JP2578580Y2 - 足場板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、建築工事の仮設用足場
として用いられる足場板に関し、特に足場板の取り付
け、取り外しを容易にしたクランプを備える足場板に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、仮設用足場として用いられる足場
板は建築物の周囲に枠組された建枠の横架材である管体
に係止させて足場を形成しており、管体に係止するため
の管体係止孔を下向きに凹設したクランプ本体を足場板
の両端部には一対ずつ固着し、このクランプ本体にロッ
ク爪を有するロック金具を管体係止孔の一側下部に出没
自在に移動できるように取り付け、ロック爪を出没させ
てクランプを管体にロックさせたり、ロックを解除する
ようにしている。

【０００３】そして足場板を建枠より取り外す場合に
は、四隅のロック金具を足場板の下方から一個ずつ操作
してロック金具のロック爪を後退させ、ロック金具をク
ランプ本体の一部に掛け留めしてからできるだけ静かに
足場板を上方に押し上げて建枠より取り外すようにして
いる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、ロック
金具のロック爪を後退させてクランプ本体に掛け留めし
てから足場板を静かに持ち上げようとしても、少しの振
動やバランスの崩れによってもロック金具が元に戻って
しまうことが多々あり、足場板両端の４個のクランプの
うちの一つでもこれが起これば足場板を建枠より外すこ
とができず、その取り外しには煩わしものがあった。

【０００５】また、最近、タワー式支保工において足場
板を昇降移動させるケースが出てきており、この時には
作業面の足場板を上側より取り外し、上段の建枠に下側
から取り付ける必要があり、足場板の上側、下側のどち
らの方向からでもクランプのロックまたはロック解除の
操作を行なえることが好ましいが、従来構造のものでは
ロックまたはロック解除の操作は専ら足場板の下側から
でないと行なえないという不便な構造となっており、足
場板の下側、上側のどちらの方向からでもクランプのロ
ックまたはロック解除の操作を行なうことができるもの
が望まれていた。

【０００６】本考案は上記の点に鑑み、足場板のクラン
プのロックまたはロック解除の操作を容易に行なうこと
ができ、しかもそのロック操作を足場板の上側、下側の
どちらの方向からでも行なうことができるようにした足
場板を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は上記の目的を達
成するために、足場板の両端部に管体係止用の管体係止
孔を下向きに凹設したクランプ本体を一対ずつ固着し、
前記管体係止孔の一側下部にロック爪を出没自在とする
ロック金具をクランプ本体に取り付け、該ロック金具の
ロック爪を前進させて管体下部に係止させればロック状
態となるようにした足場板において、前記ロック金具の
上端部をクランプ本体の上部中央付近に回動自在に軸着
し、クランプ本体側には上部を略水平に折り曲げるよう
に切り欠いた鉤状のガイド孔を穿設すると共に、ロック
金具側にはロック金具を回動させたときに常に前記ガイ
ド孔に挿通状に合致するような長孔を穿設し、更に足場
板に固着した一対のクランプ本体の間隔にほぼ等しい長
さを有するロック金具操作軸を一対のクランプ本体のガ
イド孔とロック金具の長孔に挿通して取り付け、ロック
金具操作軸の上下移動操作によってロック金具を回動し
てクランプ本体の管体係止孔の一側下部にロック爪を出
没自在とするように構成したものである。

【０００８】

【作用】本考案によれば、足場板の端部両端の一対のク
ランプのロックまたはロック解除の操作をロック金具操
作軸を単に上下移動させるだけで同時に行なうことがで
きる。

【０００９】足場板のクランプのロック状態を解除する
時には、足場板の両端部の一対のクランプ間に掛け渡し
たロック金具操作軸を持ち上げる。これによってロック
金具操作軸はクランプ本体のガイド孔に沿って上方に移
動し、これに伴ってロック金具も持ち上げるように回動
させられてロック爪をクランプ本体の管体係止穴より後
退させ、ロック状態を解除できる。更にロック金具操作
軸をクランプ本体のガイド孔上部の略水平部に掛け留め
るとロック金具が固定されて手を離してもロック解除の
状態が維持される。したがって、ロック金具操作軸を掴
んで持ち上げるとクランプのロック解除がなされてその
まま足場板を建枠から取り外して持ち上げることができ
る。

【００１０】また足場板を建枠に取付ける時には足場板
を建枠間に掛け渡してロック金具操作軸を押し下げるだ
けでクランプのロックを行なうことができる。

【００１１】

【実施例】以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

【００１２】１は建築工事等の仮設用足場として用いる
足場板であって、踏み板２の両端部に略コ字状金具３を
取り付け、該略コ字状金具３の両端部に一対のクランプ
本体４を溶接により固着している。

【００１３】クランプ本体４は足場を形成する建枠の横
架材である管体５に係止できるように、管体５の外周形
状とほぼ同一形状に、例えば角管ならば方形状に、また
丸管ならば円弧状に管体係止孔６を下向きに凹設してい
る。またクランプ本体４の管体係止孔６の側部上方には
後述するロック金具操作軸を挿入するためのガイド孔７
を穿設してあり、該ガイド孔７は上部を略水平に折り曲
げて切り欠いた鉤状としてある。なお、ガイド孔７の略
水平部は下方に若干傾斜させておけばロック金具操作軸
を落とし込んで掛け留しても外れにくくて良い。

【００１４】８は管体５に係止したクランプ本体４を外
れないようにロックするためのロック金具であって、該
ロック金具８の上部は軸体９によりクランプ本体４の上
部中央付近に回動自在に軸着しており、ロック金具８下
端部のロック爪１０を管体係止孔６の一側下部より出没
自在としてクランプのロックまたはロック解除を行なう
ようになっている。

