JP2589438Y2

JP2589438Y2 - 床材

Info

Publication number: JP2589438Y2
Application number: JP1992094007U
Authority: JP
Inventors: 剛大石
Original assignee: 株式会社ノダ
Priority date: 1992-12-16
Filing date: 1992-12-16
Publication date: 1999-01-27
Anticipated expiration: 2007-12-16
Also published as: JPH0649639U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、直貼用木質床材に関す
る。

【０００２】

【従来技術】従来、床材として側面に接合手段を有し表
面短手方向に適宜数の凹溝が形成され、上記凹溝の近辺
に裏面から切り込みが入れられた細長状化粧板を、長手
方向に若干ずらし前記凹溝が隣り合わせにならないよう
に短手方向に接合され、裏面の全面に渡りクッションシ
ートが貼着され一体化された床材が知られている。

【０００３】この木質床材は、細長状化粧板を長手方向
に若干ずらして接合することにより、長さ方向端部が雁
行状となり、木質床材と木質床材同志の接合部が目立た
ない点で意匠性に優れたものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、この木質床材
は、細長状化粧板同志は、実は嵌合されているだけで固
定されず、裏面に貼着したクッションシートにより一体
化されているものであり、施工の際の取り扱いにおい
て、細長状化粧板の実が外れ易く、一旦外れてしまうと
元通りに嵌合させるのが困難である。さらに、表面側の
凹溝とその裏面に切り込みを入れることにより柔軟性を
持たせると共に床材としての剛性を落とすことにより防
音機能をも向上させることができるものの、表面側の溝
と裏面の切り込みが接近して形成されるため、この他の
部分に比べ溝部分が特に強度が低い。

【０００５】このため、施工の際にこの溝部分がきわめ
て容易に折れ易く、また、施工の際に用いる接着剤が、
床板と床板とを接合する部分から表面側に漏出すると共
に、接合面においてクッション材同志も接合し、この接
合したクッション材部分には接着剤が浸透し硬化するた
め、接合部分のクッション性が硬化した接着剤により低
下してしまい防音性能も低下するという問題点を有する
ものであった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、このような従
来技術の問題点を解決する木質床材を提供することを目
的として鋭意工夫の結果完成されたものである。

【０００７】すなわち本考案は、四周面に実加工が施さ
れた化粧板が、長手方向に若干ずらされて短手方向に複
数枚嵌合固定れた化粧板群の、裏面にクッション性基材
が貼着された床材において、該クッション性基材が化粧
板群の裏面寸法に対し少なくともその短手方向あるいは
長手方向の一辺を若干小さいサイズとした床材である。

【０００８】

【実施例】以下図面に従い説明する。図１は本考案の床
材の平面図の一例である。図に示すように四周面に実加
工が施された化粧板１が長手方向に若干ずらされて嵌合
固定され、床材の長手方向および短手方向一端に接合用
の雄実２ａが配され、各他端にはこれと接合する雌実２
ｂが形成された床材である。

【０００９】本考案の化粧板１としては、例えば、合
板、木削片板、木質繊維板、単板積層板を単独または組
み合わせ積層したもの、あるいは合板と合板との間に緩
衝効果の優れた発泡合成樹脂シートを挟み込むように積
層したもの等を用いることができる。また、その表面に
化粧層を形成することができる。

【００１０】この化粧層は、例えば厚み０．２−４ｍｍ
程度の天然木材を切削して得られる天然突板、人工突
板、および不織布、紙、合成樹脂シートを裏打ちした突
板シート、または、化粧紙、含浸紙、不織布、合成樹脂
シート等の化粧シートを、接着剤を用い接着することに
より形成するか、あるいは化粧板表面に直接塗装または
印刷を施すことにより形成される。

【００１１】また、化粧層の表面に、上塗り層を設ける
こともできる。さらに、化粧板の表面には、必要に応じ
化粧層の切り換えに対応して短手方向にＶ溝３を形成し
てもよい。

【００１２】図２から図５は、本考案の床材の裏面図を
示すものである。図２は化粧板１が長手方向に若干ずら
して短手方向に４枚嵌合固定された化粧板群に比較し
て、短手方向の寸法が化粧板群より若干小さいクッショ
ン性基材４を、化粧板群の短手方向の一方の端辺５ａと
クッション性基材４の短手方向の一方の端辺を合わせて
貼着することにより、化粧板群の短手方向の他方の端辺
５ｂは該端辺と平行に内側に入り込んだ位置にクッショ
ン性基材が貼着され、化粧板群の端辺５ｂ裏面部分には
長手方向に渡って一定幅クッション性基材が貼着されな
い部分が存在する床材である。

【００１３】図２は短手方向の寸法のみ小さいクッショ
ン性基材の例えあるが、長手方向の寸法のみ化粧板群よ
り寸法が小さいみのでも良い。

【００１４】また、図３は、図２と同様に４校嵌合固定
された化粧板群の長手方向の一方の端部における各辺６
ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ、雁行状にずれている短手方向各
短辺部７ａ，７ｂ，７ｃ及び同化粧板群の短手方向の一
方の端辺部５ｂにおいてクッション性基材の寸法が小さ
く、各辺部においてクッション性基材４が内側に入り込
んで貼着されたものを示す。

【００１５】また、図４は図２と同様に嵌合した化粧板
群の短手方向両端辺部及び各化粧板の長手方向両端部に
おいてクッション性基材４の寸法が小さく、クッション
性基材４が内側に入り込んで貼着されたものを示す。

