JP2591777B2 - ステンレス鋼グラスライニング用フリット組成物 - Google Patents
ステンレス鋼グラスライニング用フリット組成物Info
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- JP2591777B2 JP2591777B2 JP63045954A JP4595488A JP2591777B2 JP 2591777 B2 JP2591777 B2 JP 2591777B2 JP 63045954 A JP63045954 A JP 63045954A JP 4595488 A JP4595488 A JP 4595488A JP 2591777 B2 JP2591777 B2 JP 2591777B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C8/00—Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
- C03C8/02—Frit compositions, i.e. in a powdered or comminuted form
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- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C2207/00—Compositions specially applicable for the manufacture of vitreous enamels
- C03C2207/04—Compositions specially applicable for the manufacture of vitreous enamels for steel
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は化学工業、医薬品工業、食品工業等における
厳しい使用条件に耐えるステンレス鋼製グラスライニン
グ機器類用のフリット組成物に関する。
厳しい使用条件に耐えるステンレス鋼製グラスライニン
グ機器類用のフリット組成物に関する。
[従来の技術] ステンレス鋼製グラスライニングはステンレス鋼素地
(線熱膨張係数=100〜400℃で165×10-7℃-1以上)と
ガラス質(線熱膨張係数=100〜400℃で95〜100×10-7
℃-1)との線熱膨張係数の差が大きく、焼成工程後の残
留圧縮応力が大となり、ステンレス鋼素地からガラス層
へ剪断応力の発生により密着性が劣る。
(線熱膨張係数=100〜400℃で165×10-7℃-1以上)と
ガラス質(線熱膨張係数=100〜400℃で95〜100×10-7
℃-1)との線熱膨張係数の差が大きく、焼成工程後の残
留圧縮応力が大となり、ステンレス鋼素地からガラス層
へ剪断応力の発生により密着性が劣る。
また、グラスライニング用上ぐすりフリットは耐食性
機器の内面保護として、理化学ガラス並の高耐食性フリ
ットを必要とするために、高SiO2成分に偏り線熱膨張係
数値が95〜100×10-7℃-1位でステンレス鋼のような高
い線熱膨張係数を有する素地には不適である。
機器の内面保護として、理化学ガラス並の高耐食性フリ
ットを必要とするために、高SiO2成分に偏り線熱膨張係
数値が95〜100×10-7℃-1位でステンレス鋼のような高
い線熱膨張係数を有する素地には不適である。
そこで、従来のステンレス鋼グラスライニングはステ
ンレス素地面を化学的・物理的に酸処理やサンドブラス
ト処理等で粗面化して下ぐすりとの間の密着性を高める
試みがなされてきている。
ンレス素地面を化学的・物理的に酸処理やサンドブラス
ト処理等で粗面化して下ぐすりとの間の密着性を高める
試みがなされてきている。
また、化学的な密着性を保有せしめることを目的とし
て下ぐすりフリット成分に2−3スピネル型酸化物(MO
・M′2O4)(Mは2価の金属、M′は3価の金属を示
す)を作るために、MとしてNi、Co、Mn等の2価の金属
原子を、M′としてFe、Al、Cr等の3価の金属原子を含
有させる試みがなされているが、グラスライニング焼成
時にCo、Ni、Mn等とステンレス素地との酸化反応による
