JP2589552B2 - プレス加工性及び化成処理性の優れた溶接可能な溶融亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents
プレス加工性及び化成処理性の優れた溶接可能な溶融亜鉛系めっき鋼板Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は鉄粉を融合分散した溶融亜鉛系めっき鋼板及
びこの鋼板を加熱して鉄粉からの鉄拡散を行った溶融亜
鉛めっき鋼板に係るもので、特にプレス加工時のパウダ
リング性、スポット溶接性、及びリン酸塩処理性をバラ
ンスして要求される自動車を中心とした表面処理鋼板の
需要分野に用いるものである。
びこの鋼板を加熱して鉄粉からの鉄拡散を行った溶融亜
鉛めっき鋼板に係るもので、特にプレス加工時のパウダ
リング性、スポット溶接性、及びリン酸塩処理性をバラ
ンスして要求される自動車を中心とした表面処理鋼板の
需要分野に用いるものである。
(従来の技術) 従来、溶融亜鉛めっき鋼板はそのすぐれた耐食性から
広い分野での用途に供されてきたが、今後も市場ニーズ
は根強いものをもっている。しかしながら、ニーズの多
様化から低コストで高機能な表面処理鋼板の要望が強
く、これに答えるべくめっき層の改善が進められつつあ
る。この中で、溶接性と塗装性に長所をもつ、めっき後
の後加熱によって鉄素地から拡散した鉄によって亜鉛め
っき層がZn−Fe合金と化した合金化亜鉛めっき鋼板は、
自動車や家電分野で多用されている。
広い分野での用途に供されてきたが、今後も市場ニーズ
は根強いものをもっている。しかしながら、ニーズの多
様化から低コストで高機能な表面処理鋼板の要望が強
く、これに答えるべくめっき層の改善が進められつつあ
る。この中で、溶接性と塗装性に長所をもつ、めっき後
の後加熱によって鉄素地から拡散した鉄によって亜鉛め
っき層がZn−Fe合金と化した合金化亜鉛めっき鋼板は、
自動車や家電分野で多用されている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、この合金化亜鉛めっき鋼板はプレス加工時
のめっき剥離や溶接性に難点がある。例えば特公昭57−
49106号、特開昭59−182958号及び特開昭59−229493号
の各公報に提示されるように、加工に脆い異相のFe−Zn
合金層が存在するためにプレス加工の際凝集破壊によっ
てめっき層が剥離し、そのために素地から剥離しためっ
き層が金型に付着して加工品の表面形状を損ったり、粉
末化した剥離めっき層が飛散してプレス作業環境が悪化
するなどから、必ずしも需要家を満足させ得るものには
至っていないのが実情である。また、同種の目的で一方
では鋼中元素を規定して素地界面でのFe−Zn反応を抑制
したり、或いは生じるFe−Zn合金層を改質したものとし
て特開昭56−87655号公報或いは特開昭59−25964号公報
開示のもの、更には異種フラッシュめっきを施したもの
として特開昭59−31859号公報や特公昭60−56790号公報
開示のもの等が提案されている。しかしながら、これら
の提案も最近の需要家におけるプレス加工形状の複雑多
様化から需要家を十分満足させ得るに足るパウダリング
性とは言い難い。
のめっき剥離や溶接性に難点がある。例えば特公昭57−
49106号、特開昭59−182958号及び特開昭59−229493号
の各公報に提示されるように、加工に脆い異相のFe−Zn
合金層が存在するためにプレス加工の際凝集破壊によっ
てめっき層が剥離し、そのために素地から剥離しためっ
き層が金型に付着して加工品の表面形状を損ったり、粉
末化した剥離めっき層が飛散してプレス作業環境が悪化
するなどから、必ずしも需要家を満足させ得るものには
至っていないのが実情である。また、同種の目的で一方
では鋼中元素を規定して素地界面でのFe−Zn反応を抑制
したり、或いは生じるFe−Zn合金層を改質したものとし
て特開昭56−87655号公報或いは特開昭59−25964号公報
開示のもの、更には異種フラッシュめっきを施したもの
として特開昭59−31859号公報や特公昭60−56790号公報
開示のもの等が提案されている。しかしながら、これら
の提案も最近の需要家におけるプレス加工形状の複雑多
様化から需要家を十分満足させ得るに足るパウダリング
性とは言い難い。
以上のように、従来技術では鉄素地からのFe拡散であ
るためFe−Zn合金層の不均一生成,異相形成および過合
金化抑制を安定して制御することが難しく、従って溶接
性、他の性能と加工によるめっき層の耐パウダリング性
とを安定して両立させることは難しいのが現状である。
るためFe−Zn合金層の不均一生成,異相形成および過合
金化抑制を安定して制御することが難しく、従って溶接
性、他の性能と加工によるめっき層の耐パウダリング性
とを安定して両立させることは難しいのが現状である。
本発明は、上述した従来の合金化亜鉛めっき鋼板の最
大の課題であるFe−Zn反応における過合金化、異相合金
化もしくは不均一合金化によるめっき層のパウダリング
性の向上を主たる目的とし、溶接性、化成処理性等他の
要求性能とバランスさせた機能型溶融亜鉛めっき鋼板を
市場提供する。
