JP2587206B2 - 台車及びそれを用いた運搬装置 - Google Patents

台車及びそれを用いた運搬装置

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JP2587206B2
JP2587206B2 JP31304794A JP31304794A JP2587206B2 JP 2587206 B2 JP2587206 B2 JP 2587206B2 JP 31304794 A JP31304794 A JP 31304794A JP 31304794 A JP31304794 A JP 31304794A JP 2587206 B2 JP2587206 B2 JP 2587206B2
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哲雄 郷田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、台車、特に膜構造物
構築用の膜状部材が止着される骨組部材上を、膜状部材
を搭載して走行させるのに用いて好適な台車と、それを
用いた運搬装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】膜構造物にあっては、膜状部材を、隣接
する一方及び他方の骨組部材に止着し、この膜状部材に
より屋根や壁を構成している。その止着方法のひとつと
して、膜状部材を巻取ったドラムを、台車に搭載し、こ
の台車を骨組部材上で移動させながら、膜状部材を、巻
き戻しそして止着すべき骨組部材上に載置する方法があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら例えば膜
構造の屋根を半球状に構成する場合など、一方の骨組部
材よりも高い位置に他方の骨組部材を配置し、台車を案
内するための軌道をこれら骨組部材に設けている場合に
は、横方向(他方の骨組部材から一方の骨組部材に向か
う方向)の荷重が軌道に対して掛かる。この横方向の荷
重に対して軌道の強度及び剛性を高めるためには、軌道
をより大きな構造部材で構成する必要がある。
【0004】特に、膜状部材が止着される止着面上に軌
道を設けた場合に軌道の構造部材が大きくなると、膜状
部材の止着構造が複雑化或は大型化しまたその重量も増
える。さらには膜状部材の止着作業も行ないにくくな
る。
【0005】この発明の目的は上述した従来の問題点を
解決するため、軌道の小型化を図れる、台車及び運搬装
置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】この目的を達成
するため請求項1記載の台車は、台枠と、台枠幅方向に
離間させて台枠の下側に設けられた第一及び第二の車輪
部とを備え、第一の車輪部は当該車輪部に対応した第一
の軌道に係合される第一の案内部を有し、第二の車輪部
は当該車輪部に対応した第二の軌道に係合される第二の
案内部を有し、さらに請求項1記載の台車は、第一及び
第二の軌道の少なくとも一方の軌道据え付け部に対し設
けられた傾斜荷重受けを備え、傾斜荷重受けは軌道据え
付け部と対向させるように台枠の下側へ突設された荷重
受け基部と、荷重受け基部の突出端部に設けられ軌道据
え付け部に支持させる荷重受けころとを備えて成る。
【0007】このような構成によれば、台車を、高さの
異なる第一及び第二の軌道上に載せて走行させた場合
に、高さの高い軌道から高さの低い軌道へ向かう横方向
の荷重を、傾斜荷重受けを介し、軌道据え付け部に分散
支持させることができる。従ってこれら軌道に対し掛か
る横方向の荷重を軽減できる。
【0008】この台車は、膜構造物を建造するため膜状
部材を骨組部材に止着する場合に用いて好適である。こ
の場合、膜状部材の一方の側部が止着される第一の骨組
部材に第一の軌道を据え付け、膜状部材の他方の側部が
止着される第二の骨組部材に第二の軌道を据え付ける。
そして台枠上に膜状部材を搭載して台車を第一及び第二
の骨組部材上で走行させ、台車の走行及び停車を繰り返
しつつ、膜状部材を、第一及び第二の骨組部材上に載置
し止着すれば良い。
【0009】また請求項2記載の運搬装置は、膜構造物
構築用膜状部材の一方及び他方の側部が止着される第一
及び第二の骨組部材上に据え付けられた第一及び第二の
軌道と、第一及び第二の軌道に案内され第一及び第二の
骨組部材上を走行する請求項1記載の台車とを備え、第
一及び第二の骨組部材の少なくとも一方に対し傾斜荷重
受けを設けて成ることを特徴とする。
【0010】このような構成によれば、請求項1記載の
台車が備える傾斜荷重受けを、第一及び第二の骨組部材
の一方又は双方に対し設けるので、高さの高い軌道から
高さの低い軌道へ向かう横方向の荷重を、傾斜荷重受け
を介して、第一及び第二の骨組部材の一方又は双方に分
散支持させることができる。従ってこれら軌道に対し掛
かる横方向の荷重を軽減できる。
【0011】この運搬装置は、骨組部材に止着する膜状
部材を運搬するのに用いて好適である。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照し、請求項2の発明の実施
例の運搬装置10の説明とともに、請求項1の発明の実
施例の台車12を説明する。これら運搬装置10及び台
車12は、膜構造物の骨組部材に止着される膜状部材
を、骨組部材上で運搬するために用いて好適な運搬装置
及び台車であり、この実施例では台車12を用いて運搬
装置10を構成する例につき説明する。
【0013】図1及び図2はこの実施例の構成を概略的
に示す平面図及び断面図であり、これら図にあっては、
