JP2593767B6 - 後付手摺の支柱ホルダー固定装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は後付手摺に関し,特に既存コンクリート躯体上面にその支柱ホルダーを固定する後付手摺の支柱ホルダー固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に後付手摺の立設には支柱ホルダーを用い,既存コンクリート躯体上面長手方向所定間隔にこの支柱ホルダーを固定することにより,手摺支柱下端を保持固定せしめるものとされる。
【0003】
このとき支柱ホルダーの固定装置は,一般に基板にボルト孔を具備した支柱ホルダーと,既存コンクリート躯体上面に面接載置した該支柱ホルダーを,上記ボルト孔を介してコンクリート躯体に締着固定する,例えば頭付きの又はナット使用のホールインアンカー,埋込ボルト等による固定ボルトとを備えたものとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,この場合,支柱ホルダーは既存コンクリート躯体上面に面接載置して固定するものとされるから,面接載置によって支柱ホルダーを高低基準位置に高さ調整し水平を確保することができる,例えば予め支柱ホルダーの固定を想定して水平出しした既存コンクリート躯体上面を有する新設建造物にあっては,支柱ホルダーの固定を良好になし得ても,新設建造物にあっても,常にこの水平出しがなされていることを期待し得ないし,既設建造物におけるコンクリート躯体の状況は多様であり,これらの場合には,必ずしも上記支柱ホルダーの固定装置を用い得るとは限らない。
【0005】
即ち既設建造物にあって,既存コンクリート躯体上面は,柱間で梁が垂れ下ることにより長手方向に波打ち状の変形を来していたり,手摺の立設を全く想定していないため,前後方向の湾曲面が形成されていたりして高低差を有していることが多い。
【0006】
このため既設建造物を含めて既存コンクリート躯体上面に対して,手摺を設置したり改装したりする手摺を後付設置するために上記支柱ホルダーを固定しようとしても,高低差により面接載置の前提となる水平面を備えていないことによって,支柱ホルダーの高さと水平の確保をなし得ず,結果手摺等の立設が不可能となることも多い。
【0007】
従ってこの場合,改めて既存コンクリート躯体上面をモルタルで水平に補修したりする前工程の補修加工を必要とし,工事期間が延びたり工事が煩雑化したりすることになる。
【0008】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とする処は,既存コンクリート躯体上面の状況の如何を問わず,これにそのまま直接に支柱ホルダーを固定することによって高さと水平を確保することができる後付手摺の支柱ホルダー固定装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題に添い,本発明は支柱ホルダーを,既存コンクリート躯体上面の高低差を吸収する個別突没調整用の突没調整ネジによって既存コンクリート躯体上面に高さ調整自在に水平支持せしめ,この状態で支柱ホルダーを既存コンクリート躯体に締着固定するようにして,既存コンクリート躯体上面の状況に対応して,これにそのまま直接に支柱ホルダーを固定して,その高さと水平との確保を可能ならしめたものであって,即ち本発明は,基板にボルト孔と該ボルト孔をその外側で囲む3乃至それ以上の箇所とした螺孔とを具備せしめた後付手摺用の支柱ホルダーと,これら螺孔にそれぞれ下方突没自在に螺装し下端を既存コンクリート躯体上面に突当て状に対接して既存コンクリート躯体上面の高低差を吸収することにより支柱ホルダーを既存コンクリート躯体上面に対して高さ調整自在に水平支持せしめた螺孔数対応の個別突没調整用突没調整ネジと,該水平支持の支柱ホルダーを上記ボルト孔を介して既存コンクリート躯体上面に締着固定した固定ボルトとを備えてなることを特徴とする後付手摺の支柱ホルダー固定装置(請求項1),請求項1の突没調整ネジを,それぞれドライバー受けを頂面に有する頭なしネジにより構成してなることを特徴とする後付手摺の支柱ホルダー固定装置(請求項2)及び請求項1又は2の支柱ホルダーの基板と既存コンクリート躯体上面間に形成されることある離隔空間を追加的に充填材により充填してなることを特徴とする後付手摺の支柱ホルダー固定装置(請求項3)に係り且つこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【0010】
