JP2592302B2 - 量子効果半導体装置 - Google Patents

量子効果半導体装置

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JP2592302B2 JP19054488A JP19054488A JP2592302B2 JP 2592302 B2 JP2592302 B2 JP 2592302B2 JP 19054488 A JP19054488 A JP 19054488A JP 19054488 A JP19054488 A JP 19054488A JP 2592302 B2 JP2592302 B2 JP 2592302B2
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【発明の詳細な説明】 〔概要〕 ホット・エレクトロン・トランジスタや共鳴トンネリ
ング・ホット・エレクトロン・トランジスタなどの量子
効果半導体装置の改良に関し、 簡単に実施でき、且つ、他の特性に悪影響を及ぼさな
い手段を採って、量子効果半導体装置の電流利得を向上
することを目的とし、 エミッタ・バリヤ層とエミッタ層との界面に伝導帯の
底及びフェルミ・レベル間のエネルギ差を小さくする為
の底不純物濃度層を介在させてなるよう構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、ホット・エレクトロン・トランジスタ(ho
t electron tansistor:HET)や共鳴トンネリング・ホッ
ト・エレクトロン・トランジスタ(resonant−tunnelin
g hot electron transistor:RHET)などの量子効果半導
体装置の改良に関する。
この種の半導体装置は、化合物半導体を用いて構成さ
れ、電子がベース層中を通過する時間が極めて短いので
高速動作が可能であり、将来を期待されている。
現在、そのような半導体装置では、GaAs/AlGaAsを材
料とするものが主流になっているが、InGaAs/InAlAsを
材料とするヘテロ接合を用いたものは、InGaAsに於ける
電子の移動度がGaAsに於けるそれと比較して大きいこ
と、また、InGaAsに於ける伝導帯のΓ谷とL谷とのエネ
ルギ差が大きい為、谷間散乱を受け難く、従って、電流
利得は大きくなる旨の利点がある。
然しながら、何れの半導体装置に於いても、ベース層
を走行中の電子がフォノン散乱、プラズモン散乱、イン
ター・バレー散乱などを受けてエネルギを失うものがあ
り、従って、その分だけコレクタに到達する電子は減少
し、電流利得は小さくなる。
〔従来の技術〕
第6図はInGaAs/InAlAs系HETの要部切断側面図を表し
ている。
図に於いて、1はInP基板、2はn+型InGaAsコレクタ
層、3はi型In(AlGa)Asコレクタ・バリヤ層、4はn
型InGaAsベース層、5はi型InAlAsエミッタ・バリヤ
層、6はn型InGaAsエミッタ層、7はエミッタ電極、8
はベース電極、9はコレクタ電極をそれぞれ示してい
る。尚、各電極の材料としては、例えばCr/Auを用いる
ことができる。
このHETに関する主要なデータを例示すると次の通り
である。
(1) コレクタ層2について 厚さ:3000〔Å〕 不純物濃度:5×1018〔cm-3〕 (2) コレクタ・バリヤ層3について 厚さ:2000〔Å〕 (3) ベース層4について 厚さ:500〔Å〕 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕 (4) エミッタ・バリヤ層5について 厚さ:100〔Å〕 (5) エミッタ層6について 厚さ:3000〔Å〕 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕 (6) エミッタ電極7など 厚さ:200〔Å〕/3000〔Å〕 このHETに於いて、電流利得を向上する為、ベース層
4を薄くすることが行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記したように、ベース層4を薄くすることでHETの
電流利得を例えば10程度に向上させようとすると、厚さ
は250〔Å〕程度にする必要がある。
然しながら、そのようにするとベース抵抗が上昇し、
高周波特性が劣化する。また、ベース抵抗を低下させる
為に不純物量を大にすると、コレクタ・ベース間耐圧が
低下したり、不純物散乱やプラズモン散乱の増大に依っ
て電流利得が減少する旨の問題がある。
本発明は、簡単に実施でき、且つ、他の特性に悪影響
を及ぼさない手段を採って、量子効果半導体装置の電流
利得を向上しようとする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は量子効果半導体装置に於ける電流利得の向上