【００１６】さらに図５は化粧板１が長手方向に若干ず
らして短手方向に４枚嵌合固定されたものにおいて、化
粧板群が形成する全外周より外周寸法が小さいクッショ
ン性基材４が貼着されたもので、化粧板群の全外周部に
おいて内側に入り込んだ位置にクッション性基材４が貼
着されたものである。

【００１７】また、基板の裏面に貼着されるクッション
性基材４としては、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴム等の
シート状物、およびこれらの発泡体、または不織布等が
用いられる。

【００１８】このような床材を施工すると、図２に示す
ような床材の場合、短手方向の一方の化粧板群の端辺５
ａとクッション性基材４の端辺が合っている部分と、短
手方向の他方の化粧板群端辺５ｂと平行に内側に入り込
んだ位置にクッション性基材４が貼着あれた部分とが、
接合されることにより、クッション性基材４が内側に入
っている部分により接合部裏面に溝が形成されることと
なる。

【００１９】このようにクッション性基材４の寸法が化
粧板群の短手寸法あるいは長手寸法より小さく、化粧板
群の端辺より内側にクッション性基材が貼着されている
部分の接合部においては、隣接する床材との接合部裏面
に溝が形成されることとなる。

【００２０】この溝が防音用の空気室となり、床材表面
に加えられた衝撃音をこの空気室で減衰させることとな
り防音性能に優れた床材となる。

【００２１】また、この溝が、施工する際の床材裏面と
施工下地面を接着するために塗布する接着剤の過剰接着
剤の溜り部として機能し、過剰の接着剤が床材の接合部
から表面側に漏出するのを防止する効果を有することと
なる。さらに、接合部において接着剤クッション性基材
側面に浸透して硬化することも防止するため、接合部に
おけるクッション性基材のクッション機能が低下するの
を防止することができる。

【００２２】この、嵌合固定された化粧板群の少なくと
も短手寸法または長手寸法より小さいクッション性基材
は、各化粧板を短手方向に嵌合固定した後に、寸法を調
整されたクッション性基材は、各化粧板を短手方向に嵌
合固定した後に、寸法を調整されたクッション性基材４
を化粧板１の裏面に貼着する。

【００２３】また、本考案の化粧板１の短手方向の嵌合
固定は、短手方向に実を嵌合させ接着剤等により固定す
る。この際用いる接着剤としては一般に用いられる接着
剤を用いることにより接着することができる。

【００２４】このように接着剤により嵌合部分が完全に
固定されることにより、施工する際に容易に実部分が外
れる等の問題が生じない。

【００２５】また、硬化後も柔軟性を有する接着剤を用
いることにより、幅方向にも柔軟性を有する床材が得ら
れ、施工する下地面の不陸に沿って施工することができ
る。

【００２６】あるいは、接着剤を用いない固定方法とし
ては、短手方向全幅に渡り接着剤の塗布された金属線あ
るいはひもを埋め込み接着することによって短手方向の
固定を行なうことができる。

【００２７】または、ホッチキス等により短手方向の固
定を行なうこともできる。このように、実部分には接着
剤を塗布することなく、固定することにより嵌合部分は
ある程度嵌合した状態で柔軟性を持つことができ、施工
する下地面の不陸に沿って施工することができる。

【００２８】さらに、本考案の床材の防音性能を向上さ
せるために、化粧板および／またはクッション性基材の
裏面に短手方向に渡る溝を形成することにより、化粧板
の剛性を低下させ、床材としての防音性能を向上させる
ことができる。

【００２９】

【考案の効果】本考案による床材は、化粧板が長手方向
にずらされて短手方向に接合されてなるため、床材と床
材の接合部が目立たず、さらに、各化粧単板の長手方向
の接合部にＶ溝を形成することにより、あたかも一枚一
校の化粧単板を敷き詰めた床材のように見えるなど意匠
性に優れた床材である。さらに隣接する床材との嵌合部
裏面には、溝が形成されることとなり、この溝と施工下
地面との間に形成される空気室が、床材表面に加えられ
た衝撃音を減衰する役目を果たし、防音性能をも兼ね備
えた床材となる。

【００３０】また、床材として施工する際に、クッショ
ン性基材間に形成される溝部が、施工する際に用いる接
着剤の過剰分が溜まる溜まり部として機能し、床材同志
の接合部から表面に接着剤が漏出するのを防止する効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案床材の平面図、

【図２】短手方向の寸法を化粧板群より小さくしたク
ッション性基材４を貼着した場合の表面図、

【図３】クッション性基材４が化粧板群の各辺部にお
いて内側に入り込んだ寸法で貼着された場合の１例を示
す裏面図、

【図４】化粧板群の短手方向両端辺部、長手方向両端
部より寸法の小さいクッション性基材４を貼着した場合
の裏面図、

【図５】化粧板群が形成する全外周より、小さいクッ
ション性基材４を貼着した場合の裏面図、

【符号の説明】

１：化粧板、２ａ：雄実、２ｂ：雌実、３：Ｖ溝、４：
クッション性基材、５ａ：化粧板群の短手方向の一方の
端辺、５ｂ：：化粧板群の短手方向の他方の端辺、６
ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ：化粧板群の長手方向の一方の端
部における各辺、７ａ，７ｂ，７ｃ：雁行状にずれてい
る短手方向各短辺部。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】四周面に実加工が施された化粧板が、長
手方向に若干ずらされて短手方向に複数枚嵌合固定れた
化粧板群の、裏面にクッション性基材が貼着された床材
において、該クッション性基材が化粧板群の裏面寸法に
対し少なくともその短手方向あるいは長手方向の一辺を
若干小さいサイズとした床材。