、肉持感、平滑
性、鮮映性などの仕上がり外観にすぐれた塗面に仕上げ
ることができるという特徴がある。
次に、本発明の塗装方法についてさらに具体的に説明
する。
成分(i):(A)表面張力が40〜60dyne/cmであり且
つ酸で中和することによって陰極に電着可能な水性浴を
形成しうるエポキシ系カチオン電着性樹脂、及び (B)表面張力が25〜45dyne/cmである非イオン系被膜
形成性樹脂を、 樹脂(A):樹脂(B)=60:40〜98:2 の範囲内の重量比で含有し且つ樹脂(A)の表面張力が
樹脂(B)の表面張力より大きい複層膜形成用カチオン
電着塗料。
エポキシ系カチオン電着性樹脂(A成分)としては、
従来からカチオン電着塗料分野において使用されている
アミン付加エポキシ樹脂のようなポリアミン樹脂、例え
ばポリエポキシドと第1級モノ及びポリアミン、第2級
ポリアミン又は第1級、第2級混合ポリアミンとの付加
物(例えば米国特許第3,984,299号参照);ポリエポキ
シドとケチミン化された第1級アミノ基を有する第2級
モノ及びポリアミンとの付加物(例えば米国特許第4,01
7,438号参照);ポリエポキシドとケチミン化された1
級アミノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化に
より得られる反応物(例えば特開昭59-43013号公報参
照)などが用いられる。これらのポリアミン樹脂はアル
コール類でブロツクしたポリイソシアネート化合物を用
いて硬化させることができ電着塗膜を形成する。
また、ブロツクイソシアネート化合物を使用しないで
硬化させることが可能なアミン付加エポキシ樹脂も使用
することができ、例えばポリエポキシドにβ−ヒドロキ
シアルキルカルバメート基を導入した樹脂(例えば特開
昭59-155470号公報参照);エステル交換反応によって
硬化しうるタイプの樹脂(例えば特開昭55-80436号公報
参照)などを用いることもできる。
樹脂(A成分)の製造に使用される前記したポリエポ
キシドとしては、例えば、ポリフエノールをアルカリの
存在下にエピクロルヒドリンと反応させることにより製
造することができるポリフエノールのポリグリシジルエ
ーテルが包含され、かかるポリエポキシドの代表例に
は、ビス(4−ヒドロキシフエニル)−2,2−プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフエニル)−1,1−エタン、
ビス(4−ヒドロキシフエニル)−メタン、4,4′−ジ
ヒドロキシフエニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジ
フエニルスルホン、フエノールノボラツク、クレゾール
ノボラツク等のポリフエノールのグリシジルエーテル及
びその重合物が挙げられる。
上記したポリエポキシドの中で、価格と防食性の点か
ら特に好適なものは、数平均分子量が少なくとも約38
0、好適には約800〜2,000の範囲内、及びエポキシ当量
が190〜2,000、好適には400〜1,000の範囲内のポリフエ
ノールのポリグリシジルエーテルであり、殊に下記一般
で示されるポリエポキシドである。
成分(i)のカチオン電着塗料のエポキシ系カチオン
電着性樹脂(A成分)は、表面張力が40〜60dyne/cm、
好適には45〜55dyne/cmの範囲内にあることが必要であ
る。表面張力が40dyne/cmより低いと、非イオン系被膜
形成性樹脂(B成分)との相溶性が良好になりすぎて所
望の濃度勾配を複層膜を形成させ難くなり、しかも該塗
膜が耐候性、防食性ともに劣るものになりやすい。他
方、表面張力が60dyne/cmを超えると、濃度勾配が極端
に進み、樹脂(A成分)と樹脂(B成分)とが完全に2
層に分離するようになり、前記樹脂(A成分)と樹脂
(B成分)の層間付着性が劣る結果となりやすい。
本明細書において、エポキシ系カチオン樹脂(A成
分)及び後記する非イオン系被膜形成性樹脂(B成分)
についていう「表面張力」は次のようにして測定したも
のである: 樹脂(A成分)または樹脂(B成分)を溶剤で希釈
し、脱脂した平滑なブリキ板上にバーコーターにより乾
燥塗膜で10ηmになるように塗装する。塗膜を室温で1
日風乾し、さらに50℃/0.1気圧で1時間乾燥した後、室
温で10分後に次の測定を行なう。
脱イオン水を滴下して、上記乾燥樹脂との接触角
(θ)を測定する。
ついで、SellとNeumannの実験式 式中、 γ:水の表面張力(72.8dyne/cm)、 γ:樹脂(A成分)または樹脂(B成分) の表面張力(dyne/cm) により樹脂(A成分)または樹脂(B成分)の表面張力
を求める。
成分(i)のカチオン電着塗料で使用される非イオン
系被膜形成性樹脂(B成分)は、本発明の目的から特に
耐候性の優れた樹脂であれば熱硬化性樹脂および熱可塑
性樹脂のいずれでもよく、就中アクリル系樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリエステル変性樹脂及びシリコン変性樹