【００１５】また、ロック爪１０の側方にはロック金具
８の回動幅を規制するための回動幅規制孔１１を穿設
し、クランプ本体４に固定した軸体１２を回動幅規制孔
１１に挿入して回動幅を規制するようにしている。

【００１６】更に回動幅規制孔１１の上位には後述する
ロック金具操作軸を挿入する長孔１３を穿設しており、
該長孔１３はロック金具８を軸体９を中心にして回動さ
せたときにクランプ本体４に穿設したガイド孔７に常に
挿通状に合致するように穿設してある。

【００１７】１４はクランプのロックまたはロック解除
の操作するためのロック金具操作軸であって、足場板１
の端部両端に固着した一対のクランプ本体４、４の間隔
にほぼ等しい長さを有しており、このロック金具操作軸
１４を一対のクランプ本体４、４のガイド孔７とロック
金具８の長孔１３とに挿通させてその両端部に抜止めリ
ング１５を取り付けている。

【００１８】そして前記ロック金具操作軸１４を持ち上
げればロック金具操作軸１４をガイド孔７に沿って移動
させることができ、またこれに伴ってロック金具操作軸
１４をロック金具８の長孔１３周縁部に当接させてロッ
ク金具８を持ち上げるように回動させ、図３に示すよう
にロック爪１０をクランプ本体４の管体係止穴６より後
退させてロック状態を解除できるようになっている。ま
たロック金具操作軸１４をクランプ本体４のガイド孔７
上部の略水平部に掛け留めるとロック金具８を固定して
手を離してもロック解除の状態を維持することができる
ようになっている。

【００１９】また、ロック金具操作軸１４をガイド孔７
に沿って押し下げれば、ロック金具８を下方に回動させ
てロック爪１０をクランプ本体４の管体係止穴６内に侵
入させてロックすることができるようになっている。

【００２０】しかして、上記足場板１を建枠に掛け渡し
た時には、ロック金具操作軸１４は足場板１端部と建枠
の横架材である管体５との間に横たわって位置すること
となるので、足場板１の上側または下側のどちらの方向
からでも手が届いてクランプのロックまたはロック解除
の操作を行なうことができる。

【００２１】そして足場板１を取り外す時には、足場板
１の端部両端の一対のクランプ間に掛け渡したロック金
具操作軸１４を持ち上げるだけで図３に示すようにロッ
ク金具８が上方に回動してクランプのロックが解除さ
れ、そのまま足場板１を持ち上げることができる。また
ロック金具操作軸１４をガイド孔７に沿って持ち上げて
ガイド孔７の略水平部に横移動させることによって掛け
留めすれば手を離してもロック解除の状態に維持でき
る。

【００２２】また、足場板１を建枠に装着する時にはロ
ック金具操作軸１４を持ち上げたコック解除の状態で建
枠に掛け渡し、ロック金具操作軸１４を下方に押し下げ
るだけでロック金具８をロック状態にすることができ
る。

【００２３】

【考案の効果】以上のように本考案によれば、足場板１
の端部に固着したクランプ本体４に上部を略水平に折り
曲げた鉤状のガイド孔７を穿設すると共に、クランプ本
体４に軸着したロック金具８には回動時に前記ガイド孔
７に常に挿通状に合致する長孔１３を穿設すると共に、
足場板１端部両端の一対のクランプ本体４、４間の間隔
にほぼ等しい長さを有するロック金具操作軸１４を前記
ガイド孔７及び長孔１３に挿入して装着し、ロック金具
操作軸１４をガイド孔７に沿って持ち上げればロック金
具８を上方へ回動させてロック状態を解除し、またロッ
ク金具操作軸１４をガイド孔７に沿って下方へ落とし込
めばロック金具８を下方へと回動させてロック状態とな
るように構成したので、ロック金具操作軸１４を掴んで
上下移動させるだけで足場板の端部両端の一対のクラン
プのロックまたはロック解除の操作を同時にかつ容易に
行なうことができる。

【００２４】また、ロック金具操作軸１４を掴んで足場
板の取り付け、取り外しをすれば何らクランプのロック
解除の動作をすることなくワンタッチで取り付け、取り
外しができて大変便利である。更にロック金具操作軸１
４は足場板１の上側または下側のどちらの方向からでも
手が届く位置にあるので足場板の取り付け、取り外しに
大変都合が良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すクランプ部分の正面図
である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１のロック金具を後退させた状態を示す図で
ある。

【符号の説明】

１…足場板 ４…クランプ本体 ５…管体 ６…管体係止孔 ７…ガイド孔 ８…ロック金具 １０…ロック爪 １３…長孔 １４…ロック金具操作軸

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】足場板の両端部に管体係止用の管体係止孔
   を下向きに凹設したクランプ本体を一対ずつ固着し、前
   記管体係止孔の一側下部にロック爪を出没自在とするロ
   ック金具をクランプ本体に取り付け、該ロック金具のロ
   ック爪を前進させて管体下部に係止させればロック状態
   となるようにした足場板において、 前記ロック金具の上端部をクランプ本体の上部中央付近
   に回動自在に軸着し、クランプ本体側には上部を略水平
   に折り曲げるように切り欠いた鉤状のガイド孔を穿設す
   ると共に、ロック金具側にはロック金具を回動させたと
   きに常に前記ガイド孔に挿通状に合致するような長孔を
   穿設し、更に足場板に固着した一対のクランプ本体の間
   隔にほぼ等しい長さを有するロック金具操作軸を一対の
   クランプ本体のガイド孔とロック金具の長孔に挿通して
   取り付け、ロック金具操作軸の上下移動操作によってロ
   ック金具を回動してクランプ本体の管体係止孔の一側下
   部にロック爪を出没自在とするように構成したことを特
   徴とする足場板。