JP2595171Y2 - 組立式車両用ベッド - Google Patents

組立式車両用ベッド

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JP2595171Y2
JP2595171Y2 JP1993056218U JP5621893U JP2595171Y2 JP 2595171 Y2 JP2595171 Y2 JP 2595171Y2 JP 1993056218 U JP1993056218 U JP 1993056218U JP 5621893 U JP5621893 U JP 5621893U JP 2595171 Y2 JP2595171 Y2 JP 2595171Y2
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智幸 黒田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、バン型車両に適用さ
れ、車室内のシート上方に必要に応じて組付け又は取り
外すことの可能な組立式車両用ベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用ベッドとしては、
例えば実公昭63−5586号公報のものがある。これ
は、ベッドボードを前後方向において分割された構造と
し、そしてリヤ側のベッドボードについては、車室後部
に設定した棚状の支持枠により支持する構成とし、また
フロント側のベッドボードについては、その後端部を前
記支持枠の前端部により支持するとともに、その前端部
を、シートバックに形成されるヘッドレストステー装着
孔を利用して取付けた支持部材により支持する構成とし
たものである。なお、車室後部の支持枠はリンク機構を
介して上下方向に変位可能に構成されていて、ベッドの
不使用時には車室天井に接近した位置へ持ち上げて格納
できるようになっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上述した公
報記載の車両用ベッドの場合、フロント側のベッドボー
ドの後端部と、リヤ側のベッドボードを支持するために
大型部品から構成される支持枠は、ベッド不使用時に
は、たとえ天井に接近して格納できるとしても、車室内
にそのまま残存する関係で、その分天井高さが低くな
り、窮屈感が生ずる上に背丈のある荷物に干渉する虞れ
があり、車室スペースを損なうという点に問題があっ
た。
【0004】そこで、本出願人は、上記のような問題を
解決し得る組立式車両用ベッドとして実願平4−722
24号(以下、先願考案という)を提案した。これは、
シートのシートバックに、ヘッドレストステーの装着孔
を利用して支持凹部付きの支持部材を取付ける一方、車
内後部にはスタンド式支持具を設置し、そして支持部材
とスタンド式支持具とに左右2本のベッドフレームを掛
け渡すとともに、該左右のベッドフレーム上に前後方向
に分割されたベッドボードを載置するように構成したも
のである。なお、上記のスタンド式支持具は、フロア上
に直立される左右のポールと、ポール間に掛け渡されて
前記ベッドフレームの後端部を支持するための横バーと
からなり、左右のポールがアシストグリップの取付ブラ
ケットにアンカー部材を介して取付けられるようになっ
ている。
【0005】ところが、上記のような先願考案の場合、
ベッド支持に関する部品点数、特にスタンド式支持具に
関する部品点数が多数に及ぶ関係で、その組付け及び取
外しのための作業が面倒でかつ時間がかかるという点に
問題がある。
【0006】そこで本考案は、上述の問題に鑑み、車室
に対する組付け及び取外しが容易で組付け状態では左右
振れがなく、しかも取外した状態では車室スペースを損
なわない組立式車両用ベッドを提供することを、解決す
べき技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本考案は次のように構成したものである。すなわ
ち、本考案に係る組立式車両用ベッドは、車室内に配置
される組立式車両用ベッドであって、ベッドボードと、
該ベッドボードを支持するための前後方向に延びる左右
パイプ製のベッドフレームと、このベッドフレームの
前部を車室内の壁面に固定されたアシストグリップに対
してスルーリングを介して着脱可能に吊り下げるハンガ
ベルトと、車室内の後面又は側面に固定され、前記左右
のベッドフレームの後部を着脱可能に掛止する支持具