脂が好適に使用される。この樹脂(B成分)は非イオン
系であること、すなわち酸中和によってカチオン性基を
生じるような官能基を有さないことが重要であり且つ不
可欠である。すなわち、樹脂(B成分)がイオン性であ
ると、その表面張力が大きくなるため、本発明の目的と
する理想的な濃度勾配を有する複層塗膜を得るためには
樹脂(B成分)の骨格部(非イオン性部)を表面張力の
小さいものに設計しなければならず、その結果として形
成される複層塗膜は層間付着性および耐食性に劣ったも
のとなりやすい。
以下、樹脂(B成分)として好適なものについてさら
に具体的に説明する。
非イオン系アクリル系樹脂としては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど
の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のヒドロキ
シアルキルエステル;グリシジル(メタ)アクリレー
ト;(メタ)アクリル酸などのアクリル系単量体、並び
にスチレン及びその誘導体(例えばα−メチルスチレ
ン)、(メタ)アクリロニトリル、ブタジエンなどその
他の不飽和単量体を物性に応じて1種または2種以上適
宜選択し、常法に従って(共)重合することによって得
られるものが挙げられる。
該アクリル系樹脂は数平均分子量が約3,000〜約100,0
00、好ましくは約4,000〜約50,000の範囲内のものが適
している。また、該アクリル系樹脂は官能基として水酸
基を含有せしめた場合には、樹脂(A成分)の架橋剤で
あるポリイソシアネート化合物と反応して架橋硬化せし
めることができる。
樹脂(B成分)として用いられる非イオン系ポリエス
テル樹脂には、例えば、フタル酸およびその酸無水物、
イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリツト酸およびそ
の酸無水物、ピロメリツト酸およびその酸無水物、ヘキ
サヒドロフタル酸およびその酸無水物、コハク酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、ブラシリン酸などの
多塩基酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリシクロデ
カンジメタノールなどのポリオール成分とを常法に従い
縮合重合させることにより製造することができるものが
包含される。その際末端封鎖剤として、例えば安息香
酸、p−t−ブチル安息香酸などを使用して分子量を調
節してもよい。
また、樹脂(B成分)として、前記したアクリル系樹
脂とポリエステル樹脂をブレンドしたものも使用できる
し、さらにポリエステル変性(グラフト)アクリル樹
脂、アクリル変性(グラフト)ポリエステル樹脂も前記
原材料を組合せることにより合成できそれらもまた樹脂
(B成分)として使用できる(これらを本明細書では
「ポリエステル変性樹脂」と総称する)。
さらにまた、樹脂(B成分)として用いられる非イオ
ン系シリコン変性樹脂には、基体樹脂、例えば前記した
アクリル系樹脂またはポリエステル樹脂、或いはアルキ
ド樹脂等をシリコン樹脂で変性したものが包含され、シ
リコン樹脂の使用量は樹脂全体の50重量%以下、好まし
くは3〜45重量%の範囲内である。シリコン樹脂の含有
量が50重量%を超えると、上塗り塗膜との層間付着性が
低下する。また樹脂(A成分)と樹脂(B成分)が完全
に2層に分離し層間の付着性も悪くなる傾向がある。
基体樹脂を変性するために用いるシリコン樹脂は、通
常、数平均分子量が好ましくは約500〜約2,000の範囲内
にある、分子中に水酸基、アルコキシ基のような反応性
基を2個以上有するオルガノポリシロキサン樹脂であ
り、例えばZ-6018(Dow Corning社製品、分子量160
0)、Z-6188(Dow Corning社製品、分子量650)をはじ
め、Sylkyd 50、DC-3037(Dow Corning社製品)、KR-21
6、KR-218、KSP-1[信越シリコーン(株)製品]、TSR-
160、TSR-165[東京芝浦電気(株)製品]、SH5050、SH
6018、SH6188[東レシリコーン(株)製品]等を用いる
ことができる。
シリコン変性樹脂は、上記したシリコン樹脂と水酸基
および/又はカルボキシル基を有する基体樹脂、例えば
アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を上記した使用割
合で、それ自体公知の方法で共縮合させることによって
製造することができる。
樹脂(B成分)は、表面張力が25〜45dyne/cm、好適
には28〜40dyne/cmの範囲内にあることが必要である。
表面張力が25dyne/cmより小さいと、形成される塗膜と
上塗り塗膜との層間付着性が低下し、また樹脂(A成
分)と樹脂(B成分)が完全に2層に分離し層間付着性
も悪くなる。他方、表面張力が45dyne/cmを超えると、
樹脂(A成分)との相溶性が良好になりすぎ所望の濃度
