JP2591659B2 - 苗植付け機 - Google Patents

苗植付け機

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JP2591659B2
JP2591659B2 JP63151637A JP15163788A JP2591659B2 JP 2591659 B2 JP2591659 B2 JP 2591659B2 JP 63151637 A JP63151637 A JP 63151637A JP 15163788 A JP15163788 A JP 15163788A JP 2591659 B2 JP2591659 B2 JP 2591659B2
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幸徳 高見
隆 布野
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ギア機構を内装する歯車ケースの端部にそ
れぞれ植付け爪部を設けた高速植付け型の苗植付け機に
関するものである。
[従来技術及び発明が解決しようとする問題点] 今日、この種苗植付け機において、植付作動部の動力
入力軸の一回転で二組の植付け爪を用いて二度の苗植付
けを行うようにした高速植付けタイプのものが知られて
いる。
しかるに従来のものは、一方の植付け爪部の苗載台か
らの苗掻取り作動に合わせて他方の植付け苗部が田面に
没入し、保持している植付け苗を田面に植付けるタイミ
ング構成となつていた。このため、上記他方の植付け爪
部の植付け作動過程に、一方の植付け爪部がマツト状の
植付け苗に突き刺さつて苗掻取りをする際に生じる負荷
が歯車ケースにシヨツク的に作用して回転にムラが生じ
てしまい、この結果、円滑な苗植付け作動が阻害されて
植付け姿勢に乱れが生じて植付け不良が発生する要因の
一つになつている。
これに対し、一方の植付け爪部が苗掻取り行程を開始
するとき他方の植付け爪部は苗植付け行程を終了して上
昇行程に移行するようタイミング合せをすることが提唱
される。ところがこの場合、歯車ケースは、該他方の植
付け爪部の上昇作動の反作用を受け、これが前記一方の
植付け爪部が植付け苗に突き刺さつて苗掻取りをする作
動に影響を与えないよう配慮することが要求される。
[問題点を解決する手段] 本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの欠点を一
掃することができる苗植付け機を提供することを目的と
して発明されたものであつて、作業部動力の入力軸に中
央部が固定された歯車ケースの各先端部に、植付け苗を
掻取つて保持するプランタビークと、該保持した植付け
苗を押出すプランタフオークと、プランタフオークを上
昇側に向けて付勢する弾機と、プランタフオークの苗押
出し作動を行うべくプランタビークに対するプランタフ
オークの苗押出し作動を前記弾機に抗して行うためのカ
ム機構とを備えた植付け爪部をそれぞれ設け、該植付け
爪部を歯車ケースに内装のギア機構を介して姿勢制御
し、入力軸の回動に連動する歯車ケースの回転で各植付
け爪部による連続的な苗掻取りと苗植付けを行うように
した苗移植機において、上記カム機構は、プランタフオ
ークの苗押し作動をする作動腕に設けられるカム腕と、
歯車ケースに設けられるカム軸に形成のカム体とを、一
方の植付け爪部のプランタビークが苗載台から苗掻取り
作動を開始するとき、他方の植付け爪部のプランタフオ
ークは苗押出し行程を終えてプランタビークに対して上
昇する行程に移るものとし、かつ該上昇する行程で、弾
機付勢力を受けるカム腕の押圧力が植付け爪部の回転を
助力する方向に働く設定にしてあると共に、前記歯車ケ
ースに、植付け爪部が苗掻取り作動をするとき、対応す
る植付け爪部の回転を助力する方向に働いてギア機構の
ガタ取りをするガタ取り機構を設けたことを特徴とする
ものである。
そして本発明は、この構成によつて、苗掻取りの際の
シヨツクが苗植付け作動に影響を与えることを防止する
ようにしたものである。
[実施例] 次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図面において、1は乗用型の走行機体の後部に上下昇降
動自在に取付けられた植付け作業部であつて、該植付け
作業部1は、左右往復動する苗載せ台2およびフロート
3、作業部フレーム4等の部材によつて構成されている