台車12とこの台車12を用いて構成した運搬装置10
とを示してある。図2にあっては、図1のII−II線に沿
って取った断面を示すが、図面の理解を助けるために、
骨組部材14、16及び軌道18、20の断面を示すハ
ッチングを省略してある。
【0014】図1及び図2にも示すように、この実施例
の運搬装置10は、第一及び第二の骨組部材14及び1
6上に据え付けられた第一及び第二の軌道18及び20
と、これら第一及び第二の軌道18及び20に案内され
第一及び第二の骨組部材14及び16上を走行する台車
12とを備える。第一及び第二の骨組部材14及び16
は相隣接して配置され、これら骨組部材14及び16に
膜状部材の一方及び他方の側部が止着される。骨組部材
14、16及び膜状部材は膜構造物構築用の部材であ
る。
【0015】ここでは、膜状部材例えば表面にテフロン
をコ−ティングしたガラス繊維布(テフロンはデュポン
社の商品名)を、骨組部材14、16に止着して膜構造
物の屋根を構成する。膜構造物の屋根を例えば半球状と
した場合、骨組部材14、16の離間間隔は、屋根の天
頂から裾に向かって次第に狭くなり従って屋根の天頂側
で広く屋根の裾側で狭くなっている(図1参照)。図1
中、実線で示した骨組部材16よりも屋根の裾に近い部
分の骨組部材16を一点鎖線で示す。また第一の骨組部
材14の高さは、第二の骨組部材16よりも低くなって
いる(図2参照)。さらに骨組部材14、16の高さ
は、屋根の天頂から裾に向かって次第に低くなり従って
屋根の天頂側で高く屋根の裾側で低くなっている(後述
する図5参照)。
【0016】骨組部材14は、梁14aと梁14a上に
設けられたT字鋼14bとから成る。膜止着面を例えば
T字鋼14bの上面とし、この膜止着面に膜状部材の一
方の側部を止着する。軌道18は丸鋼であり、軌道18
を膜状部材の止着を妨げない位置で膜止着面に突設す
る。
【0017】同様に骨組部材16は、梁16aと梁16
a上に設けられたT字鋼16bとから成る。膜止着面を
例えばT字鋼16bの上面とし、この膜止着面に膜状部
材の他方の側部を止着する。軌道20は丸鋼であり、軌
道20を膜状部材の止着を妨げない位置で膜止着面に突
設する。
【0018】軌道18、20はそれぞれ、対応する骨組
部材14、16に沿って延在する。従って骨組部材1
4、16と同様、軌道18、20の離間間隔は、屋根の
天頂から裾に向かって次第に狭くなり(図1参照)、骨
組部材14、16の高さは、屋根の天頂から裾に向かっ
て次第に低くなり(後述する図5参照)、さらに第一の
軌道18の高さは、第二の軌道20よりも低くなってい
る(図2参照)。
【0019】またこの実施例の台車12は、台枠22
と、台枠幅方向Pに離間させて台枠22の下側に設けら
れた第一及び第二の車輪部24及び26と、台枠幅方向
Pに延在させて台枠22に設けられたスライドレール2
8と、スライドレール28に摺動自在に係止されたガイ
ドブロック30とを備える。第一の車輪部24は当該車
輪部24に対応した第一の軌道18に係合される第一の
案内部24aを有し、第二の車輪部26は当該車輪部2
6に対応した第二の軌道20に係合される第二の案内部
26aを有する(図2参照)。そして第一の車輪部24
を台枠22に対して一定位置に位置決め固定すると共
に、第二の車輪部26をガイドブロック30に取り付け
る。尚、台枠幅方向Pは骨組部材14、16の配列方向
でもある。
【0020】ここでは、台枠幅方向Pに長尺な主材22
aと台枠前後方向Qに長尺な主材22bとを任意好適に
組み合わせ結合し、さらに図示せずも主材22a、22
bに補強材を結合し、これら主材22a、22b及び補
強材により、台枠22を構成する。
【0021】そして第一の車輪部24を、台枠22の前
側及び後ろ側に配置して台枠22に固定する。これら車
輪部24を第一の軌道18に沿って配列する。またスラ
イドレール28を、台枠22の前側及び後ろ側に配置し
て台枠22に固定し、これらスライドレール28にそれ
ぞれ、ガイドブロック30を摺動自在に係合させる。そ
してガイドブロック30に第二の車輪部26を固定す
る。第二の車輪部26はガイドブロック30を介しスラ
イドレール28に沿って変位自在に移動する。軌道1
8、20の離間間隔が最も短くなるときの第二の軌道2
0に対応する位置から、軌道18、20の離間間隔が最
も長くなる時の第二の軌道20に対応する位置まで、第
二の車輪部26が移動するのを妨げないように、スライ
ドレール28を延在させ、このスライドレール28の一
端及び他端にそれぞれ、第二の車輪部脱落防止用のスト
ッパ32を設ける。
【0022】第二の車輪部26を、スライドレール28
及びガイドブロック30を介し、台枠22に取り付けて
いるので、第二の車輪部26は台枠22に対し台枠幅方
向Pの変位自在に移動する。
【0023】一方、第一の車輪部24は台枠22に対し
て一定位置に固定してあり、しかも第一及び第二の車輪
部24及び26は案内部24a及び26aを介し第一及
び第二の軌道18及び20に係合している。従ってこれ
ら軌道18及び20の離間間隔(以下、軌道間隔)が変
化すると、第二の車輪部26は第二の軌道20から受け
る反力の作用により台枠幅方向Pに移動する。これがた
め第一及び第二の車輪部24及び26の離間間隔(以
下、車輪間隔)は、軌道間隔の変化に追従して変化す
る。またスライドレール28及びガイドブロック30の
間の摩擦抵抗は小さいので、軌道20からの反力以外の
外力を第二の車輪部26に作用させなくても、第二の車
輪部26を移動させることができ、従って車輪間隔の調
整作業を簡素化し或は省略できる。