【実施例】
以下実施例を示す図面に従って本発明を更に具体的に説明すれば,Aは後付手摺,Bは既存コンクリート躯体であり,後付手摺Aは手摺本体1を,該手摺本体1間に介設され,図示省略の上階スラブ下面に固定するようにした方立支柱2を介して連結するとともに,該方立支柱2と手摺本体1の所定位置に配設した本体支柱3の下端を,それぞれ保持固定した後付手摺A用の支柱ホルダー20を介して既存コンクリート躯体B上面長手方向に立設せしめてある。
【0011】
支柱ホルダー20は,方立支柱2用及び本体支柱3用で基本構成を共通としてあり,いずれも,例えば本例にあって8mm厚とした基板21に支柱保持壁22を,方立支柱2用で支柱抱持状に,本体支柱3用で支柱囲繞状に起立突設せしめた,アルミ鋳物による鋳造一体のものとしてある。
【0012】
これら支柱ホルダー20は,いずれも基板21の略中央位置となるように長孔としたボルト孔24を穿設して具備する一方,該ボルト孔24をその外側で囲む,本例において3箇所とした螺孔27を穿設具備したものとしてある。本例の螺孔27は,その配置態様においてボルト孔24の既存コンクリート躯体B上面長手方向一方に2箇所,他方に1箇所を位置せしめたものとしてあり,また螺孔としてそれぞれ孔壁に雌ネジを刻設したものとしてある。
【0013】
これら螺孔27には,それぞれ下方突没自在にして下端を既存コンクリート躯体B上面に突当て状に対接して既存コンクリート躯体B上面の高低差を吸収することにより,支柱ホルダー20を既存コンクリート躯体B上面に対して高さ調整自在に水平支持せしめた螺孔27数対応の個別突没調整用突没調整ネジ28を螺装してある。
【0014】
即ち本例にあって突没調整ネジ28は,それぞれドライバー受けとして,すりわり29を頂面に付した頭なしネジを用いてあり,これら螺孔数に対応した3箇所の突没調整ネジ28を基板21に対して個別にドライバー操作して突没調整することにより,各支柱ホルダー20を高さ調整し且つ水平に支持するものとしてあり,これにより既存コンクリート躯体長手方向に,方立支柱2及び本体支柱3の下端をそれぞれ高低差による位置ズレなく垂直且つ確実に保持固定し得るものとしてある。
【0015】
従って,例えば図9及び図10にモデル的に示すように,既存コンクリート躯体B上面が傾斜乃至湾曲したり或いは更に表面凹凸がある場合等を含め,固定対象の既存コンクリート躯体B上面の状況の如何を問わずに,これに対応してそのまま直接に支柱ホルダー20の上記高さ調整と水平支持を,これら突没調整ネジが確実に確保することとなる。
【0016】
突没調整ネジ28による該水平支持の支柱ホルダー20は,これを上記基板21のボルト孔24を介して固定ボルト25,本例においてナット付き埋込ボルトにより既存コンクリート躯体B上面に締着固定してある。
【0017】
即ちこの締着固定は,突没調整ネジ28の突張りに対してこれら突没調整ネジ28を圧縮する方向になされており,これによって上記高さ調整を行った水平支持の支柱ホルダー20は,既存コンクリート躯体B上面に対して確実且つ強固に固定されるに至っている。
【0018】
この固定状態にあって,支柱ホルダー20は上記突没調整ネジ28により既存コンクリート躯体B上面に対して高さ調整自在に水平保持されているから,既存コンクリート躯体B上面との関係で,その長手方向に支柱ホルダー20は,面接状又は線接触状等に対接固定される場合,離隔空間を形成して離隔固定される場合とがあり,その固定状態は既存コンクリート躯体B上面の状況に応じて異なることになる。
【0019】
本例にあっては,突没調整ネジ28が50mmの長さを有する一方,その螺装対象の基板21は8mm厚であるので,突没調整ネジ28を用いる必要がなく,例えば新築建造物の完全に水平出しがなされた既存コンクリート躯体B上面に対する離隔寸法ゼロから既設建造物の高低差の激しい既存コンクリート躯体B上面の状況に応じて40mm程度の離隔寸法までをカバーし得るものとしてある。
【0020】
図示例はいずれもこの離隔空間を形成して支柱ホルダー20を固定した例であり,このとき支柱ホルダー20の基板21と既存コンクリート躯体B上面間の離隔空間には,それぞれ本例においてモルタルとした充填材30を充填したものとしてあり,この充填材30によって支柱ホルダー20の固定外観を向上する一方,上記突没調整ネジ28と固定ボルト25を含めて支柱ホルダー20と既存コンクリート躯体B上面とを一体化し,支柱ホルダー20の固定を2次的に補強したものとしてある。
