JP2593194B2 - 塗装後加工部耐食性に優れた缶用表面処理鋼板の製造方法 - Google Patents
塗装後加工部耐食性に優れた缶用表面処理鋼板の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、電気抵抗溶接により缶銅を接合する食缶に
適し、特に塗装後加工部の耐食性に優れた缶用表面処理
鋼板の製造方法に関する。
適し、特に塗装後加工部の耐食性に優れた缶用表面処理
鋼板の製造方法に関する。
<従来の技術> 食缶用の素材としては、従来一般にブリキと称される
錫めっき鋼板が広く用いられて来た。
錫めっき鋼板が広く用いられて来た。
この缶胴の接合方法としては、以前は半田による接合
方式が採用されていたが、半田に含まれる鉛の毒性の問
題から近年純錫半田が使用されるようになった。しか
し、純錫半田は接合時の漏れ性が劣ることから、半田接
合の技術上の問題があり、さらに高価な純錫半田を使用
することによる製造コストの上昇の問題があった。
方式が採用されていたが、半田に含まれる鉛の毒性の問
題から近年純錫半田が使用されるようになった。しか
し、純錫半田は接合時の漏れ性が劣ることから、半田接
合の技術上の問題があり、さらに高価な純錫半田を使用
することによる製造コストの上昇の問題があった。
一方、近年食品容器は例えばポリエチレン、アルミニ
ウム、ガラス、紙などの低価格競合材料の進出に直面し
ており、上記の如き高価な錫を付着量2.8〜11.2g/m2の
如く厚くめっきしたブリキ缶は製造コストが高いので、
耐食性が格段に優れた特性を有しているとはいえ、苦し
い競合的立場を強いられてきた。
ウム、ガラス、紙などの低価格競合材料の進出に直面し
ており、上記の如き高価な錫を付着量2.8〜11.2g/m2の
如く厚くめっきしたブリキ缶は製造コストが高いので、
耐食性が格段に優れた特性を有しているとはいえ、苦し
い競合的立場を強いられてきた。
ブリキ缶の上記欠点を解消する目的で、最近、半田接
合法に代って発展した電気抵抗溶接に適した薄目付の錫
めっき鋼板の開発が行われた。
合法に代って発展した電気抵抗溶接に適した薄目付の錫
めっき鋼板の開発が行われた。
その一つは、アメリカ、ジョーンズ・ローリン・スチ
ール社によって発表された『ティンアロイ』に代表され
るものである。これは約0.6g/m2の薄目付の錫めっきを
溶錫処理した後、在来のクロメート処理したものである
が、耐錆性、塗料密度着性ともに不十分である。
ール社によって発表された『ティンアロイ』に代表され
るものである。これは約0.6g/m2の薄目付の錫めっきを
溶錫処理した後、在来のクロメート処理したものである
が、耐錆性、塗料密度着性ともに不十分である。
電気抵抗溶接に適する缶用素材の具備すべき要件とし
ては、溶接性と塗装後の耐食性がすぐれたものであるこ
とが要求される。この要件を具体的に説明すると、溶接
の際に十分の溶接強度があり、しかも溶接部にいわゆる
『散り』などの溶接欠陥を生じない適正溶接電流範囲を
有し、缶内容物に対して塗装して用いた場合、塗膜の有
する耐食性を十分活かすことができる塗膜の密着性を有
し、さらに不可避的に生ずる塗膜欠陥部においては、素
材自体のすぐれた耐食性によって腐食を防止できるもの
でなければならない。
ては、溶接性と塗装後の耐食性がすぐれたものであるこ
とが要求される。この要件を具体的に説明すると、溶接
の際に十分の溶接強度があり、しかも溶接部にいわゆる
『散り』などの溶接欠陥を生じない適正溶接電流範囲を
有し、缶内容物に対して塗装して用いた場合、塗膜の有
する耐食性を十分活かすことができる塗膜の密着性を有
し、さらに不可避的に生ずる塗膜欠陥部においては、素
材自体のすぐれた耐食性によって腐食を防止できるもの
でなければならない。
このような溶接性と塗装耐食性を同時に満足する薄目
付錫めっき鋼板の製造方法として、本発明者らは先に特
