JP2595220Y2 - 硬貨選別処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば公衆電話機やピ
ンク電話機のように使用料金を硬貨で徴収する装置内に
組込まれた硬貨選別処理装置に係わり、特に硬貨の選別
軌道に詰まった硬貨を排除するフラッパの動作を改良し
た硬貨選別処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えばピンク電話機は図４に示すように
構成されている。電話機筐体１の前面にダイヤルキー
２，返却ボタン２ａ，硬貨返却口３が設けられ、上面に
硬貨投入口４か設けられている。そして側方にハンドセ
ット５を置くためのフック台が形成されている。

【０００３】このようなピンク電話機の電話機筐体１内
には図５に示すような硬貨選別処理装置６が組込まれて
いる。基板７の表面７ａに電話機筐体１の硬貨投入口４
に連通する選別軌道８が、表面７ａに突設された上側リ
ブ８ａ，下側リブ８ｂにて形成されている。選別軌道８
内にはこの選別軌道８に沿って第１の選別機構９ａおよ
び第２の選別機構９ｂが設けられている。この第１，第
２の選別機構９ａ，９ｂを共通に覆うフラッパ１０が設
けられている。フラッパ１０の上縁１０ａは選別軌道８
の上側リブ８ａに回動自在に支持されている。フラッパ
１０の第１の選別機構９ａ側端にはレバー１１が取付け
られている。したがって、レバー１１を図中矢印方向に
押すと、フラッパ１０が前記上側リブ８ａの先端を中心
に回動して選別軌道８が開放される。

【０００４】選別軌道８の下側位置には返却ダクト１２
および蓄積軌道が設けられている。返却ダクト１２の上
面にはダクト入口１２ａ，１２ｂが形成されている。返
却ダクト１２の下端１２ｃは硬貨返却口３に開口してい
る。

【０００５】選別軌道８の第２の選別機構９ｂ側端の延
長線上に支持軸１３ａに枢支された軽量レバー１３が配
設されている。基板７の表面７ａの下部位置に第２の選
別機構９ｂにて選別された１００円硬貨を蓄積する蓄積
軌道１４が取付けられている。蓄積軌道１４の外側には
ソレノイドコイル１５が取付けられている。ソレノイド
コイル１５は蓄積軌道１４から電話機筐体１の底部に取
付けられた硬貨収納容器に連通する開口を開閉するシャ
ッタ１６を作動させる。

【０００６】図６は図５の硬貨選別処理装置６をＹ−Ｙ
線で切断して、矢印方向に見た断面図である。フラッパ
１０と基板７の表面７ａとの間に形成された第１の選別
機構９ａは選別軌道８を転動する硬貨の直径が１００円
未満の硬貨を選別して開口１２ｄから返却ダクト１２内
へ落下させる。

【０００７】図７は、第１の選別機構９ａの選別原理を
示す模式図である。選別軌道８からの硬貨１７は、その
延長線上に設けられた下支持板１８の傾斜面１８ａ上に
導かれる。下支持板１８の上方には下支持板１８上を進
む硬貨１７の背面側の上縁に僅かに接する上支持板１９
と、硬貨１７の正面側の中央部に接する中央支持板２０
とが平行に配置されている。なお、この中央支持板２０
はフラッパ１０で代用されている。また、上支持板１９
は基板７で代用されている。したがって、選別軌道８か
ら例えば１０円や１００円等の１００円硬貨以上の直径
を有する硬貨１７が侵入した場合は、この硬貨１７は、
各支持板１８，１９，２０で３点支持されるので、矢印
Ａ方向にそのまま進む。逆に、直径が１００円未満の例
えは５円，５０円，１円等の硬貨１７が侵入した場合に
は、上支持板１９による支持が得られないので、転動動
作中に傾斜して矢印Ｂ方向に滑り落ち、図６の開口１２
ｄ内へ落下する。

