JP3642592B2 - 足場建枠用連結ピン - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、順次上方に組み立てていくのに適した仮設用足場建枠の連結ピンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物の建築現場において、足場建枠を順次組み立てていくには、当然に上下に対向する足場建枠を互いに連結するための連結手段を必要とする。
【0003】
従来では、この連結手段として下方側の足場建枠の左右上端部に連結ピンを突設し、これに上方側の足場建枠の左右下端部を差し込み、しかる後、両者間にわたって略弓状の抜け止め用ロックーアームをその側面より係止して両者を互いに連結するタイプのものや、例えば実開平1−131753号公報に示すように上下の足場建枠間に連結ピンを遊嵌し、この連結ピンを所要角度回転操作することによって足場建枠と連結ピンとに設けた凹凸部を互いに係合させて上下の足場建枠を互いに連結するタイプのものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術にあっては、いずれも下方側の足場建枠の連結ピンに上方側の足場建枠を差し込む作業とは別個に、これらの上下の足場建枠を保持しながら両者間の左右のロックアームを係止する作業や、両者間の左右の連結ピンを回転操作する作業が必要となり、そのため連結作業を行うのに少なくとも二人の作業者を必要としたり、連結作業が面倒で能率的でないという問題があった。
【0005】
本発明は、これの難点を払拭することを解決課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る足場建枠用連結ピン15は、管状等の中空状のピン本体16にロックピン18を内蔵し、該ロックピン18は、所要長さに切断した金属線材の中間所要部に弯曲部18aを形成してその突端部を支点部20として、ピン本体16の内周面に当接して該内周面に支持される該支点部20を中心に揺動可能となっており、且つ該金属線材の両端部をそれぞれ前記弯曲部18aの突出方向と同一方向に屈曲して、その一端部の屈曲部18bを係合突起21とし、他端部の屈曲部18cを突出軸部23として、その一端部の係合突起21がピン本体16の上段側透孔22aより突出して足場建枠aに係合すると共にその透孔22a内に退入自在であり且つ他端部の突出軸部23がピン本体16の下段側透孔22bから常時突出するようになっており、またピン本体16にはばね24を内蔵し、該ばね24は、ロックピン16の係合突起21上段側透孔22aから突出するように付勢するようになっており、さらに前記突出軸部23の外端部には、ロックピン16をばね付勢力に抗して揺動させて前記係合突起21をその透孔22a内に退入させるように該突出軸部23を引張操作するための解除レバー25を設けてなるものである。
【0007】
本発明の請求項2は、請求項1に記載の足場建枠用連結ピン15において、ロックピン18の係合突起21にはその先端部に、下り傾斜状の滑り面26が形成されてなるものである。
【0008】
本発明の請求項3は、請求項1または2に記載の足場建枠用連結ピン15において、解除レバー25は、背板部30aと両側板部30b,30bとでコ字状に形成された枠片30と、前記背板部30aの一端から一体に突設された把手31とからなり、前記コ字状枠片30を、その両側板部30b,30bの先端面がピン本体16の外側面に当接すると共に前記把手31が該枠片30の真上に位置する状態で、ピン本体16の下段側透孔22bから突出するロックピン18の突出軸部23に嵌合して、該突出軸部23を両側板部30b,30bにピン32で枢着し、前記把手31を介して前記コ字状枠片30を下向きに回動することによって、突出軸部23を引張するようにしたものである。
【0010】
【作用】