開昭60−17099、同60−114596および同60−258499に述
べた。その要旨は次の如くである。
付錫めっき鋼板の製造方法として、本発明者らは先に特
開昭60−17099、同60−114596および同60−258499に述
べた。その要旨は次の如くである。
すなわち、鋼板上に重量比にてNi/(Fe+Ni)=0.02
〜0.50の範囲の組成を有する厚さ10〜5000Åの鉄−ニッ
ケル合金から成る第1層を形成する工程と、前記第1層
上に0.1〜1g/m2の範囲の錫めっきを施した後、必要によ
り溶錫処理をして第2層を形成する工程と、前記第2層
上に電解クロメート処理により金属クロムとクロム水和
酸化物から成る第3層を形成する工程とを有する電気抵
抗溶接用表面処理鋼板の製造方法において、電解クロメ
ート処理の浴組成をクロム酸に換算してCrO310〜100g/
、かつH2SO4濃度をCrO3との重量比に換算してH2SO4/C
rO3=0.003〜0.01の範囲に限定することを特徴とする電
気抵抗溶接用表面処理鋼板の製造方法である。
〜0.50の範囲の組成を有する厚さ10〜5000Åの鉄−ニッ
ケル合金から成る第1層を形成する工程と、前記第1層
上に0.1〜1g/m2の範囲の錫めっきを施した後、必要によ
り溶錫処理をして第2層を形成する工程と、前記第2層
上に電解クロメート処理により金属クロムとクロム水和
酸化物から成る第3層を形成する工程とを有する電気抵
抗溶接用表面処理鋼板の製造方法において、電解クロメ
ート処理の浴組成をクロム酸に換算してCrO310〜100g/
、かつH2SO4濃度をCrO3との重量比に換算してH2SO4/C
rO3=0.003〜0.01の範囲に限定することを特徴とする電
気抵抗溶接用表面処理鋼板の製造方法である。
上記方法で得られた薄目付錫めっき鋼板は溶接性、塗
装後耐食性ともに優れたものであり、飲料缶および食缶
として絶大な成功を収めることができた。
装後耐食性ともに優れたものであり、飲料缶および食缶
として絶大な成功を収めることができた。
しかし、例えば魚肉のチリトマト煮のような腐食性の
厳しい内容物にさらされた時、ネックイン等の加工部の
耐食性に劣る事が判った。
厳しい内容物にさらされた時、ネックイン等の加工部の
耐食性に劣る事が判った。
このような塗装後の加工部耐食性はクロメート層を厚
くする事により改善される。十分な耐食性を得る為に
は、金属クロム量とクロム水和酸化物のクロム量換算値
の和が25mg/m2を越える必要があるが、一方、このクロ
ム量になると溶接性が悪くなることが判った。
くする事により改善される。十分な耐食性を得る為に
は、金属クロム量とクロム水和酸化物のクロム量換算値
の和が25mg/m2を越える必要があるが、一方、このクロ
ム量になると溶接性が悪くなることが判った。
<発明が解決しようとする課題> また、同様の薄錫めっき鋼板上のクロメート処理とし
て、例えば特開昭59−6393に開示された製造方法があ
る。その要旨は、片面当り0.55〜1.65g/m2の錫めっきを
施した後、炭酸水素ナトリウム水溶液中で陰極電解し、
ついで5〜30g/、0.5〜2.0g/NH4Fの2元系CrO3水溶
液で陰極電解して、5〜30g/m2の金属クロムとクロム換
算量で5〜20mg/m2のクロム酸化物を形成させるもので
ある。この方法でクロメート処理を行うとCrO3−H2SO4
浴でクロメート処理を行ったものより塗装後耐食性は良
好だが表面のクロム分布のバラツキが発生しやすく加工
部の耐食性が十分でないことが判った。
て、例えば特開昭59−6393に開示された製造方法があ
る。その要旨は、片面当り0.55〜1.65g/m2の錫めっきを
施した後、炭酸水素ナトリウム水溶液中で陰極電解し、
ついで5〜30g/、0.5〜2.0g/NH4Fの2元系CrO3水溶
液で陰極電解して、5〜30g/m2の金属クロムとクロム換
算量で5〜20mg/m2のクロム酸化物を形成させるもので