【0021】
図中11は手摺本体1と方立支柱2との固定金具,12は上桟,13は下桟,14は縦小桟,23は支柱固定ネジ,26は固定ボルト25締着用のアンカーである。
【0022】
図示した例は以上のとおりとしたが,本発明の実施に当っては,螺孔をボルト孔を囲む4箇所,6箇所とする如くにその箇所数を増加し,これに応じた数の突没調整ネジを用いること,突没調整ネジを丸ネジ,皿ネジ,六角ボルト等頭付きネジとすること,離隔空間の充填材にコーキング材を用いること,更に支柱ホルダーの支柱保持関係を,支柱内に保持壁を内嵌する如くにすること,手摺をパネル嵌込み式のものとし,或いは階段手摺とすること等を含めて,基板,ボルト孔,螺孔,支柱ホルダー,突没調整ネジ,固定ボルト,必要に応じて用いる充填材の各具体的形状,構造,材質,寸法,数量,更には手摺及び支柱の種類,或いはこれらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々に変更することができ,もとより以上に説明した態様のものに限定するものではない。
【0023】
【発明の効果】
本発明請求項1は以上のとおり,基板にボルト孔と該ボルト孔をその外側で囲む3乃至それ以上の箇所とした螺孔とを具備せしめた後付手摺用の支柱ホルダーと,これら螺孔にそれぞれ下方突没自在に螺装し下端を既存コンクリート躯体上面に突当て状に対接して既存コンクリート躯体上面の高低差を吸収することにより支柱ホルダーを既存コンクリート躯体上面に対して高さ調整自在に水平支持せしめた螺孔数対応の個別突没調整用突没調整ネジと,該水平支持の支柱ホルダーを上記ボルト孔を介して既存コンクリート躯体上面に締着固定した固定ボルトとを備えてなることを特徴とするから,既存コンクリート躯体上面の状況の如何を問わず,これに補修加工等を行うことなくそのまま直接に支柱ホルダーを固定することによって高さと水平を確保することができる後付手摺の支柱ホルダー固定装置を提供することができる。
【0024】
このとき支柱ホルダーの螺孔はボルト孔をその外側で囲む3乃至それ以上の箇所とし,突没調整ネジを螺孔数に対応した数としたことにより,支柱ホルダーの転びを防止し,固定ボルトの締着固定を確実且つ強固に行うことができる。
【0025】
請求項2は,上記突没調整ネジを,それぞれドライバー受けを頂面に有する頭なしネジにより構成してなることを特徴とするから,上記に加えて,突没調整をドライバーにより簡易且つ確実に行って,工事を容易化することができ,また請求項3は,上記支柱ホルダーの基板と既存コンクリート躯体上面間に形成されることある離隔空間を追加的に充填材により充填してなることを特徴とするから,上記に加えて,支柱ホルダーの固定外観を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】手摺の正面図
【図2】支柱ホルダーと既存コンクリート躯体上面との関係を示す縦断面図
【図3】図2A−A線横断面図
【図4】図1支柱ホルダー部分の拡大正面図
【図5】支柱ホルダーの平面図
【図6】他の例に係る横断面図
【図7】図1支柱ホルダー部分の拡大正面図
【図8】支柱ホルダーの平面図
【図9】支柱ホルダーと既存コンクリート躯体上面との関係を示す正面図
【図10】支柱ホルダーと既存コンクリート躯体上面との関係を示す正面図
【符号の説明】
A 後付手摺
B 既存コンクリート躯体上面
1 手摺本体
2 方立支柱
3 本体支柱
20 支柱ホルダー
21 基板
24 ボルト孔
25 固定ボルト
27 螺孔
28 突没調整ネジ
30 充填材
【産業上の利用分野】
本発明は後付手摺に関し,特に既存コンクリート躯体上面にその支柱ホルダーを固定する後付手摺の支柱ホルダー固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に後付手摺の立設には支柱ホルダーを用い,既存コンクリート躯体上面長手方向所定間隔にこの支柱ホルダーを固定することにより,手摺支柱下端を保持固定せしめるものとされる。
【0003】