本発明の請求項1に係る連結ピン15にあっては、ピン本体16の下端部側を下方側足場建枠bの縦パイプ10上端部に取付けた後、ロックピン18の係合突起21をピン本体16の上段側透孔22a内に退入させた状態で、上方側足場建枠aの縦パイプ10をピン本体16の本体上部16aに差し込む。この差し込み途上では、係合突起21がばね24の付勢力によって縦パイプ10の内側面に弾接している。しかして、上方側足場建枠aの縦パイプ10がピン本体16への差し込み終了位置まで達したとき、係合突起21が縦パイプ10の係合孔14に係合してロック状態となり、この係合突起21によってピン本体16と上方側足場建枠aの縦パイプ10とが連結され、これによって上下の足場建枠a,bが互いに連結される。
【0011】
また、上方側足場建枠aを下方側足場建枠bから取り外すときは、解除レバー25をピン本体16の外側面から遠ざかる方向に手で押動することにより、ロックピン18がばね付勢力に抗し揺動して、係合突起21が透孔22a内に退入し、ロック解除の状態となる。しかして、この状態で上方側足場建枠aの縦パイプ10を引き抜くことにより、上方側足場建枠aを下方側足場建枠bから容易に取り外すことができる。
更にまた、本発明に係る連結ピン15にあっては、ロックピン18を金属線材を使用して、プレス加工等により形成することによって、金属板材や角材で形成する場合に比べ、製作が簡単容易となる上に、ロックピン18の機械的強度、特に、ピン本体16と上方側足場建枠aの縦パイプ10とを連結する係合突起21部分の曲げ強度を十分に大きくすることができて、使用上の安全性を十分確保できると共に、耐用寿命を延ばすことができる。
【0012】
請求項2に係る連結ピン15にあっては、上方側足場建枠aの縦パイプ10をピン本体16の本体上部16aに差し込むことにより、その差し込み途上においてピン本体16の上段側透孔22aから突出している係合突起21の下り傾斜状滑り面26に当接し、これにより係合突起21がばね付勢力に抗してピン本体16の内部側へ押動されるような負荷を受けて、係合突起21がその透孔22a内に退入し、しかして上記縦パイプ10の下端がピン本体16の所定位置まで来たとき、係合突起21が縦パイプ10の係合孔14に係合してロック状態となる。従って、上方側足場建枠aの縦パイプ10をピン本体16に差し込むだけで、上下両足場建枠a,bが自動的に連結される。
【0013】
請求項3に係る連結ピン15にあっては、上方側足場建枠aを下方側足場建枠bから取り外すにあたり、解除レバー25の把手31を引き下げると、コ字状枠片30がピン本体16外側面に当接している両側板部30b,30bの下端部を中心に回動し、これに伴いピン本体16の下段側透孔22bから突出している突出軸部23が外側へ引張され、それによりロックピン18は支点部20を中心に係合突起21が上段側透孔22a内に退入する方向に揺動する。しかして、コ字状枠片30を更に回動して該枠片30の下端面30dをピン本体16外側面に当接支持させるようにすることにより、係合突起21が上段側透孔22a内に退入してロック解除されると共に、ロックピン18がそのロック解除位置に保持される。このロック解除状態で、上方側足場建枠aをピン本体16の本体上部16aから引き抜くことにより、上方側足場建枠aを下方側足場建枠bから容易に取り外すことができる。
【0015】
【実施例】
図1は、上方側の足場建枠aと下方側の足場建枠bとの連結前の状態を示し、各足場建枠は、左右一対の縦パイプ10,10と、両縦パイプ10,10の上端部同士ををつなぐ横パイプ11,11と、縦横パイプ10,11にわたって取付けられた補強桟12,12とからなるもので、横パイプ11に足場板13がその掛合爪13aを掛合させることにより懸架されるようになっている。そして、縦パイプ10の下端部には足場板13側に面して係合孔14が設けられており、上下の縦パイプ10,10の間に本発明に係る連結ピン15が差し込まれることになる。
【0016】