ある。この方法でクロメート処理を行うとCrO3−H2SO4
浴でクロメート処理を行ったものより塗装後耐食性は良
好だが表面のクロム分布のバラツキが発生しやすく加工
部の耐食性が十分でないことが判った。
また、同様の薄錫めっき鋼板に用いられるクロメート
処理として、例えば特開昭60−33362等の製造方法があ
り、次の如くである。
処理として、例えば特開昭60−33362等の製造方法があ
り、次の如くである。
CrO3濃度20〜100g/、陰イオン(SO4 2-イオン、F-イ
オン)がCr6+の1/500〜1/50の範囲でクロメート処理を
行い、金属Crを2mg/m2以下におさえるというものであ
る。この方法では金属Crを2mg/m2以下におさえており、
塗装密着性が悪いという問題点があった。
オン)がCr6+の1/500〜1/50の範囲でクロメート処理を
行い、金属Crを2mg/m2以下におさえるというものであ
る。この方法では金属Crを2mg/m2以下におさえており、
塗装密着性が悪いという問題点があった。
本発明は、上記従来方法の欠点を解消して、腐食性の
厳しい内容物中での塗装後、加工部の耐食性を向上させ
た缶用表面処理鋼板の製造方法を提供することを目的と
している。
厳しい内容物中での塗装後、加工部の耐食性を向上させ
た缶用表面処理鋼板の製造方法を提供することを目的と
している。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するために、本発明によれば、銅板上
に重量比にてNi/(Fe+Ni)=0.02〜0.50の範囲の組成
を有する厚さ10〜5000Åの鉄−ニッケル合金から成る第
1層を形成する工程と、前記第1層上に0.1〜1g/m2の範
囲の錫めっきを施した後、溶錫処理をして第2層を形成
する工程と、前記第2層上に電解クロメート処理により
金属クロムとクロム水和酸化物から成る第3層を形成す
る工程とを有して成る缶用表面処理鋼板の製造方法にお
いて、電解クロメート処理の前処理として弱アルカリ水
溶液中で陰極電解処理を施した後、電解クロメート処理
の浴組成をCrO3に換算したクロム酸(以下単にCrO3とい
う)をCrO35〜20g/、かつH2SO4濃度および錯体型のフ
ッ素化合物濃度をCrO3との重量比に換算して各H2SO4/Cr
O3>0.0007およびF/CrO3>0.003で、かつ0.015<(H2SO
4+F)/CrO3<0.1の範囲にして電解クロメート処理を
行い、続いてクロム酸水溶液で浸漬処理し、前記第3層
中の金属クロムx(mg/m2)とクロム水和酸化物のクロ
ム換算量y(mg/m2)を、3≦x、5≦x+y≦25の範
囲に限定することを特徴とする塗装後加工部耐食性に優
れた缶用表面処理鋼板の製造方法が提供される。
に重量比にてNi/(Fe+Ni)=0.02〜0.50の範囲の組成
を有する厚さ10〜5000Åの鉄−ニッケル合金から成る第
1層を形成する工程と、前記第1層上に0.1〜1g/m2の範
囲の錫めっきを施した後、溶錫処理をして第2層を形成
する工程と、前記第2層上に電解クロメート処理により
金属クロムとクロム水和酸化物から成る第3層を形成す
る工程とを有して成る缶用表面処理鋼板の製造方法にお
いて、電解クロメート処理の前処理として弱アルカリ水
溶液中で陰極電解処理を施した後、電解クロメート処理
の浴組成をCrO3に換算したクロム酸(以下単にCrO3とい
う)をCrO35〜20g/、かつH2SO4濃度および錯体型のフ
ッ素化合物濃度をCrO3との重量比に換算して各H2SO4/Cr
O3>0.0007およびF/CrO3>0.003で、かつ0.015<(H2SO
4+F)/CrO3<0.1の範囲にして電解クロメート処理を
行い、続いてクロム酸水溶液で浸漬処理し、前記第3層
中の金属クロムx(mg/m2)とクロム水和酸化物のクロ
ム換算量y(mg/m2)を、3≦x、5≦x+y≦25の範