と、前記ベッドボードに設けられ、前記左右のベッドフ
レームに対して左右方向の相対移動不能に上方から係合
するブラケットとを備えており、前記支持具は、車内壁
面に固定されるるとともにガーニッシュにて覆われる第
1のブラケットと、ガーニッシュ表面側に配置されて前
記第1のブラケットにボルトにて締着されるとともに前
記ベッドフレームの端部が上方から掛脱可能な掛止溝を
有する第2のブラケットとを備えた構成とし、さらに前
記ベッドフレームは長手方向の途中で分割構造とされる
とともにその分割された一方のパイプ外周には他方のパ
イプが抜脱可能な大径の接続用パイプが嵌着されている
構成としたことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】上述のように構成された本考案に係る組立式車
両用ベッドにおいては、左右の2本のベッドフレームの
後端部を支持具に掛止する一方、前端部をアシストグリ
ップに対してハンガベルトにより吊り下げ、その後、ベ
ッドボードのブラケットをベッドフレームに上方から係
合することによってベッドボードをベッドフレーム上に
載置する。かくして、ベッドはハンガベルトによる吊り
方式でありながら、左右振れを起こさない安定した状態
に組み立てられる。また、ベッドの取り外しは組付け時
の逆の手順で行われ、取外し後において、車室内には、
ベッドフレームの後端支持用としての小部品からなる支
持具が残留するのみであり、車室スペースを損なうに至
らない。この場合、支持具はその補強部材としての第1
のブラケットがガーニッシュによって隠されているた
め、見栄えを損なうこともなく、しかも掛止溝を用いた
脱着構造であるため、脱着操作を容易に行うことができ
る。また、本考案によれば、アシストグリップに対する
ハンガベルトの脱着をスルーリングを介して行う構成と
したので、アシストグリップに関する変更、脱着等の一
切の煩わしさを伴うことがなく、しかも脱着操作自体も
ハンガベルトをアシストグリップに通してからスルーリ
ングに潜らせるといった操作を行うことでハンガベルト
をアシストグリップに容易に装着できるとともに、不用
意に外力が加えられても不測に外れる虞がなく、安全性
が高い。さらにまた、ベッドフレームをパイプ製としか
つ長手方向に分割した構造とし、そしてそれより大径の
パイプを用いて接続できるようにしたので、分離状態に
あっては、収納スペースの確保が容易で、しかも分離・
接続の操作が楽な上に接続部の所要強度を楽に確保でき
る。
【0009】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。まず、本考案の第1実施例を図1〜図8
に基づいて説明する。図1には本実施例に係る組み立て
られた態様の組立式車両用ベッドが斜視図で示されてい
る。図示のように、組立式車両用ベッドは、車両の前後
方向において複数枚(図では4枚)に分割されたベッド
本体としてのベッドボード1と、これらのベッドボード
1を支持すべく車室内の左右壁面に適当な間隔を隔てて
前後方向に平行に延びる左右2本の円形のパイプ材から
なるベッドフレーム8と、それら2本のベッドフレーム
8をボデーに取付けるための前側のハンガベルト11及
びリヤ側の支持具20とから構成されており、図2に示
すように、バン型車両の車室内のシート上方に組付けら
れる。
【0010】長方形をなす分割構造の各ベッドボード1
は、図1のA−A線断面図である図3及び図1のB−B
線断面図である図4に示すように、木質基材又は樹脂製
からなる基板2の上面に、ポリウレタンフォーム等から
なるクッョン材3を少なくとも基板2の前後端縁に巻き
込むように重ね、これを表皮レザー4にて被覆した構成
であり、表皮レザー4の周縁は基板2にタッカにより止
められる。なお、図3に示すように、基板2の前後の縁
部には所定長さにわたってチャンネル状の補強材5が嵌
着されて剛性がアップされている。
【0011】また、図4に示すように、各ベッドボード
1の左右の端面にはそれぞれ前後2個のブラケット6の
基部が表皮レザー4に形成されたブラケット幅に見合う
長さのスリット4aを通して基板2の裏面に差し込まれ
てタッピングスクリュ7により固定されている。そし
て、ブラケット6はベッドボード1端面からの突出部分
がフック状に形成され、そのフック部6aがベッドフレ
ーム8に対して上方から被さるように係合する。従っ
て、係合状態ではベッドボード1とベッドフレーム8と
は左右方向に関してはその相対移動が不能となる。