大の課題であるFe−Zn反応における過合金化、異相合金
化もしくは不均一合金化によるめっき層のパウダリング
性の向上を主たる目的とし、溶接性、化成処理性等他の
要求性能とバランスさせた機能型溶融亜鉛めっき鋼板を
市場提供する。
(課題を解決するための手段) 本発明は、Al0.1〜10wt%、Sb0.1〜1.0wt%を含有
し、不可避的不純物の総量が0.02wt%未満の亜鉛めっき
層中に、下記〜を満たす亜鉛被覆鉄粉を総亜鉛めっ
き付着量に対して5〜50wt%分散複合させたことを特徴
とするプレス加工性及び化成処理性の優れた溶接可能な
溶融亜鉛系めっき鋼板、及び、Al0.1〜10wt%、Sb0.1〜
1.0wt%を含有し、不可避的不純物の総量が0.02wt%未
満の亜鉛めっき層中に、下記〜を満たす亜鉛被覆鉄
粉を総亜鉛めっき付着量に対して5〜50wt%分散複合さ
せ、加熱して鉄粉からの鉄拡散量を6〜11wt%としたこ
とを特徴とするプレス加工性及び化成処理性の優れた溶
接可能な溶融亜鉛系めっき鋼板である。
し、不可避的不純物の総量が0.02wt%未満の亜鉛めっき
層中に、下記〜を満たす亜鉛被覆鉄粉を総亜鉛めっ
き付着量に対して5〜50wt%分散複合させたことを特徴
とするプレス加工性及び化成処理性の優れた溶接可能な
溶融亜鉛系めっき鋼板、及び、Al0.1〜10wt%、Sb0.1〜
1.0wt%を含有し、不可避的不純物の総量が0.02wt%未
満の亜鉛めっき層中に、下記〜を満たす亜鉛被覆鉄
粉を総亜鉛めっき付着量に対して5〜50wt%分散複合さ
せ、加熱して鉄粉からの鉄拡散量を6〜11wt%としたこ
とを特徴とするプレス加工性及び化成処理性の優れた溶
接可能な溶融亜鉛系めっき鋼板である。
鉄粉の平均粒径3〜30μm 鉄粉表面の金属亜鉛被覆率10%以上 金属亜鉛被覆表面層の酸素量1wt%以下 金属亜鉛被覆表面層中のAl含有率0.2〜5wt% (作 用) 本発明は、溶融亜鉛めっき後の後加熱による鋼板素地
からのFe拡散によるFe−Zn金属間化合物形成的発想では
従来技術の問題解決は難しいと考え、事前に鉄素地界面
にタイトなFe−Al−Zn系三元合金層のバリアー層を形成
し、これによって素地からのFeの拡散を抑制しつつ、更
にその上層の亜鉛めっき層に対して鉄粉を融合分散させ
ることにより亜鉛のもつ展延性を活かすことによってめ
っき層のパウダリング性を向上させ、且つ分散融合した
鉄粉の共存によってスポット溶接時の電極チップの亜鉛
による汚染を防ぎ、チップ寿命を延ばし連続打点性の向
上、或いは塗料二次密着性にすぐれたリン酸塩処理性の
向上を図ったものである。又、この鉄粉からの後加熱に
よる適宜なFe−Zn拡散反応によって遊離亜鉛のFe−Zn合
金化を図ることにより、上述した各性能を更に飛躍的に
向上させるという発想により本発明が生れたのである。
からのFe拡散によるFe−Zn金属間化合物形成的発想では
従来技術の問題解決は難しいと考え、事前に鉄素地界面
にタイトなFe−Al−Zn系三元合金層のバリアー層を形成
し、これによって素地からのFeの拡散を抑制しつつ、更
にその上層の亜鉛めっき層に対して鉄粉を融合分散させ
ることにより亜鉛のもつ展延性を活かすことによってめ
っき層のパウダリング性を向上させ、且つ分散融合した
鉄粉の共存によってスポット溶接時の電極チップの亜鉛
による汚染を防ぎ、チップ寿命を延ばし連続打点性の向
上、或いは塗料二次密着性にすぐれたリン酸塩処理性の
向上を図ったものである。又、この鉄粉からの後加熱に
よる適宜なFe−Zn拡散反応によって遊離亜鉛のFe−Zn合
金化を図ることにより、上述した各性能を更に飛躍的に
向上させるという発想により本発明が生れたのである。
Alは溶融亜鉛めっき鋼板としての高耐食性化はもとよ
り、鋼板に対する亜鉛めっき層の密着性を向上し、或い
は鋼板との界面にFe−Al−Zn三元合金層をタイトに生成
させることによって後加熱による鋼板からのFe拡散を抑
制してめっき層の過合金化を極力抑える。
り、鋼板に対する亜鉛めっき層の密着性を向上し、或い
は鋼板との界面にFe−Al−Zn三元合金層をタイトに生成
させることによって後加熱による鋼板からのFe拡散を抑
制してめっき層の過合金化を極力抑える。
Alが0.1wt%未満では溶融亜鉛めっき鋼板としての耐
食性がやや低下し、亜鉛めっき初期において鋼板界面に
生成するFe−Al−Zn三元合金層が不均一なため界面にFe
−Zn二元合金層が厚く生成し易く、そのため加工による
めっき密着性の低下を招き、或いはまた後加熱時には鉄
素地からのFeの異常拡散からめっき層が過合金化し易く
なり、パウダリング性不良を発生したりする。
食性がやや低下し、亜鉛めっき初期において鋼板界面に
生成するFe−Al−Zn三元合金層が不均一なため界面にFe
−Zn二元合金層が厚く生成し易く、そのため加工による
めっき密着性の低下を招き、或いはまた後加熱時には鉄
素地からのFeの異常拡散からめっき層が過合金化し易く
なり、パウダリング性不良を発生したりする。
一方、Alが10wt%を越えると亜鉛めっき層が軟質のた
めプレス時のフレーキングや型かじりが生じ易く、また
めっき表面に生成するAl酸化物によって化成性、溶接性
の低下が認められ、またこのAl酸化物により鉄粉の融合
性が低下し、めっき層に対する鉄粉含有率が低下して溶
