JP2589048B2 - トリフルオロメトキシフルオロエタン類の製造方法 - Google Patents

トリフルオロメトキシフルオロエタン類の製造方法

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JP2589048B2
JP2589048B2 JP5345175A JP34517593A JP2589048B2 JP 2589048 B2 JP2589048 B2 JP 2589048B2 JP 5345175 A JP5345175 A JP 5345175A JP 34517593 A JP34517593 A JP 34517593A JP 2589048 B2 JP2589048 B2 JP 2589048B2
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史朗 山下
晴明 伊藤
淳雄 須賀
雄司 望月
順隆 長崎
章 関屋
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Central Glass Co Ltd
Kanto Denka Kogyo Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Tosoh Corp
Chemours Mitsui Fluoroproducts Co Ltd
AGC Inc
Resonac Holdings Corp
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Asahi Glass Co Ltd
Showa Denko KK
Central Glass Co Ltd
Du Pont Mitsui Fluorochemicals Co Ltd
Kanto Denka Kogyo Co Ltd
Tosoh Corp
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素原子を含まないた
めオゾン層のオゾンを破壊しないトリフルオロメトキシ
フルオロエタン類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷媒、発泡剤および溶剤とし
ては、クロロフルオロカーボン(以下CFCと略記す
る)が最もよく知られている。CFCは、毒性が少な
く、不燃性で、化学的および熱的に安定であることから
各種の産業分野に広く使用されている。
【0003】しかし、このように優れた特徴を有するC
FCは、大気中に放出されると成層圏のオゾン層を破壊
するため、人類を含む地球上の生態系に重大な悪影響を
及ぼすことが指摘されている。
【0004】このような地球環境問題に対処するため、
大気中に放出された場合にも地球環境に及ぼす影響が小
さいか或いは全く影響がない冷媒、発泡剤および溶剤と
して使用できるCFCに代替し得る化合物が求められて
いる。そして、トリフルオロメトキシフルオロエタン類
は冷媒として利用されているクロロフルオロカーボン
(CFC)と同様に使用できる有用な化合物(米国特許
第3409555号、米国特許第3362180号)で
あることが知られている。
【0005】一方、CFCの代替化合物としては、含フ
ッ素エーテル類が考えられる。このトリフルオロメトキ
シフルオロアルカン類の製造法としてはフルオロアル
コールとフルオロホスゲンから導かれるフルオロホルメ
ートを四フッ化硫黄でフッ素化〔米国特許第33621
80号、J.Org.Chem.,vol.29,P1
1〜15(1964)〕、相当するメチルエーテル類
の塩素化反応、次いで三フッ化アンチモンによるフッ素
化〔J.Fluorine Chem.,vol.1
1,P93〜107(1978)、 ibid.,vo
l.13,P123〜140(1979)〕、トリフ
ルオロメチルハイポフロリドと含フッ素オレフィン化合
物との付加反応〔J.Org.Chem.,vol.4
8,P242〜250(1983)〕、およびフッ化
カリウム存在下、ジエチル硫酸とフルオロホスゲンとの
反応(米国特許第3505410号)、が知られてい
る。これら従来の製造方法のうちで、は原料として使
用するSF4は、工業的に極めて使用しにくい化合物で
あり、反応副生物も含硫黄化合物であるため、環境の観
点から後処理に問題がある。の塩素化反応では塩素化
物の複数の異性体が生成し分離するのが困難となる。ま
た、においても付加反応の配向性により二種類の生成
物が得られ、分離操作が必要となる。では単一の生成
物が得られるが原料が限定されるため類似の化合物を製
造するには応用範囲が狭い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はトリフ
ルオロメトキシフルオロエタン類を効率良く合成する製
造方法を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、含フッ素エーテ
ル、特にトリフルオロメトキシフルオロエタン類がこれ
までのCFCの有効な代替物となることを見いだし、鋭
意研究を重ねた結果、フルオロホスゲン
【化5】COF2 ……(I) と一般式
【化6】R1−OSO2−R2 ……(II) (R1は炭素数2個の含フッ素アルキル基を、R2はアル
キル基または含フッ素アルキル基を表す)で示されるス
ルホン酸エステル化合物とを非プロトン性極性溶媒中ま
たは無溶媒下、アルカリ金属フッ化物またはアルカリ土
類金属フッ化物の存在下で反応させることにより、比較