【０００８】図８は図５の硬貨選別処理装置６をＸ−Ｘ
線で切断して、矢印方向に見た断面図である。フラッパ
１０はばね部材２１でもって基板７の表面７ａ方向に付
勢されている。そして、レバー１１を矢印方向に回動さ
せると、点線で示すように、選別軌道８が開放されて、
この選別軌道８上の硬貨１７が前記開口１２ｄまたはさ
らに外側に位置するダクト入口１２ａへ落下する。

【０００９】第２の選別機構９ｂは第１の選別機構９ａ
とほぼ同一構成である。そして、この第２の選別機構９
ｂにおいては、第１の選別機構９ａを通過した直径が１
００円以上の硬貨１７のうち１０円未満の硬貨、すなわ
ち１００円硬貨のみを選択して、１００円専用の蓄積軌
道１４に連通する開口１４ａへ落下させる。

【００１０】軽量レバー１３に第１、第２の選別機構９
ａ，９ｂを通過した硬貨１７が当接するが、当接した硬
貨１７が１０円硬貨に対応する規定重量より軽い場合
は、この軽量レバー１３は回動しなくて、擬似硬貨と見
なせるこの軽い硬貨は返却ダクト１２内へ転がり落ち
る。規定重量を有した１０円硬貨の場合は、軽量レバー
１３が回動して、１０円の正規硬貨は基板７の裏面に形
成された１０円専用の蓄積軌道に導かれる。

【００１１】このように構成された硬貨選別処理装置６
によれば、硬貨投入口４へ投入された硬貨１７は選別軌
道８を通過する過程で第１，第２の選別機構９ａ，９ｂ
によって、硬貨の種類毎に選別される。そして、最終的
に１００円硬貨および１０円硬貨のみがそれぞれ専用の
蓄積軌道に蓄積される。そして、５円，５０円，１円等
の異なる種類の硬貨および擬似硬貨は返却ダクト１２内
を通過して、硬貨返却口３へ排出される。

【００１２】変形硬貨や擬似硬貨が投入されて、選別軌
道８内に詰まってしまった場合は、ダイヤルキー２の近
傍位置に設けられた返却ボタン２ａを押すと、図５のレ
バー１１が矢印方向に押されて、フラッパ１０が回動し
て、選別軌道８内に詰まった硬貨はダクト入口１２ａ，
１２ｂから返却ダクト１２内へ落下する。そして、電話
機の利用者は変形硬貨や擬似硬貨が硬貨返却口３へ返却
されると、返却ボタン２ａの押下げ動作を解除する。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図５に
示すように構成された硬貨選別処理装置においてもまだ
解消すべき次のような問題があった。

【００１４】すなわち、変形硬貨や擬似硬貨が投入され
て、選別軌道８内に詰まった場合は、詰まったことをこ
の電話機の利用者が直ぐに把握できないので、詰まった
後に多数の硬貨を硬貨投入口４から投入する。その結
果、選別軌道８内には変形硬貨や擬似硬貨を先頭にして
多数の硬貨１７が滞留することになる。この状態で、返
却ボタン２ａを押すと、フラッパ１０が一斉に回動し
て、各硬貨１７が一斉にダクト入口１２ａ，１２ｂ内へ
落下する。

【００１５】しかし、例えば返却ボタン２ａをゆっくり
押すと、フラッパ１０は少しだけ回動した状態になる。
この状態においては、図７における中央支持板２０と上
支持板１９，下支持板１８との間における寸法関係が選
別条件を満たさなくなるので、先頭に位置する詰まり原
因の変形硬貨が例えば１００円の蓄積軌道１４の開口１
４ａへ入ったり、または軽量レバー１３まで移動する懸
念がある。さらに、この状態になると、後続の硬貨１７
がやはり正規に選別されずに、選別軌道８を転がって、
１００円の開口１４ａへ落下したり、または、軽量レバ
ー１３まで移動する懸念がある。