【0012】つぎに、ベッドフレーム8を支持するため
のハンガベルト11と支持具20について説明する。ベ
ッドフレーム8の前端部を支持するハンガベルト11
は、図5の斜視図に示すように、乗員拘束装置としての
シートベルトと同等の繊維材からなるベルト本体12
と、該ベルト本体12の一端に取付けられたスルーリン
グ13と、ベルト本体12の他端に取付けられたアンカ
ープレート14とから構成されている。
【0013】このハンガベルト11は、車室側面に付設
されているアシストグリップ15を利用してベッドフレ
ーム8の前端部を吊り支持するものにして、アシストグ
リップ15に対しては、図5の斜視図に示す如くアシス
トグリップ15に潜らせたスルーリング13内にベルト
本体12を通して取付け、また、ベッドフレーム8に対
しては、図5の斜視図及び図6の断面図に示すように、
アンカープレート14を取付ボルト16によりベッドフ
レーム8の前端面に設けたウエルドナット9に締着する
ことにより組付けられる。
【0014】なお、本実施例にあっては、スルーリング
13をスリット13a付きとし、図5の矢印の如く、こ
のスリット13aからベルト本体12をその柔軟性を利
用してスルーリング13に出入できるように構成してあ
る。従って、ベッドフレーム8側に対するアンカープレ
ート14の組付部分については、ベッドの脱着に際して
取外す必要がなく、固定構造とすることができる。ま
た、アンカープレート14はその取付ボルト16を含め
て下方から外嵌される軟質の樹脂カバー17によって覆
われ、見栄えの向上が図られている。
【0015】一方、ベッドフレーム8の後端部をリジッ
ドに支持する支持具20は、図7の分解斜視図及び図8
の断面図に示すように、本実施例においては車内の後面
を構成するリヤボデーの一部であるオーターピラー18
に取付けられる。支持具20は、クオーターピラー18
にリベット又は溶接にて結合されるとともにクオーター
ピラー18を覆うガーニッシュ19により隠蔽される略
コ字形の第1のブラケット21と、ガーニッシュ19を
挟んで第1のブラケット21に取付けられて室内に現出
する第2のブラケット23とから構成される。
【0016】具体的には、第1のブラケット21には上
下2本のアンカーボルト22が溶接され、該アンカーボ
ルト22がガーニッシュ19を貫通して室内側に突出さ
れており、このアンカーボルト22に略楕円形の第2の
ブラケット23がスペーサ24を介して袋ナット25に
て締着されている。なお、スペーサ24はガーニッシュ
19のへたりによる袋ナット25の緩止めとして用いら
れている。
【0017】また、第2のブラケット23には鋼管製の
筒体26が突設され、該筒体26の端面には、前記ベッ
ドフレーム8の鍔付き掛止ピン10が差し込み可能な略
Y字状又はU字状の掛止孔28を備えた円板27が固着
されるとともに、筒体26の端面側には掛止孔28の開
口に対応して掛止ピン10の鍔部が挿入可能なスリット
26aが形成されている。すなわち、スリット26a及
び掛止孔28に鍔付き掛止ピン10を差し込むことによ
りベッドフレーム8の後端部が支持されるようになって
いる。
【0018】本実施例に係る組立式車両用ベッドは、上
述のように構成したものであり、車両への組付けは、以
下の如く行われる。まず、左右のベッドフレーム8の後
端部の掛止ピン10を、車室後部に設定された支持具2
0の掛止孔28及びスリット26aに上方から差し込
む。このことにより、ベッドフレーム8は、その後端部
が少なくともガタツキの範囲内で前後方向及び左右方向
の動きを拘束された状態で支持される。
【0019】つぎに、予め左右のベッドフレーム8の前
端部にそれぞれ取付けられたハンガベルト11を、図5
に示す如くアシストグリップ15に取付けることにより
ベッドフレーム8の前端部を吊下げ状に支持する。な
お、ハンガベルト11のアシストグリップ15への取付
けは、前述したように、アシストグリップ15に潜らせ
たスルーリング13内にスリット13aからベルト本体
12を通すことにより行われる。
【0020】つづいて、分割構造のベッドボード1を、
左右のブラケット6のフック部6aがベッドフレーム8
に上方から係合するように順次載置すれば、ここにベッ
ドの組付けが終了する。なお、ハンガベルト11により
吊られた左右のベッドフレーム8は、通常であれば左右
振れを生ずるが、本実施例においては、ベッドボード1
に設けた4箇所のブラケット6のフック部6aがベット
フレーム8に上方から係合しており、このことによりベ