勾配を有する複層膜が形成され難くなり、しかも塗膜の
耐候性、防食性がともに劣る結果となる。
成分(i)のカチオン電着塗料において、前記した樹
脂(A成分)及び樹脂(B成分)の表面張力がそれぞれ
前記特定範囲にあって且つ樹脂(A成分)の表面張力が
樹脂(B成分)の表面張力より大きければ、濃度勾配の
ある複層膜を形成することができるが、好適には樹脂
(A成分)と樹脂(B成分)の表面張力の差が5dyne/cm
以上、より好ましくは10〜20dyne/cmの範囲内になるよ
うに両成分を選択して組合わせることが、複層膜の形成
が容易で且つ迅速であり実用的である。
また、複層膜の形成をさらに容易にするには、樹脂
(A成分)と樹脂(B成分)間の相溶性が不相溶もしく
は難相溶の関係にある組合せからなるものを選択すれば
よい。樹脂(A成分)と樹脂(B成分)間の相溶性が
「不相溶」もしくは「難相溶」とは次のことを意味す
る。すなわち、樹脂(A成分)及び樹脂(B成分)を等
重量部の割合で混合した後有機溶剤などに溶解せしめ、
テフロン板に約70ミクロンの膜厚になるように均一にエ
アースプレーし、ついで160〜220℃の間の一定の温度で
且つ15〜60分の間の一定の時間で焼付け、放冷し、得ら
れる単離皮膜について光線透過率を測定したとき、紫外
線の光線(波長約300ミリミクロン)ならびに可視部の
光線(波長約500ミリミクロン)についての透過率がそ
れぞれ0〜約70%の値を示すことを意味する。
成分(i)の電着塗料は、以上述べた樹脂(A成分)
及び樹脂(B成分)をそれ自体既知の方法で水中に分散
及び/又は溶解させることにより調製することができ
る。例えば、樹脂(A成分)及び樹脂(B成分)を水
混和性有機溶剤中に溶解させた状態で水及び酸(例えば
酢酸、ギ酸、乳酸、リン酸、硫酸などの水溶性有機酸又
は無機酸)と混合し中和して水性浴を形成するか、樹
脂(A成分)を水性媒体中に分散させ、酸で中和して水
性浴を形成し、その水性浴中に樹脂(B成分)の水混和
性有機溶剤溶液をホモジナイザー等を用いて強制分散せ
しめる等の方法で調製することができる。前記及び
のいずれの方法によって得られる組成物においても、樹
脂(B成分)の粒子は樹脂(A成分)の中和物によって
水中に極めて安定に分散され、長期間にわたって優れた
貯蔵安定性を示す。
成分(i)の電着塗料の調製にあたって、樹脂(A成
分)及び樹脂(B成分)はそれぞれ単独又は2種以上組
合せて使用することができる。樹脂(A成分)と樹脂
(B成分)の使用割合は、 (A成分):(B成分)=60:40〜98:2、好ましくは70:
30〜95:5の範囲内にすることが必要である。
前記した範囲外の配合割合では効果的な濃度勾配を有
する複層膜が得られず、耐候性又は防食性が劣る結果と
なる。
成分(i)には、前記した樹脂(A成分)及び樹脂
(B成分)成分の他に、適宜必要に応じて、通常塗料分
野で用いられている着色顔料、防食顔料、体質顔料、添
加剤などを添加することもできる。
さらに、樹脂(A成分)として、硬化剤との併用によ
って硬化するタイプのエポキシ系カチオン電着性樹脂を
用いる場合には、該組成物に、硬化剤としてポリイソシ
アネート化合物、例えばイソホロンジイソシアネート、
4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネートなどのブロ
ツク化物を所定量配合することができる。
成分(i)のカチオン電着塗料を被塗物に電着塗装す
る方法及び装置としては、従来から陰極電着塗装におい
てそれ自体使用されている公知の方法及び装置を使用す
ることができる。その際、被塗物をカソードとし、アノ
ードとしてはステンレス又は炭素板を用いるのが望まし
い。用いうる電着塗装条件は、特に制限されるものでは
ないが、一般的には浴温:20〜30℃、電圧:100〜400V
(好ましくは200〜300V)、電流密度:0.01〜3A/dm2、通
電時間:1〜5分、極面積比(A/C):2/1〜1/2、極間距
離:10〜100cm、攪拌状態で電着することが望ましい。
カソードの被塗物上に析出した塗膜は、硬化塗膜に基
いて10〜50μ、特に20〜40μの膜厚が好ましく、この析
出した塗膜を洗浄後、約150〜約230℃で約10〜30分間焼
付けて硬化させることができる。この硬化処理により金
属基体に接する部分にはエポキシ系樹脂(A成分)が、
プライマー層の表面部分には複膜形成性樹脂(B成分)
が優先的に分布した多層構造が形成される。これは加熱
溶融状態で両樹脂が主として表面張力の差で層分離をす
るように作用するためと考えられる。
かくして形成される電着塗膜層が多層分布構造を有し
ている事実は、塗膜を金属基体方向(厚さ方向に向かっ
て最上層、中間層及び最下層の3層に分割し、この分割
層における樹脂(B成分)の分配率(含有重量%)を求
めることにより確認することができる。成分(i)のカ
チオン電着塗料から形成される電着プライマー層におい
ては、一般に最上層では樹脂(B成分)の分配率が50%
以上、好ましくは70〜95%であり、最下層においては樹