囲に限定することを特徴とする塗装後加工部耐食性に優
れた缶用表面処理鋼板の製造方法が提供される。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明においては、電解クロメート処理の前処理とし
て弱アルカリ水溶液で陰極電解処理を行う。これはクロ
メート皮膜を均一に形成させるためである。その陰極電
解は例えば10g/の炭酸ソーダ水溶液中で50℃、1c/dm2
の条件で好ましく行うことができるが、この条件のみに
限定されるものではない。
て弱アルカリ水溶液で陰極電解処理を行う。これはクロ
メート皮膜を均一に形成させるためである。その陰極電
解は例えば10g/の炭酸ソーダ水溶液中で50℃、1c/dm2
の条件で好ましく行うことができるが、この条件のみに
限定されるものではない。
つぎに、クロメート処理浴の組成を前記範囲に限定し
た理由について述べる。
た理由について述べる。
CrO3濃度が20g/を超えると、耐食性が低下する。ま
た、CrO3濃度が5g/より低いと浴の電気抵抗が大きく
エネルギー効率の点から実用的でない。したがって、ク
ロメート処理浴のCrO3濃度としては5〜20g/の範囲が
望ましい。より好ましくは、CrO3濃度は10〜15g/の範
囲がよい。
た、CrO3濃度が5g/より低いと浴の電気抵抗が大きく
エネルギー効率の点から実用的でない。したがって、ク
ロメート処理浴のCrO3濃度としては5〜20g/の範囲が
望ましい。より好ましくは、CrO3濃度は10〜15g/の範
囲がよい。
H2SO4濃度および錯体型のフッ素化合物濃度はCrO3と
の重量に換算して各H2SO4/CrO3>0.0007およびF/CrO3>
0.003、かつ0.1>(H2SO4+F)/CrO3>0.015の範囲に
限定する。
の重量に換算して各H2SO4/CrO3>0.0007およびF/CrO3>
0.003、かつ0.1>(H2SO4+F)/CrO3>0.015の範囲に
限定する。
H2SO4濃度は、CrO3濃度との重量比H2SO4/CrO3に換算
して、H2SO4/CrO3比が0.0007以下では、均一なクロメー
ト皮膜を得ることが困難である。したがって、H2SO4/Cr
O3比としては0.0007超が望ましい。さらに好ましくは、
H2SO4/CrO3比は0.0025超、0.0067未満が望ましい。
して、H2SO4/CrO3比が0.0007以下では、均一なクロメー
ト皮膜を得ることが困難である。したがって、H2SO4/Cr
O3比としては0.0007超が望ましい。さらに好ましくは、
H2SO4/CrO3比は0.0025超、0.0067未満が望ましい。
錯体型のフッ素化合物濃度は、CrO3濃度との重量比F/
CrO3に換算してF/CrO3比が0.003以下では、高耐食性を
もったクロメート皮膜を得ることが困難である。したが
って、F/CrO3比としては、0.003超が望ましい。
CrO3に換算してF/CrO3比が0.003以下では、高耐食性を
もったクロメート皮膜を得ることが困難である。したが
って、F/CrO3比としては、0.003超が望ましい。
さらに、好ましくは、F/CrO3比は0.025超、0.07未満
が望ましい。また、フッ素化合物を錯体型に限定した理
由は、例えば、NH4Fのような単体型は錫層をエッチング
し、外観を損ねるからである。錯体型のフッ素化合物を
供給する化合物としては、ケイフッ化ナトリウム、ホウ
フッ化ナトリウム等が挙げられ、それらの1種または2
種以上を用いることができる。
が望ましい。また、フッ素化合物を錯体型に限定した理
由は、例えば、NH4Fのような単体型は錫層をエッチング
し、外観を損ねるからである。錯体型のフッ素化合物を
供給する化合物としては、ケイフッ化ナトリウム、ホウ
フッ化ナトリウム等が挙げられ、それらの1種または2
種以上を用いることができる。
H2SO4濃度および錯体型のフッ素化合物濃度の和は、C