が、作業部フレーム4の後部に後述する植付け爪部5が
配されている。つまり作業部フレーム4の後端部には、
歯車ケース6が回動自在に設けられているが、この歯車
ケース6の外側板には、チエン7によつて作業部動力が
入力する入力軸8がキー8bを介して一体的に固定されて
いる。尚、入力軸8にスプライン嵌合されたクラツチ爪
軸8aと、入力軸8に遊転自在に軸架されたチエン7のス
プロケツト軸7aとの間には条止め用の断続クラツチ9bが
形成されていて、入力軸8側への動力伝動の断続ができ
るようになつている。
一方、9は入力軸8に自由回転自在に軸承され、かつ
作業部フレーム4側に噛み合い爪部9aを介して回り止め
される状態で一体化された太陽ギアであつて、該太陽ギ
ア9には一対の中間ギア10が互いに180度位相ずれする
関係でそれぞれ噛合している。さらに各中間ギア10には
最終ギア11がそれぞれ噛合している。この最終ギア11を
一体的にスプライン嵌合する円筒状の出力軸12に前述の
植付け爪部5が設けられており、而して植付け爪部5は
ギア伝動機構を介して姿勢制御される様に構成されてい
る。しかも前記太陽ギア9、中間ギア10、最終ギア11は
何れも偏心ギア(勿論楕円ギア若しくは非円形ギアであ
つてよい)で形成されている。そして植付け作動をすべ
く入力軸8が回転したことに連動する歯車ケース6の回
転で、フレーム4側に固定の太陽ギア9の周りを中間ギ
ア10が公転しながら自転をし、さらにこの中間ギア10の
作動によつて最終ギア11が逆回り(矢印Y方向)に自転
しながら公転することになり、これによつて出力軸12が
回動し、この出力軸12の回動と歯車ケース6の回転作動
とによつて、植付け爪部5は、歯車ケース6に対する姿
勢を苗載せ台2側に常時向くように変化させながら一定
の植付け軌跡を描いて作動するようになつている。
前記中間ギア10を軸承する中間ギア軸10aにはカム機
構を構成する第一カム13が回動自在に設けられている
が、この第一カム13は、歯車ケース6との間に介装され
る弾機14の付勢力によつて第二カム15に押圧されてい
る。この第二カム15は、出力軸12に一体的に固着されて
いて最終ギア11と一体回動するように設定されている。
そして前述した植付け作動において、植付け爪部5が、
その植付け軌跡において、その下死点から上死点に至る
上昇過程で第二カム15のカム突起15aが第一カム13のカ
ム突起13aを越え、このとき第一カム13が弾機14による
付勢力に抗する揺動によつて、植付け爪部5の上死点方
向への移動に制動を与え、そして植付け爪部5が上死点
の少し前位置で上記カム越えが成されると、第二カム15
は、逆に弾機14の付勢力を受けて背後側、つまり植付け
爪部5の回転を助力する側に押圧されることとなり、こ
れによつて植付け爪部5は、爪先端部が植付け軌跡の外
側方に向く状態になつて、ギア噛合のバツクラツシユに
よるガタ吸収がなされた状態で、爪先端部が苗載せ台2
の繰り出し下端に設けた苗受け体16上の植付け苗を掻き
取るように構成されている。
一方、17は出力軸12に回動自在と成り、かつ歯車ケー
ス6には固定される作動軸、aは作動軸17の端部に設け
たカム体、18はプランタアーム5aに設けたプランタビー
ク、19はプランタフオーク、20はプランタフオーク19を
常時引込み側に付勢する弾機、21はプランタアーム5aに
支軸21aを介して枢支され先端部21bがプランタフオーク
19の上端部に係合する作動腕、21cはカム体17aに接当す
べく作動腕21に形成したカム腕である。そしてプランタ
フオーク19は、弾機20によつて付勢される状態で、カム
体17aのカム作動によつてプランタビーク18に保持する
植付け苗の押出し作動をすることになるが、その押出し
作動し、植付け爪部5のプランタビーク18が略田面に没
入するA位置から弾機20に抗して下降し始め、最下点の
B位置で最も下降して保持する植付け苗を押出しし、そ
してこの状態をC位置に至るまで僅かなあいだ保持し、
このC位置からプランタビーク18が上昇して田面から抜
け出してD位置に至るまでのあいだで、弾機20の付勢力
を受けてプランタフオーク19は上昇することになるが、
上昇開始当初は急上昇するように設定されている。そし
てこのプランタフオーク19の急上昇する行程にタイミン
グを合わせるようして他側の植付け爪部5がプランタビ
ーク18による苗載台2からの苗掻取り作動を開始するよ
