JP2589407Y2 - ケースの組み立て構造 - Google Patents

ケースの組み立て構造

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JP2589407Y2
JP2589407Y2 JP1993040148U JP4014893U JP2589407Y2 JP 2589407 Y2 JP2589407 Y2 JP 2589407Y2 JP 1993040148 U JP1993040148 U JP 1993040148U JP 4014893 U JP4014893 U JP 4014893U JP 2589407 Y2 JP2589407 Y2 JP 2589407Y2
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勝浩 鶴田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はケースの組み立て構造に
関し、より詳細にはケース本体にケース蓋体が取り付け
られるケースの組み立て構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来のケースの組み立て構造を概
略的に示した分解斜視図である。図中21はケース蓋体
を示しており、ケース蓋体21は矩形の上面部21aを
有し、上面部21aの長辺端部から上面部21aに対し
て垂直に側面部21bが下方に延設されて構成されてい
る。また、図中22はケース本体を示しており、ケース
本体22は矩形の底面部22aを有し、底面部22aの
各辺端部からは、底面部22aに対して垂直に側面部2
2bが上方に延設されている。底面部22aの長辺を一
辺とする側面部22bの外側面には、所定の3箇所に上
辺から下方に拡開した楔形状の突起23が形成されてい
る。なお、ケース蓋体21は鉄板、ケース本体22はア
ルミ製あるいは亜鉛製のダイキャストを用いて成形され
ている。
【0003】上記の如く構成されたケースの組み立て構
造では図5(a)に示したケース蓋体21の幅寸法cと
ケース本体22の幅寸法dとはほぼ同寸法に設定されて
おり、より詳細には寸法cはケース蓋体21の内側面の
幅方向の寸法であり、寸法dはケース本体22の突起最
凸部23aから対向する位置に形成された突起最凸部2
3aまでの距離を示している。上記したように寸法cと
寸法dがほぼ同寸法に設定されていることから、ケース
本体22にケース蓋体21を取り付ける場合には、ケー
ス本体22に対してケース蓋体21を矢印B方向に移動
させるだけでなく、矢印B方向に力を加えて押し込むこ
とによってケース蓋体21の弾性力を利用してケース蓋
体21を(b)図に示したようにケース本体22に取り
付ける。この際の、ケース蓋体21のケース本体22へ
の固定はケース蓋体21の突起23に作用する弾性力、
及び所定の複数箇所(図示せず)に施されるねじ止めに
よって行われる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】従来のこの種のケース
内には種々の機器が格納されることとなり、例えば車載
用無線器が格納された場合には以下に示す問題が生じ
る。前記車載用無線器を前記ケース内に格納する場合は
前記車載用無線器から発生する高周波を前記ケース外部
に洩らさないため、かつ、前記ケース外部からのノイズ
の影響を除去するためにケース蓋体21とケース本体2
2とを確実に接触させた状態で固定することが望まし
い。このように、ケース蓋体21とケース本体22とを
確実に接触させるためには上記したようなねじを多用す
る必要があり、ねじを多用すると、工場内における点検
及び業務用無線器に対して行う無線従事者による定期点
検の際、ねじの取り外し作業に手間を要することとな
る。また点検後、ケース蓋体21をケース本体22に取
り付ける際にも、ねじの取り付け作業に手間がかかるこ
ととなる。さらに、ケース本体22からケース蓋体21
を取り外す作業及びケース蓋体21をケース本体22に
取り付ける作業が繰り返されるとケース蓋体21のケー
ス本体22に対する弾性力が弱くなり、保持力の弱化を
生じさせることとなる。
【0005】また、ケース本体22は放熱特性に優れた