【0024】従来の台車に設けられている車輪間隔調整
機構にあっては、その構造が複雑であったり、また車輪
間隔を調整するための作業が面倒であったりするという
欠点があった。従ってこの実施例によれば、従来と比較
してより簡素な構造で車輪間隔を調整できしかも車輪間
隔の調整作業を簡素化或は省略できる。
【0025】図3は実施例の要部構成を拡大して概略的
に示す断面図であり、図3にあっては、第一の車輪部及
びその周辺部分の構成を図2に対応する断面で示す。
【0026】図3にも示すように、ここでは第一の車輪
部24をキャスタとする。第一の車輪部24は車輪24
1と、車輪241の軸Aを保持する脚部材242と、脚
部材242と軸Bを介し結合する台座243とを有す
る。
【0027】車輪241を、軸A回りの回転自在に、軸
Aを介し脚部材242に取り付け、脚部材242を、軸
B回りの回転自在に、軸Bを介し台座243に取り付け
る。そして台座243を台枠22に固定する。軸Bは、
車輪241の軸Aと直交する平面に平行であってかつ軸
Aと直交する。また車輪241の接地面に、接地面の全
周にわたって溝を設け、この溝を案内部24aとする。
案内部24aとしての溝に、第一の軌道18を嵌め込む
ようにして、車輪241を第一の軌道18に係合させ
る。
【0028】車輪241は案内部24aを介し第一の軌
道18に係合し、しかも脚部材242従って車輪241
は軸B回りに回転自在であるので、第一の軌道18が曲
線状に湾曲している場合に、車輪241を第一の軌道1
8からの反力により第一の軌道18に沿う方向に旋回さ
せることができる。従って車輪241を第一の軌道18
に沿って転がすことができる。また第一の軌道18が案
内部24aから外れにくくなる。
【0029】図4は実施例の要部構成を拡大して概略的
に示す断面図であり、図4にあっては、第二の車輪部及
びその周辺部分の構成を図2に対応する断面で示す。
【0030】図4にも示すように、ここでは第二の車輪
部26をキャスタとする。第二の車輪部26は車輪26
1と、車輪261の軸Cを保持する脚部材262と、脚
部材262と軸Dを介し結合する台座263とを有す
る。
【0031】車輪261を、軸C回りの回転自在に、軸
Cを介し脚部材262に取り付け、脚部材262を、軸
D回りの回転自在に、軸Dを介し台座263に取り付け
る。そして台座263をガイドブロック30に固定す
る。軸Dは、車輪261の軸Cと直交する平面に平行で
あってかつ軸Cと直交する。また車輪261の接地面
に、接地面の全周にわたって溝を設け、この溝を案内部
26aとする。案内部26aとしての溝に、第二の軌道
20を嵌め込むようにして、車輪261を第二の軌道2
0に係合させる。
【0032】車輪261は案内部26aを介し第二の軌
道20に係合し、しかも脚部材262従って車輪261
は軸D回りに回転自在であるので、第二の軌道20が曲
線状に湾曲している場合に、車輪261を第二の軌道2
0からの反力により第二の軌道20に沿う方向に旋回さ
せることができる。従って車輪261を第二の軌道20
に沿って転がすことができる。また第二の軌道20が案
内部26aから外れにくくなる。
【0033】さらに図1及び図2にも示すように、この
実施例の台車12は、第一及び第二の軌道18及び20
の少なくとも一方の軌道据え付け部に対し設けられた傾
斜荷重受け34を備える。この実施例では、第一の軌道
18の軌道据え付け部は第一の骨組部材14、及び、第
二の軌道20の軌道据え付け部は第二の骨組部材16で
あり、従って傾斜荷重受け34を第一及び第二の骨組部
材14及び16の少なくとも一方に対し設ける。
【0034】傾斜荷重受け34は、軌道据え付け部と対
向させるように台枠22の下側へ突設された荷重受け基
部34aと、荷重受け基部34aの突出端部に設けられ
軌道据え付け部に支持させる荷重受けころ34bとを備
える(図2参照)。荷重受けころ34bを、台車前後方
向Qに転がり動くように、軌道据え付け部の側部に支持
させ、これにより台車12が前後方向Qに移動するのを
妨げないようにしつつ、台枠幅方向Pにおける台車12
の荷重成分を軌道据え付け部に支持させる。
【0035】第一の軌道18の高さが第二の軌道20よ
りも低くなっている場合に、幅方向Pにおける台車12
の荷重成分を、傾斜荷重受け34を介し軌道据え付け部
の側部に分散支持させることができるので、軌道18、
20と案内部24a、26aとの間の接触圧を軽減でき
る。強度及び剛性を高めるためには軌道18、20及び
車輪部24、26を大型の構造部材で構成する必要があ
るが、軌道18、20及び案内部24a、26aの接触
圧を軽減できる分だけ、より小型の構造部材で軌道1
8、20及び車輪部24、26を構成できる。
【0036】膜状部材の止着構造は軌道18、20を避
けるように骨組部材14、16に設けられ、さらに膜状
部材の止着作業は軌道18、20を避けるように行なわ
れる。従って軌道18、20が大型化すると、膜状部材
の止着構造が複雑化或は大型化しさらに膜状部材の止着
作業が行ないにくくなる。これに対し、軌道18、20
を小型化することにより、膜状部材の止着構造の複雑化
或は大型化を回避し、さらに膜状部材の止着作業の作業
性を向上することができる。
【0037】ここでは図3にも示すように、傾斜荷重受
け34を、第一の軌道18が据え付けられる第一の骨組
部材14に対して設ける。このため、傾斜荷重受け34
の荷重受け基部34aの一端を、第一の車輪部24近傍
の台枠22に固定すると共に、荷重受け基部34aの他
端を、第一の骨組部材14の梁14aの側面と対向する
位置まで突出させる。そしてこの突出端部(荷重受け基