このとき支柱ホルダーの固定装置は,一般に基板にボルト孔を具備した支柱ホルダーと,既存コンクリート躯体上面に面接載置した該支柱ホルダーを,上記ボルト孔を介してコンクリート躯体に締着固定する,例えば頭付きの又はナット使用のホールインアンカー,埋込ボルト等による固定ボルトとを備えたものとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,この場合,支柱ホルダーは既存コンクリート躯体上面に面接載置して固定するものとされるから,面接載置によって支柱ホルダーを高低基準位置に高さ調整し水平を確保することができる,例えば予め支柱ホルダーの固定を想定して水平出しした既存コンクリート躯体上面を有する新設建造物にあっては,支柱ホルダーの固定を良好になし得ても,新設建造物にあっても,常にこの水平出しがなされていることを期待し得ないし,既設建造物におけるコンクリート躯体の状況は多様であり,これらの場合には,必ずしも上記支柱ホルダーの固定装置を用い得るとは限らない。
【0005】
即ち既設建造物にあって,既存コンクリート躯体上面は,柱間で梁が垂れ下ることにより長手方向に波打ち状の変形を来していたり,手摺の立設を全く想定していないため,前後方向の湾曲面が形成されていたりして高低差を有していることが多い。
【0006】
このため既設建造物を含めて既存コンクリート躯体上面に対して,手摺を設置したり改装したりする手摺を後付設置するために上記支柱ホルダーを固定しようとしても,高低差により面接載置の前提となる水平面を備えていないことによって,支柱ホルダーの高さと水平の確保をなし得ず,結果手摺等の立設が不可能となることも多い。
【0007】
従ってこの場合,改めて既存コンクリート躯体上面をモルタルで水平に補修したりする前工程の補修加工を必要とし,工事期間が延びたり工事が煩雑化したりすることになる。
【0008】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とする処は,既存コンクリート躯体上面の状況の如何を問わず,これにそのまま直接に支柱ホルダーを固定することによって高さと水平を確保することができる後付手摺の支柱ホルダー固定装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題に添い,本発明は支柱ホルダーを,既存コンクリート躯体上面の高低差を吸収する個別突没調整用の突没調整ネジによって既存コンクリート躯体上面に高さ調整自在に水平支持せしめ,この状態で支柱ホルダーを既存コンクリート躯体に締着固定するようにして,既存コンクリート躯体上面の状況に対応して,これにそのまま直接に支柱ホルダーを固定して,その高さと水平との確保を可能ならしめたものであって,即ち本発明は,基板にボルト孔と該ボルト孔をその外側で囲む3乃至それ以上の箇所とした螺孔とを具備せしめた後付手摺用の支柱ホルダーと,これら螺孔にそれぞれ下方突没自在に螺装し下端を既存コンクリート躯体上面に突当て状に対接して既存コンクリート躯体上面の高低差を吸収することにより支柱ホルダーを既存コンクリート躯体上面に対して高さ調整自在に水平支持せしめた螺孔数対応の個別突没調整用突没調整ネジと,該水平支持の支柱ホルダーを上記ボルト孔を介して既存コンクリート躯体上面に締着固定した固定ボルトとを備えてなることを特徴とする後付手摺の支柱ホルダー固定装置(請求項1),請求項1の突没調整ネジを,それぞれドライバー受けを頂面に有する頭なしネジにより構成してなることを特徴とする後付手摺の支柱ホルダー固定装置(請求項2)及び請求項1又は2の支柱ホルダーの基板と既存コンクリート躯体上面間に形成されることある離隔空間を追加的に充填材により充填してなることを特徴とする後付手摺の支柱ホルダー固定装置(請求項3)に係り且つこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【0010】
【実施例】
以下実施例を示す図面に従って本発明を更に具体的に説明すれば,Aは後付手摺,Bは既存コンクリート躯体であり,後付手摺Aは手摺本体1を,該手摺本体1間に介設され,図示省略の上階スラブ下面に固定するようにした方立支柱2を介して連結するとともに,該方立支柱2と手摺本体1の所定位置に配設した本体支柱3の下端を,それぞれ保持固定した後付手摺A用の支柱ホルダー20を介して既存コンクリート躯体B上面長手方向に立設せしめてある。
【0011】
