JP3760377B2 - 収納キャビネット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は収納キャビネットに係り、更に詳しくは、内部にコンピュータ、通信機器等の各種電子機器を収納対象物として収納することに適した収納キャビネットに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータや通信技術の飛躍的発展に伴い、近時のオフィス等においては、各種コンピュータや通信機器等の電子機器がオフィス内に配置されている。これら電子機器の一般的な配置形態としては、机の上に積み重ねたり、専用のラックに収納する他、いわゆるパソコンラックを用いて多段型に配置すること等が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような配置形態では、オフィス空間内がすっきりとした美観を得ることができない。すなわち、コンピュータや通信機器等は、それぞれのデザインや大きさが多種多用であるとともに、電源ケーブル、通信ケーブル等の配線の引き回しも不可避であるため、机の上やラックに電子機器を配置した場合には、それらがむき出しの状態となるのが通常であり、全体として煩雑な感じを与えるという不都合をもたらす。しかも、このような配置態様にあっては、防塵対策も全く講じられておらず、少なからずコンピュータ等への悪影響をもたらすという不都合がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、このような従来の不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、収納対象物の大きさに対応して収納空間を任意に拡大することのできる収納キャビネットを提供することにある。
【0005】
また、本発明の他の目的は、コンピュータや通信機器等を常時は閉塞された空間内に収納するとともに、当該空間内の雰囲気温度もオフィス内の温度と比べて極端に昇温させることのない収納キャビネットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、内部に所定の収納空間を備えたキャビネット本体と、このキャビネット本体内に配置される棚板とを備えた収納キャビネットにおいて、前記キャビネット本体は一対のキャビネット本体からなり、各キャビネット本体は、底壁の両側に連設された一対の側壁と、これら側壁の上部間に掛け渡された天板と、前記キャビネット本体の手前側を開閉可能とする扉と、空気吸入路及び当該空気吸入路よりも上部位置に設けられた空気排出路とを備えてそれぞれ後部が開放形状に設けられ、各キャビネット本体を背中合せに突き合せた状態で拡大された収納空間を形成し
前記空気排出路に臨む位置には排気ファンが配置されている一方、前記天板と扉の上端との間で前後にスライド可能な引き出しが配置され、この引き出しの奥行幅は、当該引き出しの奥行側端部が前記排気ファンに当接しない位置となるように設定される、という構成を採っている。このような構成によれば、単一のキャビネット本体の収納空間を上回る各種の電子機器収納にも対応することが可能となる。また、各キャビネットを分離して使用することもでき、それらの後部を壁面等に沿わせることによって実質的に閉塞タイプとしての利用が可能となる。また、電子機器から生ずる排熱は熱の対流現象によって空気排出路から排出することができ、閉塞構造としても内部温度が極端に上昇することはない。しかも、空気排出路に臨む位置に排気ファンが配置されるため、キャビネット本体内への空気吸入を促進する一方で、キャビネット本体内の排熱を積極的に放出することができ、当該キャビネット本体内の雰囲気温度をオフィス温度と同程度に維持することができる。また、キャビネット本体は常時は閉塞タイプとして用いられるため、防塵対策も併せて講ずることができ、収納対象物としての電子機器への前記悪影響を排除することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明におけるキャビネット本体の底壁に配線引き回し穴が形成される、という構成も併せて採用するとよい。このような構成とすれば、近時普及しつつあるように、床面下に敷設されるフリーアクセスフロアとの併用が実現でき、床面上に配線が一切表れることを回避して外観上の体裁を向上させることができる。
【0009】
以下、参考実施例を説明した後に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1ないし図3には、参考実施例に係る収納キャビネットが示されている。これらの図において、収納キャビネットAはキャビネット本体10を含んで構成されている。このキャビネット本体10は、底壁11と、この底壁11の左右両側(図1では紙面直交方向に沿う両側)に連設された一対の側壁12,12と、これら側壁12の上部間に掛け渡された天板14と、各側壁12に一端がヒンジ連結されて他端が自由端とされた一対の扉15,15と、これら扉15を閉塞した位置で当該扉15と略平行位置となるように、前記底壁11、側壁12及び天板14の各後端側に配置された背板16とにより構成されている。