接性を阻害する。また、後加熱時、鉄粉からの鉄の拡散
が抑制され、遊離Zn(η相)のFe−Zn合金化によるめっ
き性能の向上が望めない。好ましくはAl濃度範囲を0.2
〜7wt%とする。
めプレス時のフレーキングや型かじりが生じ易く、また
めっき表面に生成するAl酸化物によって化成性、溶接性
の低下が認められ、またこのAl酸化物により鉄粉の融合
性が低下し、めっき層に対する鉄粉含有率が低下して溶
接性を阻害する。また、後加熱時、鉄粉からの鉄の拡散
が抑制され、遊離Zn(η相)のFe−Zn合金化によるめっ
き性能の向上が望めない。好ましくはAl濃度範囲を0.2
〜7wt%とする。
Sbはめっき層において活性Alと共晶し、AlをAl−Sb共
晶体にすることによって後述するPb等不可避的不純物の
粒間腐食に対する感受性を抑制し、経時によるめっき剥
離を防止する。
晶体にすることによって後述するPb等不可避的不純物の
粒間腐食に対する感受性を抑制し、経時によるめっき剥
離を防止する。
Sb0.1wt%未満では活性AlのAl−Sb共晶化による不活
性化は難しく、めっき層の粒間腐食によるめっき剥離は
完全に防止できない。一方、Sb1.0wt%超ではめっき浴
の粘度及び表面張力の上昇が目立ち、均一なめっき付着
量制御や鉄粉の均一融合性を阻害し、鉄粉の適正含有率
の低下があり、これによってプレス時のフレーキング発
生やスポット溶接性あるいは電着塗装後の耐食性等に弊
害を招く。好ましいSb濃度範囲は0.15〜0.3wt%であ
る。
性化は難しく、めっき層の粒間腐食によるめっき剥離は
完全に防止できない。一方、Sb1.0wt%超ではめっき浴
の粘度及び表面張力の上昇が目立ち、均一なめっき付着
量制御や鉄粉の均一融合性を阻害し、鉄粉の適正含有率
の低下があり、これによってプレス時のフレーキング発
生やスポット溶接性あるいは電着塗装後の耐食性等に弊
害を招く。好ましいSb濃度範囲は0.15〜0.3wt%であ
る。
不可避的不純物とはPb、Cd、Sn等Znの局部電池を形成
してカソード化する元素で、使用する高純度地金から不
可避的に混入してくるものをいう。これらの不可避的不
純物は活性Alとの共存下で亜鉛めっき層の粒間腐食を助
長し、その脆性破壊からめっき層剥離を招くため極力排
除する。従って、Pbをはじめとする総不純物量として0.
02wt%未満とする。好ましくは0.01wt%以下とする。
してカソード化する元素で、使用する高純度地金から不
可避的に混入してくるものをいう。これらの不可避的不
純物は活性Alとの共存下で亜鉛めっき層の粒間腐食を助
長し、その脆性破壊からめっき層剥離を招くため極力排
除する。従って、Pbをはじめとする総不純物量として0.
02wt%未満とする。好ましくは0.01wt%以下とする。
亜鉛被覆鉄粉の平均粒径は、溶融亜鉛めっき層におけ
る表面粗さの均一性、スポット溶接における電極寿命、
或いは後加熱による鉄粉からの鉄の均一拡散性等を考慮
して適正範囲を選ぶ必要がある。平均粒径が3μm未満
では、溶融状態のバルク亜鉛めっき層に対する鉄粉の付
着融合性が悪く、所定の付着量が得られにくくなり、こ
れがプレス時めっき層にフレーキング不良を起したり、
スポット溶接における電極先端チップの汚染から連続打
点寿命の低下等を招く。鉄粉の平均粒径が30μmを越え
ると亜鉛めっき鋼板の表面が過剰に粗面化し、プレス加
工時アブレージョンの発生や加工部の掻き疵発生など、
プレス加工性や塗装外観上に支障を招き実用的でない。
後加熱による鉄粉からのFe拡散においても均一性に欠け
る。以上から平均粒径は3〜30μmとし、好ましい範囲
は5〜30μmである。
る表面粗さの均一性、スポット溶接における電極寿命、
或いは後加熱による鉄粉からの鉄の均一拡散性等を考慮
して適正範囲を選ぶ必要がある。平均粒径が3μm未満
では、溶融状態のバルク亜鉛めっき層に対する鉄粉の付
着融合性が悪く、所定の付着量が得られにくくなり、こ
れがプレス時めっき層にフレーキング不良を起したり、
スポット溶接における電極先端チップの汚染から連続打
点寿命の低下等を招く。鉄粉の平均粒径が30μmを越え
ると亜鉛めっき鋼板の表面が過剰に粗面化し、プレス加
工時アブレージョンの発生や加工部の掻き疵発生など、
プレス加工性や塗装外観上に支障を招き実用的でない。
後加熱による鉄粉からのFe拡散においても均一性に欠け
る。以上から平均粒径は3〜30μmとし、好ましい範囲
は5〜30μmである。
鉄粉表面の金属亜鉛被覆の役割は、鉄粉とバルク亜鉛
めっき層との融点の差を出来るだけ小さくし、鉄粉が溶
融亜鉛めっき層と融合し易くすることである。従って、
その均一融合分散性を確保するには、鉄粉表面の金属亜
鉛被覆率を出来るだけ高くする必要がある。
めっき層との融点の差を出来るだけ小さくし、鉄粉が溶
融亜鉛めっき層と融合し易くすることである。従って、
その均一融合分散性を確保するには、鉄粉表面の金属亜
鉛被覆率を出来るだけ高くする必要がある。
鉄粉表面への亜鉛被覆方法としては既存の技術を適用
してよいが、鉄粉粉砕時の発熱を利用して金属亜鉛粉末
を転写するメカニカル法、或いは溶融亜鉛めっき法が比
較的効率がよい。また、この被覆金属亜鉛中の不純物は
前述した亜鉛めっき層中の不純物の場合と同様に不可避