アルミ製あるいは亜鉛製のダイキャストを用いて成形さ
れており、鉄板を用いて成形されたケース蓋体21に比
べて寸法精度の信頼性が低く、ケース蓋体21の寸法c
に対してケース本体22の寸法dが常に一定の寸法にな
るように成形することは困難である。したがって、ケー
ス蓋体21とケース本体22との接触には不具合が発生
し易く、接触を安定的なものにすることは困難であると
いう課題があった。
【0006】本考案はこのような課題に鑑みなされたも
のであって、取り付け及び取り外しを容易に行うことが
できながら、しかもケース蓋体とケース本体との確実な
接触を少なくとも一本のねじの螺合により安定的なもの
とすることができるケースの組み立て構造を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案に係るケースの組み立て構造は、ケース本体側
あるいはケース蓋体側に水平方向に拡開した楔形状の突
起が形成される一方、該突起に係合する滑らかな突起面
を有した突起部が前記ケース蓋体側あるいは前記ケース
本体側に形成され、これらケース本体及びケース蓋体に
対する少なくとも一本のねじの螺合により、前記突起と
前記突起部とが強固に係合するように構成されているこ
とを特徴としている。
【0008】
【作用】上記構成によれば、ケース本体側あるいはケー
ス蓋体側に水平方向に拡開した楔形状の突起が形成され
る一方、該突起に係合する滑らかな突起面を有した突起
部が前記ケース蓋体側あるいは前記ケース本体側に形成
され、これらケース本体及びケース蓋体に対する少なく
とも一本のねじの螺合により、前記突起と前記突起部と
が強固に係合するように構成されているので、ねじの取
り付け及び取り外し作業に手間を要することなく、前記
ケース本体に対する前記ケース蓋体の取り付け及び取り
外しが容易に行われることとなる。また、前記ケース蓋
体及び前記ケース本体にそれぞれ形成された突起はねじ
の螺合により強固に係合するように構成されているの
で、前記ケース蓋体と前記ケース本体との確実な接触が
安定的なものとなる。
【0009】
【実施例】以下、本考案に係るケースの組み立て構造の
実施例を図面に基づいて説明する。図1は実施例に係る
ケースの組み立て構造におけるケース蓋体11を示した
図であり、(a)は平面図、(b)はA矢視側面図であ
る。図中11はケース蓋体を示しており、ケース蓋体1
1は矩形の上面部11aを有し、上面部11aの短辺一
端部中央からは貫通孔13aを有する係止片13が延設
されており、また長辺端部からは上面部11aに対して
垂直に側面部11bが下方に延設されている。側面部1
1bの内側面には所定の2箇所に滑らかな突起面を有す
る突起部12がそれぞれ形成されており、後述するケー
ス本体14に形成された突起15と対向するようになっ
ている。ケース蓋体11は鉄板を用いて成形されてい
る。
【0010】図2は実施例に係るケースの組み立て構造
におけるケース本体14を示した図であり、(a)は水
平断面図、(b)はA矢視側面図である。ケース本体1
4は矩形の底面部14aを有し、底面部14aの各辺端
部からは底面部14aに対して垂直に側面部14bが上
方に延設されている。底面部14aの短辺を一辺とする
側面部14bの一側面には貫通孔13aと対向する位置
に貫通孔16が形成されており、また底面部14aの長
辺を一辺とする側面部14bの外側面には、貫通孔13
a、16に挿入されるねじ(図示せず)の進行方向に向
かって拡開した突起15が所定の2箇所に形成されてい
る。ケース本体14はアルミ製あるいは亜鉛製のダイキ
ャストを用いて成形されている。上記の如く構成された
ケースの組み立て構造は図1及び図2に示したケース蓋
体11の幅寸法a及とケース本体14の幅寸法bとはほ
ぼ同寸法に設定されており、より詳細には寸法aはケー
ス蓋体11の内側面の巾方向の寸法であり、寸法bはケ
ース本体14の突起最凸部15aから対向する位置に形
成された突起最凸部15aまでの距離を示している。
【0011】図3はケースの組み立て構造におけるケー
ス蓋体11のケース本体14への取り付け過程を概略的
に示した斜視図である。まず(a)図に示したように、
貫通孔13aと貫通孔16とが対向するようにケース蓋
体11をケース本体14に対して矢印B方向へ移動させ