【0011】
前記底壁11には、図3に示されるように、長手方向に沿って延びる略方形の配線引き回し穴20が形成されている。ここで、底壁11の下面外周側には、内部が空間となる方形の基台枠21が固定されており、前記配線引き回し穴20は、この基台枠21内に開放するように設けられ、これによって、床面下に敷設されるフリーアクセスフロアを利用した配線の引き回しが可能となり、配線を外部に一切見えないようした引き回しが可能となる。
【0012】
前記側壁12の各内面側には、上下方向に沿って略等間隔に設けられたスリット22が形成され、これらのスリット22には、棚板24の両端に設けられた図示しないフックが係脱自在に設けられ、これにより、棚板24が高さ位置調整可能に配置されている。ここで、棚板24は、図1に示されるように、その奥行幅が側壁12の奥行幅よりも小さく設けられており、収納対象物である電子機器Wの配線を垂れ下げることのできる空間が前後にそれぞれ確保されている。
【0013】
前記扉15,15には、それらの下部領域に横方向に延びる空気吸入路26が形成されている。これらの空気吸入路26は、空気流入効率を低下させることなく一定程度のフィルター効果を図ることができるメッシュが採用される他、扉15に予め穴を穿設しておき、この穴にメッシュ部材を嵌め込むことによって構成されている。
【0014】
この一方、前記天板14の奥行側後部には穴30が形成され、この穴30の内側領域が空気排出路32として形成されている。この空気排出路32は、長手方向に延びる細長いフレーム枠34にメッシュ35を張設して形成されており、このフレーム枠34の長手方向両端には把手37,37が形成され、これらの把手37を掴んで前記穴30内に着脱自在となっている。
【0015】
前記キャビネット本体10内には、図1中二点鎖線で示されるように、前記空気排出路32に臨む直下位置に排気ファン40が配置されている。この排気ファン40は適宜な支持ブラケット41を介して固定されている。また、ここでは図示省略しているが、排気ファン40の送風口は空気排出路32に向けられており、図1に示される矢印に沿って空気の流れを生じさせるように設けられている。なお、排気ファン40は空気排出路32に沿って延びる細長い旋回羽根を周方向に配設したタイプのものが用いられているが、排気効率が一定程度に達成される限り、種々のタイプの排気ファンを採用することができる。この場合、空気排出路32の大きさ、すなわち平面サイズは用いられる排気ファン40との相対関係によって決定すればよい。
【0016】
また、前記扉15の上端は天板14の下面よりも若干下方位置を終端として形成されており、この天板14と扉15の上端との間には、当該扉15の開閉を妨げない位置で前後にスライド可能な引き出し43が配置されている。そして、この引き出し43の上面側に図示しないキーボードが載置可能となっている。なお、図示省略しているが、引き出し43の奥行幅は、当該引き出し43の奥行側端部が前記排気ファン40若しくは支持ブラケット41に当接しない位置となるように設定され、これにより、引き出し43の奥行側から図示しないケーブルを垂れ下げて、棚板24上の電子機器Wとの接続が可能となっている。
【0017】
以上の構成において、収納キャビネットAは、例えば、オフィス内の適当なフロア面上において、壁面等から離れた任意の位置に設置して利用される。また、キャビネット本体10内の棚板24上に各種の電子機器Wが配置される。そして、これらの電子機器Wから延出するケーブルCは、図1及び図3に示されるように、前記背板16と棚板24との間の隙間を通して下方に垂下され、前記配線引き回し穴20から床下に導出することができる。
【0018】
従って、このような参考実施例によれば、収納キャビネットA内に収納された電子機器Wを略閉塞された空間内に収めることができ、オフィス空間内における外観上の体裁を良好に維持若しくは改善することができる。
【0019】
【実施例】
次に、本発明に係る収納キャビネットの実施例について、図4ないし図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、前記参考実施例と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にする。
【0020】
本実施例における収納キャビネットBは、一対のキャビネット本体50を突き合せて用いるように構成した点に特徴を有する。すなわち、前記参考実施例におけるキャビネット本体10は背板16を備えて構成されているのに対し、本実施例では、背板16を用いることなく後部開放形状として構成されている。従って、図5及び図6に示されるように、各キャビネット本体50の後部を相互に突き合せて配置することで、各キャビネット本体50の内部空間が二倍となるように連通することとなる。そして、このような構成により、図4中、二点鎖線で示されるように、各キャビネット本体50内に配置された棚板24を跨がるように電子機器Wを載置することができる。その他の構成は、前記参考実施例と実質的に同一である。