部34aの他端)に荷重受けころ34bを設ける。
【0038】荷重受けころ34bは、例えば車輪34b
1と車輪34b1の軸Eを保持する脚部材34b2とか
ら成る。車輪34b1を、軸E回りの回転自在に、軸E
を介し脚部材34b2に取り付け、脚部材34b2を荷
重受け基部34aに固定する。軸Eを軸Bに平行と成し
て、車輪34b1を梁14aに支持させる。
【0039】ここでは、傾斜荷重受け34を、第一の骨
組部材14に対してのみ設けたが、傾斜荷重受け34
を、第二の骨組部材16に対してのみ設け或は第一及び
第二の骨組部材14及び16の双方に対して設け、台車
12の荷重を第二の骨組部材16に支持させるようにし
ても良い。
【0040】さらに図1及び図2にも示すように、この
実施例の台車12は、第一の車輪部24の脱輪防止機構
36と第二の車輪部26の脱輪防止機構38とを備え
る。
【0041】図3にも示すように、脱輪防止機構36は
ころ36aところ36aの軸Fを保持する脚部材36b
とから成る。脚部材36bの一端を第一の車輪部24近
傍で台枠22の下側に固定し、脚部材36bの他端の側
を第一の骨組部材14と対向する位置まで突出させる。
さらにころ36aを、軸F回りの回転自在に、軸Fを介
して脚部材36bの他端の側に取り付け、ころ36aを
第一の骨組部材14に設けられた案内溝141に嵌め込
み係合させる。
【0042】ここではころ36aをローラとし、案内溝
141を梁14aとT字鋼14bとにより構成する。
【0043】台枠22を脱輪防止機構36を介し案内溝
141に係合しているので、台車12の風圧による浮き
上がりを防止し或はその浮き上がり量を少なくすること
ができる。従って第一の車輪部24の案内部24aが第
一の軌道18から外れるのを防止できる。またころ36
aを、台車前後方向Qに転がり動くように案内溝141
に係合させることにより、台車12が前後方向Qに移動
するのを妨げないようにしつつ、第一の車輪部24の脱
輪を防止することができる。
【0044】また図4にも示すように、脱輪防止機構3
8はころ38aところ38aの軸Gを保持する脚部材3
8bとから成る。脚部材38bの一端を第二の車輪部2
6に固定し、脚部材38bの他端の側を第二の骨組部材
16と対向する位置まで突出させる。さらにころ38a
を、軸G回りの回転自在に、軸Gを介して脚部材38b
の他端の側に取り付け、ころ38aを第二の骨組部材1
6に設けられた案内溝161に嵌め込み係合させる。
【0045】ここではころ38aをローラとし、案内溝
161を梁16aとT字鋼16bとにより構成する。ま
た脚部材38bを、第二の車輪部26の台座263或は
脚部材262に固定する。
【0046】台枠22を、脱輪防止機構38、ガイドブ
ロック30及びスライドレール28を介し案内溝161
に係合しているので、台車12の風圧による浮き上がり
を防止し或はその浮き上がり量を少なくすることができ
る。従って第二の車輪部26の案内部26aが第二の軌
道16から外れるのを防止できる。またころ38aを、
台車前後方向Qに転がり動くように案内溝161に係合
させることにより、台車12が前後方向Qに移動するの
を妨げないようにしつつ、第二の車輪部26の脱輪を防
止することができる。
【0047】さらに図1及び図2にも示すように、この
実施例の台車12は、台枠22に設けられた電動ウイン
チ40、電動リール42及び動力源44を備える。
【0048】地上から離れた高い位置にある軌道18、
20上で台車12を走行させる場合、動力源を地上に設
置してあると、台車12から地上まで電源コードをぶら
下げたまま台車12を走行させなければならない。或
は、台車12と地上との間にある障害物を避けるように
電源コードを取り回し位置決めする必要があり、その作
業が煩わしく大変である。しかしながら発電機及び蓄電
池の少なくとも一方、すなわち発電機及び蓄電池の一方
又は双方を、動力源44として、台車12に搭載するこ
とにより、そのような煩わしい作業を行なわずに済む。
発電機としては、発電のための内燃機関を備えた発電機
を用いるのが好適である。
【0049】そしてこの実施例では、電動ウインチ40
を、台車移動用のウインチとする。牽引部材例えばケー
ブル或はロープを軌道据え付け部に着脱自在に係止し、
この牽引部材の巻取り及び巻戻しを、電動ウインチ40
で行なうことにより、台車12を移動させる。電動ウイ
ンチ40と台車12とにより自走式の台車を構成でき
る。
【0050】膜状部材の止着方法として、クレーン、レ
ッカー等により、膜状部材を、吊り下げ移動させなが
ら、膜状部材を、骨組部材上に載置しそして止着する方
法がある。しかしながらこの場合、クレーン、レッカー
等を、骨組部材の側部(骨組部材の長手方向と交差する
方向における側部)に近接配置し、このクレーン等を、
膜状部材の吊り下げ移動と、骨組部材の組み立てとの双
方に用いなければならない。しかも一枚分の膜状部材を
止着する作業が終わるまでの間は継続して、当該膜状部
材の吊り下げに専属的に、クレーンを使用し続けなけれ
ばならない。従って作業効率が悪くなるので、工期が長
くなるという問題を生ずる。また工期を短縮するため、
クレーン等の使用台数を増やせば、工費が増大するとい
う問題がある。
【0051】これに対し、電動ウインチ40と台車12
とにより構成した自走式の台車にあっては、台車12を
電動ウインチ40により骨組部材上を移動させることが
できる。従って台車12を、クレーン等により骨組部材
上に載せた後は、このクレーン等を当該台車12の吊り
下げ以外の作業に用いることができる。しかもクレーン
等を骨組部材の側部に近接配置し、台車12を骨組部材
