JP2595014Y2 - 足場枠用連結管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、建築工事の仮設用足場
に使用される足場枠を上下に連結する足場枠用連結管に
関する。

【０００２】

【従来の技術】建築物の建築工事においては、図７のよ
うに建築物の側近に足場枠１を建築物の高さに応じて何
段にも積み上げて仮設足場を形成している。この足場枠
１の積み上げには、足場枠１の建地パイプ径と同一径の
カラーを適宜長さの管体の中央部外周に嵌入固着して構
成した連結管２を上下の足場枠１に挿入して連結すると
共に、上下の足場枠１に設けた係止ピンにアームロック
３を係止して抜け止めをしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、足場枠
の組み立て、解体時に、アームロックの取り付け、取り
外しが煩わしく手間がかかっている。

【０００４】本考案は上記の点に鑑み、連結管の構造を
工夫して連結管に抜け止め機能を有するようにしてアー
ムロックを使わずに足場枠を強固に連結することができ
る足場枠用連結管を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は上記の目的を達
成するために、適宜長さの管体の中央部外周にカラーを
嵌入固着し、該カラーの側面にカラーと前記管体とを貫
通する貫通孔を設ける一方、略く字形状に折曲した折曲
部に透孔を穿設してバネ体を形成すると共に、一端部を
略コ字形状に折曲して係合部とし、他端部に抜止めピン
取付け用のピン取付孔を穿設して係合杆を形成し、前記
バネ体を管体内に端部開口より挿入してバネ体の透孔を
管体の貫通孔に挿通状に合致させ、前記係合杆をカラー
側より前記貫通孔及び透孔を貫通させて挿入すると共
に、バネ体の背面に位置する係合杆のピン取付孔に抜止
めピンを装着し、更に係合杆の係合部先端を係止する係
止孔を管体に穿設すると共に、係合杆の係合部には係合
部先端を係止孔に対し出没自在に操作するレバー体を取
り付けたものである。

【０００６】

【作用】本考案によれば、足場枠に係止して抜け止めの
機能を果たす係合杆を連結管に出没自在に設けており、
足場枠を積み上げるときには、先ず、下位の足場枠に挿
入した連結管のレバー体を押し下げる。レバー体を押し
下げるとバネ体を圧縮しながら係合杆が引き出される。
レバー体を完全に押し下げると係合杆は引き出された状
態で固定される。この状態で次に積み上げる足場枠を連
結管に嵌め込み、嵌め込みが完了すると、係合杆のレバ
ー体を引き起こし、係合杆の固定を解除すればバネ体の
復元力によって係合杆は引き込まれ、係合部先端が足場
枠の係止孔に係止されて抜け止めの機能を果たす。な
お、係合杆の係合部先端上面を先端部へ向けて傾斜させ
て切り欠いておけば上から足場枠を嵌め込めばその衝撃
により後方へ若干逃げるので足場枠をワンタッチで装着
することもできる。

【０００７】また、足場枠の取り外しは前記と同様に係
合杆のレバー体を押し下げて係合杆をバネ体の復元力に
抗して引き出し、レバー体を完全に押し下げて係合杆を
引き出した状態に保持し、それから足場枠を持ち上げる
と簡単に取り外しができる。

【０００８】

【実施例】以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

【０００９】先ず、図１〜図３に基づいて説明すると、
１０は足場枠を連結する連結管であって、足場枠の建地
パイプ内径より若干小さい外径を有する適宜長さの管体
１１の中央部外周に足場枠の建地パイプ径と同一径のカ
ラー１２を嵌入して固着し、該カラー１２の側面にはカ
ラー１２と管体１１を貫通する貫通孔１３を穿設してい
る。

【００１０】１４は一端部を略コ字形状に折曲して係合
部１４ａを形成した抜け止めの機能を果たす係合杆であ
って、前記カラー１２側面の貫通孔１３内に出没自在に
設けてある。この係合杆１４を装着するあたっては、図
３に示すように、係合杆１４と略く字形状に折曲したバ
ネ体１５、係合杆１４の抜止めピン１６及び係合杆１４
を出没させるレバー体１７、それにレバー体１７を係合
杆１４に取り付けるレバー体取付ピン１８を用意する。