図2は、上下の縦パイプ10,10の間に差し込まれた連結ピン15を示したもので、この連結ピン15は、上下に貫通した円管状のピン本体16を有する。このピン本体16は、中央部の肉厚部17を隔ててその上下両側に本体上部16aと本体下部16bとを形成し、本体上部16aに上方側足場建枠aの縦パイプ10が差し込まれ、そのパイプ10下端面が肉厚部17の上端面17aに当接して位置決めされ、また本体下部16bに下方側足場建枠bの縦パイプ10が差し込まれて、そのパイプ10上端面が肉厚部17の下端面17bに当接して位置決めされる。しかして、上下の縦パイプ10,10は、ピン本体16の本体上部16a及び本体下部16bにそれぞれ差し込まれて位置決めされた状態で、本発明に係る連結ピン15の一部を構成するロックピン18と、従来より知られている連結用突起19によってよりピン本体16に連結される。
【0017】
ロックピン18は、図2(A)に示すように、上記円管状ピン本体16に内蔵されて、その内側面所要部で支持される支点部20を中心に揺動可能であって、その一端部の係合突起21が、ピン本体16の本体上部16aに穿設された上段側透孔22aより突出して上方側足場建枠aの縦パイプ10の係合孔14に係合すると共にその透孔22a内に退入自在であり、他端部の突出軸部23がピン本体16の肉厚部17に穿設された下段側透孔22bから常時突出している。また、ピン本体16には、ロックピン18をその係合突起21が上段側透孔22aから突出するように付勢するための板ばね24が内蔵されており、そしてロックピン18を板ばね24の付勢力に抗して揺動させて係合突起21を上段側透孔22a内に退入させるように前記突出軸部23を引張操作するための解除レバー25が設けられている。
【0018】
上記ロックピン18は、例えば直径9mmの鉄線材(金属線材)を所要長さに切断し、そしてプレス加工等により、この鉄線材の中間所要部に湾曲部18aを形成してその突端部を支点部20とすると共に、その鉄線材の両端部をそれぞれ上記湾曲部18aの突出方向と同一方向に屈曲して、その一方の屈曲部18bを係合突起21とし、他方の屈曲部18cを突出軸部23とすることによって形成することができる。この場合、係合突起21の外径が9mmとなるため、この係合突起21が突入係合可能なピン本体16の上段側透孔22a及び縦パイプ10の係合孔14のそれぞれの内径は、例えば10mmとされる。また、下段側透孔22bの内径も同じ程度とされる。因みに、ピン本体16の外径は、41.9mm、縦パイプ10の外径は48.6である。
【0019】
このロックピン18は、金属板材を切断加工したり、金属角材をプレス加工することによっても形成できるが、縦パイプ10の係合孔14が丸孔であり、しかもその内径をあまり大きくできないことから、金属板材や角材の場合には、係合突起21部分の断面が矩形状となり、従って例えば断面が正方形の金属角材を使用してロックピン18を形成するものとすれば、内径が10mmの係合孔14に係合可能な係合突起21の断面正方形の一辺の長さは、6.5mm程度となる。この場合、その係合突起21部分の断面二次モーメントを求めると、約149mm4 となる。これに対し、前記のように直径9mmの鉄線を使用してロックピン18を形成した場合、係合突起21部分の断面は円形で、その直径は9mmであるから、この場合の係合突起21部分の断面二次モーメントは、約322mm4 となる。従って、両者を比較して明らかなように、金属線材による場合は、その係合突起21部分の断面二次モーメントが金属角材による場合のそれよりもはるかに大きくなり、十分な曲げ強度が得られる。また、金属線材によってロックピン18を形成する場合は、金属板材や角材の場合よりもロックピン18の製作が容易となる。
【0020】
図2(A)その他の図面に示されるように、上記ロックピン18の係合突起21にはその先端部に、下り傾斜状の滑り面26が形成されている。しかして、ピン本体16の本体上部16aに上方側足場建枠aの縦パイプ10を差し込むときに、この縦パイプ10の下端が上段側透孔22aから突出した係合突起21の滑り面26に当接し、これによって係合突起21は、板ばね24の付勢力に抗してピン本体16の内部側へ押動されるような負荷を受けて、その透孔22a内に退入するようになっている。
【0021】