の側部から骨組部材上に載置しても、またクレーン等を
骨組部材の端部(骨組部材の長手方向における端部)に
近接配置し、台車12を骨組部材の端部から骨組部材上
に載置しても、台車12を電動ウインチ40により骨組
部材上の所望の位置まで移動させることができる。従っ
て作業効率を高めることができる。
【0052】さらに電動リール42を、押え部材布設用
のリールとする。膜構造物構築用膜状部材に止着される
押え部材の巻取り及び巻戻しを、電動リール42で行な
う。膜状部材を骨組部材14、16に止着する作業と並
行して、膜状部材に押え部材例えばケーブル或はロープ
を係止する作業を行なうため、予め、押え部材を電動リ
ール42に巻き取っておく。
【0053】膜状部材の止着に当っては、膜状部材を搭
載した台車12の移動と停車とを繰り返しながら、膜状
部材を骨組部材14、16上に載置及び止着する作業を
行なう。この際、押え部材を適量の長さずつ電動リール
42で巻戻しながら、押え部材を膜状部材に係止する。
これにより、作業効率を高めることができる。
【0054】ここでは、台枠22の下側に吊り棚46を
設け、この吊り棚46に電動ウインチ40、電動リール
42及び動力源44を設ける。
【0055】吊り棚46は棚部材46a及び吊り部材4
6bから成る。棚部材46aを、台枠22の下面と対向
させ、この棚部材46aを吊り部材46bを介して台枠
22に固定する。そして棚部材46aの上面に押え部材
布設用の電動リール42と動力源44とを固定する。さ
らに棚部材46aの下面に台車移動の電動ウインチ40
を固定する。台枠幅方向Pに離間させて電動ウインチ4
0を並列配置し、第一の骨組部材14の側の電動ウイン
チ40により、当該骨組部材14に係止される牽引部材
の巻取り及び巻戻しを行なう。また、第二の骨組部材1
6の側の電動ウインチ40により、当該骨組部材16に
係止される牽引部材の巻取り及び巻戻しを行なう。台車
12の積載荷重量や重心の偏心に応じて、これら2基の
電動ウインチ40の双方又は一方を運転して、台車12
を移動させる。
【0056】尚、台車移動用の電動ウインチ40は牽引
部材を巻取るドラム40aと、このドラム40aを正転
或は逆転させるギヤードモータ40bとを備え、また押
え部材布設用の電動リール42は押え部材を巻取るドラ
ム42aと、このドラム42aを正転或は逆転させるギ
ヤードモータ42bとを備える。
【0057】さらに図1及び図2にも示すようにこの実
施例の台車12は、第一の方向ここでは台枠幅方向Pに
沿った軸の回りに回転自在に、かつ、当該回転及び回転
停止の自在に、台枠22に取り付けられた第一の可動床
48iと、第一の方向と交差する第二の方向ここでは台
枠前後方向Qに沿った軸の回りに回転自在に、かつ、当
該回転及び回転停止の自在に、第一の可動床48iに取
り付けられた第二の可動床50iとを備える(i=2、
3、4、5)。そして第一の可動床48i及び第二の可
動床50iを、第一の骨組部材14と対向する位置に配
置すると共に、第一の可動床48i及び第二の可動床5
0iを、第二の骨組部材16と対向する位置に配置す
る。尚、図1中に、第一の可動床48iの回転自在に結
合させた第一の可動床48i及び台枠22の、当該結合
箇所を波線で示すと共に、第二の可動床50iの回転自
在に結合させた第二の可動床50i及び第一の可動床4
8iの、当該結合箇所を波線で示す。
【0058】第一の可動床48iを、回転させることに
より、台枠22に対し任意好適な角度で傾斜させること
ができる。また第一の可動床48iの回転を停止させる
ことにより、第一の可動床48iの傾きを一定に保持で
きる。さらに第二の可動床50iを、回転させることに
より、第一の可動床48iに対し任意好適な角度で傾斜
させることができる。また第二の可動床50iの回転を
停止させることにより、第二の可動床50iの傾きを一
定に保持できる。
【0059】しかも第一の可動床48iの回転軸は台枠
幅方向Pに沿った軸であり、かつ、第二の可動床50i
の回転軸は台枠前後方向Qに沿った軸である。従って台
枠22に対する第一の可動床48iの傾きを調整し、さ
らに第一の可動床48iに対する第二の可動床50iの
傾きを調整することにより、第二の可動床50iを水平
に保持できる。これがため作業者は、水平な第二の可動
床50iを足場として用いることができるので、骨組部
材14或は16に膜状部材を止着する作業を安全に行な
うことができる。しかも膜状部材の止着作業のために、
別途足場を組む必要も無くなる。
【0060】従来の台車にあっては、傾きの調整を行え
ない固定床のみを設けていたので、台車が傾いた場合に
おける安全な足場の確保が難しかった。
【0061】安全な足場の確保のためには、複数の第二
の可動床50iを所定間隔で離間配置して第一の可動床
48iに取り付け、これら可動床50iにより階段状の
足場を形成するのが好ましい。
【0062】ここでは台車12は、台枠22に固定した
作業床H1と、可動床48i及び50iにより構成した
作業床Hi(i=2、3、4、5)とを備える。作業床
H2、H3は、第一の車輪部24に隣接する部分の台枠
22から庇状に延出させて、第一の骨組部材14と対向
する位置に配置した作業床であり、可動床H4、H5
は、スライドレール28に隣接する部分の台枠22から
庇状に延出させ、かつ、スライドレール28に沿う方向
に延在させて、第二の骨組部材16と対向する位置に配
置した作業床である。尚、図には示していないが、台車
12は、第一の可動床48i及び台枠22の間に設けら
れ第一の可動床48iの回転を制御する第一のストッパ
と、第一の可動床48i及び第二の可動床50iの間に
