JP2587151Y2 - アウトサート成形装置 - Google Patents

アウトサート成形装置

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JP2587151Y2
JP2587151Y2 JP1993051779U JP5177993U JP2587151Y2 JP 2587151 Y2 JP2587151 Y2 JP 2587151Y2 JP 1993051779 U JP1993051779 U JP 1993051779U JP 5177993 U JP5177993 U JP 5177993U JP 2587151 Y2 JP2587151 Y2 JP 2587151Y2
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JP
Japan
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gear
fixed shaft
cavity
outsert
rotating body
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JP1993051779U
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JPH0721317U (ja
Inventor
利夫 中村
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アイワ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、テープレコーダの回
転駆動装置に設けられた固定軸と中間アイドラーなどを
シャーシに組み立てるようなときに適用して好適なアウ
トサート成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】テープレコーダの供給側リールや巻き取
り側リールに所定の回転力を与える回転駆動装置10と
して図6に示すように構成されたものが知られている。
【0003】同図は早送りモード時の回転伝達系を示す
ものであって、モータ11の回転力はフライホイール1
2を介して供給側リールの回転軸14あるいは巻き取り
側リールの回転軸15に伝達される。そのため、フライ
ホイール12からベルト16を介してギヤ付きプーリ1
7に伝達された回転力はさらに動作モードによって転
接、離間する段付きギヤ18を介してこの例では巻き取
り側リール軸15に与えられる。
【0004】回転力を供給側リール軸14に伝達して巻
き戻しモードとするためには、段つきギヤ18の他にさ
らにその間に回転方向を反転するための中間アイドラー
(ギヤ構成)20が介在される。したがって供給側リー
ル軸14を回転させるときは図7のような伝達系とな
る。
【0005】中間アイドラー20はその固定軸24がシ
ャーシ22に固定されているが、他の固定軸や固定ピン
(図示はしない)と同様にこれらの固定軸をシャーシ2
2に固定する手段として最近ではアウトサートによる成
形技術が利用されている。
【0006】アウトサート成形とは固定軸を樹脂で成形
するとき、その成形装置内にシャーシを臨ませ、シャー
シを入れたまま固定軸を成形する技術である。図8Aに
その一例を示す。
【0007】図8Aはシャーシ22に固定軸24をアウ
トサートした状態を示す。固定軸24をアウトサートし
たあとでこの固定軸24に同図Bのように中間アイドラ
ー20が挿通され、その後同図Cのようにワッシャなど
の止め具26を取り付けて中間アイドラー20の組立が
完成する。他の部材に関しても同様な組立が行なわれて
いる。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】そのため、アウトサー
ト技術を導入したことによって組立工数の削減、コスト
ダウンなどが図れるが、上述したような場合にはアウト
サートされた固定軸にさらに別の部品を組み立てる必要
があるためまだ改善の余地が残っている。
【0009】この場合、固定軸に対して挿通される回転
体として、固定軸に対する多少のガタが許容されるもの
であれば、固定軸と回転体とを同じ成形技術を用いて成
形することによって、複数の部材成形と組立とを一挙に
行なうことができることになる。そうすれば、装置全体
としては大幅な組立工数の削減となり、このことは低コ
スト化にも寄与することになる。
【0010】そこで、この考案はこのような従来の課題
を解決したものであって、組立工数をさらに削減できる
ようにすると共に、しかも同時成形された回転体の回転
摩擦も軽減できるアウトサート成形装置を提案するもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、この考案においては、シャーシに固定された固定軸
と、この固定軸に取り付けられる回転体とを同時にアウ
トサートするようにしたアウトサート成形装置であっ
て、この成形装置は一対の金型で構成され、一方の金型