rO3濃度との重量比(H2SO4+F)/CrO3に換算して(H2S
O4+F)/CrO3比が0.015以下では所定の金属クロム量が
得られず、また、(H2SO4+F)/CrO3比が0.1以上では
錫層が溶解し外観を損うとともにめっき浴を劣化させ
る。したがって、(H2SO4+F)/CrO3比としては0.015
超、0.1未満が望ましい。さらに好ましくは(H2SO4+
F)/CrO3比は0.027超、0.0767未満が望ましい。
rO3濃度との重量比(H2SO4+F)/CrO3に換算して(H2S
O4+F)/CrO3比が0.015以下では所定の金属クロム量が
得られず、また、(H2SO4+F)/CrO3比が0.1以上では
錫層が溶解し外観を損うとともにめっき浴を劣化させ
る。したがって、(H2SO4+F)/CrO3比としては0.015
超、0.1未満が望ましい。さらに好ましくは(H2SO4+
F)/CrO3比は0.027超、0.0767未満が望ましい。
また、前記範囲の浴濃度でクロメート処理を施した鋼
板をクロム酸水溶液に浸漬処理し、クロム水和酸化物を
溶解するのは、クロメート皮膜の最表面に存在するアニ
オンを除去することとクロム量を調節することの2つの
理由による。
板をクロム酸水溶液に浸漬処理し、クロム水和酸化物を
溶解するのは、クロメート皮膜の最表面に存在するアニ
オンを除去することとクロム量を調節することの2つの
理由による。
この際、クロム酸水溶液としてはCrO3を100g/の濃
度で含有するものを用い、80℃前後の温度で処理するこ
とが望ましい。
度で含有するものを用い、80℃前後の温度で処理するこ
とが望ましい。
金属クロムx(mg/m2)とクロム水和酸化物のクロム
換酸量y(mg/m2)を3≦x、5≦x+y≦25と限定し
たのは以下の理由による。
換酸量y(mg/m2)を3≦x、5≦x+y≦25と限定し
たのは以下の理由による。
金属クロムは塗料密着性を向上させるもので、3mg/m2
未満では十分な密着性が得られない。したがって、金属
クロムx(mg/m2)としては3mg/m2以上が望ましい。ま
た、クロム水和酸化物は多いほど耐食性が高くなるが、
金属クロムx(mg/m2)とクロム水和酸化物のクロム換
算量y(mg/m2)との和(x+y)が5mg未満では、加工
部の塗装後耐食性が不十分であり、また金属クロムx
(mg/m2)とクロム水和酸化物のクロム換算量y(mg/
m2)との和(x+y)が25mg/m2を超すと著しく溶接性
が悪くなる。したがって金属クロムx(mg/m2)とクロ
ム水和酸化物のクロム換算量y(mg/m2)との和(x+
y)は5〜25mg/m2の範囲が望ましい。さらに好ましく
は、金属クロムx(mg/m2)とクロム水和酸化物のクロ
ム換算量y(mg/m2)は4≦≦x、10x+y≦20が望まし
い。
未満では十分な密着性が得られない。したがって、金属
クロムx(mg/m2)としては3mg/m2以上が望ましい。ま
た、クロム水和酸化物は多いほど耐食性が高くなるが、
金属クロムx(mg/m2)とクロム水和酸化物のクロム換
算量y(mg/m2)との和(x+y)が5mg未満では、加工
部の塗装後耐食性が不十分であり、また金属クロムx
(mg/m2)とクロム水和酸化物のクロム換算量y(mg/
m2)との和(x+y)が25mg/m2を超すと著しく溶接性
が悪くなる。したがって金属クロムx(mg/m2)とクロ
ム水和酸化物のクロム換算量y(mg/m2)との和(x+
y)は5〜25mg/m2の範囲が望ましい。さらに好ましく
は、金属クロムx(mg/m2)とクロム水和酸化物のクロ
ム換算量y(mg/m2)は4≦≦x、10x+y≦20が望まし
い。
<実施例> 以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例1) 通常のめっき用鋼板を0.2mm厚さまで冷間圧延し、電
解クリーニングを施した後、No.1〜10は本発明による製