【００１１】バネ体１５の折曲部には前記貫通孔１３の
径とほぼ同径の透孔１９を穿設すると共に、抜止めピン
１６を掛け止める窪み２０を形成している。また係合杆
１４には前記抜止めピン１６を取り付ける抜止めピン取
付孔２１を設けている。レバー体１７は断面略コ字形状
に形成したレバー本体部１７ａとレバー本体部１７ａの
上部より斜め上方に突出させたレバー部１７ｂより成
り、レバー本体部１７ａの上端部にはレバー体取付ピン
１８を挿入支持するレバー体取付ピン支持孔２２を設け
ている。また、前記係合杆１４の係合部１４ａにはレバ
ー体取付ピン１８を挿入するレバー体取付ピン挿入孔２
３を設けている。

【００１２】そして、管体１１の端部開口よりバネ体１
５を挿入してバネ体１５の透孔１９を管体１１の貫通孔
１３と挿通状に一致させる。次に係合杆１４をカラー１
２の側方より前記貫通孔１３及び透孔１９を貫通させ、
他方側の貫通孔１３より突出させる。このとき略く字形
状に折曲したバネ体１５の凹部側（前面側）が係合部１
４ａ側に位置するようにしておく。

【００１３】続いて係合杆１４の係合部１４ａを手でも
って若干回転させて係合杆１４の抜止めピン取付孔２１
を管体１１の端部開口側に向ける。そして抜止めピン１
６を管体１１の端部開口より差し入れ、バネ体１５の折
曲部を前面側に押圧しておいてバネ体１５の折曲部側
（背面側）に位置する抜止めピン取付孔２１に抜止めピ
ン１６を挿入する。そして再び係合部１４ａを若干回転
させてバネ体１５の折曲部に設けた窪み２０に抜止めピ
ン１６を嵌り込ませ、バネ体１５の復元力によって係合
杆１４の係合部１４ａを管体１１側に引き寄せて係合部
１４ａの先端を管体１１に穿設した係止孔２４に没する
ようにする。

【００１４】また、レバー本体部１７ａに設けたレバー
体取付ピン支持孔２２と係合杆１４の係合部１４ａに設
けたレバー体取付ピン挿入孔２３とを挿通状に一致さ
せ、これらの孔にレバー体取付ピン１８を挿入してレバ
ー体１７を係合杆１４に取り付けている。このときレバ
ー体取付ピン支持孔２２はレバー体取付ピン１８とほぼ
同径とし、レバー体取付ピン挿入孔２３は若干大きくし
てレバー体１７をレバー体取付ピン１８を中心に回動自
在としている。そしてレバー部１７ｂの下方側への回動
によってレバー本体部１７ａの下端部をカラー１２の側
面に押し当ててバネ体１５を圧縮しながら係合杆１４を
引き出すことができるようにしてあり、またレバー部１
７ｂの上方側への回動によってバネ体１５の復元力で係
合杆１４を引き込むようになっている。このようにレバ
ー部１７ｂの操作によって係合杆１４を出没自在に操作
することができる。

【００１５】２５は連結管１０を下段の足場枠に固定す
るための取り付けピンを挿入するピン孔である。

【００１６】次に前記連結管１１の使用方法を図４〜図
６に基づいて説明すると、足場枠１を積み上げていくと
きには、図４に示すように下段の足場枠１の建地１ａに
連結管１０の管体１１を挿入し、建地１ａ上部に穿設し
たピン孔２６と連結管１０のピン孔２５とを合致させて
取り付けピン２７を挿入し、割りピン２８により抜け止
めをして連結管１０を固定する。

【００１７】次に、連結管１０のレバー部１７ｂを押し
下げてレバー本体部１７ａをレバー体取付ピン１８を中
心にして回動させ、レバー本体部１７ａの下端部をカラ
ー１２に押し当てながら係合杆１４を外側へ引っ張り出
し、係合部１４ａを管体１１の係止孔２４より引き出
す。レバー部１７ｂを完全に押し下げるとレバー本体部
１７ａがほぼ水平状態となってレバー本体部１７ａの下
端部がカラー１２の側面に押し付けられるようになると
レバー本体部１７ａが水平状態を維持し、係合部１４ａ
の先端部は係止孔２４から引き出された状態を保つこと
ができる。

【００１８】この状態で上段に積み上げる足場枠１の建
地１ａを図４に示すように上から挿入する。この足場枠
１の建地１ａの下部には連結管の係止孔２４と挿通状に
一致する係止孔２９を穿設してあり、挿入した足場枠１
の建地１ａの係止孔２９と連結管の係止孔２４とを一致
させる。