ッドフレーム8の振れ、つまりベッドの左右振れが防止
される。このため、ベッドフレーム8をボデーに対して
固定する特別の手段を設けずとも、ベッドを安定した状
態で使用することができる。
【0021】このように、本実施例の組立式車両用ベッ
ドにおいては、ベッドフレーム8の掛止ピン10を掛止
孔28に差し込む作業、ハンガベルト11のアシストグ
リップ15への取付作業、及びベッドボード1のベッド
フレーム8への載置作業という僅か3種の作業を行うこ
とで簡単に組付けることができるものであり、また、ベ
ッドの取外しは、組付時と逆の手順で同様に簡単に行う
ことができる。
【0022】そして、ベッドの取外し後において、車室
には支持具20のうち、ベッドフレーム8の掛止ピン1
0を支持する第2のブラケット23が残るだけであり、
従ってその存在が車室内のスペースを損なうに至らな
い。そのため、ベット構成部材の一部が室内に残留する
ようなタイプの車両用ベッドに比較して窮屈感を覚える
とか、荷物の邪魔になるとかの問題が解消される。
【0023】つぎに、本考案の第2実施例を図9〜図1
2に基づいて説明する。この実施例は、ベッドフレーム
8のリヤ側支持具20の取付部位を、前述の第1実施例
で説明した後面から側面に変更したものである。なお、
その他については第1実施例と同様に構成されるため、
その説明については省略する。
【0024】すなわち、この実施例は、クオーターピラ
ー18がサイドボデーのリヤ側に設定されている車両を
対象としたものであって、支持具20は図10に示すよ
うに、クオーターピラー18にリベット又は溶接により
結合されてガーニッシュ19により隠蔽される略コ字形
の第1のブラケット29と、ガーニッシュ19を挟んで
第1のブラケット29に取付けられて室内に現出される
略コ字形の第2のブラケット31とから構成される。
【0025】第2のブラケット31は、中央部に略鍵穴
状の係止穴32を備えており、その上下端部がガーニッ
シュ19を通して第1のブラケット29に設けたウエル
ドナット30にねじ込まれる取付ボルト33により締着
されている。なお、ガーニッシュ19と第2のブラケッ
ト31との間には、該ガーニッシュ19のへたりによる
ボルト緩止め用としてのスペーサ34が介在されてい
る。
【0026】そして、この実施例では、左右のベッドフ
レーム8は横方向(車幅方向)に延在する1本の横バー
35を介して支持具20に支持される構成となってい
る。すなわち、軸方向の両端部に鍔付きの掛止ピン36
を備えた円形のパイプからなる横バー35は、その掛止
ピン36を前記第2ブラケット31の掛止孔32に上方
から差し込むことにより支持具20に取付けられる。一
方、ベッドフレーム8はその後端部に上下に貫通するジ
ョイントピン37を備えており、このジョイントピン3
7の下突出部37aを横バー35に形成した取付孔38
に上方から差し込むことにより位置決めされた状態で横
バー35上に載置される。
【0027】従って、この第2実施例によるときは、ベ
ッドの脱着に際して、前述の第1実施例に比べ横バー3
5の脱着作業が追加されるだけであり、第1実施例の場
合と同様にベッドの組付け及び取外しを容易に行うこと
ができる。なお、図12に示すように、ジョイントピン
37の上突出部37bは、ベッドボード1のブラケット
6と当接することで該ベッドボード1の後方への位置ず
れを阻止するストッパを兼用することができる。
【0028】なお、第2実施例で説明された横バー35
は、ベッドフレーム8の側面に鍔付き掛止ピンを横向き
に突設して第2ブラケット31の掛止孔32に掛脱させ
る構成に変更したときは省略することが可能である。ま
た、ベッドフレーム8の前端部を支持するハンガベルト
11は、アシストグリップ15に対して、又はベッドフ
レーム8に対してフックを利用した掛止方式に変更する
ことが可能である。
【0029】つぎに、本考案の第3実施例を図13及び
図14に基づいて説明する。この実施例は、前述した第
1実施例及び第2実施例のベッドフレーム8を分割構造
に変更したものであり、その他の構成については第1実
施例又は第2実施例と同様であるから、以下変更部分に
関して説明する。円形のパイプ材からなるベッドフレー
ム8は、フロントパイプ8aとリヤパイプ8bとに分割
され、それら両パイプ8a,8bは、それよりも太くて
短い中間のジョイントパイプ8cにより接続可能とされ
ている。
【0030】すなわち、図14に示すように、ジョイン