発泡現象とスピネル型化合物自身が弱いために、それ程
密着性が向上しない。
て下ぐすりフリット成分に2−3スピネル型酸化物(MO
・M′2O4)(Mは2価の金属、M′は3価の金属を示
す)を作るために、MとしてNi、Co、Mn等の2価の金属
原子を、M′としてFe、Al、Cr等の3価の金属原子を含
有させる試みがなされているが、グラスライニング焼成
時にCo、Ni、Mn等とステンレス素地との酸化反応による
発泡現象とスピネル型化合物自身が弱いために、それ程
密着性が向上しない。
また、下ぐすりは低SiO2、高B2O3成分系ガラスで、焼
付けられるが、化学的な耐食性能は殆どなく、ステンレ
ス素地との密着性能のみの役割を示し、グラスライニン
グ機器としての耐食性は下ぐすり層の上に焼付けられる
上ぐすりで得ている。
付けられるが、化学的な耐食性能は殆どなく、ステンレ
ス素地との密着性能のみの役割を示し、グラスライニン
グ機器としての耐食性は下ぐすり層の上に焼付けられる
上ぐすりで得ている。
上ぐすりのガラス層はグラスライニング機器の長期間
の苛酷な腐食条件に耐えるように約1mm厚位になるよう
に通常は4〜5回程度焼付けられる。
の苛酷な腐食条件に耐えるように約1mm厚位になるよう
に通常は4〜5回程度焼付けられる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はステンレス鋼グラスライニングのガラス層と
素地との間の発泡現象を防止し、緻密質なガラス層を形
成しながら素子との濡れ性を向上し、素地とガラス層の
線熱膨張係数の差を約70%程度に抑制しうるガラスをス
テンレス素地に直接施工し且つ高耐食性能を有するステ
ンレス鋼グラスライニング用フリット組成物を提供する
ことを目的とする。
素地との間の発泡現象を防止し、緻密質なガラス層を形
成しながら素子との濡れ性を向上し、素地とガラス層の
線熱膨張係数の差を約70%程度に抑制しうるガラスをス
テンレス素地に直接施工し且つ高耐食性能を有するステ
ンレス鋼グラスライニング用フリット組成物を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明者は上述の目的を達成するために鋭意研究の結
果、アルカリ金属、ジルコニウム、硼素及び珪素の酸化
物の配合割合を所定の範囲内に調節すると、フリット組
成物の100〜400℃までの線熱膨張係数値が115×10-7℃
-1以上にとなり、且つP2O5及び/またはV2O5を更に配合
することにより耐剥離性を保持するフリット組成物が得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
果、アルカリ金属、ジルコニウム、硼素及び珪素の酸化
物の配合割合を所定の範囲内に調節すると、フリット組
成物の100〜400℃までの線熱膨張係数値が115×10-7℃
-1以上にとなり、且つP2O5及び/またはV2O5を更に配合
することにより耐剥離性を保持するフリット組成物が得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は酸化物換算でSiO263〜70モル%、ZrO2
2〜4モル%、R2O24〜31モル%(式中、RはNa2O、Li2O
またはK2Oを表し、Li2O及び/またはK2Oの配合割合の上
限は5モル%である)、R′O1〜4モル%(式中、R′
はCaO、MgOまたはBaOを表し、MgO及び/またはBaOの配
合割合の上限は1.5モル%である)、B2O31〜5モル%及
びR″2O50.1〜2モル%(式中、R″はP及び/または
Vを表す)の組成を有することを特徴とするステンレス
鋼グラスライニング用フリット組成物に係る。
2〜4モル%、R2O24〜31モル%(式中、RはNa2O、Li2O
またはK2Oを表し、Li2O及び/またはK2Oの配合割合の上
限は5モル%である)、R′O1〜4モル%(式中、R′
はCaO、MgOまたはBaOを表し、MgO及び/またはBaOの配
合割合の上限は1.5モル%である)、B2O31〜5モル%及
びR″2O50.1〜2モル%(式中、R″はP及び/または
Vを表す)の組成を有することを特徴とするステンレス
鋼グラスライニング用フリット組成物に係る。