を阻害する一因としてエミッタ層からベース層へ注入さ
れる電子の分布に着目した。
第7図は第6図に見られるHETに関するエネルギ・バ
ンド・ダイヤグラムを表し、第6図に於いて用いた記号
と同記号は同部分を示すか或いは同じ意味を持つものと
する。
図に於いて、EFはフェルミ・レベル、ECは伝導帯の
底、EC(Γ)はΓ谷に於ける伝導帯の底、EC(L)はL
谷に於ける伝導帯の底、e1はエミッタ層6からベース層
4に注入される電子、e2はベース層4からコレクタ層2
に注入される電子、e2Aはコレクタ・バリヤ層3に衝突
して反射される電子、10は電子蓄積層をそれぞれ示して
いる。尚、ここで伝導帯の底ECはΓ谷に於けるそれであ
り、図示されているEC(Γ)と同じである。
図から明らかなように、このようなHETに於いては、
動作状態に於いて、エミッタ層6とエミッタ・バリヤ層
5との界面に電子蓄積層10が生成され、その部分の伝導
体の底ECには曲がりを生ずる。そして、エミッタ層6か
らベース層4に注入された電子e1は蓄積層10に於ける伝
導帯の底からフェルミ・レベルEFに達するエネルギ分布
をもつようになる。
このような分布をもった電子はベース層4を走行中に
散乱を受け、エネルギ分布は更に拡がってしまい、図に
於いては、それを記号e2で指示してある。電子のエネル
ギーが上昇してL谷に達すると、インターバレー散乱を
起こし、電子のエネルギは急激に低減され、コレクタ層
2に達することができないものの割合が大きくなり、ま
た、電子エネルギの分布のうち、記号e2Aで指示した部
分は、コレクタ・バリヤ層3で反射され、前記と同様、
コレクタ層2に達することができない状態となる。
そこで、エミッタ層6からベース層4に注入された電
子のエネルギ分布が少ない程、電子のコレクタ層2への
到達率、即ち、電流利得は大きくなることが判る。ま
た、そようにするには、エミッタ・バリヤ層5のエミッ
タ側に於いて、そこでの伝導帯の底ECとフェルミ・レベ
ルEFとのエネルギ差をできるだけ小さくすれば良いこと
が理解されよう。
前記したところから、本発明に依る量子効果半導体装
置に於いては、エミッタ・バリヤ層(例えばエミッタ・
バリヤ層5)とエミッタ層(例えばエミッタ層6)との
界面に伝導帯の底(例えば伝導帯の底EC)及びフェルミ
・レベル(例えばフェルミ・レベルEF)間のエネルギ差
を小さくする為の低不純物濃度層(例えばスペーサ層1
2)を介在させてなるよう構成する。
このような量子効果半導体装置を具体化することは真
に簡単であって、エミッタ・バリヤ層に於けるエミッタ
側の不純物濃度を通常の1×1018〔cm-3〕から1×1017
〔cm-3〕程度に低下させるか、厚さ例えば200〔Å〕程
度のノン・ドープ・スペーサ層を介在させるかして、伝
導帯の底ECからフェルミ・レベルEFでのエネルギ差を低
減する。例えば、エミッタ・バリヤ層に於けるエミッタ
側の不純物濃度が1×1018〔cm-3〕である場合、エミッ
タ層からベース層へ注入された電子の分布は約87〔me
V〕であるが、1×1017〔cm-3〕では25〔meV〕に、そし
て、ノン・ドープ・スペーサ層を介在させた場合では30
〔meV〕程度になる。
〔作用〕
前記手段を採ることに依り、ベース層の厚さが例えば
500〔Å〕程度である場合、電流利得は従来が6〜7で
あったものを10程度まで向上することができる。
〔実施例〕
第1図乃至第3図は本発明一実施例を製造する場合に
ついて説明する為の工程要所に於ける半導体装置の要部
切断側面図を表し、以下、これ等の図を参照しつつ説明
する。尚、各図に於いて、第6図及び第7図に於いて用
いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持
つものとする。
第1図参照 (1) 分子線エピタキシャル成長(molecular beam e
pitaxy:MBE)法を適用することに依り、InP基板1上に
コレクタ層2、コレクタ・バリヤ層3、ベース層4、エ
ミッタ・バリヤ層5、スペーサ層12、エミッタ層6を成
長させる。
ここで、各半導体層について主要データを例示すると
次の通りである。
(a) コレクタ層2について 材料:n+型InGaAs 厚さ:3000〔Å〕 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕 (b) コレクタ・バリヤ層3について 材料:i型In(AlGa)As 厚さ:2000〔Å〕 (c) ベース層4について 材料:n型InGaAs 厚さ:500〔Å〕 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕 (d) エミッタ・バリヤ層5について 材料:i型InAlAs 厚さ:60〔Å〕 (e) スペーサ層12について 材料:i型InGaAs 厚さ:200〔Å〕 (f) エミッタ層6について 材料:n型InGaAs 厚さ:3000〔Å〕 不純物濃度:1×1018〔cm-3〕 尚、エミッタ・バリヤ層5の厚さは60〔Å〕であっ