支柱ホルダー20は,方立支柱2用及び本体支柱3用で基本構成を共通としてあり,いずれも,例えば本例にあって8mm厚とした基板21に支柱保持壁22を,方立支柱2用で支柱抱持状に,本体支柱3用で支柱囲繞状に起立突設せしめた,アルミ鋳物による鋳造一体のものとしてある。
【0012】
これら支柱ホルダー20は,いずれも基板21の略中央位置となるように長孔としたボルト孔24を穿設して具備する一方,該ボルト孔24をその外側で囲む,本例において3箇所とした螺孔27を穿設具備したものとしてある。本例の螺孔27は,その配置態様においてボルト孔24の既存コンクリート躯体B上面長手方向一方に2箇所,他方に1箇所を位置せしめたものとしてあり,また螺孔としてそれぞれ孔壁に雌ネジを刻設したものとしてある。
【0013】
これら螺孔27には,それぞれ下方突没自在にして下端を既存コンクリート躯体B上面に突当て状に対接して既存コンクリート躯体B上面の高低差を吸収することにより,支柱ホルダー20を既存コンクリート躯体B上面に対して高さ調整自在に水平支持せしめた螺孔27数対応の個別突没調整用突没調整ネジ28を螺装してある。
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即ち本例にあって突没調整ネジ28は,それぞれドライバー受けとして,すりわり29を頂面に付した頭なしネジを用いてあり,これら螺孔数に対応した3箇所の突没調整ネジ28を基板21に対して個別にドライバー操作して突没調整することにより,各支柱ホルダー20を高さ調整し且つ水平に支持するものとしてあり,これにより既存コンクリート躯体長手方向に,方立支柱2及び本体支柱3の下端をそれぞれ高低差による位置ズレなく垂直且つ確実に保持固定し得るものとしてある。
【0015】
従って,例えば図9及び図10にモデル的に示すように,既存コンクリート躯体B上面が傾斜乃至湾曲したり或いは更に表面凹凸がある場合等を含め,固定対象の既存コンクリート躯体B上面の状況の如何を問わずに,これに対応してそのまま直接に支柱ホルダー20の上記高さ調整と水平支持を,これら突没調整ネジが確実に確保することとなる。
【0016】
突没調整ネジ28による該水平支持の支柱ホルダー20は,これを上記基板21のボルト孔24を介して固定ボルト25,本例においてナット付き埋込ボルトにより既存コンクリート躯体B上面に締着固定してある。
【0017】
即ちこの締着固定は,突没調整ネジ28の突張りに対してこれら突没調整ネジ28を圧縮する方向になされており,これによって上記高さ調整を行った水平支持の支柱ホルダー20は,既存コンクリート躯体B上面に対して確実且つ強固に固定されるに至っている。
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この固定状態にあって,支柱ホルダー20は上記突没調整ネジ28により既存コンクリート躯体B上面に対して高さ調整自在に水平保持されているから,既存コンクリート躯体B上面との関係で,その長手方向に支柱ホルダー20は,面接状又は線接触状等に対接固定される場合,離隔空間を形成して離隔固定される場合とがあり,その固定状態は既存コンクリート躯体B上面の状況に応じて異なることになる。
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本例にあっては,突没調整ネジ28が50mmの長さを有する一方,その螺装対象の基板21は8mm厚であるので,突没調整ネジ28を用いる必要がなく,例えば新築建造物の完全に水平出しがなされた既存コンクリート躯体B上面に対する離隔寸法ゼロから既設建造物の高低差の激しい既存コンクリート躯体B上面の状況に応じて40mm程度の離隔寸法までをカバーし得るものとしてある。
【0020】
図示例はいずれもこの離隔空間を形成して支柱ホルダー20を固定した例であり,このとき支柱ホルダー20の基板21と既存コンクリート躯体B上面間の離隔空間には,それぞれ本例においてモルタルとした充填材30を充填したものとしてあり,この充填材30によって支柱ホルダー20の固定外観を向上する一方,上記突没調整ネジ28と固定ボルト25を含めて支柱ホルダー20と既存コンクリート躯体B上面とを一体化し,支柱ホルダー20の固定を2次的に補強したものとしてある。
【0021】
図中11は手摺本体1と方立支柱2との固定金具,12は上桟,13は下桟,14は縦小桟,23は支柱固定ネジ,26は固定ボルト25締着用のアンカーである。