トパイプ8cは前後いずれか一方のパイプ、この実施例
ではフロントパイプ8aの後端部に、その軸方向の略中
央部までフロントパイプ8aの端部が入り込むように嵌
合した状態で溶接されている。そして、フロントパイプ
8aの端部に溶接された円形の孔付きプレート39の中
心には接続用のボルト40が溶接されている。一方、リ
ヤパイプ8bの前端部には、円形の孔付きプレート41
が溶接され、このプレート41の裏側中心部には四角形
のナットケース42が溶接されている。そして、このナ
ットケース42内には四角形のナット43がある程度の
自由度を与えられた状態で回転不能に収容されている。
【0031】第3実施例は上述のように構成したもので
ある。従って、ベッドの使用に際しては、図14に仮想
線で示すように、ジョイントパイプ8c内にリヤパイプ
8bを挿入して回転することにより、ナット43にボル
ト40をねじ込んでフロントパイプ8aにリヤパイプ8
bを接続して使用する。この場合、ナット43に自由度
が与えられているため、フロントパイプ8aに対するボ
ルト40の偏心等の取付誤差を吸収することができる。
このように、ベッドフレーム8を分割構造としたとき
は、そのコンパクト化が図られるため、収納時の取り扱
いが楽になり、また収納場所の選択にも自由度が持て
る。
【0032】つぎに、本考案の第4実施例を図15に基
づいて説明する。この実施例は前述の第2実施例におけ
る横バー35を分割構造としたものであり、その他の構
成については第2実施例と同様であるから、以下変更部
分について説明する。円形のパイプ材からなる横バー3
5は、第3実施例で説明したベッドフレーム8の場合と
同様に、フロントパイプ35aと、リヤパイプ35bと
に分割されており、そして、フロントパイプ35aの端
部に嵌合されて溶接された、それよりも太くて短いジョ
イントパイプ35cに、リヤパイプ35bを差し込むこ
とで接続する構成となっている。
【0033】すなわち、横バー35の場合は、前端部を
ハンガベルト11により吊られるベッドフレーム8の場
合と異なり、その両端部に設けた掛止ピン36が支持具
20に掛止される構成、つまり抜け方向に関して拘束さ
れる構成であるため、前述の第4実施例で説明されたボ
ルト40、ナットケース42及びナット43が省略さ
れ、接続構造の簡素化が図られている。従って、この実
施例の場合は収納時の横バー35の取り扱いが楽にな
り、また収納場所の選択にも自由度が持てる。
【0034】つぎに、本考案の第5実施例を図16〜図
18に基づいて説明する。この実施例はハンガベルト1
1の変更に関する。図16に示すように、ハンガベルト
11は、アシストグリップ15に取付けられるアッパベ
ルト44と、ベッドフレーム8に取付けられるロアベル
ト45とから構成されている。そして、アッパベルト4
4は、第1実施例の場合と同様に、上端部に取付けられ
たスリーリング13のスリット13aを利用してアシス
トグリップ15に脱着可能とされており、一方、ロアベ
ルト45は、その両端にそれぞれアンカープレート4
7,48を備えるとともに、アッパベルト44の下端部
に形成したループ部46に自由移動可能に通されてい
る。
【0035】しかして、ロアベルト45における一方の
アンカープレート47は、第1実施例の場合と同様にベ
ッドフレーム8の前端部に取付ボルト49により固定さ
れるが、他方のアンカーベルト48はベッドフレーム8
の前端よりも後寄りの側面部に取付けられ、その取付構
造は図17の断面図に示すとおりである。すなわち、ア
ンカープレート48はベッドフレーム8の側面に溶接さ
れたナット51に取付ボルト50により締着される。
【0036】この第5実施例は上述したように、ベッド
フレーム8を弥次郎兵衛式(又は天秤式)のハンガベル
ト11による2点支持構造としたものであり、このよう
な支持構造を採用することにより、ベッドの前端部がア
シストグリップ15の下方よりも前方へ延在するような
場合であっても、アシストグリップ15にかかる荷重、
具体的にはアシストグリップ15の前後の取付部品15
aにかかる荷重が均等化される。
【0037】すなわち、アッパベルト44のループ部4
6に対してロアベルト45の位置を自由に変え得るた
め、図18の(A)(B)に示す如く、アッパベルト4
4が真下を向くように吊り下げることにより、アシスト
グリップ15の中心からハンガベルト11によるベッド
フレーム8の前後の支持点までの間隔の如何を問わず、
アシストグリップ15にかかる荷重を前後の取付部品1