[作 用] 本発明のステンレス鋼グラスライニング用フリット組
成物は酸化物換算でSiO263〜70モル%、ZrO22〜4モル
%、R2O24〜31モル%(式中、RはNa2O、Li2OまたはK2O
を表し、Li2O及び/またはK2Oの配合割合の上限は5モ
ル%である)、R′O1〜4モル%(式中、R′はCaO、M
gOまたはBaOを表し、MgO及び/またはBaOの配合割合の
上限は1.5モル%である)、B2O31〜5モル%及びR″2O
50.1〜2モル%(式中、R″はP及び/またはVを表
す)の組成を有する。このような組成を有するフリット
組成物は100℃から400℃までの熱膨張係数値が115×10
-7℃-1以上となり、従来のフリット組成物より飛躍的に
高い線熱膨張係数を有し、ステンレス鋼の線熱膨張係数
に近い線熱膨張係数となる。
成物は酸化物換算でSiO263〜70モル%、ZrO22〜4モル
%、R2O24〜31モル%(式中、RはNa2O、Li2OまたはK2O
を表し、Li2O及び/またはK2Oの配合割合の上限は5モ
ル%である)、R′O1〜4モル%(式中、R′はCaO、M
gOまたはBaOを表し、MgO及び/またはBaOの配合割合の
上限は1.5モル%である)、B2O31〜5モル%及びR″2O
50.1〜2モル%(式中、R″はP及び/またはVを表
す)の組成を有する。このような組成を有するフリット
組成物は100℃から400℃までの熱膨張係数値が115×10
-7℃-1以上となり、従来のフリット組成物より飛躍的に
高い線熱膨張係数を有し、ステンレス鋼の線熱膨張係数
に近い線熱膨張係数となる。
また、本発明のフリット組成物はステンレス鋼に対し
て非常に優れた密着性と高耐食性を同時に保持するため
に従来のように下ぐすりと上ぐすりを別けて塗布する必
要がない。
て非常に優れた密着性と高耐食性を同時に保持するため
に従来のように下ぐすりと上ぐすりを別けて塗布する必
要がない。
次に、本発明のフリット組成物の組成について説明す
る。
る。
SiO2はガラス層の耐酸性、耐アルカリ性を付与するも
のであり、フリット組成物中のSiO2の配合割合が63モル
%以上で顕著な効果を発揮する。しかし、SiO2が70モル
%を超えると得られるフリット組成物の融点が高くな
り、釉層が固くなり、焼成時の密着性に乏しくなる。
のであり、フリット組成物中のSiO2の配合割合が63モル
%以上で顕著な効果を発揮する。しかし、SiO2が70モル
%を超えると得られるフリット組成物の融点が高くな
り、釉層が固くなり、焼成時の密着性に乏しくなる。
ZrO2はフリットのガラス層に耐アルカリ性を付与する
ものであり、その配合割合は2〜4モル%が好ましい。
ZrO2の配合割合が2モル%未満では耐アルカリ性がグラ
スライニングとして不充分であり、また、4モル%を超
えるとフリット融点が高くなり、ガラス層が固くなり、
焼成時の密着性が著しく乏しくなるために好ましくな
い。
ものであり、その配合割合は2〜4モル%が好ましい。
ZrO2の配合割合が2モル%未満では耐アルカリ性がグラ
スライニングとして不充分であり、また、4モル%を超
えるとフリット融点が高くなり、ガラス層が固くなり、
焼成時の密着性が著しく乏しくなるために好ましくな
い。
R2OはNa2O、Li2O及び/またはK2Oよりなり、フリット
組成物の修飾酸化物として働き、溶融粘性を下げる効果
とステンレス素地との濡れ性を向上させながらフリット
のガラス層としての線熱膨張係数を向上させる作用を
し、その配合割合は24〜31モル%である。R2Oの配合割
合が24モル%未満では115×10-7℃-1以上の線熱膨張係
数を維持することができず、また、31モル%を超えると
ガラス層の強度が弱くなり、且つ耐酸性を低下させると
共にガラス溶融時に発泡現象が生ずることがあるために
好ましくない。なお、R2Oとしては上述の酸化物を使用
することができるが、Li2O及び/またはK2Oの配合割合
の上限は5モル%である。
組成物の修飾酸化物として働き、溶融粘性を下げる効果
とステンレス素地との濡れ性を向上させながらフリット
のガラス層としての線熱膨張係数を向上させる作用を
し、その配合割合は24〜31モル%である。R2Oの配合割
合が24モル%未満では115×10-7℃-1以上の線熱膨張係