には上記固定軸成形用のキャビティーと回転体成形用の
キャビティーとが設けられ、回転体成形用キャビティー
には上記回転体を環状の中空胴体として成形するための
筒状部が形成されると共に、上記筒状部の先端部には傾
斜面が形成されて上記回転体の中空底部が偏肉するよう
に設定されたことを特徴とするものである。
【0012】
【作用】図1に示すような上下の金型32,34を使用
し、上金型32には固定軸24を成形するためのキャビ
ティー40の他に、中間アイドラーであるギヤ20を成
形するキャビティー44が形成されているので、図2の
ように上下の金型32,34を合わせてから図3のよう
に樹脂55を注入すれば、図4のようにアウトサートさ
れた固定軸24と、これに挿通されたギヤ20を同時に
成形できる。
【0013】ギヤ用キャビティー44には筒状部60が
形成され、しかも筒状部60の先端には図1,図2に示
すような傾斜面60bが形成されているため、成形され
たギヤ20は図4のように中空胴体であり、しかも中空
底部は外側(歯部21側)に向かって偏肉しているの
で、ギヤ用キャビティー44に注入された溶融樹脂が成
形温度に至る間に、樹脂が収縮して歯部21側が僅かに
反り返るようになる。これで、図4のように歯部21側
がシャーシより僅かに浮き上がり、ギヤ20の回転をス
ムーズにしている。
【0014】
【実施例】続いて、この考案に係るアウトサート成形装
置の一例を図面を参照して詳細に説明する。
【0015】本例では固定軸と、この固定軸に対する回
転体のガタがある程度まで許容できるものとして、図6
に例示した中間アイドラーであるギヤ20と固定軸24
との関係を例示する。これは、固定軸24とギヤ20の
挿通孔との間に多少の隙間があったとしても、段付きギ
ヤ18から回転力が伝達されることによってギヤ20が
一方向に偏倚されるため、段付きギヤ18から回転力が
ギヤ20に伝達されている限りにおいては、そのガタが
吸収されることになるからである。
【0016】図1はこの考案に係るアウトサート成形装
置30の具体例を示す。アウトサート成形装置30は上
下の金型32,34を有し、シャーシ22を差し込んだ
状態で樹脂の注入が行なわれる(図3参照)。シャーシ
22には固定軸24を固定するための軸孔36が形成さ
れる。
【0017】上金型32には固定軸24を成形するため
の軸用キャビティー40が設けられる。固定軸であるた
め軸用キャビティー40はその内部は真円である。軸用
キャビティー40の中心軸上にはワッシャーの係止部と
なるキャビティー43が設けられる。
【0018】軸用キャビティー40の外側にはギヤ20
の内径となる隔壁板42を介してギヤ20を成形するた
めのギヤ用キャビティー44が設けられる。隔壁板42
の先端42aは上金型32の下端面より僅かに短く形成
され、後述するようにシャーシ22に衝合したとき僅か
な隙間(スリット)(例えば、0.1〜0.2mm程
度)が形成されるようになっている。このスリットは樹
脂注入用のランナー70として機能する。この例では3
個のランナー70a〜70cがほぼ等間隔に形成されて
いる(図5参照)。断面正方形状のランナー70は1個
でもよい。断面形状は長方形状でもよい。
【0019】隔壁板42の外径(ギヤ20の回転中心孔
つまりギヤの内径を指す)は図5に示すように固定軸2
4の外径よりも僅かに大きな中心孔(真円)20aであ
る。長孔構成であってもよい。
【0020】ギヤ用であるためそのキャビティー44の
外周面はギヤ20の歯部21に合わせた形状となってい
る。46は歯部形成用のキャビティーである。このキャ
ビティー46は本来キャビティー44の一部をなすもの
であるから、本例では説明の都合上便宜的に示したに過
ぎない。ワッシャー係止部用キャビティー43も同様で
ある。
【0021】ギヤ用キャビティー44の中央部にはギヤ
を中空肉厚形状に成形するための筒状部60が設けられ
る。この筒状部60は図4に示すような形状にギヤ20
を成形するためのものであるから、筒状先端60aは上
金型32の下端面32aより所定長だけ短くなるように
その長さが選定されると共に、その先端60aは外側に
向かって傾斜するように形成されている。この傾斜面6
0bは後述するようにギヤ20の中空底部の厚みを外側
(歯部21側)に行くにしたがって薄くなるように偏肉
させるためのものである。
【0022】下金型34にはシャーシ22の軸孔36と
対向する位置に主ランナー溝52aが形成され、そして
下金型34の上端面35には軸固定用のランナー溝53
aが形成される。
【0023】さて、このように構成されたアウトサート
成形装置30を実際に使用するにあたっては、図2に示
すように中央にシャーシ22を置き、これを上下から金
型32,34で衝合して挟持する。そうすると、図のよ
うなランナー52,53,70が形成される。
【0024】この状態で主ランナー52から溶融樹脂5
5の注入が行なわれる。図3のように樹脂55は軸用ラ
ンナー53を介してその下側から軸用キャビティー40