設けられ第二の可動床50iの回転を制御する第二のス
トッパとを備える。第一のストッパを操作することによ
り、第一の可動床48iの回転を停止させ或は第一の可
動床48iの回転を行なえるようにその回転停止を解除
できる。また第二のストッパを操作することにより、第
二の可動床50iの回転を停止させ或は第二の可動床5
0iの回転を行なえるようにその回転停止を解除でき
る。
【0063】そして作業床H1を、台枠22の上面を覆
うようにして台枠22に固定し、押え部材布設用の電動
リール42に対応する部分の固定床H1を切り欠いて固
定床H1に開口H1aを設ける。電動リール42に巻き
取ってある押え部材を、この開口H1aを介して台枠2
2の下側から上側へと引き出す。
【0064】また作業床H2にあっては、第一の可動床
482の一方の側部482aを、第一の車輪部24に隣
接する台枠22の前縁部分に回転自在に結合する。この
第一の可動床482を、これら側部482a及び台枠2
2の結合箇所から、台枠22の前方へ向けて庇状に延出
させ、そしてこの第一の可動床482を、第一の骨組部
材14近傍で当該部材14と対向させる。また第一の可
動床482の延出端部(側部482aとは反対側の側
部)を台枠22の下側或は上側に位置させることができ
るように、第一の可動床482を回転自在に取り付け
る。
【0065】さらに複数の第二の可動床502を、台枠
前後方向Qに所定間隔で離間配置する。そして第二の可
動床502の一方の側部502aを、第一の可動床48
2に回転自在に結合し、この第二の可動床502を、こ
れら側部502a及び第一の可動床482の結合箇所か
ら台枠幅方向Qに庇状に延出させる。第二の可動床50
2の延出端部(側部502aとは反対側の側部)を第一
の可動床482の下側或は上側に位置させることができ
るように、第二の可動床502を回転自在に取り付け
る。
【0066】同様にして作業床H3にあっては、第一の
可動床483の一方の側部483aを、第一の車輪部2
4近傍で台枠22の後縁部分に回転自在に結合する。こ
の第一の可動床483を、これら側部483a及び台枠
22の結合箇所から、台枠22の後方へ向けて庇状に延
出させ、そして第一の可動床483を、第一の骨組部材
14近傍で当該部材14と対向させる。また第一の可動
床483の延出端部(側部483aとは反対側の側部)
を台枠22の下側或は上側に位置させることができるよ
うに、第一の可動床483を回転自在に取り付ける。
【0067】さらに複数の第二の可動床503を、台枠
前後方向Qに所定間隔で離間配置する。そして第二の可
動床503の一方の側部503aを、第一の可動床48
3に回転自在に結合し、この第二の可動床503を、こ
れら側部503a及び第一の可動床483の結合箇所か
ら、台枠幅方向Pに庇状に延出させる。第二の可動床5
03の延出端部(側部503aとは反対側の側部)を第
一の可動床483の下側或は上側に位置させることがで
きるように、第二の可動床503を回転自在に取り付け
る。
【0068】また作業床H4にあっては、第一の可動床
484の一方の側部484aを、スライドレール28に
沿って延在させて、スライドレール28に隣接する台枠
22の前縁部分に回転自在に結合する。この第一の可動
床484を、これら側部484a及び台枠22の結合箇
所から、台枠22の前方へ向けて庇状に延出させ、そし
て第一の可動床484を、第二の骨組部材16近傍で当
該部材16と対向させる。また第一の可動床484の延
出端部(側部484aとは反対側の側部)を台枠22の
下側或は上側に位置させることができるように、第一の
可動床484を回転自在に取り付ける。
【0069】さらに複数の第二の可動床504を、台枠
幅方向Pに所定間隔で離間配置する。そして第二の可動
床504の一方の側部504aを、第一の可動床484
に回転自在に結合し、この第二の可動床504を、これ
ら側部504a及び第一の可動床484の結合箇所から
台枠幅方向Qに庇状に延出させる。第二の可動床504
の延出端部(側部504aとは反対側の側部)を第一の
可動床484の下側或は上側に位置させることができる
ように、第二の可動床504を回転自在に取り付ける。
【0070】さらに第二の骨組部材16と対向する部分
の第一の可動床484を切り欠いて、開口H4aを第一
の可動床484に形成する。第二の骨組部材16を覗け
る位置に、開口H4aを形成し、第二の骨組部材16に
膜状部材を止着する作業に、開口H4aを利用する。
【0071】同様にして作業床H5にあっては、第一の
可動床485の一方の側部485aを、スライドレール
28に沿って延在させて、スライドレール28に隣接す
る台枠22の後縁部分に回転自在に結合する。この第一
の可動床485を、これら側部485a及び台枠22の
結合箇所から、台枠22の後方へ向けて庇状に延出さ
せ、そして第一の可動床485を、第二の骨組部材16
近傍で当該部材16と対向させる。第一の可動床485
の延出端部(側部485aとは反対側の側部)を台枠2
2の下側或は上側に位置させることができるように、第
一の可動床485を回転自在に取り付ける。
【0072】さらに複数の第二の可動床505を、台枠
前後方向Qに所定間隔で離間配置する。そして第二の可
動床505の一方の側部505aを、第一の可動床48
5に回転自在に結合し、この第二の可動床505を、こ
れら側部505a及び第一の可動床485の結合箇所か
ら、台枠幅方向Pに庇状に延出させる。第二の可動床5
05の延出端部(側部505aとは反対側の側部)を第
一の可動床485の下側或は上側に位置させることがで
きるように、第二の可動床505を回転自在に取り付け