造方法、No.11〜15供試材は少なくとも一条件が本発明
の要件を満足しない製造方法によって溶接用表面処理鋼
板を製造し、各供試材について塗装後の耐食性を比較す
る試験を行った。製造条件はつぎのとおりである。
解クリーニングを施した後、No.1〜10は本発明による製
造方法、No.11〜15供試材は少なくとも一条件が本発明
の要件を満足しない製造方法によって溶接用表面処理鋼
板を製造し、各供試材について塗装後の耐食性を比較す
る試験を行った。製造条件はつぎのとおりである。
〔I〕鉄−ニッケル合金から成る第1層形成工程例え
ば、0、2mm厚まで冷間圧延した鋼板を苛性ソーダ溶液
中で電解クリーニングした後、ニッケルめっきを行い、
10%H2+90%N2のいわゆるHNXガス雰囲気中で焼鈍した
鋼板を、さらに電解クリーニング、硫酸溶液中で酸洗し
た後、ニッケルめっきを施した。めっき浴の組成の一例
はつぎの如くである。
ば、0、2mm厚まで冷間圧延した鋼板を苛性ソーダ溶液
中で電解クリーニングした後、ニッケルめっきを行い、
10%H2+90%N2のいわゆるHNXガス雰囲気中で焼鈍した
鋼板を、さらに電解クリーニング、硫酸溶液中で酸洗し
た後、ニッケルめっきを施した。めっき浴の組成の一例
はつぎの如くである。
ニッケルめっき浴 硫酸ニッケル 250g/ 塩化ニッケル 45g/ ほう酸 30g/ かくの如くして鋼板表面に鉄−ニッケル合金から成る
第1層を形成したが、供試材No.1〜15は、いずれも第1
表に示す如くNi/(Fe+Ni)=0.02〜0.50の範囲の組成
にて、層の厚さも10〜5000Åの本発明の限定要件を満足
するものであった。
第1層を形成したが、供試材No.1〜15は、いずれも第1
表に示す如くNi/(Fe+Ni)=0.02〜0.50の範囲の組成
にて、層の厚さも10〜5000Åの本発明の限定要件を満足
するものであった。
〔II〕第2層形成工程 上記第1層上に錫めっきを施した後、溶錫処理をして
第2層を形成した。この場合の錫めっき浴はつぎの組成
のハロゲン浴を使用した。
第2層を形成した。この場合の錫めっき浴はつぎの組成
のハロゲン浴を使用した。
塩化第1錫 60g/ 酸性弗化ナトリウム 20g/ 弗化ナトリウム 50g/ 塩化ナトリウム 60g/ この工程において、供試材No.1〜15は、いずれも錫め
っき量は0.1〜1g/m2の本発明の限定要件を満足するもの
であった。
っき量は0.1〜1g/m2の本発明の限定要件を満足するもの
であった。
〔III〕電解クロメート処理による金属クロムとクロム
水和酸化物から成る第3層の形成工程50゜、1%Na2CO3
中で1c/dm2の陰極電解を施し、表面を活性化した後、Cr
O3−H2SO4−Na2SiF6の3元系の水溶液中で陰極電解を施
した。これらの電解クロメート処理浴の組成は、第1表
に示す如く、本発明の供試材No.1〜10はいずれもCrO3濃
度5〜20g/、H2SO4/CrO3比0.0007超(重量比)、F/Cr
O3比0.003超(重量比)、(H2SO4+F)/CrO3比0.015
超、0.1未満(重量比)の本発明の限定要件を満足して
いるが、比較材のうち供試材No.11はCrO3濃度が70g/
と過大であり、また供試材No.12〜15はH2SO4/CrO3比、F
/CrO3比および(H2SO4+F)/CrO3比のいずれかが本発
明の限定要件を満足しないものであった。
水和酸化物から成る第3層の形成工程50゜、1%Na2CO3
中で1c/dm2の陰極電解を施し、表面を活性化した後、Cr
O3−H2SO4−Na2SiF6の3元系の水溶液中で陰極電解を施
した。これらの電解クロメート処理浴の組成は、第1表
に示す如く、本発明の供試材No.1〜10はいずれもCrO3濃
度5〜20g/、H2SO4/CrO3比0.0007超(重量比)、F/Cr
O3比0.003超(重量比)、(H2SO4+F)/CrO3比0.015