うにタイミング設定されている。しかもこの他側におい
て、植付け爪部5が苗掻取り作動を開始する状態でのカ
ム体17aとこのカム体17aに弾機20の付勢力を受けて弾圧
するカム腕21cとの関係は、苗植付け爪部5の回転(カ
ム体17aの相対回転)を弾機20の付勢力によつて積極的
に助力する方向、つまりカム腕21cがカム体17aに接当し
てこれを押圧する方向が、カム軸中心Oに対して回転方
向にlだけずれており、カム体17aに対する押圧力をP
とした場合、カム体17aに対して「l×P」のモーメン
トが働くように構成されている。そしてこのモーメント
に対する反作用によつて歯車ケース6には回転順方向
(X方向)の回転力が働くこととなり、これが苗掻取り
作動を開始する他側植付け爪部5に作用して、プランタ
ビーク18がマツト状苗に突き刺さる際の負荷に対抗する
ように構成されている。
叙述の如く構成された本発明の実施例において、機体
走行にタイミングを合わせた入力軸8の回動によつて歯
車ケース6が一回転した場合、各植付け爪部5が植付け
軌跡に沿つて移動し、苗載せ台2に載置したマツト状苗
を所定量宛掻き取つて田面に植付ける所謂高速植付けが
できることになるが、この場合に、一方の植付け爪部5
が苗掻取りを開始するときには、前述したように他方の
植付け爪部5は最下点位置を越えて上昇過程に移つてい
る。
即ちこのものは、一方の植付け爪部5が苗掻取り作動
を開始する前行程の段階で、他方の植付け爪部5におけ
るプランタビーク18が田面に没入すると共に、プランタ
フオーク19が下動して保持される植付け苗を田面に押出
して植付ける行程が終了し、一方の植付け爪部5が苗掻
取り作動を開始するときには、他方の植付け爪部5のプ
ランタフオーク19は上昇する行程に移つている。この結
果、植付け爪部5が植付け苗を掻き取るときの負荷が歯
車ケース6の回転にシヨツク的に働いて円滑な回転作動
が損なわれたとしても、これが他方の植付け爪部5の植
付け行程で重要な行程、つまりプランタビーク18が田面
に没入して最下点部位に下降しながらプランタフオーク
19による植付け苗の押出し作用を受ける行程において作
用してしまうことがなく、植付け爪部5の植付け性能が
損なわれてしまうことが防止されて、良好な苗植付けを
行うことができる。
しかもこのものは、他方の植付け爪部5が上昇する行
程において、プランタフオーク19を上昇する側に付勢す
る弾機20の付勢力が該側の植付け爪部5の回転を助力す
る力として作用し、この反作用によつて、歯車ケース6
をその回転順方向に積極回動させようとする力が働く。
また苗掻取りを開始しようとする一方の植付け爪部5に
おいても、前記ガタ取り機構を構成する第一、第二カム
13、15が、該一方の植付け爪部5の回転を助力する力と
して作用することとなつて、歯車ケース6は、これら両
植付け爪部5の回転を助力する力の反作用により回転順
方向の回転力が与えられた状態となり、この力により一
方の植付け爪部5が苗掻取りをするべく密集した植付け
苗に突き刺さるときの抵抗に対抗してそのシヨツクを和
らげることに成り、このため他方の植付け爪部5は一方
の植付け爪部5が苗掻取りをする過程にオーバーラツプ
する上昇過程においても、シヨツクが軽減された円滑な
作動をすることになる。
そのうえこのものでは、プランタビーク18がC位置を
越えて急速に上昇するよう設定した行程で一方の植付け
爪部5の苗掻取りが成されるので、前記モーメントの反
作用によるシヨツクの緩衝作用が大きく働くことになつ
て、苗植付け作動を終了して上動しようとする他方の植
付け爪部5の上昇作動にガタが生じてしまうことを一層
回避している。
尚、本発明は前記実施例に限定されないものであるこ
とは勿論であるが、両植付け爪部のタイミングの設定
は、歯車ケースに内装するギア機構の設定、あるいはプ
ランタケースの取付け位置調整等によつて行うことがて
きるものであり、これらの選択に制限を受けるものでな
い。
[作用効果] 以上要するに、本発明は叙述の如く構成されたもので
あるから、歯車ケースの各端部にそれぞれ植付け爪部を
設けて、高速での苗植付けを行うことができるようにし
たものでありながら、一方の植付け爪部の苗掻取りおよ
び苗押出しの行程が、他方の植付け爪部の苗押出しおよ
び苗掻取りの行程とタイミング的にずれる。
そして、苗掻取り行程は、反対側の植付け爪部が苗押
出し行程を既に終えているためプランタフオークが田面