的不純物に含める。
してよいが、鉄粉粉砕時の発熱を利用して金属亜鉛粉末
を転写するメカニカル法、或いは溶融亜鉛めっき法が比
較的効率がよい。また、この被覆金属亜鉛中の不純物は
前述した亜鉛めっき層中の不純物の場合と同様に不可避
的不純物に含める。
鉄粉に対する亜鉛被覆率が10%未満ではバルク亜鉛め
っき層との融合均一分散性が一様でなく、鉄粉の付着効
率も低下する。従って、鉄粉表面の金属亜鉛被覆率は10
%以上、好ましくは30%以上とする。
っき層との融合均一分散性が一様でなく、鉄粉の付着効
率も低下する。従って、鉄粉表面の金属亜鉛被覆率は10
%以上、好ましくは30%以上とする。
鉄粉をバルク亜鉛めっき層に対し均一に融合分散させ
るためには鉄粉を被覆する金属亜鉛の表面張力を下げ、
濡れ性を向上させることが必須で、そのためには被覆亜
鉛の表面酸化被覆の形成を極力抑制しなければならな
い。表面酸化皮膜量を抑制する方法は公知のいずれの方
法であってもよいが、酸化皮膜量が総酸素量として被覆
総亜鉛量の1%を越えると表面張力が増し、鉄粉のバル
ク亜鉛めっき層に対する濡れ性が低下し、鉄粉の均一融
合分散性が低下して鉄粉の所定付着量が得られにくくな
る。これらはプレス性、溶接性、リン酸塩処理性等の劣
化をもたらし実用的でない。従って、表面酸化量は総酸
素量として1wt%以下とし、好ましくは0.5wt%以下とす
る。
るためには鉄粉を被覆する金属亜鉛の表面張力を下げ、
濡れ性を向上させることが必須で、そのためには被覆亜
鉛の表面酸化被覆の形成を極力抑制しなければならな
い。表面酸化皮膜量を抑制する方法は公知のいずれの方
法であってもよいが、酸化皮膜量が総酸素量として被覆
総亜鉛量の1%を越えると表面張力が増し、鉄粉のバル
ク亜鉛めっき層に対する濡れ性が低下し、鉄粉の均一融
合分散性が低下して鉄粉の所定付着量が得られにくくな
る。これらはプレス性、溶接性、リン酸塩処理性等の劣
化をもたらし実用的でない。従って、表面酸化量は総酸
素量として1wt%以下とし、好ましくは0.5wt%以下とす
る。
亜鉛被覆鉄粉の亜鉛層中のAlは、亜鉛層に対する鉄粉
からのFeの過剰拡散を抑え、鉄粉の表面にη相(純亜鉛
層)を十分生成させ、鉄粉とバルクの溶融亜鉛めっき層
との均一融合を図る上で重要な役割をもつ。
からのFeの過剰拡散を抑え、鉄粉の表面にη相(純亜鉛
層)を十分生成させ、鉄粉とバルクの溶融亜鉛めっき層
との均一融合を図る上で重要な役割をもつ。
このAl含有率が0.2wt%未満では鉄粉からのFe拡散を
十分抑制し難いため、被覆した金属亜鉛が融点の高いFe
−Zn化合物に変質する。この状態ではバルクの溶融亜鉛
めっき層中での鉄粉の均一融合性は十分でなく、所定の
鉄粉含有率を得るには至らない。また、この鉄粉を分散
した亜鉛めっき鋼板の後加熱において鉄粉を中心とした
近傍のめっき層が部分的に過合金化し易く、プレス性等
を損ない易い。一方、Al含有率が5wt%を越えると鉄粉
との界面にタイトなFe−Al−Zn系金属間化合物が生成
し、これがかえって後加熱時の鉄粉からのFe拡散を阻害
する。このため鉄粉分散複合亜鉛めっき鋼板として均一
なFe−Zn合金を形成し難くなる。また、鉄粉の表面を被
覆する亜鉛の表面に生成するAl酸化膜によって水濡れ性
が低下するためリン酸塩処理性が低下し、その後の電着
塗装外観に弊害を招き実用的でない。以上から鉄粉表面
を被覆する亜鉛中のAl含有率は0.2〜5wt%とし、好まし
くは0.3〜3wt%とする。
十分抑制し難いため、被覆した金属亜鉛が融点の高いFe
−Zn化合物に変質する。この状態ではバルクの溶融亜鉛
めっき層中での鉄粉の均一融合性は十分でなく、所定の
鉄粉含有率を得るには至らない。また、この鉄粉を分散
した亜鉛めっき鋼板の後加熱において鉄粉を中心とした
近傍のめっき層が部分的に過合金化し易く、プレス性等
を損ない易い。一方、Al含有率が5wt%を越えると鉄粉
との界面にタイトなFe−Al−Zn系金属間化合物が生成
し、これがかえって後加熱時の鉄粉からのFe拡散を阻害
する。このため鉄粉分散複合亜鉛めっき鋼板として均一
なFe−Zn合金を形成し難くなる。また、鉄粉の表面を被
覆する亜鉛の表面に生成するAl酸化膜によって水濡れ性
が低下するためリン酸塩処理性が低下し、その後の電着
塗装外観に弊害を招き実用的でない。以上から鉄粉表面
を被覆する亜鉛中のAl含有率は0.2〜5wt%とし、好まし
くは0.3〜3wt%とする。
亜鉛被覆鉄粉のバルク亜鉛めっき層における含有率が
総めっき付着量に対して5wt%未満では、プレス加工の
際塑性変形し易い柔かい亜鉛層がフレーク状に剥離し、
それが金型に付着して加工形状を損ったり、或いはスポ
ット溶接時にZnが電極先端チップに溶着し汚染するた
め、溶接寿命の低下を招く。また、鉄粉含有率が50wt%
を越えると鉄粉複合亜鉛めっき層が硬質化してプレス加
工時にパウダリング状に剥離し、電着塗装後の耐食性の
低下などがあって実用的でない。従って、鉄粉含有率は
5〜50wt%、好ましくは7〜30wt%とする。
総めっき付着量に対して5wt%未満では、プレス加工の
際塑性変形し易い柔かい亜鉛層がフレーク状に剥離し、
それが金型に付着して加工形状を損ったり、或いはスポ
ット溶接時にZnが電極先端チップに溶着し汚染するた