数を維持することができず、また、31モル%を超えると
ガラス層の強度が弱くなり、且つ耐酸性を低下させると
共にガラス溶融時に発泡現象が生ずることがあるために
好ましくない。なお、R2Oとしては上述の酸化物を使用
することができるが、Li2O及び/またはK2Oの配合割合
の上限は5モル%である。
R′OはCaO、MgO及び/またはBaOよりなり、フリッ
トのガラス層に耐アルカリ性能を付与するものであり、
その配合割合は1〜4モル%である。R′Oの配合割合
が1モル%未満では耐アルカリ性の向上に寄与せず、ま
た、4モル%を超えると融点が上昇してフリット化に支
障を来すために好ましくない。なお、R′Oとしては上
述の酸化物を使用することができるが、MgO及び/また
はBaOの配合割合の上限は1.5モル%である。
トのガラス層に耐アルカリ性能を付与するものであり、
その配合割合は1〜4モル%である。R′Oの配合割合
が1モル%未満では耐アルカリ性の向上に寄与せず、ま
た、4モル%を超えると融点が上昇してフリット化に支
障を来すために好ましくない。なお、R′Oとしては上
述の酸化物を使用することができるが、MgO及び/また
はBaOの配合割合の上限は1.5モル%である。
B2O3はフリットのガラス層の溶融粘性を下げる効果と
ステンレス素地との濡れ性を向上させる相容作用の働き
があり、その配合割合は1〜5モル%である。B2O3の配
合割合が1モル%未満では添加効果が乏しく、また、5
モル%を超えると焼成中の発泡現象が著しくなる欠点が
ある。
ステンレス素地との濡れ性を向上させる相容作用の働き
があり、その配合割合は1〜5モル%である。B2O3の配
合割合が1モル%未満では添加効果が乏しく、また、5
モル%を超えると焼成中の発泡現象が著しくなる欠点が
ある。
R″2O5はP2O5及び/またはV2O5よりなり、これらを
含有するフリット組成物はステンレス素地を腐食する効
果があり、それによってフリット組成物のステンレス素
地への密着性を向上させることができ、その配合割合は
0.1〜2モル%である。R″2O5の配合割合が0.1モル%
未満ではその添加効果は乏しく、また、2モル%を超え
ると焼成中の発泡現象が著しくなる欠点とフリット融点
が著しく高くなる欠点があり、それによって高い焼成温
度を必要とし、得られるガラス層が固くなり、密着性が
乏しくなるために好ましくない。
含有するフリット組成物はステンレス素地を腐食する効
果があり、それによってフリット組成物のステンレス素
地への密着性を向上させることができ、その配合割合は
0.1〜2モル%である。R″2O5の配合割合が0.1モル%
未満ではその添加効果は乏しく、また、2モル%を超え
ると焼成中の発泡現象が著しくなる欠点とフリット融点
が著しく高くなる欠点があり、それによって高い焼成温
度を必要とし、得られるガラス層が固くなり、密着性が
乏しくなるために好ましくない。
上述のような組成を有する酸化物の混合部を慣用の方
法によりフリット化して本発明のステンレス鋼グラスラ
イニング用フリット組成物とすることができる。
法によりフリット化して本発明のステンレス鋼グラスラ
イニング用フリット組成物とすることができる。
また、本発明のフリット組成物には適宜ミル添加物と
して蛙目粘度、硼砂、有機溶媒、炭酸マグネシウム、亜
硫酸ソーダ、塩化バリウム等の慣用の成分を添加するこ
とができる。
して蛙目粘度、硼砂、有機溶媒、炭酸マグネシウム、亜
硫酸ソーダ、塩化バリウム等の慣用の成分を添加するこ
とができる。
適宜ミル添加物を含有する本発明のフリット組成物は
適量の水(50重量%以下)と混練し、得られる釉薬スリ
ップを浸し掛け、吹き掛け等の方法でステンレス鋼素地
に塗布する湿式法あるいは釉薬を粉末化し、これを加熱
したステンレス素地に乾式ガンにて振り掛ける乾式法に
よって施釉され、800〜900℃の温度で焼成すれば、ステ
ンレス鋼上にグラスライニングを施すことができる。
適量の水(50重量%以下)と混練し、得られる釉薬スリ
ップを浸し掛け、吹き掛け等の方法でステンレス鋼素地
に塗布する湿式法あるいは釉薬を粉末化し、これを加熱
したステンレス素地に乾式ガンにて振り掛ける乾式法に
よって施釉され、800〜900℃の温度で焼成すれば、ステ
ンレス鋼上にグラスライニングを施すことができる。