脂(B成分)の分配率は10%以下、好ましくは5%以下
である。
成分(ii):メタリツク顔料及び/又は着彩顔料を含有
する水性塗料。
これは加熱硬化した成分(i)のカチオン電着塗膜面
に塗装する上塗り塗料であり、基体樹脂、硬化剤、メタ
リツク顔料及び/又は着彩顔料および水を主要成分とす
るものであって、必要に応じて有機溶剤などを配合して
なる熱硬化性塗料である。
基体樹脂は、成分(ii)による塗膜の主成分であり、
耐候性が良好で、水に溶解もしくは分散しうる塗料用樹
脂が好適であり、例えば、水性塗料のベヒクルとして通
常用いられるタイプのアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、などを、水溶性化も
しくは水分散化したものがあげられる。これらの水溶性
化もしくは水分散化しうる樹脂は、原則的には、水溶性
化もしくは水分散化するのに十分な量の親水性基、例え
ばカルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、メチロ
ール基(-CH2OH)、アミノ基(-NH2)、スルホン基(-SO
3H)、ポリオキシエチレン結合CH2CH2Oなどを導
入、含有するものであるが、最も一般的なものはカルボ
キシル基を含有することであり、これは、中和してアル
カリ塩を作ることにより水溶性化することができる。水
溶性化し得るカルボキシル基の量は、樹脂の骨格や他の
親水性基の含有量、中和剤の種類、中和当量によって変
わってくるが少なくとも酸価は30以上を必要とする。か
かる水溶性樹脂は一般に、アルカリ性物質例えば水酸化
ナトリウム、各種アミンなどで中和することによって完
全に水溶性化することができる。
上記アクリル樹脂としては、例えばα,β−エチレン
性不飽和カルボン酸、ヒドロキシル基、アミド基、メチ
ロール基などの官能基を有する(メタ)アクリル酸エス
テル、及びその他の(メタ)アクリル酸エステル、及び
その他の(メタ)アクリル酸エステル、スチレンなどを
共重合して得られる酸価30〜100及び水酸基価約20〜200
のものを挙げることができる。
ポリエステル樹脂としては多塩基酸、多価アルコー
ル、変性油を常法により縮合反応させて得られるもので
ある。また、エポキシ樹脂としては、例えばエポキシ基
と不飽和脂肪酸との反応によってエポキシエステルを合
成し、この不飽和基にα,β−不飽和酸を付加する方法
や、エポキシエステルの水酸基と、フタル酸やトリメリ
ツト酸のような多塩基酸とをエステル化する方法などに
よって得られるエポキシエステル樹脂が挙げられる。
ウレタン樹脂としては、上記アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂またはエポキシ樹脂にジイソシアネート化合物
を反応させて高分子量化したものが挙げられ、これは主
として水分散性樹脂として用いられる。
また、上記樹脂の水分散化は、上記モノマー成分を界
面活性剤や水溶性樹脂の存在下で乳化重合することによ
って重合せしめることに達成される。さらに上記樹脂を
例えば乳化剤などの存在下で水中に分散することによっ
ても得られる。この水分散化において、基体樹脂中は前
記親水性基を全く含んでいなくてもよく、或いは上記水
溶性樹脂よりも少なく含有することができる。
このうち、アクリル樹脂の水分散液としては、従来か
ら既知の例えば、ポリオキシエチレンノニルフエニルエ
ーテル等のノニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン系
界面活性剤、酸価20〜150程度、数平均分子量5000〜300
00程度のアクリル樹脂等の水溶性樹脂等の分散安定剤の
存在下で、アクリル系単量体及び必要に応じて他の共重
合性単量体を重合することによって調製される平均粒子
径0.05〜1.0μm程度の範囲にある水分散体が好まし
い。
重合に供される前記単量体としては、例えば(メタ)
アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マレ
イン酸又はフマル酸の半エステル化物等のα,β−エチ
レン性不飽和カルボン酸;メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
エステル;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ
基含有(メタ)アクリル酸エステル;N−プロポキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、スチレン、酢酸ビニル等の重合性不飽和単量体が挙
げられる。
また、上記重合性不飽和単量体には、必要に応じて、
多官能性単量体例えば、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
アリル(メタ)アクリレート、トリアクリル酸トリメチ
ロールプロパン等も少量併用することができる。
該分散液は、多段重合法によって得られるものが好ま