め、溶接寿命の低下を招く。また、鉄粉含有率が50wt%
を越えると鉄粉複合亜鉛めっき層が硬質化してプレス加
工時にパウダリング状に剥離し、電着塗装後の耐食性の
低下などがあって実用的でない。従って、鉄粉含有率は
5〜50wt%、好ましくは7〜30wt%とする。
亜鉛被覆鉄粉を均一融合分散させた鉄粉複合溶融亜鉛
めっき鋼板のスポット溶接性及びリン酸塩処理性につい
て、更に安全性向上を図るためには後加熱して鉄粉から
のFe拡散による遊離亜鉛の合金化を図る。この後加熱条
件は、鋼板素地からのFe拡散を極力抑え、鉄粉からの所
定のFe拡散量になるよう工夫する必要がある。
めっき鋼板のスポット溶接性及びリン酸塩処理性につい
て、更に安全性向上を図るためには後加熱して鉄粉から
のFe拡散による遊離亜鉛の合金化を図る。この後加熱条
件は、鋼板素地からのFe拡散を極力抑え、鉄粉からの所
定のFe拡散量になるよう工夫する必要がある。
この場合のFe拡散量が6wt%未満では、スポット溶接
時に電極先端チップに溶着する亜鉛による汚染のため安
定した連続打点性が得られにくく、またカチオン電着塗
装後の塗料二次密着性の低下があって実用的でない。こ
のFe拡散量が11wt%を越えると鉄粉を分散固定するバル
クの亜鉛めっき層が硬質化して脆くなるため、プレス加
工に対しめっき層の伸びが追従し難く、亀裂の多発など
から一種のパウダリング現象が生じ、加工外観品質及び
プレス加工作業に支障を来たす。従って、バルクの溶融
亜鉛めっき層における遊離亜鉛への鉄粉からのFe拡散量
は6〜11wt%とし、好ましくは7〜10wt%とする。
時に電極先端チップに溶着する亜鉛による汚染のため安
定した連続打点性が得られにくく、またカチオン電着塗
装後の塗料二次密着性の低下があって実用的でない。こ
のFe拡散量が11wt%を越えると鉄粉を分散固定するバル
クの亜鉛めっき層が硬質化して脆くなるため、プレス加
工に対しめっき層の伸びが追従し難く、亀裂の多発など
から一種のパウダリング現象が生じ、加工外観品質及び
プレス加工作業に支障を来たす。従って、バルクの溶融
亜鉛めっき層における遊離亜鉛への鉄粉からのFe拡散量
は6〜11wt%とし、好ましくは7〜10wt%とする。
(実施例) 板厚0.8mm、板幅1219mmの冷延鋼板にゼンジマー式溶
融亜鉛めっきラインで表1に示す溶融亜鉛めっきを施し
たのち、直ちに溶融状態にある亜鉛めっき層に対し加温
した窒素ガス雰囲気中で表1に示す亜鉛被覆鉄粉を均一
に吹付けて融合分散させた溶融亜鉛系めっき鋼板のめっ
き性能について表1にまとめて示す。
融亜鉛めっきラインで表1に示す溶融亜鉛めっきを施し
たのち、直ちに溶融状態にある亜鉛めっき層に対し加温
した窒素ガス雰囲気中で表1に示す亜鉛被覆鉄粉を均一
に吹付けて融合分散させた溶融亜鉛系めっき鋼板のめっ
き性能について表1にまとめて示す。
比較例No.5は亜鉛被覆鉄粉の平均粒径が3μm未満で
あるため、バルクの亜鉛めっき層に融合する際二次凝集
を起こし、鉄粉の均一分散性に欠ける。これが結果的に
めっき表面の粗面化を招き、このためめっき層の硬さ或
いは伸びの違いからくるプレス加工性や電着塗装外観の
劣化、或いは鉄粉の不均一分散からくるスポット溶接
性、耐食性の低下を招く。比較例No.6は亜鉛被覆鉄粉の
平均粒径が30μmを越えており、めっき層中での融合に
よる二次凝集は認められないものの、元来粒径であるた
め結果的に比較例No.5と同様のめっき性能上の弊害を示
す。これに対し、実施例No.1〜4はプレス加工性をはじ
めバランスして優れた性能を示している。後加熱する
と、実施例No64〜66はめっき鋼板としての諸性能が全体
に向上するが、比較例No.67,68のように適正粒径範囲を
越えると実用性能が十分でない。
あるため、バルクの亜鉛めっき層に融合する際二次凝集
を起こし、鉄粉の均一分散性に欠ける。これが結果的に
めっき表面の粗面化を招き、このためめっき層の硬さ或
いは伸びの違いからくるプレス加工性や電着塗装外観の
劣化、或いは鉄粉の不均一分散からくるスポット溶接
性、耐食性の低下を招く。比較例No.6は亜鉛被覆鉄粉の
平均粒径が30μmを越えており、めっき層中での融合に
よる二次凝集は認められないものの、元来粒径であるた
め結果的に比較例No.5と同様のめっき性能上の弊害を示
す。これに対し、実施例No.1〜4はプレス加工性をはじ
めバランスして優れた性能を示している。後加熱する
と、実施例No64〜66はめっき鋼板としての諸性能が全体
に向上するが、比較例No.67,68のように適正粒径範囲を
越えると実用性能が十分でない。
比較例No.12は鉄粉表面の金属亜鉛被覆率が小さく、
鉄粉のバルク亜鉛めっき層に対する融合性が失われ、鉄
粉の亜鉛めっき層に対する含有率の異常低下をもたら
す。これに対し、実施例No.7〜11は優れためっき性能を
示している。後加熱すると、実施例No.69〜72は優れた
めっき性能を示すのに対し、比較例No.73は後加熱前の
バルク亜鉛めっき層に対する鉄粉の含有率が低すぎるこ
ともあり、後加熱しても鉄粉からのバルク亜鉛めっき層
中のη相へのFe拡散量が小さく、めっき鋼板のめっき品
質を向上させるには至らない。
鉄粉のバルク亜鉛めっき層に対する融合性が失われ、鉄