本発明のフリット組成物は下ぐすりと上ぐすりの双方
の性能を保有するために1回あるいは少数回の施釉・焼
成でグラスライニングを得ることができる。
の性能を保有するために1回あるいは少数回の施釉・焼
成でグラスライニングを得ることができる。
[実 施 例] 以下に実施例を挙げて本発明のステンレス鋼グラスラ
イニング用フリット組成物を更に説明する。
イニング用フリット組成物を更に説明する。
実施例 以下の第1表に記載する配合割合をもつフリット組成
物を調合した。
物を調合した。
本発明品のNo.1〜No.4のフリット組成物は100〜400℃
までの線熱膨張係数値がいずれも115×10-7℃-1以上
で、対照品の通常の下ぐすり及び上ぐすりと比較して線
熱膨張係数を第1表に示したが、通常の下ぐすり及び上
ぐすりのステンレス鋼との線熱膨張係数値比は61%、59
%と小さいが、本発明品の熱膨張係数値比はいずれも70
%以上を示し、焼成後のステンレス鋼素地からの残留圧
縮応力が小さくなり、凸部、凹部の溶接構造体を素地と
するステンレス鋼グラスライニングとしての耐剥離性に
優れている。
までの線熱膨張係数値がいずれも115×10-7℃-1以上
で、対照品の通常の下ぐすり及び上ぐすりと比較して線
熱膨張係数を第1表に示したが、通常の下ぐすり及び上
ぐすりのステンレス鋼との線熱膨張係数値比は61%、59
%と小さいが、本発明品の熱膨張係数値比はいずれも70
%以上を示し、焼成後のステンレス鋼素地からの残留圧
縮応力が小さくなり、凸部、凹部の溶接構造体を素地と
するステンレス鋼グラスライニングとしての耐剥離性に
優れている。
次に、80mm×100mm×1mmの薄板のステンレス−316材
に本発明品と対照品のフリット組成物を3g/200メッシュ
篩/50g粉の粒度に調整し、80メッシュ篩を用いて乾式で
グラス厚さ0.3mmに篩掛けし、840℃で10分間焼成した
後、第1図に示す装置を使用し、以下に記載する方法に
てエリクセンテストを行ない、3mm絞り、ガラスの密着
性の検討した結果を第2表に示す。
に本発明品と対照品のフリット組成物を3g/200メッシュ
篩/50g粉の粒度に調整し、80メッシュ篩を用いて乾式で
グラス厚さ0.3mmに篩掛けし、840℃で10分間焼成した
後、第1図に示す装置を使用し、以下に記載する方法に
てエリクセンテストを行ない、3mm絞り、ガラスの密着
性の検討した結果を第2表に示す。
エリクセンテスト グラスライニング試料(1)を第1図に示すように垂
直に設置し、ネジ式のハンドル(2)を回して40mmφ鋼
球を圧接させて30mmφメス型との間でグラスライニング
試料(1)に約3mmの凹み変形を生じさせ、ガラスの剥
離状況を観察する 第2表から、対照品の下ぐすり及び上ぐすりに比べて
本発明品フリットはガラス剥離がなく、顕著に高い密着
性を有することは明らかである。
直に設置し、ネジ式のハンドル(2)を回して40mmφ鋼
球を圧接させて30mmφメス型との間でグラスライニング
試料(1)に約3mmの凹み変形を生じさせ、ガラスの剥
離状況を観察する 第2表から、対照品の下ぐすり及び上ぐすりに比べて
本発明品フリットはガラス剥離がなく、顕著に高い密着
性を有することは明らかである。
次に、105mmφ×1mm厚の丸板のステンレス−316材に
本発明品と対照品のフリット粉を上述と同一粉末条件下
でグラス厚0.3mmに篩掛けし、840℃で10分間の焼付けを
2回反復し、耐食性テスト試料を作成した。耐酸性テス
トはISO−2743規格に基づいて、上述の試料をメチルア
ルコールで洗浄し、120℃に保たれた乾燥器中で1時間
乾燥し、その後、デシケーター中で室温まで冷却し、そ
の重量を0.1mgの単位まで精秤した。
本発明品と対照品のフリット粉を上述と同一粉末条件下
でグラス厚0.3mmに篩掛けし、840℃で10分間の焼付けを
2回反復し、耐食性テスト試料を作成した。耐酸性テス
トはISO−2743規格に基づいて、上述の試料をメチルア
ルコールで洗浄し、120℃に保たれた乾燥器中で1時間
乾燥し、その後、デシケーター中で室温まで冷却し、そ
の重量を0.1mgの単位まで精秤した。
次に、内径85mm、高さ150mmで上端より25mmの個所に
発生する蒸気の冷却を行なう還流冷却器を接続するため