しい。即ち、最初にα,β−エチレン性不飽和酸を全く
含まないか或いは少量含んだ単量体を重合し、次いで
α,β−エチレン性不飽和酸を多量に含んだ単量体を共
重合することによって得られる多段重合エマルジヨン
は、中和剤を用いて中和することによって増粘するので
塗装作業性の面から好ましいものである。使用する中和
剤は、アンモニア又は水溶性アミノ化合物例えば、モノ
エタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジ
プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピル
アミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチ
ルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジ
メチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、
モルホリン等が用いられるが、特に第3級アミンである
トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等が好ま
しい。また、高酸価アクリル樹脂や増粘剤を添加するこ
とによって増粘させたものも本発明の目的に対して有用
である。
該水分散液中のアクリル樹脂は、その機械安定性、貯
蔵安定性等の性能面からは分散粒子を架橋した方が有利
である。また、この水分散液には、必要に応じて、従来
から公知の方法により製造されるポリエステル系、ポリ
ウレタン系の水分散性樹脂を併用することが可能であ
る。
硬化剤は、上記基体樹脂を加熱により三次元的に架橋
硬化させるためのものであり、具体的には、メラミン、
ベンゾグアナミン、尿素などとホルムアルデヒドとの縮
合もしくは共縮合または、さらに低級1価アルコールで
エーテル化するなどによって得られるアミノ樹脂が好適
に用いられる。
一方、成分(ii)の水性塗料に配合しうるメタリツク
顔料としては、例えばアルミニウムフレーク、銅ブロン
ズフレーク等を挙げることができ、また、着彩顔料とし
ては、例えば二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロ
ム酸鉛、カーボンブラツク等の如き無機顔料;フタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾール
バイオレツト、アントラピリジン、イエロー、フラバン
スロンイエロー、イソインドリン イエロー、インダス
ロン ブルー、キナクリドン バイオレツト等の如き有
機顔料を挙げることができる。成分(ii)の水性塗料に
は、更に例えばタルク、カオリン等の体質顔料も配合す
ることができる。
成分(ii)の水性塗料における上記各成分の比率は、
目的に応じ任意に選択できるが、例えば、基体樹脂と硬
化剤とは、該両成分の合計重量にもとずいて、前者が60
〜90重量%、特に70〜85重量%、後者が40〜10重量%、
特に30〜15重量%の範囲内が好ましく、さらに顔料は、
所望のメタリツク感や色彩等に応じて適宜の量配合すれ
ば良く、該両成分を合計した樹脂固形分100重量部に対
して通常1〜250重量部程度配合するのが適当である。
成分(ii)の水性塗料は、上記基体樹脂、硬化剤およ
び顔料を通常の方法に従って、脱イオン水及び必要に応
じ有機溶媒、増粘剤、消泡剤等の添加剤を加えて、固形
分10〜40重量%程度、粘度800〜5000cps/6rpm(B型粘
度計)程度に調整して得られる。
該成分(ii)の水性塗料は、2コート1ベーク方式で
塗装する場合のベースコートとして極めて好適に使用で
きる。しかして、前記成分(i)によるカチオン電着加
熱硬化塗膜面に、成分(ii)の水性塗料は例えば10〜50
μ程度の硬化膜厚になるようにスプレー塗装等により塗
装することができる。
成分(iii):粉体塗料 該粉体塗料は、成分(ii)の水性塗料による未硬化の
塗膜面に塗装することのできる、熱硬化性のそれ自体既
知の粉体塗料であることができ、原則として、成分(i
i)のメタリツク塗膜もしくは着色塗膜を透視できるよ
うな透明塗膜を形成しうる粉体塗料であって、着色顔料
やメタリツク顔料を含んでおらず、基体樹脂と硬化剤と
を主成分とするものである。
基体樹脂は成分(iii)の粉体塗料の塗膜形成のため
の主要成分であって、例えば、水酸基、カルボキシル
基、グリシジル基などから選ばれる1種またはそれ以上
の架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、フツ素樹脂、ウレタン樹脂、およびこれらの変性体
(例えば、グラフト重合体)などがあげられるが、これ
らは単なる例示であり、これらのみに限定されるもので
はない。該基体樹脂はガラス転移温度が一般に50℃以
上、特に60〜120℃であることが好ましく、また、組成
および分子量などは目的に応じて任意に選択でき、特に
限定されない。
硬化剤は、上記基体樹脂を加熱により三次元的に架橋