【００１９】次に、係合杆１４のレバー部１７ｂを引き
起こすと、圧縮されたバネ体１５の復元力によって係合
杆１４は図５のように管体１１内に没す。そして係合杆
１４の係合部１４ａの先端は足場枠１の建地１ａ下部の
係止孔２９と連結管１０の係止孔２４内に入り込んで係
止される。これによって上下の足場枠が強固に連結され
る。

【００２０】また、図６は連結管１０に上段の足場枠を
ワンタッチで装着する様子を示したもので、係合杆１４
の係合部１４ａ先端上面部を切り欠いて傾斜部１４ｂを
形成しており、足場枠１の建地１ａを上から挿入して落
とし込めば、建地１ａの下端部が傾斜部１４ｂに当接し
てその衝撃力により係合杆１４を図６のように後方へ若
干押しやりながら足場枠を装着できる。足場枠を装着す
ると建地１ａの係止孔２９と連結杆１０の係止孔２４が
挿通状に一致し、バネ体１５の復元力により係合杆１４
の係止部１４ａの先端が建地１ａの係止孔２９と連結杆
１０の係止孔２４に入り込んで係止され、ワンタッチで
装着することができるのである。

【００２１】なお、足場枠を取り外すときは、図４に示
すと同様に連結管１０のレバー部１７ｂを押し下げてレ
バー本体部１７ａを回動させた状態で固定し、係合杆１
４の係合部１４ａを建地１ａの係止孔２９より引き出し
た状態に保持する。そしてこの状態で足場枠を持ち上げ
れば簡単に取り外すことができる。

【００２２】

【考案の効果】以上のように本考案によれば、連結管１
０に上段の足場枠に係止して抜け止めの機能を果たす係
合杆１４をバネ体１５及びレバー体１７によって出没自
在に設け、レバー体１７のレバー部１７ｂの押し下げに
より係合杆１４を引っ張ってバネ体１５を圧縮しながら
引き出し、係合杆１４を引き出した状態に保持でき、ま
たレバー部１７ｂを引き上げるとバネ体１５の復元力に
よって係合杆１４は引き込まれ、係合部１４ａの先端が
足場枠１の建地１ａの係合孔２９に入り込んで抜け止め
となるので、従来のアームロックも不要となって部品点
数も少なくなり、仮設足場の組み上げ、解体が容易に、
かつ迅速に行なえて作業効率を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】同上の一部切り欠き正面図である。

【図３】同上の部品を説明する斜視図である。

【図４】本考案の連結管の取付け状態を説明する一部切
り欠き正面図である。

【図５】本考案の連結管の取付け状態を説明する一部切
り欠き正面図である。

【図６】本考案の連結管の取付け状態を説明する一部切
り欠き正面図である。

【図７】仮設足場の斜視図である。

【符号の説明】

１…足場枠 １ａ…足場枠の建地 １０…連結管 １１…管体 １２…カラー １３…貫通孔 １４…係合杆 １４ａ…係合部 １５…バネ体 １６…抜止めピン １７…レバー体 １７ａ…レバー本体
部 １７ｂ…レバー部 １９…（バネ体の）
透孔 ２１…（係合杆の）ピン取付孔 ２４…係止孔

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】適宜長さの管体の中央部外周にカラーを嵌
   入固着し、該カラーの側面にカラーと前記管体とを貫通
   する貫通孔を設ける一方、略く字形状に折曲した折曲部
   に透孔を穿設してバネ体を形成すると共に、一端部を略
   コ字形状に折曲して係合部とし、他端部に抜止めピン取
   付け用のピン取付孔を穿設して係合杆を形成し、前記バ
   ネ体を管体内に端部開口より挿入してバネ体の透孔を管
   体の貫通孔に挿通状に合致させ、前記係合杆をカラー側
   より前記貫通孔及び透孔を貫通させて挿入すると共に、
   バネ体の背面に位置する係合杆のピン取付孔に抜止めピ
   ンを装着し、更に係合杆の係合部先端を係止する係止孔
   を管体に穿設すると共に、係合杆の係合部には係合部先
   端を係止孔に対し出没自在に操作するレバー体を取り付
   けたことを特徴とする足場枠用連結管。