の枝管を有するパイレックスガラス製の円筒の上下に試
料を耐食性のテフロンパッキングをはさんでステンレス
製の治具で圧着させ、上記の開口部よりテスト溶液とし
て20%塩酸溶液を350ml入れ、還流冷却器を取り付け、
外側より600ワットのバンドヒーターで加熱し、沸騰溶
液条件下で14日間加熱し、蒸気相に対する耐食性のテス
トを行なった。
発生する蒸気の冷却を行なう還流冷却器を接続するため
の枝管を有するパイレックスガラス製の円筒の上下に試
料を耐食性のテフロンパッキングをはさんでステンレス
製の治具で圧着させ、上記の開口部よりテスト溶液とし
て20%塩酸溶液を350ml入れ、還流冷却器を取り付け、
外側より600ワットのバンドヒーターで加熱し、沸騰溶
液条件下で14日間加熱し、蒸気相に対する耐食性のテス
トを行なった。
テストが終了した試料を水道水で洗浄し、120℃に保
たれた乾燥器中で1時間乾燥し、その後デシケーター中
で室温まで冷却し、その重量を0.1mgの単位まで精秤し
てテスト前の重量との差を計算し、試料面積及びテスト
時間で除して耐食精溶解減量(g/m224時間)を算出し
た。得られた結果を第3表に示す。
たれた乾燥器中で1時間乾燥し、その後デシケーター中
で室温まで冷却し、その重量を0.1mgの単位まで精秤し
てテスト前の重量との差を計算し、試料面積及びテスト
時間で除して耐食精溶解減量(g/m224時間)を算出し
た。得られた結果を第3表に示す。
また、耐アルカリ性テストはISO−2745規格に基づい
て80℃の温度で1規定水酸化ナトリウム溶液中2日間浸
漬の液相下条件で行ない、耐食性溶解減量を測定した。
得られた結果を第3表に併記する。
て80℃の温度で1規定水酸化ナトリウム溶液中2日間浸
漬の液相下条件で行ない、耐食性溶解減量を測定した。
得られた結果を第3表に併記する。
本発明品は対照品の下ぐすりに比べて耐酸性で400〜1
660倍向上し、耐アルカリ性で400〜620倍向上し、対照
品の上ぐすりと同等の耐食性能を示した。
660倍向上し、耐アルカリ性で400〜620倍向上し、対照
品の上ぐすりと同等の耐食性能を示した。
更に、本発明品No.3のフリット組成物と対照品下ぐす
りのステンレス鋼素地との電気導電率の測定を行ない、
電気的な見地から密着性能の優位さを確認した。
りのステンレス鋼素地との電気導電率の測定を行ない、
電気的な見地から密着性能の優位さを確認した。
電気導電率の測定方法はフリット組成物とステンレス
粉を2gずつ計り取り、バインダーと良く混合し、成形後
(10mmφ×20mm高さ)、測定用試料電極にステンレス板
を用い、試料部の加熱を10℃/分で920℃まで行ない、
反応中の電気抵抗値を交流二端子法によって測定した。
温度に対する電気導電率をアレニウスプロットした結果
を第2図に示す。
粉を2gずつ計り取り、バインダーと良く混合し、成形後
(10mmφ×20mm高さ)、測定用試料電極にステンレス板
を用い、試料部の加熱を10℃/分で920℃まで行ない、
反応中の電気抵抗値を交流二端子法によって測定した。
温度に対する電気導電率をアレニウスプロットした結果
を第2図に示す。
本発明品(No.3)のフリット組成物と対照品の下ぐす
りは共に温度が高くなるにつれて徐々に導電率が大きく
なっていくが、本発明品の方は700℃付近での最大ピー
クが高く、且つ700℃以上での導電率の下がりが大き
い。これはステンレス鋼とフリットの相互拡散現象が高
いためと考えられ、本発明品No.3フリットは対照品の下
ぐすりに比べて電気導電率の見地からも密着性能が優れ
ていることが判る。
りは共に温度が高くなるにつれて徐々に導電率が大きく
なっていくが、本発明品の方は700℃付近での最大ピー
クが高く、且つ700℃以上での導電率の下がりが大き
い。これはステンレス鋼とフリットの相互拡散現象が高
いためと考えられ、本発明品No.3フリットは対照品の下
ぐすりに比べて電気導電率の見地からも密着性能が優れ
ていることが判る。
[発明の効果] 本発明のステンレス鋼グラスライニング用フリット組
成物は従来品の下ぐすりの高密着性と上ぐすりの高耐食
性の双方を同時に所持し、1回または少数回の塗布によ
り良好なグラスライニングをステンレス鋼素地上に施す
ことができる。