粉の亜鉛めっき層に対する含有率の異常低下をもたら
す。これに対し、実施例No.7〜11は優れためっき性能を
示している。後加熱すると、実施例No.69〜72は優れた
めっき性能を示すのに対し、比較例No.73は後加熱前の
バルク亜鉛めっき層に対する鉄粉の含有率が低すぎるこ
ともあり、後加熱しても鉄粉からのバルク亜鉛めっき層
中のη相へのFe拡散量が小さく、めっき鋼板のめっき品
質を向上させるには至らない。
比較例No.21は金属亜鉛被覆表面層中のAl含有率が小
さく、加工性、溶接性が低下し、比較例No.22はAl含有
率が大きく、リン酸塩処理性の低下が目立つ。これに対
し、実施例No.13〜20はめっき鋼板としてのめっき性能
がバランスして良好である。後加熱すると、実施例No.7
4〜76は加熱前と同等で優れためっき性能であるが、比
較例No.77,78は後加熱によってめっき性能の向上が相対
的には認められるが、実施例ほどではない。
さく、加工性、溶接性が低下し、比較例No.22はAl含有
率が大きく、リン酸塩処理性の低下が目立つ。これに対
し、実施例No.13〜20はめっき鋼板としてのめっき性能
がバランスして良好である。後加熱すると、実施例No.7
4〜76は加熱前と同等で優れためっき性能であるが、比
較例No.77,78は後加熱によってめっき性能の向上が相対
的には認められるが、実施例ほどではない。
比較例No.27は鉄粉の金属亜鉛被覆表面層の酸素量が
多く、濡れ性が低下し、バルクの亜鉛めっき層に対する
鉄粉の含有率低下を招き、めっき性能の低下が著しい。
これに対し、実施例No.23〜26はバルクの亜鉛めっき層
に対する鉄粉の濡れ性が保たれ、融合分散が均一に進む
ためめっき性能が優れている。後加熱すると、実施例N
o.79,80はめっき性能に対する表面酸素量の効果に変化
はなく、加熱前と同等である。一方、比例例No.81では
後加熱によって鉄粉からのFeの拡散効果としてプレスパ
ウダリング性の向上は認められるものの、他のめっき性
能に対する効果は実施例のレベルには達しておらず、安
定した総合性能は得られにくい。
多く、濡れ性が低下し、バルクの亜鉛めっき層に対する
鉄粉の含有率低下を招き、めっき性能の低下が著しい。
これに対し、実施例No.23〜26はバルクの亜鉛めっき層
に対する鉄粉の濡れ性が保たれ、融合分散が均一に進む
ためめっき性能が優れている。後加熱すると、実施例N
o.79,80はめっき性能に対する表面酸素量の効果に変化
はなく、加熱前と同等である。一方、比例例No.81では
後加熱によって鉄粉からのFeの拡散効果としてプレスパ
ウダリング性の向上は認められるものの、他のめっき性
能に対する効果は実施例のレベルには達しておらず、安
定した総合性能は得られにくい。
比較例No.32は鉄粉含有率が小さく、No.33は鉄粉含有
率が大きく、バルク亜鉛めっき層中の鉄粉含有率が過不
足から安定しためっき性能が得られていない。これに対
し、実施例No.28〜31はめっき鋼板としてのめっき性能
が優れている。後加熱すると、実施例No.82〜85は加熱
前と殆ど変化なく安定して優れた性能レベルを保つが、
比較例No.86,87はスポット溶接性でやや向上している
が、めっき性能としてバランスした優れたレベルには達
していない。
率が大きく、バルク亜鉛めっき層中の鉄粉含有率が過不
足から安定しためっき性能が得られていない。これに対
し、実施例No.28〜31はめっき鋼板としてのめっき性能
が優れている。後加熱すると、実施例No.82〜85は加熱
前と殆ど変化なく安定して優れた性能レベルを保つが、
比較例No.86,87はスポット溶接性でやや向上している
が、めっき性能としてバランスした優れたレベルには達
していない。
比較例No.42,43はめっき層のAl含有率が適正でなく、
プレス加工性をはじめ一長一短のアンバランスなめっき
性能を示す。これに対し、実施例No.34〜41はめっき鋼
板のめっき性能としては溶接性をはじめバランスして優
れたレベルにある。後加熱すると、実施例No.88〜95は
めっき性能の変化が認められず、安定した性能が得られ
ているが、比較例No.96,97は後加熱前のめっき品質のア
ンバランスを補うほどの性能の向上は認められない。
プレス加工性をはじめ一長一短のアンバランスなめっき
性能を示す。これに対し、実施例No.34〜41はめっき鋼
板のめっき性能としては溶接性をはじめバランスして優
れたレベルにある。後加熱すると、実施例No.88〜95は
めっき性能の変化が認められず、安定した性能が得られ
ているが、比較例No.96,97は後加熱前のめっき品質のア
ンバランスを補うほどの性能の向上は認められない。
比較例No.49,50はSbの含有率が適正でなく、No.49で
はめっき層のPbをはじめとする不純物によって起こる粒
間腐食のSbによる抑制効果が減少し、経時によるめっき
剥離を招き、No.50ではSbの酸化物形成による亜鉛めっ
きの表面張力の増大によると考えられる鉄粉の付着融合
性の低下からバルク亜鉛めっき層への鉄粉含有率の低下
を招き、これらがプレス加工性、溶接性、或いは、リン
酸塩処理性等のめっき性能のレベル低下を引き起こす。
これに対し、実施例No.44〜48にめっき鋼板としてのめ