超、0.1未満(重量比)の本発明の限定要件を満足して
いるが、比較材のうち供試材No.11はCrO3濃度が70g/
と過大であり、また供試材No.12〜15はH2SO4/CrO3比、F
/CrO3比および(H2SO4+F)/CrO3比のいずれかが本発
明の限定要件を満足しないものであった。
なお、供試材No.12は前処理としての陰極電解を施し
ていない。
ていない。
また、金属クロムx(mg/m2)とクロム水和酸化物y
(mg/m2)の量が3≦x、5≦x+y≦25となるよう
に、高濃度、例えば100g/のCrO3水溶液に80℃前後の
高温で浸漬して最表層および余分のクロム水和酸化物を
溶解除去した。
(mg/m2)の量が3≦x、5≦x+y≦25となるよう
に、高濃度、例えば100g/のCrO3水溶液に80℃前後の
高温で浸漬して最表層および余分のクロム水和酸化物を
溶解除去した。
かくして得られたすべての供試材から試験片を切り出
してつぎの如き特性調査を行った。なお、第1表の鉄−
ニッケル合金の第1層の組成と厚さはIMMAにより測定し
たものであり、塗装後の耐食性評価はつぎの基準によっ
て評価した。
してつぎの如き特性調査を行った。なお、第1表の鉄−
ニッケル合金の第1層の組成と厚さはIMMAにより測定し
たものであり、塗装後の耐食性評価はつぎの基準によっ
て評価した。
塗装後加工部耐食性 供試材試片にエポキシ・フェノール系塗料を塗布・焼
付け後、試片の中央部に張り出し高さ5mmのエリクセン
張り出し加工を施し、試片を縦にしてビーカーに入れ、
加工部の半分が浸漬し、残り半分がヘッドスペースとな
るようにトマトジュースをホットパックし、密閉した。
付け後、試片の中央部に張り出し高さ5mmのエリクセン
張り出し加工を施し、試片を縦にしてビーカーに入れ、
加工部の半分が浸漬し、残り半分がヘッドスペースとな
るようにトマトジュースをホットパックし、密閉した。
55℃で18日間保持した後、テープ剥離テストを行い、
ヘッドスペース部の腐食状況を10段階で評価した(10:
良1:悪)。
ヘッドスペース部の腐食状況を10段階で評価した(10:
良1:悪)。
第1表にて示される各供試材の最終処理鋼板試片の塗
装後加工部耐食性を見るに、本発明の限定要件を少なく
とも一つでも満足しない比較例に比べ優れていることを
示している。
装後加工部耐食性を見るに、本発明の限定要件を少なく
とも一つでも満足しない比較例に比べ優れていることを
示している。
<発明の効果> 本発明は、以上説明したように構成されているので、
比較的低いCrO3濃度で陰イオンの割合を多くしたCrO3−
H2SO4−Fの3元系溶液でクロメートを施すことによ
り、塗装後加工部耐食性に優れた缶用表面処理鋼板を得
ることができ、腐食性の強い内容物に弱かった加工部が
大幅に改善できる。
比較的低いCrO3濃度で陰イオンの割合を多くしたCrO3−
H2SO4−Fの3元系溶液でクロメートを施すことによ
り、塗装後加工部耐食性に優れた缶用表面処理鋼板を得
ることができ、腐食性の強い内容物に弱かった加工部が
大幅に改善できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 一雄 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (72)発明者 大和 康二 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭60−29477(JP,A) 特開 昭61−250177(JP,A) 特開 昭63−199896(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】鋼板上に重量比にてNi/(Fe+Ni)=0.02
〜0.50の範囲の組成を有する厚さ10〜5000Åの鉄−ニッ
ケル合金から成る第1層を形成する工程と、前記第1層