【００１６】この場合、同時にハンドセット５を置かな
い場合は、誤った金額の硬貨１７や擬似硬貨でもって通
話料金が支払われることになる。

【００１７】さらに、同時に多数の硬貨１７が１００円
硬貨の開口１４ａに落下しようとして、この開口１４ａ
において硬貨詰まりが発生する懸念がある。

【００１８】本考案はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、選別軌道を覆うフラッパを回動支持する機
構を改良することによって、フラッパ開放時にフラッパ
の選別軌道の上流側から先にフラッパと基板との間の距
離が開き、上流側に滞留している硬貨を先に返却ダクト
へ落下させることができ、フラッパ開放時に滞留してい
る硬貨が選別軌道に沿って転がることを未然に防止で
き、各選別機構が誤った選別や蓄積軌道等の別の場所に
おける硬貨詰まり発生を未然に防止でき、選別動作全体
の信頼性を向上できる硬貨選別処理装置を提供すること
を目的とする。

【００１９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本考案は、硬貨投入口から投入された硬貨を基板面に
沿って転動させ、投入された硬貨のうち複数の特定種類
硬貨のみを選別して蓄積し、入された硬貨のうち残り種
類硬貨を硬貨返却口へ排出する硬貨選別処理装置におい
て、基板の一方面に設けられ、投入された硬貨を転動さ
せる選別軌道と、この選別軌道に沿って設けられ投入さ
れた硬貨のうち残り種類硬貨を選別する第１の選別機構
と、選別軌道に沿って設けられ第１の選別機構にて選別
されなかった硬貨のうち一つの特定種類硬貨を選別する
第２の選別機構と、基板に平行に設けられ、第１，第２
の選別機構が設けられた選別軌道を覆うフラッパと、選
別軌道の上縁に平行に設けられた固定軸と、フラッパの
上縁における第１の選別機構側位置および第２の選別機
構側位置に上方へ突設され、先端に基板方向へ向く折曲
げ部が形成された一対の係止部と、固定軸が貫通し、各
係止部の折り曲げ部に形成され、長尺方向が基板方向を
向く一対の長穴と、基板とフラッパとの間に介挿され、
フラッパを選別軌道側に付勢するばね部材と、フラッパ
の第１の選別機構側端に取付けられ、ばね部材の付勢力
に抗してフラッパを基盤から遠ざける方向に付勢する過
程で、最初にフラッパを第２の選別機構側の係止部を支
点にして長穴の長尺方向に回動させ、その後フラッパを
固定軸を中心に回動させることにより、選別軌道内の各
位置に存在する各硬貨を第１の選別機構側から第２の選
別機構側へ順番に外部へ排出させるレバーと、フラッパ
の回動動作によって外部へ排出された硬貨を硬貨返却口
へ導く返却ダクトとを備えたものである。

【００２０】

【作用】このように構成された硬貨選別処理装置であれ
ば、フラッパは一対の係止部の各折り曲げ部に穿設され
た各長穴を介して固定軸に回動自在に支持されている。
したがって、フラッパは各長穴の長尺方向、すなわち、
基板と直交する方向に、長穴の長尺方向距離だけ自由に
移動可能である。その結果、フラッパは基板に対して平
行を保つとともに、多少傾斜した状態に移行することも
可能である。また、このフラッパは、一端が第２の選別
機構側に当接し、他端が基板に当接するばね部材でもっ
て選別軌道側へ付勢されている。また、レバーは第１の
選別機構側端に取付けられている。

【００２１】したがって、レバーを微小距離だけ移動さ
せた状態においては、フラッパは固定軸回りに回動する
ことなく、フラッパと基板との間の平行状態が崩れて、
フラッパのレバー側端と基板までの距離がフラッパと第
２の選別機構側端と基板までの距離より大きくなる。

【００２２】したがって、この状態においては、下流側
の第２の選別機構近傍の選別軌道に滞留している各硬貨
は排出されないが、上流側の第１の選別機構近傍の選別
軌道に滞留している各硬貨は排出されるか、または直ぐ
に排出される状態に移行している。