っき性能が安定して優れている。後加熱すると、実施例
No.98〜101は鉄粉からのFe拡散に対するSbの弊害は特に
認められず、後加熱前のめっき性能と同等で優れたレベ
ルを示しているが、比較例No.102,103は鉄粉からのFe拡
散効果からめっき性能のレベルは相対的に向上の傾向に
はあるが、耐経時めっき剥離性、溶接性、或いはリン酸
塩処理性等において実用的レベルには達していない。
はめっき層のPbをはじめとする不純物によって起こる粒
間腐食のSbによる抑制効果が減少し、経時によるめっき
剥離を招き、No.50ではSbの酸化物形成による亜鉛めっ
きの表面張力の増大によると考えられる鉄粉の付着融合
性の低下からバルク亜鉛めっき層への鉄粉含有率の低下
を招き、これらがプレス加工性、溶接性、或いは、リン
酸塩処理性等のめっき性能のレベル低下を引き起こす。
これに対し、実施例No.44〜48にめっき鋼板としてのめ
っき性能が安定して優れている。後加熱すると、実施例
No.98〜101は鉄粉からのFe拡散に対するSbの弊害は特に
認められず、後加熱前のめっき性能と同等で優れたレベ
ルを示しているが、比較例No.102,103は鉄粉からのFe拡
散効果からめっき性能のレベルは相対的に向上の傾向に
はあるが、耐経時めっき剥離性、溶接性、或いはリン酸
塩処理性等において実用的レベルには達していない。
比較例No.54,55はPbを代表とする不純物が多く、不純
物のPbによる粒間腐食を生じ、めっき層の脆性破壊から
耐経時めっき剥離性、耐食性等の劣化がある。これに対
し、実施例No.51〜53は溶融亜鉛めっき層に対する鉄粉
の融合分散性或いはめっき性能に対する弊害は全く認め
られず、安定した品位のめっき性能が得られる。後加熱
すると、実施例No.104〜106は鉄粉の融合分散性或いは
鉄粉からのFe拡散性に問題はなく、安定して優れためっ
き性能が得られているが、比較例No.107,108は鉄粉から
のFe拡散効果として耐経時めっき剥離性の向上が認めら
れるものの実用的レベルには到達していない。
物のPbによる粒間腐食を生じ、めっき層の脆性破壊から
耐経時めっき剥離性、耐食性等の劣化がある。これに対
し、実施例No.51〜53は溶融亜鉛めっき層に対する鉄粉
の融合分散性或いはめっき性能に対する弊害は全く認め
られず、安定した品位のめっき性能が得られる。後加熱
すると、実施例No.104〜106は鉄粉の融合分散性或いは
鉄粉からのFe拡散性に問題はなく、安定して優れためっ
き性能が得られているが、比較例No.107,108は鉄粉から
のFe拡散効果として耐経時めっき剥離性の向上が認めら
れるものの実用的レベルには到達していない。
比較例No.62,63は後加熱による鉄粉からのFe拡散量が
適正ではなく、プレス加工性がやや低下している。これ
に対し、実施例No.56〜61はめっき層のめっき性能に対
する弊害は特に認められず、安定した優れた品位を示し
ている。
適正ではなく、プレス加工性がやや低下している。これ
に対し、実施例No.56〜61はめっき層のめっき性能に対
する弊害は特に認められず、安定した優れた品位を示し
ている。
備 考 *1 原子吸光分析法による。
*2 重量法、JISH−4019 *3 ・Zn被覆率は、Zn被覆鉄粉1g中に占めるZn量を原
子吸光分析で求めたもの。
子吸光分析で求めたもの。
・Al含有率はZnと同様Zn被覆鉄粉1g中に占めるAl量を原
子吸光分析で求めたもの。
子吸光分析で求めたもの。
・表面酸素量はJIS Z 2613の定量法を適用。
*4 NaOH加熱水にてめっき層を剥離し、濾過残渣を分
子に、総重量を分母として算出した(重量法)。
子に、総重量を分母として算出した(重量法)。
*5 同一試片の後加熱前後で*4に準じて測定。
*6 プレス加工性 ・パウダリング性 ◎ 全く剥離無し ○ 僅かに剥離 △ 点状剥離 × 全面剥離 ・フレーキング性 ◎ 全く発生せず ○ 僅かに発生 △ 部分的剥離 × かなり剥離 *7 スポット溶接性 ・Cu−Cr系電極チップ先端径 4.5mmφ(CF型) ・板組み合わせ 2枚重ね ・電流値設定 9KA ・溶接時間(於50Hz) 10サイクル ・加圧力 200kg ◎ 5000打点以上 ○ 〜4000打点 △ 〜3000打点 × 1000打点以下 *8 Pb3020処理(日本パーカライジング) 皮膜のスケ状態 ◎ 無し ○ 僅かに発生 △ 部分発生 × 全面発生 *9 ガスピン発生状態(u−500/日本ペイント、15μ
m塗装) ◎ 無 ○ 無(ユズ肌) △ 10個/cm2以内 × 30個/cm2超 *10 u−500、15μm塗装焼付後40℃温水に14日間浸
漬したのち1mm□×100□碁盤目テーピング、塗膜密着性
評価 ◎ 100/100 ○ 95/100 △ 80/100 × 50/100以下 *11 u−500、15μm塗装焼付、5%塩水散布暴露
(2回/週)12箇月塗膜剥離面積(テーピング) ◎ 無 ○ 僅か剥離 △ 部分的剥離 × 全面剥離 *12 蒸気テスト95℃×7日間後3mmφ折曲テーピング
剥離 ◎ 剥離無 ○ 僅か剥離 △ 点状剥離 × 全面剥離 (発明の効果) 本発明はプレス加工性、スポット溶接性、或いはリン
酸塩処理性等のめっき性能をバランスよく向上させた画
期的な溶融亜鉛系めっき鋼板である。
