JP2593263B2 - 電子機器のシェルフ構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子回路パッケージを
収容して電子機器を構成するシェルフの新規な構造に関
する。

【０００２】

【従来の技術】電子機器を構成するための従来のシェル
フは、図３に示すように、電子回路パッケージ２１を収
容するための箱型のレール枠２２の背面側に、シェルフ
内の電子機器に外部ケーブル２３を引き込むための端子
板２４及びこれに付属するケーブルサポート２５からな
るケーブル導入部が設置されている。更に、ラック上に
これらのシェルフを搭載してシステムを構成する際に、
下方に位置するシェルフから発生する熱に起因する高温
の気流が上方のシェルフ内に入らないようにするための
熱遮蔽板２６がレール枠２２の下部に設置されて、一組
のシェルフ構造を構成している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このシェルフ構造にお
いては、レール枠２２，ケーブル導入部２４，２５及び
熱遮蔽板２６の三者がそれぞれ独立したユニットとして
設けられているので、空間の分割損が生じ、装置全体の
小型化が難しい欠点があった。本発明は、このような従
来技術の問題点を解決し、前記各部を相互に関連させ
て、全体としてコンパクトな設計を可能とすることを目
的する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この目的は、前後の開放
された中空の箱型をなすレール枠に、その天壁と底壁に
設けられたレール群に沿って複数の電子回路パッケージ
を並列して収容し、これを背面側に設置されたバックボ
ードにコネクタ接続して電子機器を構成するシェルフに
おいて、前記レール枠の底壁の下方に外部ケーブル導入
用の保持金具及び整線金具を取付けた熱遮蔽板を、該底
壁との間に所定の間隔を維持すると共にその前縁がレー
ル枠の前面から所定の距離だけ前方に突出するように位
置決めし、これを左右の両側板によってレール枠に固定
し、更に前記電子回路パッケージの抜け止め手段を具え
たカバーによって、前面全体を被覆したことを特徴とす
るシェルフ構造によって達成される。

【０００５】

【作用】外部ケーブルはシェルフの背面側から熱遮蔽板
に取付けられたケーブル保持金具を通って遮蔽板とレー
ル枠の底壁との間の隙間に導入され、整線金具を経て方
向転換してレール枠内の電子回路パッケージの前縁にコ
ネクタ接続される。これらの外線ケーブルはレール枠の
前方に突出した熱遮蔽板の前部領域上に整然と配列され
る。従って、熱遮蔽板及びレール枠の前面を被覆するカ
バーは外線ケーブルと干渉し合うことなく、且つ該カバ
ーに設けられている抜け止め手段によってレール枠内の
電子回路パッケージを所定位置に保持することが可能に
なる。このようにして、全体としてコンパクトなシェル
フ構造が提供される。

【０００６】以下、図面に示す好適実施例に基づいて、
本発明を更に詳細に説明する。

【０００７】

【実施例】図１は本発明のシェルフ構造の一実施例の斜
視図であり、向かって右側の側板４とカバー１２が取り
外されて内部が見える状態を示している。このシェルフ
構造は、レールを具えた天壁と底板を有し前後面が開放
された箱型のレール枠１を含み、その内部には電子回路
パッケージ２が前記レールに沿って並列して収容されて
いる。

【０００８】このレール枠１の底壁の下方には、これに
平行して熱遮蔽板３が設置され、下から吹き上がる高温
の気流が底壁の換気孔を通じてレール枠内部に侵入する
ことを防いでいる。この熱遮蔽板３は、レール枠１の左
右の側板４によって、前記底壁との間に後述する外部ケ
ーブルが通過するのに支障のない程度の所定の間隙が形
成されるように位置決めして保持されている。そして、
該熱遮蔽板３の前縁は、レール枠１の前面よりも所定の
距離だけ前方に突出して位置決めされ、その張り出した
前部領域には前記電子回路パッケージ２に対応する位置
に整線金具５が設置されている。一方、レール枠１の後
端に対応する熱遮蔽板３の後縁には外部ケーブル保持金
具６が設けられている。

【０００９】電子回路パッケージ２がレール枠１内に収
容された後に、前記外部ケーブル保持金具６を介して外
部ケーブル７を熱遮蔽板３とレール枠の底壁との間の間
隙に導入して前方に引き出し、そこに設置されている整
線金具５によって上方に偏向させ、対応する位置にある
電子回路パッケージ２のコネクタ８に対して接続する。
この実施例においては、特に発熱量の多いパッケージを
収容しているユニット９はシェルフ構造の左方領域にま
とめて搭載し、熱遮蔽板３のそれに対応する部位に、空
気流入口１０と傾斜した熱誘導板１１とを設けている。
外部ケーブル７はこうした部位を避けて導入され、比較
的広い遮蔽板の前方突出領域で操作されるので、取扱い
が容易となり、整然と配列することができる。

【００１０】このようにして外部ケーブル７が導入され
た後、カバー１２が前方から装着されて前面開口部全体
を被覆する。このカバー１２の上縁は所定の巾で後方に
折り曲げられ、その先端部が垂下壁１２ａを形成してい
る。このカバー１２が、左右の側板４の前縁に形成され
ている耳部４ａのねじ孔４ｂに、ねじ１３によって固定
されると、前記垂下壁１２ａはレール枠１内に収容され
ている電子回路パッケージ２の前縁に当接してこれの抜
け止めの機能を果たす。

【００１１】このようにして完成された電子機器のシェ
ルフＡは、図２に示すようにラック１３に積層され、キ
ャビネット１４内に収容されて、システムを構成する。
図２においてはシェルフＡは５段に積層されている。な
お、図は前扉１５が開かれ、且つ上部の３段はカバー１
２を外した状態で示されている。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、レール枠，熱遮蔽板並
びに外部ケーブル導入部をそれぞれ互いに関連させてコ
ンパクトに構成したので、シェルフ全体を小型化するこ
とが可能になり、また、熱遮蔽板上にケーブル保持金具
と整線金具とをうまく配置したことにより、外部ケーブ
ルの導入作業を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシェルフ構造の構成を示す一部分解斜
視図である。

【図２】本発明のシェルフをキャビネット内に収容した
状態を示す斜視図である。

【図３】従来のシェルフ構造の一例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１…レール枠 ２…電子回路パッケージ ３…熱遮蔽板 ４…側板 ５…整線金具 ６…我部ケーブル保持金具 ７…外部ケーブル ８…コネクタ ９…発熱ユニット １０…空気流入口 １１…熱誘導板 １２…カバー

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後の開放された中空の箱型をなすレー
   ル枠（１）に、その天壁と底壁に設けられたレール群に
   沿って複数の電子回路パッケージ（２）を並列して収容
   し、これを背面側に設置されたバックボードにコネクタ
   接続して電子機器を構成するシェルフにおいて、前記レ
   ール枠（１）の底壁の下方に外部ケーブル導入用の保持
   金具（６）及び整線金具（５）を取付けた熱遮蔽板
   （３）を、該底壁との間に所定の間隔を維持すると共に
   その前縁がレール枠（１）の前面から所定の距離だけ前
   方に突出するように位置決めし、これを左右の両側板
   （４）によってレール枠（１）に固定し、更に前記電子
   回路パッケージ（２）の抜け止め手段（１２ａ）を具え
   たカバー（１２）によって、前面全体を被覆したことを
   特徴とするシェルフ構造。