【0022】
図示した例は以上のとおりとしたが,本発明の実施に当っては,螺孔をボルト孔を囲む4箇所,6箇所とする如くにその箇所数を増加し,これに応じた数の突没調整ネジを用いること,突没調整ネジを丸ネジ,皿ネジ,六角ボルト等頭付きネジとすること,離隔空間の充填材にコーキング材を用いること,更に支柱ホルダーの支柱保持関係を,支柱内に保持壁を内嵌する如くにすること,手摺をパネル嵌込み式のものとし,或いは階段手摺とすること等を含めて,基板,ボルト孔,螺孔,支柱ホルダー,突没調整ネジ,固定ボルト,必要に応じて用いる充填材の各具体的形状,構造,材質,寸法,数量,更には手摺及び支柱の種類,或いはこれらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々に変更することができ,もとより以上に説明した態様のものに限定するものではない。
【0023】
【発明の効果】
本発明請求項1は以上のとおり,基板にボルト孔と該ボルト孔をその外側で囲む3乃至それ以上の箇所とした螺孔とを具備せしめた後付手摺用の支柱ホルダーと,これら螺孔にそれぞれ下方突没自在に螺装し下端を既存コンクリート躯体上面に突当て状に対接して既存コンクリート躯体上面の高低差を吸収することにより支柱ホルダーを既存コンクリート躯体上面に対して高さ調整自在に水平支持せしめた螺孔数対応の個別突没調整用突没調整ネジと,該水平支持の支柱ホルダーを上記ボルト孔を介して既存コンクリート躯体上面に締着固定した固定ボルトとを備えてなることを特徴とするから,既存コンクリート躯体上面の状況の如何を問わず,これに補修加工等を行うことなくそのまま直接に支柱ホルダーを固定することによって高さと水平を確保することができる後付手摺の支柱ホルダー固定装置を提供することができる。
【0024】
このとき支柱ホルダーの螺孔はボルト孔をその外側で囲む3乃至それ以上の箇所とし,突没調整ネジを螺孔数に対応した数としたことにより,支柱ホルダーの転びを防止し,固定ボルトの締着固定を確実且つ強固に行うことができる。
【0025】
請求項2は,上記突没調整ネジを,それぞれドライバー受けを頂面に有する頭なしネジにより構成してなることを特徴とするから,上記に加えて,突没調整をドライバーにより簡易且つ確実に行って,工事を容易化することができ,また請求項3は,上記支柱ホルダーの基板と既存コンクリート躯体上面間に形成されることある離隔空間を追加的に充填材により充填してなることを特徴とするから,上記に加えて,支柱ホルダーの固定外観を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】手摺の正面図
【図2】支柱ホルダーと既存コンクリート躯体上面との関係を示す縦断面図
【図3】図2A−A線横断面図
【図4】図1支柱ホルダー部分の拡大正面図
【図5】支柱ホルダーの平面図
【図6】他の例に係る横断面図
【図7】図1支柱ホルダー部分の拡大正面図
【図8】支柱ホルダーの平面図
【図9】支柱ホルダーと既存コンクリート躯体上面との関係を示す正面図
【図10】支柱ホルダーと既存コンクリート躯体上面との関係を示す正面図
【符号の説明】
A 後付手摺
B 既存コンクリート躯体上面
1 手摺本体
2 方立支柱
3 本体支柱
20 支柱ホルダー
21 基板
24 ボルト孔
25 固定ボルト
27 螺孔
28 突没調整ネジ
30 充填材
Claims (3)
- 基板にボルト孔と該ボルト孔をその外側で囲む3乃至それ以上の箇所とした螺孔とを具備せしめた後付手摺用の支柱ホルダーと,これら螺孔にそれぞれ下方突没自在に螺装し下端を既存コンクリート躯体上面に突当て状に対接して既存コンクリート躯体上面の高低差を吸収することにより支柱ホルダーを既存コンクリート躯体上面に対して高さ調整自在に水平支持せしめた螺孔数対応の個別突没調整用突没調整ネジと,該水平支持の支柱ホルダーを上記ボルト孔を介して既存コンクリート躯体上面に締着固定した固定ボルトとを備えてなることを特徴とする後付手摺の支柱ホルダー固定装置。
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JP1992152650A JP2593767B6 (ja) | 1992-05-20 | 後付手摺の支柱ホルダー固定装置 |
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