内に注入され、また軸用キャビティー40に流し込まれ
た樹脂はスリット状ランナー70を通してギヤ用キャビ
ティー44内にも注入される。
【0025】上下の金型32,34を外すと図4および
図5のようになる。隔壁板42の存在で固定軸24とギ
ヤ20とはスリット状ランナー70を除いて完全に分離
されている。この状態で図4のようにワッシャー26を
固定軸24に係止する。
【0026】図4の状態ではスリット状ランナー70に
注入された樹脂によって固定軸24とギヤ20とが連結
されたままとなっているが、スリット状ランナー70は
上述したように非常に細いので、ギヤ20を強く回転さ
せると、スリット状ランナー70内の樹脂が切断されて
ギヤ20と固定軸24とが完全に分離される。これで始
めて固定軸24に挿通されたギヤ20の回転がフリーに
なって、シャーシ22上に固定軸24とギヤ20とが同
時に組立られたことになる。
【0027】このように固定軸24をアウトサート成形
すると同時にギヤ20も成形でき、しかもこれを固定軸
24に挿通した状態で成形できるのでシャーシ22上へ
のギヤ組立工数を削減できる。これによって、ギヤ組立
時間が短縮され製造コストも下げることができる。
【0028】成形されたギヤ20は中空ギヤで、しかも
その中空底部は外側に向かって薄くなるような偏肉構成
であるため、注入樹脂が常温(成形温度)まで冷却され
ると、その過程で樹脂の収縮が起こり、その結果図4の
ようにギヤ20の歯部21側底面が反り返る。歯部側底
面の反りによってギヤ底面の一部がシャーシ22から僅
かに浮き上がる。この浮き上がりによってギヤ回転時の
摩擦係数を大幅に軽減できる。
【0029】ここで、スリット状ランナー70内の樹脂
を強制的に切断することによって、固定軸24の外周面
の一部あるいはギヤ20の内径部の一部に樹脂切断片が
残るが、スリット状ランナー70そのものが非常に小さ
いので、この樹脂切断片によってギヤ20の回転が支障
を来すようなことはない。
【0030】実施例では固定軸と、この固定軸に対する
回転体のガタがある程度まで許容できるものとして、図
6に例示した中間アイドラーであるギヤ20と固定軸2
4との関係を例示したがこれはあくまで一例に過ぎず、
他の回転駆動系にもこの考案を適用できる。
【0031】
【考案の効果】以上のように、この考案に係るアウトサ
ート成形装置では固定軸とこれを中心に回転する回転体
を組立てたのと同じ状態で同時成形できるので、固定軸
とギヤとの組立工数が削減され、それに伴い組立時間の
短縮、コストダウンを図れるなどの効果を奏する。
【0032】さらに、この考案では回転体として中空胴
体状に成形すると共に、中空底部が偏肉しているので、
樹脂収縮時の僅かな反りによってシャーシからギヤの底
部が僅かに浮くため、回転摩擦係数が少なくなり回転が
スムーズとなる効果を有する。したがって、この考案は
テープレコーダなどの回転駆動装置に適用して極めて好
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係るアウトサート成形装置の一例を
示す断面図である。
【図2】アウトサート成形装置の樹脂注入直前の状態を
示す断面図である。
【図3】アウトサート成形装置の樹脂注入直後の状態を
示す断面図である。
【図4】アウトサート成形された状態を示す断面図であ
る。
【図5】その平面図である。
【図6】回転駆動装置のテープ早送りモードを示す平面
図である。
【図7】回転駆動装置のテープ巻き戻しモードを示す平
面図である。
【図8】アウトサート成形の説明図である。
【符号の説明】
10 回転駆動装置 20 中間アイドラー(ギヤ) 21 歯部 22 シャーシ 24 固定軸 32,34 金型 40 軸用キャビティー 44 ギヤ用キャビティー 60 筒状部 60b 傾斜面

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャーシに固定された固定軸と、この固
    定軸に取り付けられる回転体とを同時にアウトサートす
    るようにしたアウトサート成形装置であって、 この成形装置は一対の金型で構成され、一方の金型には
    上記固定軸成形用のキャビティーと回転体成形用のキャ
    ビティーとが設けられ、 回転体成形キャビティーには上記回転体を環状の中空胴
    体として成形するための筒状部が形成されると共に、 上記筒状部の先端部には傾斜面が形成されて上記回転体
    の中空底部が偏肉するように設定されたことを特徴とす
    るアウトサート成形装置。
JP1993051779U 1993-09-24 1993-09-24 アウトサート成形装置 Expired - Lifetime JP2587151Y2 (ja)

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JPH0721317U JPH0721317U (ja) 1995-04-18
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