的よい転化率でしかも高選択的に合成できることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明で原料として用いられる前記一般式
(II)で示されるスルホン酸エステル化合物を具体的に
例示すると、例えば、2,2,2−トリフルオロエチル
トリフルオロメタンスルホネートおよび2,2−ジフル
オロエチルトリフルオロメタンスルホネート等の含フッ
素エチルトリフルオロメタンスルホネート類を挙げるこ
とができる。
【0009】本発明において、フルオロホスゲン(I)
と前記一般式(II)で示されるスルホン酸エステル化合
物の反応は、非プロトン性極性溶媒中または無溶媒下で
おこなわれる。非プロトン性極性溶媒としては、例えば
モノグライム〔CH3OCH2CH2OCH3〕、ジグライ
ム〔CH3O(CH2CH2O)2CH3〕、トリグライム
〔CH3O(CH2CH2O)3CH3〕、テトラグライム
〔CH3O(CH2CH2O)4CH3〕、ジブチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル類;アセトニトリル等のニ
トリル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等のアミド類等が挙げられるが、これに限定されない
ことは言うまでもない。
【0010】本発明においては触媒としてアルカリ金属
フッ化物またはアルカリ土類金属フッ化物が用いられ
る。アルカリ金属フッ化物としては、例えばフッ化ナト
リウム、フッ化カリウムまたはフッ化セシウム等が用い
られ、アルカリ土類金属フッ化物としては、例えばフッ
化カルシウム等が用いられるが、生成物である含フッ素
エーテルの収率の観点からアルカリ金属フッ化物が好ま
しい。
【0011】アルカリ金属フッ化物またはアルカリ土類
金属フッ化物の使用量は特に制限されるものはなく、フ
ルオロホスゲン(I)に対して0.1〜4.0倍モル、
好ましくは1.0〜1.5倍モルの範囲から選択するこ
とが好ましい。
【0012】本発明の反応におけるフルオロホスゲン
(I)と一般式(II)で示されるスルホン酸エステル化
合物との仕込み割合は、特に制限されるものはなく、任
意の割合で反応を行うことができるが、フルオロホスゲ
ン(I)の転化率を向上させるためには、前記一般式
(II)で示されるスルホン酸エステル化合物を過剰にし
て反応を行うのがよい。
【0013】本発明の反応における圧力は、特に制限さ
れるものはなく、減圧から加圧のいずれの圧力でも反応
は進行する。加圧下で反応を行う場合、その圧力は特に
制限されるものはないが、操作性等から50kg/cm
2G以下であることが好ましい。
【0014】本発明の反応における反応温度は、反応時
間、反応圧力、触媒量等により異なるが、通常0〜20
0℃、好ましくは20〜100℃の範囲から選ばれる。
【0015】本発明の反応における反応時間は、反応温
度、反応圧力、触媒量等により異なるが、数時間〜数十
時間あれば、反応はほとんど完結する。
【0016】
【実施例】以下、本発明のトリフルオロメトキシフルオ
ロエタン類の製造例を実施例を挙げて説明する。ここで
挙げた一般式
【化7】R1−OSO2−R2 ……(II) で示されるスルホン酸エステル化合物は相当する市販の
含フッ素アルコールとトリフルオロメタンスルホン酸無
水物との反応〔Tetrahedron,vol.4
4,P5375〜5387(1988)、 J.Or
g.Chem.,vol.49,P2258〜2273
(1984)〕、またはトリフルオロメタンスルホン酸
フッ化物との反応〔J.Org.Chem.,vol.
30,P4322〜4324(1965)、 Tetr
ahedron,vol.21,P1〜4(196
5)〕で容易に製造できる。勿論、本発明は、以下の例
によって限定されるものではない。
【0017】実施例1 撹拌機、圧力計、温度計、ガス導入管、ガス排出管のつ
いた1000mlのステンレス製反応器に2,2,2−
トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート2
37g(1.02mol)、スプレードライフッ化カリ
ウム59g(1.02mol)、乾燥したジエチレング
リコールジメチルエーテル296mlを入れ脱気した
後、ガス導入管からフルオロホスゲン67g(1.02
mol)を加え密封した。徐々に昇温し、反応温度約7
0℃で90時間保った。その後、反応器に別のステンレ
ス製容器を接続し、反応物をこの容器に減圧下で移し
た。これを希水酸化カリウム水溶液に通じて洗浄し、濃
硫酸で乾燥した後、蒸留して沸点が6.2℃の無色透明
液体94.7g(収率56%)を得た。
【0018】1H-NMRおよび19F-NMRスペクトル
から、1−トリフルオロメトキシ−2,2,2−トリフ
ルオロエタンであることがわかった。
【0019】1H-NMRおよび19F-NMRスペクトル
データを以下に示す。尚、1H-NMRおよび19F-NM
Rスペクトルの測定には、溶媒に重クロロホルムを用
い、内部標準物質としてそれぞれテトラメチルシランと
トリクロロフルオロメタンを用いた。
【0020】1H−NMR(CDCl3) δ4.26
(2H,q,JH-F=7.9Hz,−CH2 CF3).
【0021】19F−NMR(CDCl3) δ−62.
6(3F,s,CF3 O−),−75.3(3F,t,
F-H=8.4Hz,−CH2 CF3 ).
【0022】実施例2 撹拌機、圧力計、温度計、ガス導入管、ガス排出管のつ
いた1000mlのステンレス製反応器に2,2−ジフ
ルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート168.