【００２３】そして、さらにレバーを移動させると、フ
ラッパは、穴の長尺距離以上に基板から離れることはな
いので、不平行状態を保ったまま、ばね部材の付勢力に
抗して固定軸を中心に回動する。その結果、条件の緩い
上流側（第１の選別機構側）に滞留している硬貨から下
流側（第２の選別機構側）に滞留している硬貨まて順番
に外部の返却ダクトへ落下していく。

【００２４】すなわち、フラッパ開放時に選別軌道に詰
まった硬貨がこの選別軌道上を転がり降りることが未然
に防止される。

【００２５】

【実施例】以下本考案の一実施例を図面を用いて説明す
る。

【００２６】図１は実施例の硬貨選別処理装置の概略構
成を示す外観図である。図５に示す従来の硬貨選別処理
装置と同一部分には同一符号が付してある。したがっ
て、重複する部分の詳細説明を省略する。また、電話機
の外観図、および各選別機構の動作原理図，Ｙ−Ｙ線の
断面図はそれぞれ従来装置における図５，図７，図６と
同じてある。

【００２７】この実施例においては、選別軌道８に沿っ
て設けられた第１の選別機構９ａおよび第２の選別機構
９ｂを共通に覆うフラッパ３０の上縁における第１，第
２の選別機構９ａ，９ｂの対応位置にそれぞれ上方に突
出する係止部３１ａ，３１ｂが形成されている。各係止
部３１ａ，３１ｂの先端には基板７の表面７ａ方向へ向
く折曲げ部３２ａ，３２ｂが形成されている。そして、
各折曲げ部３２ａ，３２ｂには図２に示すようにそれぞ
れ長尺方向が基板７方向を向く長穴３６ａ，３６ｂが穿
設されている。

【００２８】一方、選別軌道８の上側リブ８ａに平行に
固定軸３３が敷設されている。この固定軸３３は基板７
に支持部材３４ａ，３４ｂを介して固定されている。そ
して、この固定軸３３に前記フラッパ３０のそれぞれの
長穴３６ａ，３６ｂが外挿されている。よって、フラッ
パ３０は固定軸３３回りに回動可能である。

【００２９】さらに、この固定軸３３にコイルばね３５
が巻付けられている。コイルばね３５の上端は基板７に
当接しており、上端はフラッパ３０の外面に当接してい
る。フラッパ３０はコイルばね３５によって選別軌道８
側へ付勢されている。よって、各選別機構９ａ，９ｂに
おける図７に示した３つの各支持板１７，１８，１９相
互間の位置関係が正常に維持される。

【００３０】このように構成された硬貨選別処理装置に
おいて、硬貨投入口４から１個の硬貨１７が投入される
と、この硬貨１７は図１の硬貨選別処理装置における基
板７の表面７ａに斜め方向に形成された硬貨軌道８を転
動しなが第１の選別機構９ａ位置（上流）から第２の選
別機構９ｂ（下流）へ移動していく。そして、投入硬貨
が５円，５０円，１円等の１００円未満の直径を有する
硬貨であれば、この硬貨１７は第１の選別機構９ａで選
別されて、図６に示す開口１２ｄから返却ダクト１２内
へ落下し、最終的に硬貨返却口３へ排出される。

【００３１】投入された硬貨１７が１００円硬貨以上の
外径を有していた場合は、第１の選別器９ａを通過して
第２の選別機構９ｂへ導入される。そして、第２の選別
機構９ｂによって、その外径が１０円未満、すなわち１
００円硬貨の外径である場合には、開口１４ａを経て１
００円専用の蓄積軌道１４へ導かれる。

【００３２】第２の選別機構９ｂを通過した硬貨１７は
軽量レバー１３に当接して、重量選別され、１０円硬貨
に対応する規定重量より軽い硬貨は返却ダクト１２内へ
転がり落ちる。規定重量を有した１０円硬貨の場合は、
軽量レバー１３が回動して、その１０円の正規硬貨は基
板７の裏面に形成された１０円専用の蓄積軌道に導かれ
る。