て、第6図及び第7図について説明した従来例に於ける
それと比較すると薄くなっているが、これは、スペーサ
層12を介在させたことに依る。即ち、スペース層12を挿
入した場合、エミッタ層6に於ける電子の濃度(電子の
数)が減少し、その為、エミッタ層6からベース層4に
注入される電子の数(エミッタ電流密度)が少なくなっ
てエミッタ並びにコレクタの空乏層容量を充電する時間
が長くなり、量子効果半導体装置の動作速度が低下す
る。従って、スペーサ層12を用いた場合には、エミッタ
・バリヤ層5を薄くして電子のトンネリング確率を増加
させ、エミッタ電流密度の減少を補償する。
第2図参照 (2) フォト・リソグラフィ技術に於けるレジスト・
プロセス及びフッ酸系エッチング液をエッチャントとす
るウエット・エッチング法を適用することに依り、階段
状のメサ・エッチングを行いエミッタ電極形成予定部
分、ベース電極形成予定部分、コレクタ電極形成予定部
分をそれぞれ設定する。
第3図参照 (3) 蒸着法を適用することに依り、Cr/Au膜を厚さ
例えば200〔Å〕/3000〔Å〕に形成し、通常のフォト・
リソグラフィ技術を適用することに依り、該Cr/Au膜の
パターニングを行ってエミッタ電極7、ベース電極8、
コレクタ電極9を形成して完成する。
第4図は第1図乃至第3図について説明した製造工程
を採って完成された本発明一実施例に関するエネルギ・
バンド・ダイヤグラムを表し、第1図乃至第3図及び第
7図に於いて用いた記号と同記号は同部分を示すか或い
は同じ意味を持つものとする。
図から明らかなように、本実施例に於いては、エミッ
タ層6とエミッタ・バリヤ層5との間にノン・ドープの
スペーサ層12を介在させてあるので、そこでの伝導帯の
底ECとフェルミ・レベルEFとの間のエネルギ差は小さく
なり、従って、エネルギ層6からベース層4に注入され
る電子e1のエネルギ分布も小さくなり、コレクタ層2に
到達する電子の割合は大きくなる。
このようにエネルギ差は前記したように不純物濃度に
比例するので、スペーサ層12を介在させると実効的に不
純物濃度が低下してエネルギ差は小さくなる。従って、
前記実施例のようにスペーサ層12を挿入するだけでな
く、エミッタ・バリヤ層5に於けるエミッタ側の不純物
濃度を低下させても良いことは勿論である。
第5図は第1図乃至第4図について説明した本発明一
実施例の特性を第6図及び第7図について説明した従来
技術に依るものと比較して説明する為の線図であり、横
軸にはエミッタ・ベース間電圧VBEを、また、縦軸には
電流増幅率hFEをそれぞれ採ってある。
図に於いては、実線が本発明一実施例の特性線を、そ
して、破線が従来例の特性線をそれぞれ示し、エミッタ
・ベース間電圧VBEが0.27乃至0.55の間では、本発明に
依るものが略全域に亙って高い電流増幅率hFEを維持で
きるが、従来例ではその範囲が大変に狭いことが認識さ
れる。
〔発明の効果〕
本発明に依る量子効果半導体装置に於いては、エミッ
タ・バリヤ層とエミッタ層との界面に伝導帯の底及びフ
ェルミ・レベル間のエネルギ差を小さくする為の底不純
物濃度層を介在させてある。
前記構成を採ることに依り、ベース層の厚さが例えば
500〔Å〕程度である場合、電流利得は従来が6〜7で
あったものを10程度まで向上することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本発明一実施例を製造する場合につ
いて説明する為の工程要所に於ける半導体装置の要部切
断側面図、第4図は第1図乃至第3図について説明した
工程を経て得られた実施例に関するエネルギ・バンド・
ダイヤグラム、第5図は第1図乃至第4図について説明
した実施例の特性を説明する為の線図、第6図は従来例
を説明する為の半導体装置の要部切断側面図、第7図は
第6図に見られる従来例に関するエネルギ・バンド・ダ
イヤグラムをそれぞれ示している。 図に於いて、1はInP基板、2はn+型InGaAsコレクタ
層、3はi型In(AlGa)Asコレクタ・バリヤ層、4はn
型InGaAsベース層、5はi型InAlAsエミッタ・バリヤ
層、6はn型InGaAsエミッタ層、7はエミッタ電極、8
はベース電極、9はコレクタ電極、10は電子蓄積層、12
はスペーサ層をそれぞれ示している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エミッタ・バリヤ層とエミッタ層との界面
    に伝導帯の底及びフェルミ・レベル間のエネルギ差を小
    さくする為の低不純物濃度層を介在させてなること を特徴とする量子効果半導体装置。
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