る。
【0073】さらに第二の骨組部材16と対向する部分
の第一の可動床485を切り欠いて、開口H5aを第一
の可動床485に形成する。第二の骨組部材16を覗け
る位置に、開口H5aを形成し、第二の骨組部材16に
膜状部材を止着する作業に開口H5aを利用する。
【0074】さらに図1及び図2にも示すように、この
実施例の台車12は、膜状部材の巻取り及び巻戻しのた
めの膜ドラム52と、台枠22に固定され膜ドラム52
の軸を支持する軸受け54と、膜ドラム52の軸の回転
を制御する回転制御装置56とを備える。
【0075】ここでは、膜ドラム52の軸の一端及び他
端をそれぞれ軸受け54で支持し、これら軸受け54を
台枠上面の作業床H1上に固定する。図示せずも、膜状
部材を、膜ドラム52に予め巻き取っておき、台車12
を骨組部材14、16上で走行させ或は停車させつつ、
膜状部材52を、巻き戻して骨組部材14、16上に載
置する。また膜ドラム52の軸に回転制御装置56を結
合させる。回転制御装置56は、例えば歯車減速装置或
はギヤードモータである。回転制御装置56を、手動或
は電力により、動作させることにより、膜ドラム52の
軸を正転或は逆転させ、或は膜ドラム52の軸の回転を
停止させる。
【0076】図5はこの実施例の構成を概略的に示す断
面図である。図5にあっては、図1のV−V線に沿って
取った断面を示す。
【0077】さらにこの実施例の台車12は、膜状部材
62を支持するために台枠22に設けられた受けロール
58と、押え部材64を支持するために台枠22に設け
られた受けロール60とを備える。膜状部材62に係止
する前の押え部材64を、膜状部材62近傍位置に保持
するように、これら膜状部材62及び押え部材64を受
けロール58及び60で支持する。
【0078】ここでは、受けロール58及び60を、台
枠22の後縁と膜ドラム52との間に配置して、台枠2
2の上面に位置決め固定する。押え部材64のための受
けロール60を、膜状部材62のための受けロール58
よりも下側に配置する。
【0079】膜ドラム52に巻き取ってある膜状部材6
2を、受けロール58で支持しつつ、膜ドラム52から
台枠22の後方へと引き出す。そして膜状部材62を、
骨組部材14、16上に載置し止着する。
【0080】また押え部材布設用の電動リール42に巻
き取ってある押え部材64例えばケーブルを、受けロー
ル60で支持しつつ、電動リール42から台枠22の後
方へと引き出す。そして押え部材64を、膜状部材62
の下面に係止する。押え部材64に張力を導入すること
により、膜状部材62を緊張させることができる。
【0081】さらにこの実施例の運搬装置10は、第一
及び第二の骨組部材14、16に設けられ牽引部材66
が着脱自在に係止される係止部68を備える。第一の骨
組部材14に、当該部材14に沿って所定間隔で係止部
68を設けると共に、第二の骨組部材16に、当該部材
16に沿って所定間隔で係止部68を設ける。
【0082】ここでは、牽引部材66をケーブル或はロ
ープとする。そして牽引部材66の一端にリング或はフ
ックを設け、牽引部材66の他端の側を台車移動用の電
動ウインチ40に巻き取る。さら係止部68をフック或
はリングとして、牽引部材66の一端を着脱自在に係止
部68に係止する。
【0083】台車12を移動させるに当っては、台車1
2よりも上側に位置する係止部68に、牽引部材66の
一端を係止する。そして電動ウインチ40で牽引部材6
6を巻き取り或は巻き戻すことにより、台車12を、骨
組部材14、16上で移動させることができる。牽引部
材66の巻取りにより台車12を屋根の天頂側へと移動
させ、また牽引部材66の巻き戻しにより台車12を屋
根の裾側へと移動させることができる。牽引部材66を
係止する係止部68を、異なる位置の係止部68に順次
に変更してゆくことにより、台車12を移動させる。
【0084】牽引部材66を係止する係止部68を変更
するに当っては、図示しない、アンカーを用いて台車1
2を骨組部材14、16に着脱自在に固定し、然る後、
牽引部材66を、係止部68から取り外しさらに別の係
止部68に係止する。次いでアンカーによる台車12の
固定を解除して、台車12を移動させる。
【0085】従来にあっては、骨組部材上に台車移動用
の電動ウインチを設置固定していたので、骨組部材が長
尺になると牽引部材位置決め用の滑車の使用個数が増え
る。また膜状部材が止着される各骨組部材毎に台車移動
用電動ウインチの設置及び取外しを行なう必要がある。
また台車の移動位置に応じて滑車の取付け及び取外しを
行なう必要がある。従って、台車を移動させるための準
備作業が面倒であった。
【0086】これに対しこの実施例では、牽引部材66
を係止する係止部68を、係止部68の配列順次に変更
することにより、係止部66から台車12までの間の牽
引部材66の長さを短くできるので、牽引部材66の位
置決め用滑車を不要とし或はその使用個数を減ずること
ができる。滑車を不要とし或はその使用個数を減ずるた
めには、骨組部材14、16の下側に係止部68を設
け、かつ、電動ウインチ40を台枠22の下側に設ける
のが、より好ましい。
【0087】またこの実施例では、電動ウインチ40を
台車12に設けているので、台車12を骨組部材14、
16上に載置し或は台車12を骨組部材14、16上か
ら取り外すことにより、電動ウインチ40の設置或は取
外しを台車12とともに行なえる。従ってこの実施例に
よれば、台車12を移動させるための準備作業を、従来
よりも簡素化できる。
【0088】さらに図2にも示すようにこの実施例で
は、台車12の重心Iを、台枠幅方向Pにおいて、第一