【0021】
このような実施例によれば、前記参考実施例で得られる効果はもとより達成できる他、単一のキャビネット本体50内に収納不可能な奥行幅を備えた電子機器Wの収納も可能になるという格別の効果を付加することができる。しかも、参考実施例におけるキャビネット本体50は、後部を壁面に押し付けるようにセパレートタイプとして配置することもでき、この場合には、略閉塞タイプとしての利用が可能となり、使い方の任意性を備えた汎用性をも付与することができる。
【0022】
なお、前記実施例において、空気吸入路26は扉15に設けた場合を図示、説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、側板12或いは背板16に設けることもできる。また、空気排出路32は、天板14以外の領域に設けることも勿論可能である。要するに、本発明は、空気排出路32が少なくとも空気吸入路26よりも上方位置であって、排熱の放出が効率的に行われる限りにおいて任意の位置に形成することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、後部開放形状となる一対のキャビネット本体を用いるとともに、各キャビネット本体を背中合せに突き合せた状態で使用可能としたから、二倍の収納空間を備えた収納キャビネットの構築ができ、単一のキャビネット本体では収納することの困難な収納対象物も収納可能となり、一層汎用的な利用を図ることができる。しかも、各キャビネットの扉を開放した状態では、前後に突き抜ける空間となり、収納対象物の設置、保守、点検等も極めて容易に行うことができる。
【0024】
また、キャビネット本体に空気吸入路を設ける一方、これより上部位置に空気排出路を設けたから、電子機器の排熱を空気排出路から排出することができ、閉塞状態としてキャビネットを使用しても内部温度が極端に上昇するを防止することができ、且つ、防塵対策を講じて電子機器等の収納対象物への悪影響を排除できるという効果を得る。
【0025】
更に、前記空気排出路に臨む位置に排気ファンを配置した構成により、キャビネット本体内への空気吸入を促進する一方で、キャビネット本体内の排熱を積極的に放出することができ、当該キャビネット本体内の雰囲気温度をオフィス温度と同程度に維持することができる。
【0026】
また、前記キャビネット本体の底壁に配線引き回し穴を形成した場合には、床面内を通して配線の引き回しを行うことが可能となり、外観上の体裁を良好に保つことができる。しかも、このような構成では、床面に配線が露出しないようにすることができる結果、当該配線に足を引っ掛けて断線する等の虞も回避可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】収納キャビネットの参考実施例を示す概略側面図。
【図2】前記収納キャビネットの閉塞状態における外観斜視図。
【図3】前記収納キャビネットの開放状態における外観斜視図。
【図4】収納キャビネットの実施例を示す概略側面図。
【図5】図4の収納キャビネットの閉塞状態における外観斜視図。
【図6】図4の収納キャビネットの開放状態における外観斜視図。
【符号の説明】
A 収納キャビネット
B 収納キャビネット
10 キャビネット本体
11 底壁
14 天板
15 扉
16 背板
20 配線引き回し穴
24 棚板
26 空気吸入路
32 空気排出路
40 排気ファン
50 キャビネット本体

Claims (2)

  1. 内部に所定の収納空間を備えたキャビネット本体と、このキャビネット本体内に配置される棚板とを備えた収納キャビネットにおいて、前記キャビネット本体は一対のキャビネット本体からなり、各キャビネット本体は、底壁の両側に連設された一対の側壁と、これら側壁の上部間に掛け渡された天板と、前記キャビネット本体の手前側を開閉可能とする扉と、空気吸入路及び当該空気吸入路よりも上部位置に設けられた空気排出路とを備えてそれぞれ後部が開放形状に設けられ、各キャビネット本体を背中合せに突き合せた状態で拡大された収納空間を形成し
    前記空気排出路に臨む位置には排気ファンが配置されている一方、前記天板と扉の上端との間で前後にスライド可能な引き出しが配置され、この引き出しの奥行幅は、当該引き出しの奥行側端部が前記排気ファンに当接しない位置となるように設定されていることを特徴とする収納キャビネット。
  2. 前記キャビネット本体の底壁には配線引き回し穴が形成されていることを特徴とする請求項記載の収納キャビネット。
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