る。このとき、ケース蓋体11の矢印B方向への移動が
スムーズに行えるように突起部12が突起15と接触し
ない位置にケース蓋体11を位置させて移動を行う。次
に(b)図に示したように、ねじ17を貫通孔13a及
び貫通孔16に挿通させて矢印C方向への螺合を行う。
この矢印C方向への螺合にともなって突起部12が突起
15と接触し、さらに突起15の最凸部15aへと移動
することとなるので、突起部12と突起15とが強固に
係合する。
【0012】このように本実施例に係るケースの組立構
造ではねじ17一本だけで強固に組み立てられるので、
工場内における点検及び業務用無線器に対して行う無線
従事者による定期点検の際、ねじ17の取り外し作業に
要する手間が減少することとなる。また点検後、ケース
蓋体11をケース本体14に取り付ける際にも、ねじ1
7の取り付け作業に要する手間が減少することとなる。
さらに、ねじ17を取り外せば突起部12と突起15と
の強固な係合は容易に解除されるので、点検の都度、ケ
ース本体14からケース蓋体11を取り外す作業及びケ
ース蓋体11をケース本体14に取り付ける作業が繰り
返されても、突起部12と突起15との強固な係合を維
持することができる。
【0013】また、ケース本体14に形成された突起1
5及びケース蓋体11に形成された突起部12により寸
法aに対する寸法bの寸法精度が緩和されることとな
り、不具合の発生が低減されるので、ケース蓋体11と
ケース本体14との確実な接触を安定的なものとするこ
とができる。
【0014】また、図1及び図2に示した実施例では突
起部12がケース蓋体11側に形成され、突起15がケ
ース本体14側に形成されているが、別の実施例に係る
ケースの組み立て構造においては突起部12がケース本
体14側に、突起15がケース蓋体11側に形成されて
いてもよく、この場合も上記実施例の場合と同様の効果
を得ることができる。
【0015】
【考案の効果】以上詳述したように本考案に係るケース
の組み立て構造にあっては、ケース本体側あるいはケー
ス蓋体側に水平方向に拡開した楔形状の突起が形成され
る一方、該突起に係合する滑らかな突起面を有した突起
部が前記ケース蓋体側あるいは前記ケース本体側に形成
され、これらケース本体及びケース蓋体に対する少なく
とも一本のねじの螺合により、前記突起と前記突起部と
が強固に係合するように構成されているので、ねじの取
り付け及び取り外し作業に手間を要することなく、前記
ケース本体に対する前記ケース蓋体の取り付け及び取り
外しを容易に行うことができる。また、前記ケース蓋体
及び前記ケース本体にそれぞれ形成された突起はねじの
螺合により強固に係合するように構成されているので、
前記ケース蓋体と前記ケース本体との確実な接触を安定
的なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るケースの組み立て構造におけるケ
ース蓋体を示した図であり、(a)は平面図、(b)は
A矢視側面図である。
【図2】実施例に係るケースの組み立て構造におけるケ
ース本体を示した図であり、(a)は水平断面図、
(b)はA矢視側面図である。
【図3】実施例に係るケースの組み立て構造におけるケ
ース蓋体のケース本体への取り付け過程を概略的に示し
た斜視図である。
【図4】従来のケースの組み立て構造を概略的に示した
分解斜視図である。
【図5】従来のケースの組み立て構造を概略的に示した
係合要部断面図である。
【符号の説明】
11 ケース蓋体 12 突起部 14 ケース本体 15 突起

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース本体側あるいはケース蓋体側に水
    平方向に拡開した楔形状の突起が形成される一方、該突
    起に係合する滑らかな突起面を有した突起部が前記ケー
    ス蓋体側あるいは前記ケース本体側に形成され、これら
    ケース本体及びケース蓋体に対する少なくとも一本のね
    じの螺合により、前記突起と前記突起部とが強固に係合
    するように構成されていることを特徴とするケースの組
    み立て構造。
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