上に0.1〜1g/m2の範囲の錫めっきを施した後、溶錫処理
をして第2層を形成する工程と、前記第2層上に電解ク
ロメート処理により金属クロムとクロム水和酸化物から
成る第3層を形成する工程とを有して成る缶用表面処理
鋼板の製造方法において、電解クロメート処理の前処理
として弱アルカリ水溶液中で陰極電解処理を施した後、
電解クロメート処理の浴組成をCrO3に換算したクロム酸
をCrO35〜20g/、かつH2SO4濃度および錯体型のフッ素
化合物濃度をCrO3に加算したクロム酸との重量比に換算
して各H2SO4/CrO3>0.0007およびF/CrO3>0.003で、か
つ0.015<(H2SO4+F)/CrO3<0.1の範囲にして電解ク
ロメート処理を行い、続いてクロム酸水溶液で浸漬処理
し、前記第3層中の金属クロムx(mg/m2)とクロム水
和酸化物のクロム換算量y(mg/m2)を、3≦x、5≦
x+y≦25の範囲に限定することを特徴とする塗装後加
工部耐食性に優れた缶用表面処理鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63176801A JP2593194B2 (ja) | 1988-07-15 | 1988-07-15 | 塗装後加工部耐食性に優れた缶用表面処理鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63176801A JP2593194B2 (ja) | 1988-07-15 | 1988-07-15 | 塗装後加工部耐食性に優れた缶用表面処理鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0225594A JPH0225594A (ja) | 1990-01-29 |
JP2593194B2 true JP2593194B2 (ja) | 1997-03-26 |
Family
ID=16020081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63176801A Expired - Fee Related JP2593194B2 (ja) | 1988-07-15 | 1988-07-15 | 塗装後加工部耐食性に優れた缶用表面処理鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2593194B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0488193A (ja) * | 1990-07-30 | 1992-03-23 | Nkk Corp | 光沢錫めっき鋼板の製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6029477A (ja) * | 1983-07-29 | 1985-02-14 | Nippon Steel Corp | 溶接性と塗装性能にすぐれた缶容器用鋼板の製造法 |
JPS61250177A (ja) * | 1985-04-27 | 1986-11-07 | Kawasaki Steel Corp | 製缶用表面処理鋼板 |
JPS63199896A (ja) * | 1987-02-14 | 1988-08-18 | Nippon Steel Corp | 溶接性、塗料密着性及び塗装後耐食性に優れた溶接缶用表面処理鋼板の製造法 |
-
1988
- 1988-07-15 JP JP63176801A patent/JP2593194B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0225594A (ja) | 1990-01-29 |
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