板ばね24は、図2(A)及び(B)に示すように、山形状に形成されていて、その頂部24aが、ロックピン18の係合突起21寄りの側面部にビス27で取付けられ、その両端部24b,24bが、ピン本体16の透孔22a22bとは反対側の内側面に弾接される。この板ばね24をロックピン18に取付けるには、上記のようにビス27によって固着せずに、同図の(C)に示すように、ロックピン18の側面部に突起28を突設し、この突起28が嵌合可能な凹部29を板ばね24の頂部24aに設けておいて、その凹部29を突起28に嵌合させるようにしてもよい。
【0022】
解除レバー25は、鋼板等の金属板によって、背板部30a及び両側板部30b,30bからなるコ字状の枠片30と、背板部30aの一端から突設された把手31とを一体に形成してなるもので、図2の(A)に示すように、コ字状枠片30を、その両側板部30b,30bの先端面がピン本体16の外側面に当接すると共に前記把手31がコ字状枠片30の真上に位置する状態で、ピン本体16の下段側透孔22bから突出するロックピン18の突出軸部23に嵌合させて、該突出軸部23を両側板部30b,30bにピン32により枢着している。上記コ字状枠片30には両側板部30b,30bの先端面下端部に回動案内面30cを有する。また、この場合、上記ピン32から両側板部30b,30bの下端面30cまでの距離は、同ピン32から両側板部30b,30bの先端面までの距離よりも長くなっている。
【0023】
しかして、前記把手31を、図2(A)の矢印方向に引くと、コ字状枠片30がピン本体16外側面に当接している両側板部30b,30bの先端面下端部を中心にその回動案内面30cを介して回動し、これに伴いピン本体16の下段側透孔22bから突出している突出軸部23が外側へ引張され、それによりロックピン18は板ばね24の付勢力に抗して支点部20を中心に係合突起21が上段側透孔22a内に退入する方向に揺動する。しかして、コ字状枠片30を更に回動して該枠片30の下端面30dをピン本体16外側面に当接支持させるようにすることにより、係合突起21が上段側透孔22a内に退入してロック解除されると共に、ロックピン18がそのロック解除位置に保持される(図4参照)。
【0024】
また、連結ピン15を下方側足場建枠bに連結するための連結用突起19は、周知構造のもので、図2の(A)に示すように、左右一対設けられ、両連結用突起19,19は、断面略U字状の板ばね33の両端部にそれぞれ取付けてあって、前記連結ピン15の本体下部16b下端部に穿設された両透孔34,34から上記板ばね33の付勢力により常時突出している。従って、使用にあたっては、上記両透孔34,34から突出している両連結用突起19,19を、板ばね33付勢力に抗して連結ピン15の内部に退入せしめた状態で、下方側足場建枠bの縦パイプ10の上端部に差し込み、両連結用突起19,19を縦パイプ10の連結孔35,35に係合させる。これによって、連結ピン15は下方側足場建枠bの縦パイプ10の上端部に取付けられ、一旦取付けた後は不使用時でも取り外す必要はない。
【0025】
次に、上記のようにして下方側足場建枠bに取付けた連結ピン15を介して、この下方側足場建枠bに上方側足場建枠aを連結するには、図3の(A)に示すように、上方側足場建枠aの縦パイプ10をピン本体16の本体上部16aに差し込むことにより、その差し込み途上においてピン本体16の上段側透孔22aから突出している係合突起21の下り傾斜状滑り面26に当接し、これにより係合突起21は板ばね24の付勢力に抗してピン本体16の内部側へ押動されるような負荷を受け、しかしてロックピン18は支点部20を中心に同図面に関し時計回りに揺動し、同図の仮想線図示のように係合突起21が上段側透孔22a内に退入し、同時に突出軸部23が下段側透孔22bから更に突出する状態となる。このとき、解除レバー25は例えば同図の仮想線図示のような状態となる。
【0026】
しかして、図3の(B)に示すように、上記縦パイプ10の下端面がピン本体16の肉厚部17の上端面17aに当接したとき、縦パイプ10の係合孔14がピン本体16の上段側透孔22aと合致する状態となり、これにより係合突起21に対する退入付勢力が解放されて、この係合突起21が板ばね24の付勢力により上記透孔22aから縦パイプ10の係合孔14に係合し、この係合突起21によってピン本体16と上方側足場建枠aの縦パイプ10とが連結され、これによって上下の足場建枠a,bが互いに連結されることになる。