硬化させるための成分であり、例えば、アルコキシメチ
ロールメラミン、ブロツクポリイソシアネート化合物、
エポキシ化合物、イソシアヌレート化合物および脂肪族
二塩基酸などが使用できる。
基体樹脂と硬化剤との比率は、基体樹脂中の上記官能
基と硬化剤中の官能基とのモル比がほぼ等モルになるこ
とが最も好ましい。
成分(iii)の粉体塗料には、さらに流動調整剤、紫
外線吸収剤、光安定剤などの塗料添加物を必要に応じて
配合してもさしつかえない。
成分(iii)の粉体塗料は、通常、上記各成分を溶融
混練し、冷却後、粉砕することによって得られ、これら
の工程および粒径などは通常のとおりでよい。
また、該成分(iii)の塗料は、前記成分(ii)の水
性塗料を塗装し、加熱硬化させることなく、該塗膜中に
含まれている水分の殆どもしくはすべてを除去するため
に常温もしくは100℃以下で風乾したのち、該成分(i
i)の水性塗料による未硬化の塗膜面に塗装される。塗
装方法は特に制限されず、静電噴霧塗装、流動浸漬法な
ど任意の粉体塗装方法を用いることができる。
成分(iii)の粉体塗料の塗装膜厚は特に制限される
ものではないが、一般には、例えば40〜200μの範囲が
適しており、なかでも、仕上がり塗膜の平滑性、鮮映
性、光沢、肉持感などを良好にするためには、60〜120
μの肉厚に塗装することが好ましい。
そして、上記(ii)および(iii)の両塗料を塗装
後、該両塗膜の硬化温度、例えば120〜170℃に加熱して
両塗膜を同時に硬化させる。
以上に述べた本発明の方法は、塗装工程が簡略化さ
れ、しかも塗膜の仕上がり外観が極めてすぐれ、かつ省
資源、公害対策上有利な塗装方法であり、自動車、二輪
車、電気製品などの塗装において広く利用することがで
きる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具
体的に説明する。なお実施例中、「部」及び「%」は
「重量部」及び「重量%」である。
I 試料の調整 成分(i)のカチオン電着塗料:(A) エポキシ系カチオン電着性樹脂の調製 ビスフエノール型エポキシ樹脂(チバガイギー社製
「アラルダイト#6071」) 930部 ビスフエノール型エポキシ樹脂(チバガイギー社製
「アラルダイトGY2600」 380〃 ポリカプロラクトンジオール(ダイセル社製「プラ
クセル#205」) 550〃 ジメチルベンジルアミン酢酸塩 2.6〃 p−ノニルフエノール 79〃 モノエタノールアミンのメチルイソブチルケトンケ
チミン化物 71〃 ジエタノールアミン 105〃 ブチルセロソルブ 180〃 セロソルブ 525〃 成分〜を一緒にし150℃で2時間反応させた後、
成分〜を配合し、80〜90℃で3時間反応させ、固形
分75%の樹脂溶液を得る。この樹脂の表面張力は53dyne
/cmである。
(B) 非イオン系被膜形成性樹脂の調製 (B−1)の製造: ブチルセロソルブ 26部 80%ポリエステルモノマー(ダイセル社製「FM-3
X」 37.5〃 スチレン 40〃 ヒドロキシエチルメタクリレート 25〃 n−ブチルメタクリレート 5〃 AIBN(アゾビスイソブチロニトリル) 4〃 ブチルセロソルブ 5〃 アゾビスジメチルバレロニトリル 0.5〃 セロソルブ 23〃 成分を130℃に加熱し、130℃で成分〜を5時間
かけて滴下後、130℃で2時間維持し、130℃で2時間か
けて成分、を滴下し、更に130℃で2時間維持し、
次いで成分を添加して冷却する。
かくして、固形分62%で数平均分子量約5,000及び表
面張力40dyne/cmの樹脂溶液を得る。
(B−2)の製造: ブチルセロソルブ 26部 80%ポリエステルモノマー(ダイセル社製FM-3X)8
7.5〃 スチレン 25〃 ヒドロキシエチルアクリレート 5〃 AIBN(アゾビスイソブチ ロニトリル) 4〃 ブチルセロソルブ 5〃 アゾビスメチルバレロニトリル 0.5〃 セロソルブ 23〃 成分を130℃に加熱し、130℃で成分〜を5時間
かけて滴下した後、130℃で2時間維持し、130℃で2時
間かけて成分、を滴下し、更に130℃で2時間維持
し、次いで成分を添加して冷却する。かくして、固形
分62%で、数平均分子量約5,000及び表面張力35cyne/cm
の樹脂溶液を得る。
エマルジヨンの製造 樹脂溶液混合物((A)および(B)成分を後記第
1表に示した割合からなる組成樹脂) 固形分として 8
2.6部 4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネートのエチ
レングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルジブロ
ツク 5.0〃 イソホロンジイソシアネートのメチルエチルケトン
ケトオキシムジブロツク 12.4〃 ポリプロピレングリコール4000 0.5〃 酢酸鉛 1.0〃 10%酢酸 9.3〃 脱イオン水 185.75〃 成分〜を均一に混合し、成分〜を加えてさら
に均一に混合し、次いで成分を加えて均一に攪拌混合