m塗装) ◎ 無 ○ 無(ユズ肌) △ 10個/cm2以内 × 30個/cm2超 *10 u−500、15μm塗装焼付後40℃温水に14日間浸
漬したのち1mm□×100□碁盤目テーピング、塗膜密着性
評価 ◎ 100/100 ○ 95/100 △ 80/100 × 50/100以下 *11 u−500、15μm塗装焼付、5%塩水散布暴露
(2回/週)12箇月塗膜剥離面積(テーピング) ◎ 無 ○ 僅か剥離 △ 部分的剥離 × 全面剥離 *12 蒸気テスト95℃×7日間後3mmφ折曲テーピング
剥離 ◎ 剥離無 ○ 僅か剥離 △ 点状剥離 × 全面剥離 (発明の効果) 本発明はプレス加工性、スポット溶接性、或いはリン
酸塩処理性等のめっき性能をバランスよく向上させた画
期的な溶融亜鉛系めっき鋼板である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−67153(JP,A) 特開 昭62−27558(JP,A) 特開 昭50−105519(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】Al 0.1〜10wt%、 Sb 0.1〜1.0wt% を含有し、不可避的不純物の総量が0.02wt%未満の亜鉛
めっき層中に、下記〜を満たす亜鉛被覆鉄粉を総亜
鉛めっき付着量に対して5〜50wt%分散複合させたこと
を特徴とするプレス加工性及び化成処理性の優れた溶接
可能な溶融亜鉛系めっき鋼板。 鉄粉の平均粒径3〜30μm 鉄粉表面の金属亜鉛被覆率10%以上 金属亜鉛被覆表面層の酸素量1wt%以下 金属亜鉛被覆表面層中のAl含有率0.2〜5wt% - 【請求項2】Al 0.1〜10wt%、 Sb 0.1〜1.0wt% を含有し、不可避的不純物の総量が0.02wt%未満の亜鉛
めっき層中に、下記〜を満たす亜鉛被覆鉄粉を総亜
鉛めっき付着量に対して5〜50wt%分散複合させ、加熱
して鉄粉からの鉄拡散量を6〜11wt%としたことを特徴
とするプレス加工性及び化成処理性の優れた溶接可能な
溶融亜鉛系めっき鋼板。 鉄粉の平均粒径3〜30μm 鉄粉表面の金属亜鉛被覆率10%以上 金属亜鉛被覆表面層の酸素量1wt%以下 金属亜鉛被覆表面層中のAl含有率0.2〜5wt%
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20036688A JP2589552B2 (ja) | 1988-08-11 | 1988-08-11 | プレス加工性及び化成処理性の優れた溶接可能な溶融亜鉛系めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20036688A JP2589552B2 (ja) | 1988-08-11 | 1988-08-11 | プレス加工性及び化成処理性の優れた溶接可能な溶融亜鉛系めっき鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0250946A JPH0250946A (ja) | 1990-02-20 |
JP2589552B2 true JP2589552B2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=16423111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20036688A Expired - Lifetime JP2589552B2 (ja) | 1988-08-11 | 1988-08-11 | プレス加工性及び化成処理性の優れた溶接可能な溶融亜鉛系めっき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2589552B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1060157A (ja) * | 1996-08-14 | 1998-03-03 | Showa Denko Kk | 二酸化チタン顔料含有熱可塑性樹脂組成物およびマスターバッチ並びにそれらの製造方法 |
EP1209245A1 (en) * | 2000-11-23 | 2002-05-29 | Galvapower Group N.V. | Flux and its use in hot dip galvanization process |
JP4517683B2 (ja) * | 2004-03-10 | 2010-08-04 | Jfeスチール株式会社 | 溶融分散めっき板の製造方法 |
JP4725023B2 (ja) * | 2004-03-10 | 2011-07-13 | Jfeスチール株式会社 | 溶融めっき合金化処理鋼板の製造方法 |
-
1988
- 1988-08-11 JP JP20036688A patent/JP2589552B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0250946A (ja) | 1990-02-20 |
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