【0027】
上記のように、上方側足場建枠aの縦パイプ10下端部を、下方側足場建枠bの縦パイプ10に取付けたピン本体16の本体上部16aに差し込むだけで、上下両足場建枠a,bが自動的に連結されることになり、従って連結作業を一人の作業者できわめて簡単容易に行うことができる。尚、上方側足場建枠aの縦パイプ10の差し込み途上でロックピン18の突出軸部23が下段側透孔22bから更に突出するとき、解除レバー25は、図3(A)の仮想線図示のように、コ字状枠片30がピン本体16外側面に当接している側板部30bの上端部を中心に時計回りに回動することになる。
【0028】
尚、この実施例では、ロックピン18の係合突起21先端部に下り傾斜状の滑り面26を設けて、上記のように上方側足場建枠aの縦パイプ10を、ピン本体16の本体上部16aに差し込むだけで、上下両足場建枠a,bが自動的に連結できるようにしているが、ロックピン18の係合突起21先端部に滑り面26を設けない場合には、上方側足場建枠aの縦パイプ10をピン本体16の本体上部16aに差し込むにあたり、作業者が、ピン本体16の上段側透孔22aから突出している係合突起21の先端部を、板ばね24の付勢力に抗しピン本体16内部側へ押動して、手動で上段側透孔22a内に退入させるようにすればよく、この場合の作業も一人の作業者で容易に行うことができる。
【0029】
一方、上方側足場建枠aを下方側足場建枠bから取り外す場合には、図4に示すように、解除レバー25の把手31を、同図の矢印方向に引くと、コ字状枠片30がピン本体16外側面に当接している両側板部30b,30bの先端面下端部を中心にその回動案内面30cを介して回動し、これに伴いピン本体16の下段側透孔22bから突出している突出軸部23が外方へ引張され、それによりロックピン18は、板ばね24の付勢力に抗して支点部20を中心に係合突起21が上段側透孔22a内に退入する方向に揺動する。しかして、コ字状枠片30を更に回動させ、図4の仮想線で示すようにようにコ字状枠片30の下端面30dをピン本体16外側面に当接支持させることにより、同図の仮想線図示のように係合突起21が上段側透孔22a内に完全に退入してロック解除されると共に、ロックピン18はこのロック解除位置に保持される(図4参照)。従って、このように係合突起21がその透孔22a内に退入したロック解除の状態で、上方側足場建枠aをピン本体16の本体上部16aから引き抜けばよい。このとき、解除レバー25によってロックピン18がロック解除位置に保持されるため、上方側足場建枠aの引き抜き作業が非常に楽になる。上方側足場建枠aの引き抜き後は、解除レバー25の把手31を図4の仮想線図示の位置から上方へ引き上げて同図の実線図示の位置に戻せば、ロックピン18は元の状態、即ち係合突起21がピン本体16の上段側透孔22aから突出したロック状態に復帰することができる。
【0030】
上記のように、上方側足場建枠aを下方側足場建枠bから取り外すときは、解除レバー25の把手31をピン本体16の外側面に遠ざかる方向に手で押動するだけで、ロック解除できるから、その取外し作業も一人の作業者で非常に簡単に行うことができるものである。
【0031】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る連結ピンによれば、下方側足場建枠の縦パイプに取付けたピン本体に内蔵されたロックピンの係合突起をピン本体の上段側透孔内に退入させた状態で、このピン本体に上方側足場建枠の縦パイプを差し込むことによって、ピン本体と上方側足場建枠の縦パイプとを連結して、上下の足場建枠を互いに連結することができるから、その連結作業を作業者一人で容易に行うことができる。また、上方側足場建枠を下方側足場建枠から取り外すときは、解除レバーをピン本体の外側面に遠ざかる方向に手で押動するだけで、ロック解除の状態となるから、この取外し作業も簡単容易に行うことができる。従って、足場建枠の連結及び取外し作業を能率良く行うことができる。