【００３３】次に、変形硬貨や擬似硬貨が投入されて、
選別軌道８内に詰まってしまって、その後にさらに別の
硬貨が投入されて、結果として選別軌道８内に変形硬貨
や擬似硬貨を先頭に多数の硬貨が滞留してしまったとす
る。そして、ダイヤルキー２の近傍位置に設けられた返
却ボタン２ａが押されて、図１のレバー１１が矢印方向
に移動した場合のフラップ３０の動作を図２（ａ）
（ｂ）および図３を用いて説明する。

【００３４】先ず、レバー１１が押されていない状態に
おいては、図２（ａ）に示すように、フラッパ３０は基
板７に平行である。また、固定軸３３は各折曲げ部３２
ａ，３２ｂに穿設された各長穴３６ａ，３６ｂのほぼ中
央に位置している。

【００３５】次に、レバー１１を矢印方向に微小距離だ
け移動させると、フラッパ３０は固定軸３３回りに回動
することなく、図３に示すように、フラッパ３０と基板
７との間の平行状態が崩れて、フラッパ３０のレバー１
１側端と基板７までの距離がフラッパ３０と第２の選別
機構９ｂ側端と基板７までの距離より大きくなる。その
結果、フラップ３０の上流側の基板７に対する位置関係
は図２（ｂ）における点線位置となる。

【００３６】したがって、この状態においては、選別軌
道８の下流側の第２の選別機構９ｂ近傍に滞留している
各硬貨１７は排出されないが、上流側の第１の選別機構
９ａ近傍の選別軌道８に滞留している各硬貨１７は排出
されるか、または直ぐに排出される状態に移行してい
る。

【００３７】そして、さらにレバー１１が移動すると、
フラッパ３０は、長穴３６ａ，３６ｂの長尺方向の距離
以上に基板７から離れることはないので、不平行状態を
保ったまま、図２（ｂ）の実線で示すように、コイルば
ね３５の付勢力に抗して固定軸３３を中心に回動する。
その結果、拘束条件が緩くなっている上流側（第１の選
別機構９ａ側）に滞留している硬貨１７がまず最初にフ
ラッパ３０の外側に滑り落ちて、ダクト入口１２ａへ落
下する。次に、選別軌道８の下流側（第２の選別機構９
ｂ側）に滞留している硬貨１７がフラッパ３０の外側へ
滑り落ち、ダクト入口１２ｂへ落下する。

【００３８】このように、選別軌道８の上流側に滞留し
ている硬貨１７から下流側に滞留している硬貨１７まで
順番にフラッパ３０の外部へ排出される。したがって、
フラッパ３０を開放する過程で、選別軌道８に滞留して
いる硬貨１７が選別軌道８内を下流方向へ転り降りるこ
とが未然に防止される。その結果、各選別機構９ａ，９
ｂが誤った硬貨を選別して蓄積軌道へ導くことが未然に
防止される。よって、誤った種類の硬貨や擬似硬貨を通
話料金として徴収することが防止される。

【００３９】また、選別軌道８の幅が一時的に広がるこ
とによって複数枚の硬貨１７が同時に開口１２ｄ，１４
ａに落下しようとして、この開口１２ｄ，１４ａに詰ま
ることが未然に防止される。

【００４０】さらに、軽量レバー１３に第１，第２の選
別機構９ａ，９ｂで正しく選別されていない硬貨が当接
するこも未然に防止される。

【００４１】なお、本考案は上述した実施例に限定され
るものではない。実施例ではレバー１１はダイヤルキー
２に隣接した返却ボタン２ａの押下げ操作に連動するよ
うにしたが、例えばハンドセット５のオンフック操作に
連動するようにしてもよい。この場合は、通話も同時に
強制遮断されて、蓄積軌道に蓄積されている硬貨も同時
に硬貨返却口３へ排出される。