に没入する負荷を受けることはなく、しかも苗掻取りを
開始しようとする側の植付け爪部は該側のガタ取り機構
によつて、反対側の苗植付けを終えて上昇しようとする
側の植付け爪部は該側のカム機構によつて何れも植付け
爪部の回転を助力する方向の力を受けることになる。
このため、苗掻取りおよび苗押出しの各作動はガタ取
りがなされた状態で行われるが、特に苗掻取りを開始す
る行程で、歯車ケースは、両植付け爪部の回転をそれぞ
れ助力する方向の力の反作用による回転順方向の回転力
を受け、これが苗掻取りを開始する苗植付け爪部に作用
する結果、密集した植付け苗にプランタビークが突き刺
さる際の負荷にしつかりと対向できることになつて、植
付け爪部は、好ましくガタ取りされた状態でしかも植付
け苗に突き刺さる際の負荷を充分に受けることができる
状態での苗掻取り作動ができて、苗植付け部の姿勢乱れ
を改善し、良好な植付け作業を能率よく行える。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明に係る苗植付け機の一実施例を示したも
のであつて、第1図は植付け部の要部側面図、第2図は
歯車ケース部の一部を切欠いた拡大側面図、第3図は同
上水平断面図、第4図はプランタフオークの突出量と植
付け軌跡との関係を示すグラフ図である。 図中、1は植付け作業部、5は植付け爪部、6は歯車ケ
ース、8は入力軸、11はギア機構、18はプランタビー
ク、19はプランタフオーク、21は弾機である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶谷 博正 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番 地1 三菱農機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭63−80919(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作業部動力の入力軸に中央部が固定された
    歯車ケースの各先端部に、植付け苗を掻取つて保持する
    プランタビークと、該保持した植付け苗を押出すプラン
    タフオークと、プランタフオークを上昇側に向けて付勢
    する弾機と、プランタフオークの苗押出し作動を行うべ
    くプランタビークに対するプランタフオークの苗押出し
    作動を前記弾機に抗して行うためのカム機構とを備えた
    植付け爪部をそれぞれ設け、該植付け爪部を歯車ケース
    に内装のギア機構を介して姿勢制御し、入力軸の回動に
    連動する歯車ケースの回転で各植付け爪部による連続的
    な苗掻取りと苗植付けを行うようにした苗移植機におい
    て、上記カム機構は、プランタフオークの苗押し作動を
    する作動腕に設けられるカム腕と、歯車ケースに設けら
    れるカム軸に形成のカム体とを、一方の植付け爪部のプ
    ランタビークが苗載台から苗掻取り作動を開始すると
    き、他方の植付け爪部のプランタフオークは苗押出し行
    程を終えてプランタビークに対して上昇する行程に移る
    ものとし、かつ該上昇する行程で、弾機付勢力を受ける
    カム腕の押圧力が植付け爪部の回転を助力する方向に働
    く設定にしてあると共に、前記歯車ケースに、植付け爪
    部が苗掻取り作動をするとき、対応する植付け爪部の回
    転を助力する方向に働いてギア機構のガタ取りをするガ
    タ取り機構を設けたことを特徴とする苗植付け機。
JP63151637A 1988-06-20 1988-06-20 苗植付け機 Expired - Fee Related JP2591659B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6391010A (ja) * 1986-10-03 1988-04-21 ヤンマー農機株式会社 ロ−タリ−植付ア−ムによる植付装置
JPS6380919U (ja) * 1986-11-18 1988-05-27

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JPH01317323A (ja) 1989-12-22

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