の車輪部24及び第二の車輪部26のほぼ中間位置Jか
ら第一の車輪部24までの間に、配置する。
【0089】第一の骨組部材14よりも高い位置に第二
の骨組部材16が位置する場合、これら骨組部材14、
16上に載せた台車12は、第一の骨組部材14側で低
く第二の骨組部材16側で高くなるように、傾斜する。
【0090】このように台車12が傾斜している場合、
重心Iをほぼ中間位置Jから第一の車輪部24までの間
に配置することにより、第二の車輪部26に掛かる荷重
を軽減できる。従ってスライドレール28及びガイドブ
ロック30の間の摩擦抵抗を小さくできるので、軌道2
0からの反力により、容易に、第二の車輪部26を台枠
幅方向Pに変位させることができる。
【0091】ここで台枠幅方向Pにおける第一の車輪部
24の軸位置をK、さらに第一の車輪部24と第二の車
輪部26とが最も近づくときの台枠幅方向Pにおける第
二の車輪部26の軸位置をLと表せば、ここでは、中間
位置Jを、台枠幅方向Pにおける軸位置K及びLの中間
の位置とし、台枠幅方向Pにおいて、この中間位置Jか
ら第一の車輪部24の軸位置Kまでの間に、重心Iを配
置する。
【0092】尚、図には詳細には示していないが、膜構
造の屋根を構成するに当っては、骨組部材14、16及
びそれ以外の複数の骨組部材を並べて設け、これら骨組
部材の相隣接する骨組部材間にそれぞれ、膜状部材を止
着する。屋根の完成後、これら骨組部材間に止着した膜
状部材の一枚を補修し或は張り替える場合、傾斜荷重受
け34、脱輪防止機構36或は脱輪防止機構38を、相
隣接する骨組部材例えば14、16の間に配置しない
と、台車12を軌道上に載置できない。従ってこれら傾
斜荷重受け38を設けている場合には傾斜荷重受け38
を相隣接する骨組部材の間に配置するようにし、また脱
輪防止機構36、38を設けている場合には脱輪防止機
構36、38を相隣接する骨組部材の間に配置するよう
にするのが好ましい。
【0093】この発明は上述した実施例にのみ限定され
るものではなく、従って各構成成分の形状、配設個数、
配設位置、形成材料、寸法及びそのほかを、この発明の
趣旨の範囲内で任意好適に変更できる。
【0094】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、請
求項1記載の台車によれば、高さの異なる第一及び第二
の軌道上に載せて走行させた場合に、高さの高い軌道か
ら高さの低い軌道へ向かう横方向の荷重を、傾斜荷重受
けを介し、軌道据え付け部に分散支持させることができ
る。従ってこれら軌道に対し掛かる横方向の荷重を軽減
できるので、軽減できる分だけ小型の構成部材によりこ
れら軌道を構成でき、軌道の小型化を図れる。
【0095】また請求項2記載の運搬装置によれば、請
求項1記載の台車を用いて運搬装置を構成するので、軌
道の小型化を図れる運搬装置を提供できる。
【0096】特に、膜構造物の膜状部材が止着される止
着面上に軌道を設ける場合には、軌道を小型化できる結
果、膜状部材の止着構造が複雑化或は大型化するのを回
避し、さらには膜状部材の止着作業を行ない易くするこ
とができる。またその止着構造の重量が増えるのを回避
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成を概略的に示す平面図である。
【図2】実施例の構成を概略的に示す断面図である。
【図3】実施例の要部構成を拡大して概略的に示す断面
図である。
【図4】実施例の要部構成を拡大して概略的に示す断面
図である。
【図5】実施例の構成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
10:運搬装置 12:台車 14:第一の骨組部材 16:第二の骨組部材 18:第一の軌道 20:第二の軌道 22:台枠 24:第一の車輪部 26:第二の車輪部 24a:第一の案内部 26a:第二の案内部 28:スライドレール 30:ガイドブロック 34:傾斜荷重受け 34a:荷重受け基部 34b:荷重受けころ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台枠と、台枠幅方向に離間させて前記台
    枠の下側に設けられた第一及び第二の車輪部とを備え、 前記第一の車輪部は当該車輪部に対応した第一の軌道に
    係合される第一の案内部を有し、 前記第二の車輪部は当該車輪部に対応した第二の軌道に
    係合される第二の案内部を有し、 さらに前記第一及び第二の軌道の少なくとも一方の軌道
    据え付け部に対し設けられた傾斜荷重受けを備え、 該傾斜荷重受けは、前記軌道据え付け部と対向させるよ
    うに台枠の下側へ突設された荷重受け基部と、該荷重受
    け基部の突出端部に設けられ軌道据え付け部に支持させ
    る荷重受けころとを備えて成ることを特徴とする台車。
  2. 【請求項2】 膜構造物構築用膜状部材の一方及び他方
    の側部が止着される第一及び第二の骨組部材上に据え付
    けられた第一及び第二の軌道と、該第一及び第二の軌道
    に案内され第一及び第二の骨組部材上を走行する請求項
    1記載の台車とを備え、 前記第一及び第二の骨組部材の少なくとも一方に対し傾
    斜荷重受けを設けて成ることを特徴とする運搬装置。
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JPH08165793A (ja) 1996-06-25

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