【００４２】

【考案の効果】以上説明したように本考案の硬貨選別処
理装置によれば、選別軌道を覆うフラッパを固定軸に対
して長穴を介して回動自在に取付け、フラッパの開放操
作の初期段階にフラッパの上流側を基板から先に持上げ
て、上流側に滞留している硬貨を下流側に滞留している
硬貨より先にフラッパの外側へ排出するようにしてい
る。したがって、フラッパを開放する過程で、選別軌道
に滞留していた硬貨が選別軌道内を転がり降りることが
未然に防止される。よって、正規に選別されていない硬
貨が蓄積軌道に入ることが防止され、装置の選別動作全
体の信頼性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係わる硬貨選別処理装置
の概略構成を示す斜視図、

【図２】 同実施例装置の動作を示す断面模式図、

【図３】 同じく実施例装置の動作を示す断面模式図、

【図４】 一般的なピンク電話機を示す外観図、

【図５】 同電話機に組込まれた硬貨選別処理装置を示
す斜視図、

【図６】 図５の硬貨選別処理装置をＹ−Ｙ線で切断し
て、矢印方向に見た断面図、

【図７】 選別機構の選別原理を示す模式図、

【図８】 図５の硬貨選別処理装置をＸ−Ｘ線で切断し
て、矢印方向に見た断面図。

【符号の説明】

３…硬貨返却口、４…硬貨投入口、７…基板、８…選別
軌道、９ａ…第１の選別機構、９ｂ…第２の選別機構、
１１…レバー、１２…返却ダクト、１２ａ，１２ｂ…ダ
クト入口、１３…軽量レバー、１４…蓄積軌道、１７…
硬貨、３０…フラッパ、３１．３１ｂ…係止部、３２
ａ，３２ｂ…折曲げ部、３３…固定軸、３５…コイルば
ね、３６ａ，３６ｂ…長穴。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G07F 9/04 102 G07F 9/00 107

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 硬貨投入口(4) から投入された硬貨(17)
   を基板(7) 面に沿って転動させ、前記投入された硬貨の
   うち複数の特定種類硬貨のみを選別して蓄積し、前記投
   入された硬貨のうち残り種類硬貨を硬貨返却口(3) へ排
   出する硬貨選別処理装置において、 前記基板の一方面に設けられ、前記投入された硬貨を転
   動させる選別軌道(8)と、 この選別軌道に沿って設けられ前記投入された硬貨のう
   ち前記残り種類硬貨を選別する第１の選別機構(9a)と、 前記選別軌道に沿って設けられ前記第１の選別機構にて
   選別されなかった硬貨のうち一つの特定種類硬貨を選別
   する第２の選別機構(9b)と、 前記基板に平行に設けられ、前記第１，第２の選別機構
   が設けられた選別軌道を覆うフラッパ(30)と、 前記選別軌道の上縁に平行に設けられた固定軸(33)と、 前記フラッパの上縁における第１の選別機構側位置およ
   び第２の選別機構側位置に上方へ突設され、先端に前記
   基板方向へ向く折曲げ部が形成された一対の係止部(31
   a,31b) と、 前記固定軸が貫通し、前記各係止部の折り曲げ部に形成
   され、長尺方向が前記基板方向を向く一対の長穴(36a,3
   6b) と、 前記基板と前記フラッパとの間に介挿され、前記フラッ
   パを前記選別軌道側に付勢するばね部材(35)と、 前記フラッパの前記第１の選別機構側端に取付けられ、
   前記ばね部材の付勢力に抗して前記フラッパを前記基盤
   から遠ざける方向に付勢する過程で、最初に前記フラッ
   パを前記第２の選別機構側の係止部を支点にして前記長
   穴の長尺方向に回動させ、その後前記フラッパを前記固
   定軸を中心に回動させることにより、前記選別軌道内の
   各位置に存在する各硬貨を前記第１の選別機構側から前
   記第２の選別機構側へ順番に外部へ排出させるレバー(1
   1)と、 前記フラッパの回動動作によって外部へ排出された硬貨
   を前記硬貨返却口へ導く返却ダクト(12)とを備えた硬貨
   選別処理装置。