して、不揮発分32%(120℃〜1Hr.)のエマルジヨンを
得る。
顔料ペーストの製造: 60%第4級塩化エポキシ樹脂(分散媒) 5.73部 チタン白 14.5〃 カーボン 0.54〃 体質顔料(クレー) 7.0〃 ケイ酸鉛 2.3〃 ジブチルチンオキサイド 2.0〃 脱イオン水 27.49〃 からなる不揮発分50%(120℃〜1Hr.)なる顔料ペース
トを得る。
カチオン電着塗料の製造 上記(A成分)および(B成分)を第1表に示す混合
比(樹脂重量固形分比)に基づいて得られるエマルジヨ
ン317.2部、顔料ペースト59.56部及び脱イオン水279.64
部を混合してカチオン電着塗料浴(固形分20%)を得
る。
成分(ii)の水性塗料 アクリル樹脂水分散液(W−1)の製造 反応容器内に、脱イオン水140部、30%Newcol 707SF
2.5部および下記の単量体混合物(1)1部を加え、窒
素気流中で攪拌混合し、60℃で3%過硫酸アンモニウム
3部を加える。ついで80℃に温度を上昇せしめた後、下
記の単量体混合物(1)79部、30%Newcol 707SF 2.5
部、3%過硫酸アンモニウム4部および脱イオン水42部
からなる単量体乳化物を4時間かけて定量ポンプを用い
て反応容器に加える。添加終了後1時間熟成を行なう。
さらに、80℃で下記の単量体混合物(2)20.5部と3
%過硫酸アンモニウム水溶液4部を同時に1.5時間かけ
て反応容器に並列滴下する。添加終了1時間熟成し、30
℃で200meshのナイロンクロスで過した。このものに
脱イオン水を加えジメチルアミノエタノールでpH7.5に
調整し、平均粒径0.1μ、Tg(ガラス転移温度)46℃の
不揮発分20%アクリル樹脂水分散液W−1を得た。
単量体混合物(1) メタクリル酸メチル 55部 スチレン 10 アクリル酸n−ブチル 9 アクリル酸2−ヒドロキシエチル 5 メタクリル酸 1 単量体混合物(2) メタクリル酸メチル 5部 アクリル酸n−ブチル 7 アクリル酸2−エチルヘキシル 5 メタクリル酸 3 30%Newcol 707SF 0.5 (注) 30%Newcol 707SFは日本乳化剤社製界面活性剤 アクリル樹脂水溶液(W−2)の製造 反応容器にブチルセロソルブ60部およびイソブチルア
ルコール15部を加え窒素気流中で115℃に加温する。115
℃に達したらアクリル酸n−ブチル26部、メタクリル酸
メチル47部、スチレン10部、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル10部、アクリル酸6部およびアゾイソブチロニ
トリル1部の混合物を3時間かけて加える。添加終了後
115℃で30分間熟成し、アゾビスイソブチロニトリル1
部とブチルセロソルブ115部の混合物を1時間にわたっ
て加え、30分間熟成後50℃で200メツシユナイロンクロ
スで過する。
得られた反応生成物の酸価は48、粘度Z4(ガードナー
泡粘度計)、不揮発分55%、Tg45℃であった。このもの
をジメチルアミノエタノールで当量中和し、さらに脱イ
オン水を加えることによって50%アクリル樹脂水溶液を
得た。
水性塗料の製造 メタリツク水性塗料(M−1): アクリル樹脂水分散液W−1 275部 アクリル樹脂水溶液W−2 40 サイメル350 25 (三井東圧化学社製、アミノ樹脂) アルミペーストAW-500B 20 (旭化成メタルズ社製) ブチルセロソルブ 20 脱イオン水 253 を混合し、チクゾールK-130B(共栄社油脂化学工業社製
増粘剤)を添加して、B型粘度計(ローター回転数6rp
m)で3000cpsに調整してメタリツク水性塗料M−1を得
た。不揮発分約19%。
白色水性塗料(S−1): アクリル樹脂水溶液W−2 40部 チタン白 100 ブチルセロソルブ 20 をペブルミルにて5μ以下まで分散し、 アクリル樹脂水分散液W−1 275 サイメル350 25 脱イオン水 111 を加え、前項同様に粘度を2500cpsに調節し、白色水性
塗料S−1を得た。不揮発分約30%。
成分(iii)の粉体塗料: (3−a) フラスコにメタクリル酸メチル40部、アクリル酸−2
−エチルヘキシル30部、メタクリル酸グリシジル30部、
スチレン10部およびt−ブチルパーオキサイド(重合開
始剤)1部、オレイン酸カリ石鹸(界面活性剤)2部を
仕込み懸濁重合法により加熱重合を行ない得られた粒子
状共重合体(ガラス転移温度約60℃)を乾燥した。得ら
れた共重合体100部、デカメチレンジカルボン酸25部、
塗面調整剤1部を加熱ニーダーを用いて120℃10分間溶
融混練した。ついで混練物を冷却後粉砕機をもちいて粉
砕を行なって粒径20〜150μ程度のクリヤー粉体塗料を
得た。
II.実施例および比較例 リン酸亜鉛処理した鉄板製品(被塗物)をカチオン電
着塗料浴中に浸漬し、対極である陽極との間に、焼付後
の膜厚が20μとなる電圧で3分間通電し、水洗後、二酸
化窒素濃度が10ppmである雰囲気において170℃に加熱し
20分加熱して該電圧塗膜を硬化させた。次に、この電圧
塗面に第1上塗りとして水性塗料(M−1)又は(S−