5aにより均等に支持することが可能となる。従って、
前後いずれか一方の取付部品15aに荷重が偏ることに
原因する当該取付部品15aの破損を未然に防止するこ
とができる。
【0038】
【考案の効果】以上詳述したように、本考案によれば、
車両に対する組付け及び取外しの作業工数が僅かで済む
ため、その作業を容易かつ短時間で行い得るとともに、
組付け状態では吊り下げ方式でありながら、前後方向は
もとより左右振れのない安定した姿勢を得ることができ
る。また、ベッドを取外した状態では車室スペースを損
なうことがなく、従来の如きベット構成部材の一部が残
留した場合の窮屈感や収納荷物との干渉等の問題が解決
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係る組立式車両用ベッド
の斜視図である。
【図2】バン型車両に対する実施態様を示す概略図であ
る。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】図1のC部の一部分解斜視図である。
【図6】ベッドフレームに対するハンガベルト取付部の
断面図である。
【図7】図1のD部の分解斜視図である。
【図8】同じくD部の断面図である。
【図9】本考案の第2実施例に係る組立式車両用ベッド
の斜視図である。
【図10】図9のE部の分解斜視図である。
【図11】同じくE部の断面図である。
【図12】ジョイントピンによるベッドボードの位置ずれ
防止態様の説明図である。
【図13】本考案の第3実施例に係るベッドフレームの概
略斜視図である。
【図14】同じくベッドフレームの断面図である。
【図15】本考案の第4実施例に係る横バーの一部破断平
面図である。
【図16】本考案の第5実施例に係るハンガベルトの斜視
図である。
【図17】図5のF部の断面図である。
【図18】第5実施例のハンガベルトによる吊り下げ態様
を示す説明図である。
【符号の説明】
1…ベッドボード 6…ブラケット 8…ベッドフレーム 10…鍔付き掛止ピン 11…ハンガベルト 13…スルーリング 14…アンカープレート 15…アシストグリップ 16…取付ボルト 18…クオーターピラー 20…支持具 21…第1のブラケット 23…第2のブラケット 28…掛止孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−132560(JP,U) 実開 昭60−45143(JP,U) 実開 昭60−72660(JP,U) 実開 昭59−56134(JP,U) 実開 昭58−160859(JP,U) 実開 平2−96324(JP,U) 実開 昭59−132559(JP,U) 実開 昭54−43716(JP,U) 実開 平6−29459(JP,U) 実公 昭63−5586(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60P 3/39 A47C 17/80

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内に配置される組立式車両用ベッド
    であって、ベッドボードと、該ベッドボードを支持する
    ための前後方向に延びる左右のパイプ製のベッドフレー
    ムと、このベッドフレームの前部を車室内の壁面に固定
    されたアシストグリップに対してスルーリングを介して
    着脱可能に吊り下げるハンガベルトと、車室内の後面又
    は側面に固定され、前記左右のベッドフレームの後部を
    着脱可能に掛止する支持具と、前記ベッドボードに設け
    られ、前記左右のベッドフレームに対して左右方向の相
    対移動不能に上方から係合するブラケットとを備えてお
    り、前記支持具は、車内壁面に固定されるるとともにガ
    ーニッシュにて覆われる第1のブラケットと、ガーニッ
    シュ表面側に配置されて前記第1のブラケットにボルト
    にて締着されるとともに前記ベッドフレームの端部が上
    方から掛脱可能な掛止溝を有する第2のブラケットとを
    備えた構成とし、さらに前記ベッドフレームは長手方向
    の途中で分割構造とされるとともにその分割された一方
    のパイプ外周には他方のパイプが抜脱可能な大径の接続
    用パイプが嵌着されている構成としたことを特徴とする
    組立式車両用ベッド。
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