0g(0.785mol)、スプレードライフッ化カリ
ウム45.6g(0.785mol)、乾燥したジエチレ
ングリコールジメチルエーテル230mlを入れ脱気し
た後、ガス導入管からフルオロホスゲン51.8g(0.
785mol)を加え密封した。徐々に昇温し、反応温
度約70℃で63時間保った。その後、反応器に別のス
テンレス製容器を接続し、反応物をこの容器に減圧下で
移した。これを氷水、希水酸化カリウム水溶液、飽和食
塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、蒸留して沸点が26℃の無色透明液体68.6g
(収率58%)を得た。
【0023】1H-NMRおよび19F-NMRスペクトル
から、1−トリフルオロメトキシ−2,2−ジフルオロ
エタンであることがわかった。
【0024】1H-NMRおよび19F-NMRスペクトル
データを以下に示す。尚、1H-NMRおよび19F-NM
Rスペクトルの測定には、溶媒に重クロロホルムを用
い、内部標準物質としてそれぞれテトラメチルシランと
トリクロロフルオロメタンを用いた。
【0025】1H−NMR(CDCl3) δ4.13
(2H,t,JH-F=12.5Hz,d,JH-H=4.3
Hz,−CH2 CHF2),5.97(1H,t,JH-F
=54.6Hz,t,JH-H=4.3Hz,−CH2 CH
2 ).
【0026】19F−NMR(CDCl3) δ−62.
1(3F,s,CF3 O−),−126.7(2F,
d,JF-H=54.1Hz,t,JF-H=12.3Hz,
−CH2 CHF2 ).
【0027】
【発明の効果】本発明で製造されるトリフルオロメトキ
シフルオロエタン類として例えば1−トリフルオロメト
キシ−2,2,2−トリフルオロエタンおよび1−トリ
フルオロメトキシ−2,2−ジフルオロエタンでは沸点
がそれぞれ6.2℃および26℃であり、従来のCFC
と同様、冷媒、溶剤や発泡剤等の用途に使用でき、CF
Cの代替物として極めて有用なものである。しかも水素
原子を含むため、大気中の水酸ラジカルとの反応性が高
く、対流圏で分解され易いので温室効果の小さい化合物
である。また塩素原子を含まないため、オゾン層を破壊
しない地球環境に及ぼす影響の少ない化合物である。
フロントページの続き (73)特許権者 000002004 昭和電工株式会社 東京都港区芝大門1丁目13番9号 (73)特許権者 000000044 旭硝子株式会社 東京都千代田区丸の内2丁目1番2号 (73)特許権者 000174851 三井・デュポンフロロケミカル株式会社 東京都千代田区猿楽町1丁目5番18号 (73)特許権者 000003300 東ソー株式会社 山口県新南陽市開成町4560番地 (74)上記7名の代理人 弁理士 友松 英爾 (外1名 ) (72)発明者 後藤 嘉彦 東京都文京区本郷2丁目40番17号 本郷 若井ビル6階 財団法人 地球環境産業 技術研究機構 新世代冷媒プロジェクト 室内 (72)発明者 山下 史朗 東京都文京区本郷2丁目40番17号 本郷 若井ビル6階 財団法人 地球環境産業 技術研究機構 新世代冷媒プロジェクト 室内 (72)発明者 伊藤 晴明 東京都文京区本郷2丁目40番17号 本郷 若井ビル6階 財団法人 地球環境産業 技術研究機構 新世代冷媒プロジェクト 室内 (72)発明者 須賀 淳雄 東京都文京区本郷2丁目40番17号 本郷 若井ビル6階 財団法人 地球環境産業 技術研究機構 新世代冷媒プロジェクト 室内 (72)発明者 望月 雄司 東京都文京区本郷2丁目40番17号 本郷 若井ビル6階 財団法人 地球環境産業 技術研究機構 新世代冷媒プロジェクト 室内 (72)発明者 長崎 順隆 東京都文京区本郷2丁目40番17号 本郷 若井ビル6階 財団法人 地球環境産業 技術研究機構 新世代冷媒プロジェクト 室内 (72)発明者 関屋 章 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 審査官 平山 美千恵

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式 【化1】COF2 ……(I) で示されるフルオロホスゲンと一般式 【化2】R1−OSO2−R2 ……(II) (R1は炭素数2個の含フッ素アルキル基を、R2はアル
    キル基または含フッ素アルキル基を表す)で示されるス
    ルホン酸エステル化合物とを、非プロトン性極性溶媒中
    または無溶媒下、アルカリ金属フッ化物またはアルカリ
    土類金属フッ化物の存在下で、反応させることを特徴と
    する一般式 【化3】CF3O−R1 ……(III) (式中、R1は前記と同一)で示されるトリフルオロメ
    トキシフルオロエタン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記一般式(II)において、R1が 【化4】CHX3-XCH2− (式中、xは0〜3の整数である)からなるスルホン酸
    エステルを使用する請求項1記載のトリフルオロメトキ
    シフルオロエタン類の製造方法。
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