更にまた、本発明よれば、ロックピンを金属線材で形成することによって、金属板材や角材で形成する場合に比べ、製作が簡単容易となる上に、ロックピンの機械的強度、特に、ピン本体と上方側足場建枠の縦パイプとを連結する係合突起部分の曲げ強度を十分に大きくすることができて、使用上の安全性を十分確保でき、耐用寿命を延ばすことができる。
【0032】
請求項2に係る連結ピンによれば、上方側足場建枠の縦パイプをピン本体に差し込むだけで、上下両足場建枠を自動的に連結できるから、上方側足場建枠と下方側足場建枠との連結作業をきわめて簡単容易に行うことができる。
【0033】
請求項3に係る連結ピンによれば、把手を引き下げるだけで、ロックピンの係合突起によるピン本体と上方側足場建枠とのロックを解除できると共に、そのロック解除位置に保持できるため、解除操作が簡単容易となり、足場建枠取外し作業の能率向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る連結ピンの使用状態を示す全体斜視図である。
【図2】 (A)は、本発明に係る連結ピンの一実施例を示す縦断面側面図、(B)は、(A)のX−X線断面図、(C)は、板ばねをロックピンに取付ける他の例を示す側面図である。
【図3】 (A)は、上方側足場建枠を下方側足場建枠に連結するときのロックピンの作動状態を示す縦断面側面図、(B)は、ロックピンによってピン本体と上方側足場建枠とが連結された状態を示す縦断面側面図である。
【図4】 解除レバーを操作して上方側足場建枠を下方側足場建枠から取り外すときのロックピンの作動状態を示す縦断面側面図である。
【符号の説明】
a 上方側足場建枠
b 下方側足場建枠
10 縦パイプ
14 縦パイプの係合孔
15 連結ピン
16 ピン本体
18 ロックピン
20 支点部
21 係合突起
22a 上段側透孔
22b 下段側透孔
23 突出軸部
24 板ばね(ばね)
25 解除レバー
26 滑り面
30 コ字状枠片
30a 背板部
30b 側板部
31 把手
32 ピン

Claims (3)

  1. 管状等の中空状のピン本体にロックピンを内蔵し、該ロックピンは、所要長さに切断した金属線材の中間所要部に弯曲部を形成してその突端部を支点部として、ピン本体の内周面に当接して該内周面に支持される該支点部を中心に揺動可能となっており、且つ該金属線材の両端部をそれぞれ前記弯曲部の突出方向と同一方向に屈曲して、その一端部の屈曲部を係合突起とし、他端部の屈曲部を突出軸部として、その一端部の係合突起がピン本体の上段側透孔より突出して足場建枠に係合すると共にその透孔内に退入自在であり且つ他端部の突出軸部がピン本体の下段側透孔から常時突出するようになっており、またピン本体にはばねを内蔵し、該ばねは、ロックピンの係合突起上段側透孔から突出するように付勢するようになっており、さらに前記突出軸部の外端部には、ロックピンをばね付勢力に抗して揺動させて前記係合突起をその透孔内に退入させるように該突出軸部を引張操作するための解除レバーを設けてなる足場建枠用連結ピン。
  2. 前記ロックピンの係合突起にはその先端部に、下り傾斜状の滑り面が形成されてなる請求項1に記載の足場建枠用連結ピン。
  3. 前記解除レバーは、背板部と両側板部とでコ字状に形成された枠片と、背板部の一端から一体に突設された把手とからなり、前記コ字状枠片を、その両側板部の先端面がピン本体の外側面に当接すると共に前記把手が該枠片の真上に位置する状態で、ピン本体の下段側透孔から突出するロックピンの突出軸部に嵌合して、該突出軸部を両側板部にピンで枢着し、前記把手により前記コ字状枠片を下向きに回動して該枠片の下端面をピン本体外側面に当接支持させることによって、突出軸部を引張してその位置に保持するようにした請求項1または2に記載の足場建枠用連結ピン。
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