成物は従来品の下ぐすりの高密着性と上ぐすりの高耐食
性の双方を同時に所持し、1回または少数回の塗布によ
り良好なグラスライニングをステンレス鋼素地上に施す
ことができる。
第1図はエリクセンテストに使用する装置を示す図であ
り、第2図は温度に対する導電率のアウレニウスプロッ
トである。図中:1……グラスライニング試料、2……ネ
ジ式のハンドル、3……鋼球、4……メス型。
り、第2図は温度に対する導電率のアウレニウスプロッ
トである。図中:1……グラスライニング試料、2……ネ
ジ式のハンドル、3……鋼球、4……メス型。
Claims (1)
- 【請求項1】酸化物換算でSiO263〜70モル%、ZrO22〜
4モル%、R2O24〜31モル%(式中、RはNa2O、Li2Oま
たはK2Oを表し、Li2O及び/またはK2Oの配合割合の上限
は5モル%である)、R′O1〜4モル%(式中、R′は
CaO、MgOまたはBaOを表し、MgO及び/またはBaOの配合
割合の上限は1.5モル%である)、B2O31〜5モル%及び
R″2O50.1〜2モル%(式中、R″はP及び/またはV
を表す)の組成を有することを特徴とするステンレス鋼
グラスライニング用フリット組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63045954A JP2591777B2 (ja) | 1988-03-01 | 1988-03-01 | ステンレス鋼グラスライニング用フリット組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63045954A JP2591777B2 (ja) | 1988-03-01 | 1988-03-01 | ステンレス鋼グラスライニング用フリット組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01224239A JPH01224239A (ja) | 1989-09-07 |
JP2591777B2 true JP2591777B2 (ja) | 1997-03-19 |
Family
ID=12733670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63045954A Expired - Lifetime JP2591777B2 (ja) | 1988-03-01 | 1988-03-01 | ステンレス鋼グラスライニング用フリット組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2591777B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03281789A (ja) * | 1990-03-29 | 1991-12-12 | Shinko Pantec Co Ltd | ガラス被覆金属材 |
JP2005060117A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry Science & Technology | 静電気対策グラスライニング用導電性ガラス |
EP2050725B1 (en) * | 2006-08-07 | 2010-10-13 | Ikebukuro Horo Kogyo Co. Ltd. | Glaze composition for glass lining |
JP5482533B2 (ja) * | 2010-07-16 | 2014-05-07 | 新日鐵住金株式会社 | 酸化防止剤、酸化防止剤の製造方法及び金属材の製造方法 |
JP5408104B2 (ja) * | 2010-10-26 | 2014-02-05 | 新日鐵住金株式会社 | 酸化防止剤及び金属材の製造方法 |
-
1988
- 1988-03-01 JP JP63045954A patent/JP2591777B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01224239A (ja) | 1989-09-07 |
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