1)をスプレーガン(デビルビスSGA502、25℃、湿度70
%)で硬化膜厚が(M−1)では10〜20μ、(S−1)
では25〜40μになるように塗装し、次いで、該塗膜中の
水分を除去するために80℃で5分間加熱乾燥したのち、
該水性塗料の未硬化塗面に第2上塗りとして粉体塗料
[成分(iii)]を静電粉体塗装法により、硬化塗膜厚
が70〜100μになるように塗装し、150℃で30分加熱して
上記成分(ii)および(iii)の両塗料による両塗膜を
同時に硬化させた。これらの塗装工程およびその評価も
第1表に示す。
第1表において、 (*1)従来型電着塗料:前記成分(i)のカチオン電
着塗料において、(A)成分のみで、(B)成分を配合
しないで製造したカチオン電着塗料であり、前記(1−
a)と同様に塗装し、加熱硬化した。
(*2)N−2:アミノ・アルキド樹脂系中塗り塗料であ
り、硬化した電着塗面に、スプレー塗装機で硬化塗膜に
もとずいて3−0μになるように塗装し、160℃で30分
加熱して硬化せしめた。
(*3)従来型ベースコート:マジクロンHM-22・シル
バーメタリツク[関西ペイント(株)製 有機溶液型熱
硬化性アクリル樹脂系メタリツク塗料]であり、硬化塗
膜が15μになるように塗装した。
(*4)従来型トツプコート:マジクロンHK-1 クリヤ
ー[関西ペイント(株)製 有機溶液型熱硬化製アクリ
ル樹脂系クリヤー塗料]であり、未硬化の上記(*3)
のベースコート塗膜面に硬化塗膜で40μになるように塗
装し、160℃で30分加熱して両塗膜を同時に硬化させ
た。
(*5)電着塗膜の光沢保持率は、該電着塗料を上記の
ごとく塗装し、加熱硬化した塗板をサンシヤインウエザ
オメーター(光量は1100KJoule/m2・hr)で40時間促進
ばくろし、ばくろ前との光沢(60°鏡面反射率)変化率
(%)を調べた。初期及び40時間照射後の光沢測定に
は、デイジタル光沢計GM-27D型(発売元:村上色彩技術
研究所)を用いた。光沢保持率の次の計算式による。
(*6)上塗り塗装まで行なった塗板を(*5)と同様
にして4000時間促進ばくろした後、40℃温水に20時間浸
漬してから、素地に達するように塗膜をクロスカツト
し、テープハクリを行う。電着塗面上でのハクリがない
ものは○、あったものは×とする。
(*7)水平部仕上り性の評価は、鮮映性測定器JCRI-P
GS-166型cd計(発売元:日本色彩研究所)を用いた。
(*8)VOC(Volatile organic compound)規制合否の
計算方法 で塗装した時の塗着塗料固形分1gal(ガロン)当りのVO
Cが12.2lb/gal、Applied solidを越すものを×、越さな
いものを○と評価する。
→EPA(環境保護局)規制 (*9)経済性の評価は、従来型カチオン電着塗料〜溶
剤型中塗〜溶剤型上塗の3コート系を100とし、他の経
済性の良否を指数で示す。100をこえるものは「経済性
不良」、100をこえないものは「良好」である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 世羅 勝也 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 宮本 裕三 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 久米 政文 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 龍野 忠義 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 中畑 顕雅 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−223875(JP,A) 特開 昭62−174277(JP,A) 特開 昭62−61675(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)(A)表面張力が40〜60dyne/cmで
    あり且つ酸で中和することによって陰極に電着可能な水
    性浴を形成しうるエポキシ系カチオン電着性樹脂、及び (B)表面張力が25〜45dyne/cmである非イオン系被膜
    形成性樹脂を、 樹脂(A):樹脂(B)=60:40〜98:2 の範囲内の重量比で含有し且つ樹脂(A)の表面張力が
    樹脂(B)の表面張力より大きい複層膜形成用カチオン
    電着塗料を塗装し、加熱硬化後、 (ii)該電着塗面に、第1上塗りとしてメタリツク顔料
    及び/又は着彩顔料を含有する水性塗料を塗装し、加熱
    硬化することなく、 (iii)更に、第2上塗りとして顔料を含まない粉体塗
    料を塗装し、 (iv)次いで、加熱して上記(ii)および(iii)の両
    塗膜を同時に硬化させる ことを特徴とする塗装方法。
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